道では、高齢者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援することや、要介護状態等となることの予防、要介護状態等の軽減又は悪化を防止するため、地域の実態や状況に応じて、介護予防に資する通いの場の充実をはじめ、高齢者の社会参加や生きがいづくりを推進しています。
介護予防・重度化防止の推進
高齢者がその有する能力に応じ自立した生活を営むためには、要介護状態等の予防が重要です。
介護予防を進めるに当たっては、高齢者の心身の状態が自立、フレイル※、要支援、要介護、またその状態が可変であるというように、連続的に捉えて支援するという考え方に立って行う必要があります。
※「フレイル」とは、「要介護状態に至る前段階として位置づけられるが、身体的脆弱性のみならず精神心理的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味する。」と日本老年医学会により定義されています。
高齢者の通いの場ICT活用推進モデル事業
感染症や積雪等の自然条件の影響により、「通いの場」で介護予防を目的に活動していた高齢者がその利用を控えるなど、在宅で過ごす時間が長くなることにより、運動や会話の機会が減少し、体力や認知機能の低下が懸念されています。
このことから、道では、「通いの場」の利用を控えている高齢者等を対象に、ICTを活用した健康確認や運動、交流の機会を設け、従来の「通いの場」でつながっていたコミュニティの維持と孤立を防ぐ、感染症や冬季等の自然条件に左右されない多様な支援モデルを構築する事業を令和3年度に実施しました。
アクティブシニア活躍支援事業
要介護者の予防に当たっては、機能回復訓練だけではなく、生活機能全体を向上させ、活動的で生きがいを持てる地域づくりを進めることが重要です。
高齢者が住み慣れた自宅や地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、移送・外出支援や買い物支援など、地域の実情に応じたサービスの提供に向けて、地域で支え合う仕組みづくりを進めていく必要があります。
道では、アクティブシニア等を対象に地域づくりの意義等の共有や介護分野での就労や生活支援の担い手など、多様な社会活動を紹介するセミナー等を開催しています。
生活支援コーディネーター等養成研修事業
高齢者が住み慣れた自宅や地域で自分らしく生活するためには、公的なサービスだけではなく、地域の自助、公助を基本とした生活支援・介護予防サービスの充実が必要です。
多様な生活支援・介護予防サービスを整備していくためには、市町村が中心となって、生活支援コーディネーターや協議体による地域のニーズや資源の把握、関係者のネットワーク化、サービス等の担い手の要請等を通じ、事業主体の支援や協働体制の充実・強化を図ることが重要です。
道では、新たに市町村に配置される生活支援コーディネーター等を対象に、基礎知識の習得を目的とした研修を行うほか、既に活動している生活支援コーディネーター等を対象に、スキルアップを目的とした研修を実施しています。