○環境影響評価準備書に係る知事意見 (平成26年2月18日) 1 総括的事項 (1)評価書の作成に当たっては、道民にわかりやすい図書となるよう努め、特に環境影響が実行可能な範囲内でどのように回避又は低減されているかを丁寧に説明すること。また、概要を取りまとめた「あらまし」等により、広くわかりやすい情報公開に努めること。 (2)環境保全措置の具体的な内容、予測の過程等について、可能な限り出典等を明らかにし、わかりやすく解説するとともに、自ら検討して選択した係数等は、その根拠を示すこと。 (3)利用可能な最良の技術(いわゆるBAT:Best Available Technology)の採用等により可能な限り環境負荷低減に努めていることを、具体的な仕様等を用いて示すこと。また、今後も引き続き、事業を実施する中で利用可能な最良の技術の採用に努めること。
2 個別的事項 (1)水環境 ア 造成等の施工による一時的な影響(水の濁り)は過去の最大レベルの豪雨に対応できるよう、可能な限り過去の最大日降水量により濁水処理を検討すること、また、想定を超える降雨が突発的に発生した場合の危機管理を検討すること。 イ 温排水温排水の拡散予測を行った水理模型実験は、実際の海域の水平、鉛直方向の水温、塩分の違い等を詳細に再現することは難しく、温排水の拡散が予測範囲を超えることはないと断定できない。 よって予測に不確実性があるので、海生動植物への温排水の影響を含め、その調査結果について、地元自治体等と協議を行うとともに、専門家の助言を受け、客観的かつ科学的な検討を行い、環境保全上配慮を要する事項が判明した場合は、速やかに適切な措置を講ずること。 (2)動物 エゾアカヤマアリ(環境省レッドリスト絶滅危惧2類)の巣の環境保全措置については、その効果に不確実性があるため、地元自治体と協議を行うとともに、専門家の助言を受け、措置の詳細な内容を定めること。また、工事中、工事終了後及び稼働中のエゾアカヤマアリの環境監視結果について、地元自治体と協議を行うとともに、専門家の助言を受け、客観的かつ科学的な検討を行い、環境保全上配慮を要する事項が判明した場合は、速やかに適切な措置を講ずること。 (3)植物 改変跡地等の緑化においては、地域の生物多様性保全の観点から在来種を用いること。 (4)景観 発電所の主要な建物等のデザインとその選定経緯等を示すとともに、今後も他の類似施設の情報収集等に努め、事業の実施に当たっては、自然・周辺環境との調和及び地元自治体の景観計画等との整合に十分配慮すること。 (5)環境保全措置に係る環境監視計画 ア 環境配慮の取組結果について道民が把握できるよう、工事中及び運転開始後の環境監視結果を公表するとともに、その結果により環境保全措置の効果を検証し、その結果も公表すること。 イ 温排水に係る水温・塩分分布等調査、海生動植物調査の調査期間を運転開始後3年等としているが、これ以降の調査について地元自治体等と協議すること。 ウ 工事中の騒音、振動については、工事開始後最大のピークを迎える14ヶ月目、平日1日に測定する計画としているが、2号機、3号機の工事が行われる時期にも同様のピークがあることから、当該月の測定を追加すること。
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