廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令及び施行規則の一部が改正され、平成29年(2017年)10月1日から、新たな対応が必要となっています。
1. 新たに追加された水銀廃棄物
水銀廃棄物の分類 | 対象 | 取扱いに注意が必要となる事項(主要なもの) |
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水銀使用製品産業廃棄物 | 水銀若しくはその化合物が使用されている製品が産業廃棄物となったもの | ・一部の水銀使用製品産業廃棄物は、水銀の回収が義務付けられています。 ・安定型最終処分場への埋立は禁止されています。 |
水銀含有ばいじん等 | 水銀又はその化合物が含まれているばいじん、燃え殻、廃酸、廃アルカリ又は鉱さい(ばいじん・燃え殻・汚泥・鉱さい:15mg/kgを超えて含有、廃酸・廃アルカリ:15mg/Lを超えて含有) | ・水銀を一定以上含む水銀含有ばいじん等は、水銀の回収が義務付けられています。(ばいじん・燃え殻・汚泥・鉱さい:1,000mg/kg以上含有、廃酸・廃アルカリ:1,000mg/L以上含有) |
廃水銀等※特別管理産業廃棄物 | 特定施設において生じた廃水銀又は廃水銀化合物(水銀使用製品が産業廃棄物となったものに封入されたものを除く)及び水銀若しくはその化合物が含まれているもの(一般廃棄物を除く)又は水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀 | ・埋立処分する場合、あらかじめ水銀を硫化、固型化しなければなりません。 ・固形化したもの(廃水銀等処理物)は、埋立判定基準により遮断型又は管理型最終処分場で処分しなければなりません。 |
注)改正以前から特別管理産業廃棄物である水銀を含む特定有害産業廃棄物(ばいじん、汚泥、鉱さい、廃酸、廃アルカリ)についても、水銀含有ばいじん等と同様の水銀回収及び処理基準が規定されています。
2. 新たに追加となった水銀廃棄物の処理基準
水銀廃棄物の分類 | 収集運搬の基準 | 処理・再生の基準 | 埋立処分の基準 |
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水銀使用製品産業廃棄物 | ・破砕することがないよう、他の物と混合するおそれのないよう区別して収集・運搬すること。 | ・水銀又はその化合物が大気中に飛散しないように必要な措置をとること。 ・水銀回収の対象となる水銀使用製品産業廃棄物については、ばい焼設備によるばい焼、又は水銀の大気飛散防止措置をとった上で、水銀を分離する方法により水銀を回収すること。 | ・安定型最終処分場への埋立は行わないこと。 |
水銀含有ばいじん等 | ・水銀又はその化合物が大気中に飛散しないように必要な措置をとること。 ・水銀回収の対象となる水銀含有ばいじん等については、ばい焼設備によるばい焼、又はその他の加熱工程により水銀を回収すること。 | ||
廃水銀等※特別管理産業廃棄物 | ・必ず運搬容器(密閉でき、収納しやすく、損傷しにくい)に収納して収集・運搬すること。 | ・あらかじめ水銀を硫化、固型化すること。 ・固型化したもの(廃水銀等処理物)は、遮断型又は管理型最終処分場※に埋立処分すること。 ※追加的措置が必要 | |
水銀を含む特定有害産業廃棄物※特別管理産業廃棄物 | ・水銀又はその化合物が大気中に飛散しないように必要な措置を執ること。 ・水銀回収の対象となる水銀を含む特定有害産業廃棄物については、ばい焼設備によるばい焼、又はその他の加熱工程により水銀を回収すること。 |
注)上記は、平成28年・平成29年施行令等改正に伴い追加された主なものであって、従前の基準に加えて新たに必要な措置となっています。
3.処理の委託における留意事項【排出事業者を対象とした内容】
(1)「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」の収集若しくは運搬又は処分(以下、「処理」という。)を委託する場合
水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等の処理を他者に委託する場合は、許可証の「事業の範囲」にこれらを含む産業廃棄物処理業者に委託をしなければなりません。
委託契約書の「委託する廃棄物の種類」には、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれることを明記する必要があります。
なお、改正施行令等の施行日(平成29年(2017年)10月1日)前に、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等の処理に係る委託契約を締結している場合、当該委託契約について、施行日後、新たに契約変更等をする必要はありません。
また、マニフェストの「廃棄物の種類」の欄には、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれること、また、その数量について記載する必要があります。
(2)「廃水銀等」の収集若しくは運搬又は処分(以下、「処理」という。)を委託する場合
廃水銀等の処理を他者に委託する場合は、許可証の「事業の範囲」にこれらを含む産業廃棄物処理業者に委託をしなければなりません。
委託契約書の「委託する廃棄物の種類」には、廃水銀等と記載する必要があります。
また、マニフェストの「廃棄物の種類」の欄には、廃水銀等と記載、また、その数量について記載する必要があります。
4.その他
・許可申請等に係る様式は、下記リンク先からダウンロードすることができます。
なお、許可申請等の手続きについては、(総合)振興局が窓口となりますので、直接、所管の(総合)振興局までご相談ください。
各(総合)振興局の連絡先はこちら
・水銀廃棄物の適正処理に係る詳しい情報は、下記リンク先のガイドラインに掲載されておりますので、ご参照ください。
水銀廃棄物ガイドライン掲載ページはこちら(外部サイト(環境省Webサイト)につながります。)
・2023 年11 ⽉の「⽔銀に関する⽔俣条約第5回締約国会議」において、⼀般照明⽤の蛍光ランプの製造・輸出⼊を、2027 年までに段階的に廃止することが決定されました。
在庫品の流通・販売や既存製品の継続使用は可能ですが、計画的なLED化や在庫切れ前の必要数調達を呼びかけるよう、経済産業省及び環境省から依頼がありましたのでお知らせいたします。