有害使用済機器
「有害使用済機器」の保管又は処分に対する規制について |
平成30年(2018年)4月1日から施行された改正廃棄物処理法では、次のとおり、従来は法の対象とされていなかった「有害使用済機器」(廃棄物としてではなく、有価物として取引されたもの)について、その保管や処分を業として行おうとする場合は、届出が義務付けられるなど、規制の対象となりました。
関係事業者においては、関係規定を十分に把握の上、適正保管等を行うよう、お願いします。
1 「有害使用済機器」とは? |
新たに規制されることとなった「有害使用済機器」とは、 「使用を終了し 、収集された機器 (廃棄物を除く。)のうち、 その一部が原材料として相当程度の価値を有し、かつ、適正でない保管又は処分が行われた場合に人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるもの」(廃棄物処理法第17条の2から引用)をいいます。
「廃棄物を除く」と規定されているとおり、事業者や個人が、処理料金を支払って、処理業者に運搬や処分を委託した機器は、従来から規制(無許可営業の禁止や処理基準の適用など)されている「廃棄物」に該当しますので、これは、「有害使用済機器」に該当しません。 |
↓ この場合、廃棄物である機器の回収(運搬 ・処分等)を行おうとする者は事前に処理業 の許可等を受ける必要があります。 |
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有害使用済機器の定義において、「使用を終了し」、「その一部が原料として相当程度の価値を有し」と規定されているとおり、回収された機器が、回収業者やその取引業者により分解や部品の引き抜き等されることがなく、そのまま同じ目的の機器として再使用(リユース)される場合においては、当該回収機器は「有害使用済機器」に該当しません。 よって、元の所有者から機器を購入した回収業者が、機器の清掃や、簡易な修理を行った上で、中古品として転売する行為については、規制の対象外となります。
「有害使用済機器」は全ての廃電子機器が該当するものではなく、対象品目が定められています。対象品目は、家電リサイクル法及び小型家電リサイクル法の対象品目(家電4品目及び小型家電28品目。これらの付属品を含む。)が指定されておりますが、具体的には、次のとおりです。
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【対象品目32種】 |
2 有害使用済機器保管等の届出 |
有害使用済機器の保管又は処分(再生を含む。以下、同じ。)を業として行おうとする者は、 事業開始の10日前まで ※1に、業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事へ届出を行うことが義務づけられています。
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【届出除外対象者】 *1) 当該許可等に係る事業場とは別に、事業場を設置し、当該事業場において有害使用済機器の保管
*2) 収運;「収集又は運搬」の略 |
有害使用済機器の保管又は処分の届出は、 事業を開始する日の10日前まで に、次に掲げる書類を、保管又は処分を業として行おうとする場所の所在地を管轄する各(総合)振興局に提出(郵送又は持参)することにより、行ってください。 ただし、 札幌市、函館市、旭川市(「政令市」という。)の区域内において業を行う場合に係る届出については、各市役所が窓口となっており、当該届出を道で受理することはできません ので、予めご注意ください(道と政令市の双方で業を行う場合であっても、同じです。)。
なお、複数の(総合)振興局に跨がって保管場所・処理施設を設置している場合(例:石狩振興局管内にA保管場所、空知総合振興局管内にB保管場所を設置)は、
※ 市町村から交付された「住民票の写し」(原本)のコピーや、法務局から交付された「登記事項証明書」(原本)のコピーの提出は認めませんが、届出窓口に書類を持参する場合であって、これら原本を提示いただき照合による一致が確認された場合に限り、コピーの提出を認めます。 |
届出事項を変更する場合は、 変更の日の10日前まで※ に、次に掲げる書類を、保管又は処分を行おうとする場所の所在地を管轄する 各(総合)振興局 に提出(郵送又は持参)することにより、行ってください。 ※ 住民票の写し、商業登記法による登記事項証明書又は不動産登記法による登記事項証明書を変更届出書に添付する場合については、交付等を受けるまでの必要な期間により、期限(変更の日の10日前まで)を超過することが認められます。
注)「取り扱う有害使用済機器の品目」を変更する場合も届出が必要ですが、そのほかの変更がない場合は、添付書類は不要です(1の届出書のみの提出となります。)。
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届出を行った有害使用済機器の保管又は処分の全部又は一部を廃止する場合は、 その廃止の日から10日以内に、次に掲げる書類を、管轄する各(総合)振興局に提出(郵送又は持参)することにより、行ってください。
注)業の全てを廃止する場合のほか、「有害使用済機器の品目」の一部の取扱いを廃止する場合や、「処理の区分」として「保管及び処分(再生を含む)」から「保管のみ」に変更する場合(「処分(再生を含む)」を廃止する場合)についても、変更届出書ではなく、上記廃止届出書を提出してください。 |
3 有害使用済機器の保管及び処分の基準 |
有害使用済機器の内部には、有害物質や油などが含まれており、不適正な保管や処分が行われた場合、有害物質等の周辺環境への飛散・流出や、発生した汚水等による周辺土壌又は公共用水域等の汚染などが懸念されるほか、火災発生のおそれがあるため、有害使用済機器の保管等を行う事業者は基準を遵守し、適正に保管等を行う必要があります。 概要は、以下の通りですが、詳しくは、環境省からガイドラインが示されておりますので、こちらをご参照ください。 |
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有害使用済機器の保管に当たっては、次の事項を遵守する必要があります。 ア 囲いの設置について
イ 保管場所への掲示板の設置について
【 掲示板のイメージ 】 ● ※「品目」については、代表的な取扱品目を3つ以上記載してください。代表的な品目の選定に当たっては、 . ウ 飛散・流出等の対策について
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※「環境省令に規定される高さ」は、以下に示すとおりです。 |
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※ この場合の高さの上限は法令上規定がありませんが、火災防止の観点から、有害使用済機器の保管の一つの集積単位の面積は200m2以下とする必要があるため、ここから、高さは最大約5m(底面を正方形にした場合)となります。 |
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エ 騒音・振動の防止について
オ 火災・延焼の防止について
カ 公衆衛生の保全について
有害使用済機器の処分又は再生に当たっては、次の事項を遵守する必要があります。 なお、「処分」として、焼却、熱分解、埋立処分、海洋投入処分を行うことは禁止されています。 ア 飛散・流出等の対策について
イ 騒音・振動の防止について
ウ 火災・延焼の防止について
エ 特定家庭用機器に該当する品目の処分について
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4 帳簿の作成及び保存の義務 |
有害使用済機器保管等業者は、事業場ごとに帳簿を備え、有害使用済機器の保管、処分又は再生について、次の内容を記載しなければなりません。
当該帳簿は、毎月末までに、前月中における内容について記載を終了していなければならず、また、1年ごとに閉鎖した帳簿は、閉鎖後5年間、事業場ごとに保存しなければなりません。
保管 | ・受入年月日 ・受入先ごとの「受入量」及び受け入れた「有害使用済機器の品目」 ・搬出した場合には、「搬出した年月日」、「搬出先ごとの搬出量」及び「有害使用済機器の品目」 |
処分又は再生 | ・処分又は再生の年月日 ・処分又は再生した場合には、「処分方法ごとの処分量又は再生方法ごとの再生量」及び「処分又は再生した有害使用済機器の品目」 ・処分又は再生に伴って生じた廃棄物、再生品及びその他の物の「持出年月日」、当該物の「持出先ごとの持出量」並びに「処分又は再生した有害使用済機器の品目」 |