出産後の赤ちゃんの検査

先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング)

道内の医療機関等で産まれた赤ちゃんを対象に「先天性代謝異常等検査(新生児マス・スクリーニング)」を行っています。
この検査により放置するとやがて障がい等の原因となる生まれつきの病気(先天性代謝異常等)を早期に発見し、治療することで発症を防いだり、重い症状がでないように注意して日常生活を送ったりすることができます。
北海道では、一般財団法人北海道薬剤師会公衆衛生検査センターに検査を委託し、26の疾患を対象に公費負担(検査料無料)で検査を実施しております。
検査の申し込みは、出産後に出産した医療機関等で行うこととなりますので、出産前に準備する必要はありません。

詳しくは下記パンフレット(PDF)等をご覧ください。

「新生児マススクリーニングに関する実証事業」の実施について

北海道は、国(こども家庭庁)が実施する「新生児マススクリーニングに関する実証事業」に参加し、令和7年(2025年)9月1日から本事業を開始しました。
令和7年(2025年)9月1日以降に道内の医療機関で出生したすべてのお子さまを対象に、重症複合免疫不全症(SCID)及び脊髄性筋萎縮症(SMA)の2疾患について、公費負担(検査料無料)で検査を実施します。

 【対象疾患】
 ・重症複合免疫不全症(SCID)
  免疫細胞の機能不全により免疫力が低下市、出生直後から重篤な感染症を繰り返す疾患で、
  5万人あたり1人の割合で生まれるとされています。
  詳しくはこちら(外部サイトにリンクします。)

 ・脊髄性筋萎縮症(SMA)
  脊髄の運動神経細胞の異常のため、筋力低下、歩行障害や呼吸障害をきたす遺伝子疾患で、
  2万人あたり1人の割合で生まれるとされています。
  詳しくはこちら(外部サイトにリンクします。)

 
詳しくは下記パンフレット等をご覧ください。
(パンフレットについては「実証事業」の部分のみが該当となります。)

こども家庭庁の研究班への報告と個人情報

対象の2疾患について、新生児マススクリーニング検査の有効性を検証するため、個人が特定されないデータがこども家庭科学研究但馬班に報告されます。この実証事業で得られた情報は、当該目的以外で使用することはありません。

新生児聴覚検査

赤ちゃんの聴覚に異常がないかを早期に発見するための検査です。

生まれつき、耳の聞こえに異常があるお子さんは、1,000人に1~2人と言われています。

この検査により、聴覚の異常を早期に発見し早期に療育を受けることで、言葉の発達への大きな効果が期待できます。

聞こえの障がいは目に見えず発見が遅れがちですが、早期に発見するためのも、新生児聴覚検査を受けることをお勧めします。

※お住まいの市町村によっては、新生児聴覚検査費用の一部又は全額を公費負担しています。

 *受診票(様式第1号)は、各市町村より交付されます。

Q&A

新生児聴覚検査はどのような検査ですか?

出産した医療機関において、出生後2日~退院前に行われます。

赤ちゃんが眠っている間にヘッドホンのような機械を当てて、その反応を記録する方法で、5分程度で実施でき、痛みはまったくありません。

検査結果は、「パス」「リファー(要再検査)」のいずれかで、入院中にお知らせします。

検査を受けた方がよいですか?

耳の聞こえに障がいがあるかどうかは、外見ではわかりにくく、赤ちゃんの様子だけからは判断することが困難です。

そのため、早期に障がいを発見するために、検査を受けることをお勧めします。

検査には健康保険が適用されますか?

新生児聴覚検査は健康保険が適用されないので、自費診療となります。

費用は検査機器等によって異なり3,000円~8,000円程度が中心ですが、詳しくは医療機関にお問い合わせください。

また、市町村において、検査費用の一部又は全額を公費負担しています。

検査の結果が「パス」だったときは?

現時点では、聞こえに問題はありませんが、今後の成長過程で、中耳炎やおたふく風邪などによる難聴や、進行性・遅発性難聴が生じる可能性がありますから、退院後も1歳6ヶ月検診、3歳児検診などで耳の聞こえはどうか、言葉の増え方は順調かなどの確認をしていくことが大切です。

心配なときは、お住まいの市町村のこども家庭センター等にご相談ください。

検査の結果が「リファー(要再検査)」だったときは?

「リファー(要再検査)」であった場合でも、必ず耳の聞こえが悪いとは限りません。

生まれたばかりの赤ちゃんは、耳の中に液体が残っていたり、脳の発達がまだ十分でなかったりするため、新生児期の聴覚検査にパスしないことがありますが、専門の耳鼻咽喉科(精密検査実施医療機関等)でさらに詳しい聴力検査をうけていただくことが必要です。

また、新生児難聴の主な原因のひとつに、「先天性サイトメガロウイルス感染」があります。抗ウイルス薬治療により、難聴の改善や進行の抑制などの効果が期待できるため、早期診断が大切です。診断するための検査は、生後21日以内の赤ちゃんの尿を用いて行うため、確認検査でリファーだった場合は、精密検査を待たず、なるべく早く実施することが推奨されています。

※参考

胆道閉鎖症スクリーニング検査

胆道閉鎖症とは、生まれつき又は生後まもなく肝臓と腸をつなぐ胆管がつまり、肝臓で作られた胆汁が腸に流れなくなる病気です。

これを放置すると、胆汁が肝臓にたまってその組織を壊し、肝硬変を引き起こします。

症状としては、いくつかの症状が現れてきますが、「便が白っぽくなる」症状が見分けやすく、高い確率で発見することができます。

治療としては、生後60日以内に胆汁が腸に流れるようにするための手術を行うことで、良好な結果が得られます。

この病気は、出生の直前、あるいは出生直後に発症すると考えられていますが、原因は不明です。

発症頻度は、赤ちゃん1万人に一人程度です。

スクリーニング検査について

保護者の方が、母子手帳に綴じ込まれている便色カードを使って、赤ちゃんの便の色をチェックします。

精密検査について

精密検査が必要な場合は、医療機関、市町村、保健所が連携して、お子様と保護者の皆さんをフォローアップしていきます。

医療機関から「市町村への連絡票」を受け取り、市町村の母子保健担当に提出してください。

個人情報の保護について

精密検査が必要となった場合、お子様及び保護者の氏名、住所、連絡先、検査結果等について、市町村に提供していただくことになりますが、ここで知り得た情報は、この疾病に関するお子様と保護者への保健指導や統計資料作成のために使用し、他の目的では一切使用しません。

乳児股関節脱臼検診

乳児股関節脱臼は、3~4か月で脱臼をスクリーニングし、診断治療を開始すれば、多くは問題なく治るとされていることから、予防と早期発見・早期治療が重要です。

股関節脱臼の心配がある時は、市町村保健センターに御相談の上、整形外科を受診してください。

HTLV-1

HTLV-1抗体検査

HTLV-1は、ATL(成人T細胞白血病)やHAM(HTLV-1関連脊髄症)といった疾病を発症する原因となるウイルスです。

北海道では、妊婦の約1000人に1人がHTLV-1ウイルスを持っていると推測されています。

このウイルスは、母乳をとおして赤ちゃんに感染する可能性があり、授乳方法を工夫することで感染する可能性を低くすることができます。

HTLV-1に感染すると、ALTについては、感染から40年以上経過した後に、ごく一部の人に発症すると言われています。(※年間感染者1000人に1人の割合)

妊婦健診でHTLV-1抗体検査が陽性(判定保留)となった場合でも、本当に感染しているか分からないので、必ず精密検査を受けましょう。

北海道HTLV-1母子感染対策協議会

 北海道では、HTLV-1母子感染対策の体制整備を図るため、母子保健医療対策総合支援事業実施要綱に基づき、「北海道HTLV-1母子感染対策協議会」を設置し、感染予防対策や相談支援、普及啓発などの取組について協議しています。

HTLV-1母子感染予防対策研修会

令和7年度HTLV-1母子感染予防対策研修会は、令和8年1~2月頃開催予定です。

母子感染予防対策に携わる医療従事者や行政機関の相談担当者等を対象に研修会をオンライン開催いたします。
講演内容や申込み方法等については、詳細が決まり次第掲載いたします。

HTLV-1母子感染予防対策に関する情報

各種医療費助成制度について

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