広辞苑によると「発電・利水・治水・などの目的で水をためるために、河川・渓谷などを横切って築いた工作物とその付帯構造物の総称」
法律上
河川法第44条
- 「ダム(河川の流水を貯留し、または取水するため第26条第1項の許可を受けて設置するダムで、基礎地盤から提頂までの高さが15メートル以上のものを言います。)以下省略」
(15m未満の貯留施設は、通称「ため池」と呼んでいます。)
ダムは、昭和20年代まで「堰堤」と呼んでいましたが、農業用ダムなどには、ダム、貯水池、ため池など区別しないで呼ばれている場合もあります。
1 使用目的による分類
使用目的
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ダムの分類
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機能により
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1 貯水ダム 2 取水ダム
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池の目的により
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1 洪水調節(治水)ダム 2 農業ダム 3 水道ダム
4 工業ダム 5 発電ダム
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目的の数により
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1 専用ダム 2 多目的ダム
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2 構造及び水理機能による分類
(1) 可動ダム(一連のゲートが主体をなすダム)
(2) 固定ダム a 越流式ダム (堤頂から洪水を越流させるもの)
(水理機能により) b 非越流式ダム(堤体外に洪水吐を持つもの)
3 提体材料及び設計理論による分類
フィルダム
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材料により
1 アースダム 2 ロックフィルダム
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遮水方法により
1 均一型 2 ゾーン型(中央コア型) 3 表面遮水型
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遮水材料により
アスファルト遮水、コンクリート遮水など
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コンクリートダム
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1 コンクリート重力ダム 2 中空重力ダム
3 アーチダム(重力式アーチダムも含む)
4 バットレスダム
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複合ダム
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以上の二つの形式の複合(コンクリートダムとフィルダムの混合が多い)
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その他
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1 メイソンリダム(石積ダム、コンクリートブロックダム) 2 スチールダム
3 ラバーダム
4 その他
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北海道のダム数は、平成27年現在完成しているダムが143で 計画・建設中は、21ダムあります。全国では、完成ダムが、2620で計画建設中は559ダムあります。
北海道のダムは、1913年に最初のダムが造られ、1930年代までは、農業用のため池が主で、第2次世界大戦後40年代から70年代まで電力用ダムが多くなり、50年代から農業用ダムが再開し、また、70年代から多目的ダムが造られてきました。
使用目的別に見ると、ダムが農業の発展と共に造られた経緯もあり 農業ダムが、全ダム数の4割を占める。近年は、石炭や石油及び原子力による発電が多くなってきたが、戦前戦後は水力発電に頼っていたこともあり、発電用ダムが2位をしめ、近年全国で1番災害(自然災害、洪水災害)の被害額が多いこともあり洪水防御のためのダムが3位となり、これに続き上水道のためのダムとなっています。
農業用ダム事業は、北海道開発局・農業水産部と北海道農政部が実施しており、治水及び多目的ダムは、その規模等により、北海道開発局・建設部と北海道建設部が、電力専用ダムは、北海道電力等が実施しています。
北海道のダムの構造は、重力式ダムが多く アースダム・ロックフィルダムと続きこれら3つのダムで全体ダム数の95%をしめています。重力式ダムとロックフィルダムの複合ダムである糠南ダム(足寄町)、美利河ダム(今金町)、アーチダムである奥新冠ダム(新冠町)、豊平峡ダム(札幌市)、また、バットレスダムである笹流ダム(函館市)や中空重力式ダムである金山ダム(南富良野町)、さらにアスファルトコアダムである武利ダム(丸瀬布町)、アスファルトフェイシングダムである双葉ダム(京極町)などの珍しいダムもあります。
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