勤医協中央病院
2020.03.31 記事
勤医協中央病院の5階西棟が総合診療科病棟となっています。ここで勤務する本間香織看護師長は、日々、さまざまな患者さんと接する中で、総合診療医・総合診療科のメリットや必要性を実感することが多いといいます。
本間看護師長は、6年前に総合診療科に配属される前は、札幌市西区の勤医協札幌西区病院に勤務していました。当時は、総合診療・総合診療医という概念は知っていましたが、従来の診療科や医師との具体的な違いはわからなかったといいます。●●科というくくりのない病棟勤務は初めてで、医師や研修医の人数の多さに驚いたのが、最初の印象だそうです。
患者さんについて気軽に話し合える
普段からのコミュニケーションを重視
総合診療科で対応する患者さんは、細かな状況がわからない、病状もはっきりしない、病名もわからないというケースが少なくありません。そのため、患者をいろいろ知るためのコミュニケーション能力や、身体をしっかりと診るスキルが医療スタッフには求められます。
さまざまな職種のスタッフが1人の患者さんを中心として関わっていく中で、スタッフ同士のコミュニケーションも重要になります。
「当院の総合診療医は、いつでも、どんなことでも話しかけ、聞くことができるので、働きやすい環境です」。
こうした雰囲気作りは、医師とコメディカルだけではなく、コメディカル同士のコミュニケーションの促進、そして連携にもつながっています。
「とくにカンファレンスでは、参加している全てのスタッフがちゃんと意見や質問ができるよう、総合診療医がファシリテートしてくれるので、毎回、充実したカンファレンスとなっています」。
また、総合診療の研修医は、これまで見てきた研修医と比較して、基礎ができているところを実感させられるといい、幅広い視野で患者さんを診る姿勢は、看護でも役立つそうです。
患者さん中心の医療を通して
スタッフみんなが学べる環境
総合診療医とともに患者さんと接していく中で、症状や病気だけでなく、仕事、家族構成、人生など、患者さんのあらゆる面を多角的にみていることに驚かされるといいます。
そして、普段からさまざまな職種のスタッフと患者さんについて情報交換しており、「患者さんや患者さんの背景としっかり向き合い、自分たちに何ができるのか、いつも自問自答しながら医療を行う総合診療医の姿が印象的であり、看護師としても見習わなければならないといつも感じています」。
本間看護師長は、総合診療科の病棟はスキルを試される場であるだけでなく、さまざまな経験を通して、医療者として学ぶことの多い職場でもあり、看護師だけでなく、他の職種にとっても教育にも役立つ環境であると話します。