母親教室、父親教室、ワーキングマタニティー教室など
多くの自治体では、妊娠中の生活や体の変化のほか、出産の準備、赤ちゃんのお風呂の入れ方など育児について学ぶ「母親教室」を行っています。出産に関する心構えができるだけでなく、近い時期に出産を控えた仲間作りができる場でもありますので、ぜひ参加してみましょう。また夜間や土曜日を利用して父親も参加できる「父親教室」「両親教室」があったり、働きながらの出産を目指す人のための「ワーキングマタニティ教室」があることも。各市町村の担当窓口(保健課、福祉課、子育て課など)に問い合わせてみましょう。母子手帳交付時に提出した妊娠届出書の情報から、案内を送る自治体もあります。通常は無料か、テキスト第等実費程度で参加できます。
働くママ&パパのお役立ち制度
働きながら出産、育児を目指すママが多くなっています。法律で保障されたさまざまな制度がありますので、利用しましょう。
なお、事業主が妊娠・出産・産休取得等を理由に解雇したり、不利益な扱いをすることは禁止されています。
困った時は北海道労働局雇用環境・均等部指導課(電話011-709-2715)にご相談ください。
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出産準備
妊娠8か月頃から少しずつ出産の準備をはじめましょう。なお、里帰り出産をする人は、主治医・受け入れ先の病院・助産所とも相談の上、32~34週目頃を目安に転院します。
●入院時の持ち物
入院に必要なものは、病院・助産所によって異なります。用意してもらえるもの、自分で用意するものを確かめて、必要な持ち物をそろえ、カバンに詰めておきましょう。
●入院までの交通手段など
いざという時にあわてないよう、さまざまなケースを想定して計画をたててください。入院先(通常・夜間)、パパの職場、実家、タクシー会社などの電話番号を一覧表にして見やすいところに貼っておくとよいでしょう。また病院の夜間入り口や時間外受付の方法なども調べておくと安心です。なお、通常の出産での入院に救急車は呼べません。
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●さい帯血提供のお願い(北海道赤十字血液センター/日本赤十字社)
●さい帯血バンクについて(北海道赤十字血液センター/日本赤十字社)
ベビー用品の準備
ベビー用品の準備は最低限にして、産後、必要になってから買い足すようにしておくと失敗がありません。先輩ママの話を聞いて参考にする場合には「季節の違い」に要注意。使う時期が限られるため、ベビーベッドやベビーカーなどの大物はお下がりやリサイクルショップ、レンタルなどの利用を検討してみてもよいでしょう。
出産
いよいよ迎える出産。個人差はありますが、経膣出産の場合には一般的にこのように進行します。
兆候
出産が近づくと、子宮が収縮しやすくなったり、胎児の位置が下がるため、下腹部の張り、胃の圧迫感がなくなる、頻尿、腿の付け根の張り、おりものの増加、胎動の減少などの兆候が現れます。
入院のタイミング
いよいよ本格的にお産が始まる前には「陣痛開始」「おしるし(血の混じったおりもの)」「破水」が見られます(ない場合もあります。)。病院に連絡し、入院の相談をしてください。
陣痛
最初は20分~30分くらいの間隔で10~20秒程度の痛みだったのが、次第に間隔が短くなり、痛い時間が長くなっていきます。10分間隔程度の規則的な痛みになった時が「陣痛開始」です。陣痛の合間はリラックスして過ごしましょう。必ずしもベッドに横になっている必要はなく、自分が楽な姿勢がベストです。
分娩
子宮口が全開になると、分娩台でいきみに入ります。上手にいきめず混乱する人もいますが、時間的には比較的短く、初めての出産でも2~3時間程度です。あごを引き、医師や助産師のアドバイスを聞きながら落ち着いていきみましょう。赤ちゃんの頭が出ると、医師・助産師からいきみをやめるよう指示があります。指示に従って、浅く速い呼吸に切り替えましょう。
後産
赤ちゃんが外に出ると、医師・助産師が赤ちゃんの口や鼻にたまった羊水を吸い取ったり体を拭いたりします。その間に子宮が収縮そて中に残っていた胎盤を押しだし、後産期陣痛という軽い痛みを覚えることがあります。
新生児のお世話と産後の体調
病院にもよりますが、出産当日、赤ちゃんは新生児室で経過を見て、ママも疲労を回復するために休養を取るケースが多いようです。母子同室の病院では、出産後2~3日目からママと赤ちゃんが同室で過ごし、助産師の指導を受けながら授乳、オムツ交換、沐浴などのお世話をするようになります。体調が悪いとき、夜眠れなくて辛いときなどは、遠慮をせずにスタッフに相談し、赤ちゃんを新生児室に引き取ってもらって体力回復に努めましょう。
なお、出産後のママは子宮・悪露の状態、体温、脈拍、排便数などをチェックされ、必要な処置を受けます。シャワーの許可は、出産の翌日からという病院が多いようです。母乳マッサージや産褥体操もスタートします。会陰切開の抜糸も入院中に行いますが、抜糸の必要がない溶ける糸を使用する場合もあります。
退院後、家に帰ってからの家事はできる限り家族や周りの人に手伝ってもらい、ママは赤ちゃんのお世話に集中したいもの。退院後3週間くらいたったら無理をしない程度に少しずつ家事を始め、4週目くらいから元の生活に戻れるようにしていくとよいでしょう。
産後ケア事業
産後ケア事業は、出産後、「自宅へ帰っても手伝ってくれる人がいなくて不安」「育児の仕方に自信がない」「お産や育児の疲れで体調がよくない」「乳房トラブルがある」など、産後ケアを必要とするお母さんと赤ちゃんが利用できる事業です。
サービスの種類としては、医療機関や助産院等(以下、支援施設とする。)に宿泊する短期入所(ショートステイ)型、支援施設に日帰りで通所する通所(デイサービス)型、助産師等が利用者の自宅に訪問する居宅訪問(アウトリーチ)型の3種類があります。
産後ケア事業の内容や利用料(利用者負担の免除を実施している市町村もあります)等については、実施市町村によって異なります。また、利用予約なども必要になりますので、実施市町村の担当窓口へお問い合わせください。
新生児健診
出産後、退院までのおおむね生後1週間以内に赤ちゃんが受ける検診です。心音や呼吸音などの先天性異常、反射、姿勢、ミルクの飲み具合、新生児黄疸のチェックなどを行います。
出産後の手続き
出産後は、さまざまな手続きが必要です。期限が決まっているものもありますが、事前に準備をしておけばあわてなくてすみます。
出生届
生まれた日から14日以内に、各市町村の担当窓口(戸籍課など)へ。役場以外に出張所でも受け付けてくれる自治体もあります。印鑑、母子手帳、出生証明書が必要です。母子手帳に「出産連絡票」がついている場合には、こちらも規定の方法で提出してください。
健康保険の手続き
国民健康保険の場合は、生まれた日から14日以内に各市町村の担当窓口(保険課、保険年金課など)へ。家族の健康保険証、母子健康手帳、納付通知書、世帯主の預金口座番号の分かるもの、印鑑が必要です。その他の保険の場合は、勤務先・社会保険事務所・健康保険組合に問い合わせてください。
その他
子どもの医療費助成や児童手当など、市町村ごとにさまざまな子育て支援の制度があります。それぞれ内容や申請方法が異なりますので、市町村の担当窓口(保健課、福祉課、子育て課など)にお問い合わせください。母子手帳に詳しく記載されている場合もあります。
一ヶ月検診
出産後1ヶ月たつと、赤ちゃんの成長をみる「一ヶ月検診」とママの体の回復をみる「産後一ヶ月検診が行われます。通常は出産した病院で、2つの検診を同じ日に行う場合が多いようです。問診でママと赤ちゃんの生活リズムを確認するほか、赤ちゃんについては全身状態、黄疸、心臓の動き、大泉門の開き具合、股関節脱臼、斜視、ヘルニアなどの確認を行います。
乳児訪問
保健センターや保健所の保健師が乳児のいる家庭を訪問し、個別に子育ての不安や悩みを聞き、必要な情報提供をしてくれるサービスです。赤ちゃんの体重測定、授乳や発育・発達などの育児相談、ママの体や産後の生活などの相談を行います。厚生労働省の「乳児家庭全戸訪問事業ガイドライン」では、原則として生後4ヶ月までのすべての乳児のいる家庭が対象となっています。
関連情報リンク
・厚生労働省乳児家庭前項訪問事業ガイドライン(厚生労働省HPへ)
定期予防接種
予防接種とは、病原体の毒を弱めたり、なくした「ワクチン」を体に取り入れるkとおで、病気への免疫をつけるもの。赤ちゃん時代に受けることが推奨されている予防接種は「ポリオ」、「麻疹」、「風疹」、「BCG」、「百日咳」、「ジフテリア」、「破傷風」など、さまざまな種類があります。定期接種では、それぞれに摂取時期が決まっていて、スケジュールを立てるのも簡単ではありません。
予防接種スケジュール表(公益財団法人母子衛生研究会HPへ)を参考に、かかりつけ医や保健センター、保健所などで相談してみるとよいでしょう。
関連情報リンク
公益財団法人母子保健衛生研究会「赤ちゃん&子育て研究会インフォ/予防接種と感染症」