イクメンマスター|イクメンマスターへの道
育児を極めたイクメン、つまり「イクメンマスター」とも言えるイクメンの先輩をご紹介します。 厚生労働省「イクメンプロジェクト」の第15回「イクメンの星」に選定された函館在住の今田尚輝さんです。 今田さんに、育児休業取得による仕事と育児の両立などについてお話を伺いました。 育児休暇の取得をしたり、ママと協力し合いながら、あなたらしいイクメンマスターを目指してくださいね
7歳の女の子と5歳の男の子を持つ2児のパパ。
厚生労働省「イクメンプロジェクト」第15回「イクメンの星」に選定されており、「趣味は育児。目指すは イクメン」と語る正真正銘のイクメンです。 仕事と育児を両立し、楽しみながら育児をされていらっしゃいます。
厚生労働省「イクメンプロジェクト」「イクメンの星」とは
「イクメンプロジェクト」は、育児にもっと関わりたいという男性を社会全体で応援するという厚生労働省のプロジェクトです。 「イクメンプロジェクト」に育休・育児体験を投稿したイクメンの中で、特に熱い投稿をした方が「イクメンの星」に選定されます。
私は、今でこそイクメンの星に選ばれるほどのイクメンでございますが、子供が産まれる前 は、自分がイクメンになるなんて夢にも思っておりませんでした。 もともと子供が苦手で、こんな自分が、父親になんかなれるのだろうかと不安でした。
ところが、いざ娘が産まれてみて、妻と一緒に育児をしているうちに、今までに感じたことのないような、温かい気持ちが湧き上がってくるようになったんですね。 これは母性本能ならぬ、父性本能なのだと思いました。なので、ごく自然に、本能のままにイクメンになっていったわけなんですけれど、 その中でも、やはり育児をするのが楽しいと感じたことが大きかったと思います。
それまで好きだった映画や音楽やスポーツやゲームなどが、もうすべてつまらなく感じてしまうほどに、育児ってワクワクドキドキで楽しいんですよ。そのことに気が付いたことが、イクメンになるきっかけでしたね。
育児休業を取得したときは、男性での育児休業は珍しかったので、やはり驚かれました。
大変だったのは、育児休業からの復帰後なんですが、復帰直後の人事異動で、とてもハードな部署に異動になってしまい、 この時点で人事課からは良く思われていないのだなと実感しました。
異動先では、男性の育児に理解のある人は少なかったので、嫌味を言ってくる同僚もいましたし、上司とも何度か衝突しました。 それでも、多少のことではへこたれずに、俺は仕事も家庭も大事にするんだと。そうアピールし続けているうちにですね、職場の女性たちから支持を得まして、 徐々に職場の空気が変化していきました。すると少しずつ男性の味方も増えてきて、理解を得られるようになっていきましたね。
職場の女性から、「うちの旦那に見習わせたい」ですとか、「私、今田さんみたいなお父さんがほしかったなー」なんて言ってもらったときは、じーんときました。
イクメンになって良かったことは、何より、育児・子育てという最高に楽しくてドラマティックな趣味を持つことができたことです。そして自分自身が大きく成長し、自信を持って強く生きられるようになったことです。 人間としての幅が広がり、視野が広がり、人脈も広がりました。そして今、子供たちが元気で、とても優しく、素直な子供に育ってくれていること。たくさんの笑顔と笑い声で、家の中が包まれていて、それを幸せだと感じることができること。 これがイクメンになって一番良かったことだと思っています。
まずは、両立のために役立つ支援制度や機関について、もうフル活用するつもりで調べてみることです。 介護育児休業法に定められている、時短勤務や子の看護休暇、時間外労働の制限などのほかに、保育園の延長保育やファミリーサポートセンターといったサービスなど、 活用できるものは活用するつもりで準備しておくことが必要です。
それから、職場での理解についてです。これは多分、一筋縄ではいかないと思いますが、あきらめずにアピールし続けることです。 一度や二度嫌味を言われたくらいではへこたれないこと。そして根気よく、俺は仕事も家庭も大事なんだということを主張し続けるうちに、 徐々に理解してもらえるようになっていくはずです。
ただし、その代わり、権利を主張するだけでなく、常に感謝の気持ちを忘れないことというのも大切です。 やはり上司や同僚の協力なしには難しい面もありますので、そこは感謝の気持ちを持って、気持ちよくサポートし合えるような関係を築く努力も必要です。
まずプレパパには、育児に不安を抱いていると思いますが、恐がらないで飛び込んで来てほしい。 不安は必ず喜びに変わります。正直自分も、子供ができるまでは、不安で一杯でしたが、子供ができると、 逆に、どうしてもっと早くに子供を作らなかったんだろうと思うほどでした。早いほうがいいです。
新米パパには、育児を楽しんでほしいということですね。他の趣味なんか置いといて、今しかできない育児を楽しんでください。 そして自分が子供のとき、どんな父親が欲しかったのか、思い出してみてください。絶対に、仕事ばかりで家にいない父親ではないはずです。 そして、今現在子供がおひとりいらっしゃる方には、ぜひ二人目の検討をお願いしたい。二人いると、喜びも二倍。兄弟がいたほうが、 思いやりの心や、競争心を養うこともできます。
ひとりでも大変なのに、と思うかもしれませんが、予想以上に、どうにかなります。
コツは、仕事も育児も、どちらも完璧にやろうとはしないことです。 100点満点を目指さずに、80点で合格とする。多少できないことがあったとしても、無理をせず、心に余裕を持つこと。 そのうえで、仕事にも育児にも臨んでもらいたいと思います。
最後に、うちの息子と娘ですが、健康で、素直で、優しく、まっすぐに育ってくれています。
植物で言うと、元気に育つために必要なのは、水と土と栄養。それだけでは足りません。必要なのは、日差し。 その日差しこそが親の愛情なのだと思います。十分に日差しを注いで育てれば、必ず健やかに育ちます。そんな子育てが自然にできるような社会にしていくために、 皆様の理解が少しでも進めば幸いです。