せたな大里風力発電事業(仮称)環境影響評価準備書に係る知事意見

○環境影響評価準備書に係る知事意見 (平成26年10月22日)

1 総括的事項

(1)評価書の作成に当たっては、予測及び評価の手法等についてわかりやすく解説するとともに、環境影響が実行可能な範囲内でどのように回避又は低減されているかを丁寧に説明すること。

(2)対象事業実施区域及びその周囲の概況のうち動植物等の状況に係る文献その他の資料による調査は、当該地域に係る動植物相の全体像を把握するため、入手可能な最新の資料を用い、適切な調査範囲を設定することにより漏れなく網羅的に行うこと。

2 個別的事項

(1)騒音及び超低周波音


 住居や社会福祉施設が近くにあり、風力発電設備の騒音及び超低周波音が、現況の残留騒音レベルを大きく上回るとともに、人によっては気になると感ずる値となることから、低騒音型の機種の採用及び風力発電設備の単機出力や配置の変更を検討するなど、可能な限り環境影響の回避、低減を図ること。

 風力発電設備の騒音及び超低周波音による心身への影響(めまい、ふらつき等を含む)については不確実性があることから、稼働開始後に影響が確認された場合の対策について検討すること。

(2)水環境

沈砂池等の設置による降雨時の濁水対策については、想定以上の大雨時の対策も検討すること。

(3)動物

事業実施区域内及びその周辺では、オジロワシ、ハヤブサ等の希少猛禽類の飛翔が高頻度で確認されていることから、これらの風力発電設備への衝突が懸念される。このため、専門家等の意見を聴取した上で、風力発電設備の配置等の変更を含めた環境保全措置を検討し、希少猛禽類の生息に係る環境影響を可能な限り回避、低減すること。
また、鳥類の衝突に係る予測には大きな不確実性が伴うことから、専門家等の意見を聴取した上で、より精度の高い結果が得られるよう事後調査の頻度及び方法等について再度検討を行い適切に実施するとともに、バードストライク等の生息環境への影響が生じた場合は、専門家等の意見を聴取した上で、稼働制限等を含む環境保全措置の実施について検討すること。

(4)景観

立象山展望台から見た狩場山の山並みの眺望景観について、風力発電設備の構造及び配置等の変更などさらなる環境保全措置を検討し、可能な限り当該景観への影響の回避、低減を図ること。

 

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