石狩湾新港ウィンドファーム(仮称)事業環境影響評価準備書に係る知事意見

○環境影響評価準備書に係る知事意見(平成26年8月15日)

 事業者は、以下の事項について十分に検討を加え、その結果を環境影響評価書(以下「評価書」という。)に記載するとともに、事業の実施に当たっては、環境保全に万全を期する必要がある。

1 総括的事項

(1)評価書の作成に当たっては、道民にわかりやすい図書となるよう努め、特に環境影響が実行可能な範囲内でどのように回避又は低減されているかを丁寧に説明すること。

(2)環境保全措置の具体的な内容、予測の過程等について、可能な限り出典等を明らかにし、わかりやすく解説するとともに、自ら検討して選択した係数等は、その根拠を示すこと。

(3)事業実施区域周辺において先行して計画中の風力発電施設に関して、その配置計画等が評価書の公表等により明らかとなり、当該事業の実施による環境影響の予測が可能となった場合には、本事業による環境影響との複合的影響について、調査、予測及び評価を行うこと。

2 個別的事項

(1)騒音及び超低周波音

事業実施区域から極度に近接した場所に他の事業場が存在するため、当該地点において騒音及び超低周波音の影響に係る調査、予測及び評価を行った上で、可能な限り影響の回避、低減を図ること。

ア 最寄りの住居を調査地点に追加した上で、調査、予測及び評価を行い、可能な限り影響の回避、低減を図ること。

イ 風力発電設備の騒音及び超低周波音による心身への影響(めまい、ふらつき等を含む)については不確実性があることから、稼働開始後、影響が確認された場合の対策について検討すること。

(2)風車の影

事業実施区域近傍の事業場等に対する風車の影の影響について評価を行った上で、可能な限り影響の回避、低減を図ること。

(3)動物

ア 対象事業実施区域の周辺には、オジロワシ、オオタカなどの希少な猛禽類やガン、カモ、ハクチョウ類などの渡り鳥が確認されており、猛禽類やガン、カモ、ハクチョウ類においては、ブレードの回転域に相当する高度で飛翔する割合が高いことが確認されている。
また、鳥類の衝突に係る予測結果には大きな不確実性が伴うことから、専門家等の意見を聴取した上で、より精度の高い結果が得られるよう事後調査の頻度及び方法等について再度検討を行い、検討結果に基づく事後調査を適切に行うとともに、バードストライクが発生した場合は、稼働制限等を含む環境保全措置の実施について検討すること。

イ 衝突率の推定に用いた飛翔データ数及び対象範囲が、当該データを収集した現地調査(ラインセンサス、ポイントセンサス等)に係る飛翔確認例数及び調査地域の範囲といずれも一致していないため、実際の調査事実に従って衝突確率の再計算を含め所要の修正を行い、整合を図ること。

ウ 対象事業実施区域の周辺にはキタホウネンエビが生息する融雪プールが存在し、掘削工事による地下水位の低下等により同種の生息環境に影響を生じさせるおそれがあることから、当該工事の実施に当たり同種への影響を可能な限り回避するよう施工方法等を検討すること。

(4)景観

主要な眺望点の選定に関して、事業実施区域を眺望できる位置に所在し、地域住民が日常的に慣れ親しんでいる場所である青葉公園、樽川公園等を眺望点に追加し、予測及び評価を行った上で、必要に応じさらなる影響の回避、低減を図ること。

 

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