お知らせ
【1997年4月2日~2009年4月1日生まれの女性の方へ】
子宮頸がん予防のためのHPVワクチンが公費で接種できるキャッチアップ接種は、2025年3月末で終了します。
高校1年相当(平成20年度生まれ)の女性も、公費による接種期間の最終年度にあたります。
接種は合計3回必要です。
キャッチアップ接種の期間である2025年3月までであれば、合計3回の接種を完了したかを問わず、それまでに行った接種は、公費による接種となります。
ヒトパピローマウイルス感染症とは
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するといわれている一般的なウイルスです。子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。HPV感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。
子宮頸がんは、定期的に検診を受けるなどして早期に発見し手術等の治療を受ければ、多くの場合、命を落とさずに治すことができる病気です。病状が進んだ後で前がん病変(異形成)や子宮頸がんの段階で見つかると手術が必要になる場合が少なくありません。病状によって手術の方法は異なりますが、子宮の一部を切り取ることで、妊娠したときに早産のリスクが高まったり、子宮を失うことで妊娠できなくなったりすることがあります。
HPVワクチンの接種について
HPVワクチンの接種に関して、令和3年11月の厚生労働省の審議会において、最新の知見を踏まえ、あらためてワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことから、各市町村において、対象者又はその保護者に対し、予診票の個別送付を行う等の個別勧奨が実施されています。
公費で接種を受けられるワクチンは、防ぐことができるHPVの種類(型)によって3種類あり、2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダシル)に加えて、令和5年4月から、9価ワクチン(シルガード9)も公費で接種を受けられるようになりました。
HPVワクチンの接種は予防接種法に基づいて実施されており、国内外の研究結果から、HPVワクチン接種による子宮頸がんの予防効果などのメリットが、副反応などのデメリットよりも大きいことを確認して、皆さまに接種をお勧めしています。
しかし、接種は強制ではなく、あくまでご本人の意思に基づき接種を受けていただくものです。接種を望まない方に接種を強制することはありません。また、接種対象者や保護者の同意なく、接種が行われることはありません。
実際に予防接種を受ける際は、ワクチンの効果とリスクを十分に理解した上で受けるかどうかご判断ください。
(令和3年11月26日付け健発1126第1号厚生労働省健康局長通知)
効果
2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)は、子宮頸がんを起こしやすい種類(型)であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
9価ワクチン(シルガード9)は、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。
海外や日本で行われた疫学調査(集団を対象として病気の発生などを調べる調査)では、HPVワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されています。また、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
対象者
・小学校6年~高校1年相当の女性
・平成9年度~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性で、過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない方は令和7年3月末まで引き続き公費による接種できます。
接種するワクチンの種類とスケジュール
公費で接種できるHPVワクチンは3種類(サーバリックス、ガーダシル、シルガード9)あります。
決められた間隔をあけて、同じワクチンを合計3回接種します。
道内のHPVワクチン接種実施医療機関リスト(市町村別)
道内において、HPVワクチンの接種を受けられる医療機関は、次のとおりです。なお、詳細については、お住まいの市町村にお問い合わせください。
副反応等
HPVワクチン接種後には、発熱や接種した部位の痛みや腫れ、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神などが起こることがあります。
また、ワクチン接種後に見られる副反応が疑われる症状については、接種との因果関係を問わず収集しており、定期的に専門家が分析・評価しています。その中には、稀に重い症状の報告もあり、具体的には以下のとおりとなっています。
安全性の確認
接種が原因と証明されていなくても、接種後に起こった健康状態の異常について報告された場合は、審議会(ワクチンに関する専門家の会議※)において一定期間ごとに、報告された症状をもとに、ワクチンの安全性を継続して確認しています。
※厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会 等
救済制度
HPVワクチンの接種によって著しい健康被害が発生したときは、予防接種による健康被害であると厚生労働大臣が認定した場合に、健康被害救済制度の対象となります。
救済制度の内容については、下記をご参照ください。
相談窓口
関係リンク
リーフレット・チラシ
HPVワクチンと子宮頸がん検診
子宮頸がん検診、ワクチンともに有効な子宮頸がんの予防方法で、どちらも受けることが重要です。ワクチンはすべての高リスク型HPVの感染を予防できるわけではないため、早期発見・早期治療のために子宮頸がん検診も定期的に受診し、子宮頸がんに対する予防効果を高めることが大切です。特に20~30歳代で発症する子宮頸がんを予防するためには、ワクチンの効果が期待されています。