小児・AYA世代のがん患者等の妊よう性温存療法について

■制度の概要

北海道では、将来子どもを持つことができる可能性を温存するための妊よう性温存療法及び温存後生殖補助医療に要する費用の一部を助成することにより、がん患者等が将来の希望を持って治療に取り組んでいただけるよう支援します。

 【利用者向けリーフレット 妊よう性温存療法】 (PDF 711KB)

 【利用者向けリーフレット 温存後生殖補助医療】 (PDF 467KB)

妊よう性とは「妊娠するための機能、妊娠する能力」です。

がんなどの治療により、妊よう性が失われたり、低下したりすることがあります。抗がん剤や放射線治療に伴い、妊よう性に影響がおよぶ前に、妊よう性温存療法により、将来、子どもを持つ可能性を残すことができます。

小児・AYA 世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業に関する患者向け動画

がん治療を始める前に、妊孕性温存について知っておいていただきたいことや⽇本がん・⽣殖医療登録システム JOFR の登録アプリ「FS リンク」の使用法などについて紹介されております。

1 妊よう性温存療法

■助成の対象となる方

◎以下の要件を全て満たす方が対象になります。

(1)申請時に北海道内に住所を有している方

(2)対象となる治療の凍結保存時に43歳未満の方

(3)北海道が指定する医療機関において助成対象となる治療を受けた方

(4)原疾患(がん・難病)の治療内容が以下のいずれかの方

●「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン」(日本癌治療学会)の妊よう性低下リスク分類に示された治療のうち、高・中間・低リスクの治療

●長期間の治療によって卵巣予備能の低下が想定されるがん疾患:乳がん(ホルモン療法)等

●造血幹細胞移植が実施される非がん疾患:再生不良性貧血、遺伝性骨髄不全症候群(ファンコニ貧血等)、原発性免疫不全症候群、先天代謝異常症、セラサミア、鎌状赤血球症、慢性活動性EBウイルス感染症等

●アルキル化剤が投与される非がん患者:全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、多発性筋炎・皮膚筋炎、ベーチェット病等

(5)指定医療機関の生殖医療を専門とする医師及び原疾患担当の医師により、妊よう性温存療法に伴う影響について評価を行い、生命予後に与える影響が許容されると認められる方

(6)指定医療機関から、妊よう性温存療法を受けること及びこの事業に基づく研究への臨床情報等を提供することについて説明を受けて、この事業に参加することに同意できる方(※日本がん・生殖医療登録システム(新JOFR)への参加が必須です)

■助成対象となる費用

◎助成対象となる費用は、妊よう性温存療法及び初回の凍結保存に要した医療保険適用外費用です。
※入院室料(差額ベッド代等)、食事療養費、文書料等の治療に直接関係のない費用及び初回の凍結保存費用を除く凍結保存の維持に係る費用は対象外です。

※他制度に基づく助成を受けている場合は、本事業の助成の対象外です。

■指定医療機関(妊よう性温存療法実施医療機関)について

◎北海道が指定する医療機関は以下のとおりです。

助成の対象となる妊よう性温存療法が実施できる医療機関の一覧となります。【随時更新してまいります】

指定医療機関名 診療科 所在地 所在地実施可能な治療
札幌医科大学附属病院 産科周産期科 札幌市中央区南1条西16丁目291番地 ①②③
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 婦人科 札幌市手稲区前田1条12丁目1-40 ①②③④
JA北海道厚生連 札幌厚生病院 産婦人科 札幌市中央区北3条東8丁目5番地 ①②③(④は要相談)
国家公務員共済組合連合会 斗南病院 婦人科・生殖内分泌科 札幌市中央区北4条西7丁目3-8 ①②③④⑤
医療法人社団 神谷レディースクリニック医療法人社団 神谷レディースクリニック 婦人科 札幌市中央区北3条西2丁目2-1日通札幌ビル2F ①②④⑤
北海道大学病院 婦人科 札幌市北区北14条西5丁目 ①②③④
KKR札幌医療センター 婦人科 札幌市豊平区平岸1条6丁目3ー40 ①②

※指定医療機関以外で受けた妊よう性温存療法は、助成の対象となりませんのでご注意ください(道外の医療機関で治療を受けた方は、対象となる場合がありますので当課へご相談ください)。

※実施可能な治療について、①胚(受精卵)凍結、②未受精卵子凍結、③卵巣組織凍結、④精子凍結、⑤精巣内精子採取術による精子凍結(上記の表では番号のみ表記しております)。

■妊よう性温存療法の相談について

◎妊よう性温存療法は、がんや難病の治療を始める前に行われることが重要です。

 ただし、原則はがんや難病の治療が最優先となり、妊よう性温存療法によって治療が大幅に遅れることは望ましくありません。個人ごとにがんや難病の治療開始までに許容される時間は異なるほか、がんの種類、状態などによっても、妊よう性温存が実施できない場合があります。
 このため、がんや難病の診断を受けたら、できるだけ早く、妊よう性温存の方法や可能性について、最初に主治医へご相談していただくことが必要となります。

■助成対象治療及び助成上限額

助成対象となる治療と助成の上限額は以下のとおりです。

助成回数は対象者1人に対して通算2回までです。

☆対象治療と助成上限額☆

対象となる治療 1回あたりの助成上限額
胚(受精卵)凍結に係る治療 35万円
未受精卵凍結に係る治療 20万円
卵巣組織凍結に係る治療 40万円
精子凍結に係る治療 2万5千円
精巣内精子採取術による精子凍結に係る治療 35万円

 ※妊よう性温存療法に要した費用が、助成上限額未満であった場合は、その要した費用の範囲内で助成されます。

助成回数のカウントについて

●異なる治療を受けた場合であっても通算2回までとなります。

●胚(受精卵)凍結及び未受精卵子凍結については、1回の採卵周期に行った治療を1回とカウントします。

●精子凍結については、1回の採精手技を1回とカウントします。

●精巣内精子採取術は、1回の手術を1回とカウントします。

●卵巣組織凍結および再移植については、「卵巣組織凍結」及び「組織の再移植」のそれぞれ1回の手術を1回とカウントします。

●異なる治療を受けた場合で、その治療が一連のものである場合は1回とカウントし、助成上限額の高い治療分の助成を行います。
【例1】胚(受精卵)凍結に係る1回の採卵周期に行った治療で、一部を胚(受精卵)凍結し、一部を受精させずに未受精卵凍結した場合には、1回の治療とみなし、助成上限額は35万円となります。
【例2】卵巣組織を採取する1回の手術治療で、一部の未受精卵を採取して、卵巣組織および未受精卵子(または胚(受精卵))の両者を凍結した場合には、1回の治療とみなし、助成上限額としては40万円となります。

体調不良により妊よう性温存療法を中止した場合

妊よう温存療法の実施の意思決定が行われ、排卵誘発剤等の投与が行われた後に、体調不良等の理由でその後の妊よう性温存を中止した場合も助成の対象となります。

胚凍結等が正常に行えなかった場合

対象となる治療を受けたが、胚凍結等が正常に行えなかった場合も助成の対象となります。

■申請に必要な書類

◎申請には以下の書類(1)~(6)が必要です。

(クリックすると様式がダウンロードできます)
(1)北海道小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業参加申請書(第1-1号様式)
 ●第1-1号様式 事業参加申請書(妊孕性温存療法分) (XLSX 26.3KB) 

  【記載例】第1-1号様式 事業参加申請書(妊孕性温存療法分) (PDF 378KB)
  ※一度に2回分をまとめて申請する場合は1枚のみで申請が可能です。
  ※妊よう性温存療法を受けた方が未婚で未成年の場合は、申請者欄には親権者名または未成年後見
   人名を記載してください。
  ※申請者の連絡先は、日中連絡が取れる連絡先(携帯電話等)を記載してください。

(2)北海道小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業に係る証明書(妊孕性温存療法実施医療機関)(第2-1号様式)
 ●第2-1号様式 妊孕性温存療法実施医療機関証明書 (XLSX 23.1KB)
  ※1回の治療につき1枚提出が必要です。
  ※妊孕性温存療法を実施する医療機関(指定医療機関)の医師に記載を依頼してください。
  ※証明書作成に係る費用は自己負担となります。

(3)北海道小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業に係る証明書(原疾患治療実施医療機関)(第3号様式)
 ●第3号様式 原疾患治療実施医療機関証明書【一部改正】 (XLSX 20.8KB)
  ※一度に2回分をまとめて申請する場合は1枚のみで申請が可能です。
  ※がんや難病の治療を行う医療機関の医師に記載を依頼してください。
  ※証明書作成に係る費用は自己負担となります。

(4)市町村が発行する助成対象者の住民票
  ※個人番号の記載がなく、申請日時点で発行から3ヶ月以上経過していないものに限ります。

(5)助成金の振込を希望する金融機関の通帳等の写し
  ※口座名義、カナ名義、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号が確認できる箇所をコピーして
   ください。

(6)※妊孕性温存療法を受けた方が未婚で未成年の場合のみ添付が必要です。
    妊孕性温存療法を受けた方と申請者(親権者又は未成年後見人)の続柄を証明する書類として、両
  者の名と続柄が記載された住民票または戸籍謄本(未成年後見人の場合は未成年後見人を証明する
  書類(戸籍謄本等))を添付してください。

※すでに2回分の治療を実施されて、治療費の支払いが終わっている場合は、2回分をまとめて提出することができます。この場合、第2号様式は1回の治療ご
 とに1枚(計2枚)が必要ですが、第1・3号様式はそれぞれ1枚提出していただくほか、住民票や通帳の写し等の証明書類が同じものである場合は、それぞれ1部添付して提出してください。

※1回目の申請後、同一年度内において2回目の申請を行う際、住民票や通帳の写し等の証明書類が、
 1回目に提出したものと同じものである場合、2回目での添付を省略することができます。

2 温存後生殖補助医療について

温存後生殖補助医療費用の助成手続き等については、こちらの案内を参考にしてください。

利用者向けリーフレット (PDF 467KB)

申請に必要な様式(クリックすると様式がダウンロードできます)
(1)北海道小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業参加申請書(温存後生殖補助医療分 第1-2号様式)

 第1-2号様式 事業参加申請書(温存後生殖補助医療分) (XLSX 26.2KB)

 【記載例】第1-2号様式 事業参加申請書(温存後生殖補助医療分) (PDF 371KB)

(2)北海道小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業に係る温存後生殖補助医療証明書(温存後生殖補助医療分 第2-2号様式)

 第2-2号 温存後生殖補助医療実施医療機関証明書 (XLSX 22.1KB)※温存後生殖補助医療を実施する医療機関(指定医療機関)の医師に記載を依頼してください。

(3)夫婦であることを証明できる書類

 法律婚の場合:ご夫婦お二人の戸籍謄本の写し

 事実婚の場合:ご夫婦お二人の戸籍謄本の写し、及びご夫婦お二人の事実婚関係に関する申立書

 様式第12号 事実婚関係に関する申立書 (DOCX 12.7KB)

(4)市町村が発行する助成対象者の住民票
  ※個人番号の記載がなく、申請日時点で発行から3ヶ月以上経過していないものに限ります。

(5)助成金の振込を希望する金融機関の通帳等の写し
  ※口座名義、カナ名義、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号が確認できる箇所をコピーして
   ください。

■申請期限

◎妊よう性温存療法に係る費用の支払日の属する年度内に申請してください。

例えば令和6年度中に治療費用を支払った場合は、令和7年3月31日が申請期限となります。
ただし、妊よう性温存療法の実施後、期間を置かずに、がんなどの原疾患治療を開始する必要があるなどのやむを得ない事情により、当該年度内に申請が困難であった場合には、翌年度に申請することができます。

■申請先(申請書の提出先)

◎申請書は郵送でお願いします。

郵送による申請受付のみとなりますので、書類到達日を申請日と見なします。なお、簡易書留など記録の残る郵送方法でお送りいただくことをお勧めします。書類到着後、不足する書類や確認事項があった場合は、こちらから電話またはメールにより申請者へご連絡する場合があります。

〈申請書の郵送先〉
 〒060-8588
 住所:北海道札幌市中央区北3条西6丁目
 宛先:北海道保健福祉部健康安全局地域保健課がん対策係 あて

■妊よう性温存療法の実施までの流れ

画像がみれない場合は、制度の趣旨欄に掲載しているリーフレットをご覧ください

■事業の実施要綱など

■妊よう性温存療法に関する参考情報

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