環境影響評価方法書に係る環境生活部長意見(平成20年2月12日)
1 総括的事項
1 事業特性の明確化
環境影響評価準備書(以下「準備書」という。)の作成にあたっては、環境影響評価の項目並びに
調査、予測及び評価の手法を選定するに当たっての前提となる工事の内容や供用時の状況等の
事業特性を具体的かつ分かりやすく記載すること。
2 地域概況(地域特性)の把握
方法書における地域概況(地域特性)では、地下水の測定結果や環境緑地保護地区の指定状
況などに記載漏れが見られ、また、記述されている内容に相違が見られたことから、的確に地域
概況(地域特性)の把握に努め、準備書には適切に記載すること。
3 環境影響評価項目の選定
環境影響評価項目の選定において、選定しない理由について不明確な項目が見られることか
ら、事業特性及び地域特性を踏まえた項目の選定、又は非選定の理由を準備書に分かりやすく
記載すること。
なお、準備書の作成段階における事業特性に応じた影響要因の把握に努め、必要に応じて環
境影響評価の項目を追加するなど適切に対応すること。
(1)水の濁り
対象道路事業実施区域の下流には忠別川浄水場が設置されているなど利水が行われてい
ます。そのため、準備書では汚濁流出防止対策などを明らかにし、環境影響評価項目に選定
しない理由を明らかにすること。
(2)地下水
当該地域は、地下水の利用の多い地区です。そのため、事業特性により地下水位へ影響を
及ぼすおそれのある工事が想定された場合には、地下水位について調査、予測、評価の対
象に選定するよう検討すること。
4 調査手法等の選定
調査、予測及び評価の手法については、その環境に与える影響の重要性に応じた調査の手法
等を検討すること。
5 改正した技術指針への対応
環境影響評価に関する技術的方法等の一般的指針(以下「技術指針」という。)が改正され、平
成19年10月1日から施行しています。そのため、準備書の作成にあたっては、改正された技術
指針を踏まえた内容とすること。
2 個別的事項
1 騒音・振動
(1) 対象道路事業実施区域周辺には、現状において騒音に係る環境基準値を超過している地
点があることから、路線位置を含めた事業内容の十分な検討を行うなど、環境保全に支障
が生じないよう配慮すること。
(2) 工事の施工中を対象とする騒音及び振動に関する調査及び予測地点の設定については、
事業特性を明確にした上で的確に設定すること。
特に、残土や不足土が大量に発生する場合の土砂の運搬や骨材の運搬に係る車両の輸
送経路を明らかにし、調査及び予測地点の設定根拠を準備書に記載すること。
2 地形・地質
対象道路事業実施区域内に埋蔵文化財包蔵地が存在することから、環境影響評価の項目の
重要な地質として選定するよう検討すること。
3 植物
植物相の状況については、春季、夏季、秋季のほかに早春季及び初夏季を調査時期に加え
るなどして、植物相の把握に努めること。
4 動物
動物の生息状況については、繁殖の状況や現況におけるロードキルの状況などの把握に努
め、必要に応じて、工事の施工中における「建設機械の稼働」、「資材及び機械の運搬に用いる
車両の運行」、又は工事の完了後における「自動車の走行」について影響要因に追加するよう
検討 し、その検討結果を準備書に記載すること。
5 景観
当該地域の景観は、近景では、田畑などにより構成される農村景観などであり、遠景では旭
岳を主体とする山岳景観が特徴的であり、当該道路事業が盛土構造であることから、地域住
民の日常生活の場からの眺望に対する影響が懸念されます。
そのため、景観の予測は主要な眺望点からの眺望の他に、日常生活の場からの眺望につい
ても眺望景観として選定するよう検討すること。