令和5年度(2023年度)北海道若年優秀技能者知事賞受賞者について

令和5年度(2023年度)北海道若年優秀技能者知事賞受賞者

令和5年度(2023年度)北海道若年優秀技能者知事賞は、次の14名の方々が受賞されました。

氏名 職名・勤務先 受賞理由
平尾 啓
(29歳)
調理人
(株)徳達 ゆう雅
 平成27年(株)なだ万に調理師として入社以降日本料理の調理業務に従事、日本料理調理技能士の資格を取得し、たゆみない努力により日本料理の伝統・技術を習得した。令和4年には(株)徳達ゆう雅の料理長となり、様々な調理技能を競うコンクールへ出場、日本料理界の振興・発展に貢献し、他の技能者の模範となっている。
 また、農家や生産者と連携し、道産食材を地産地消として利用し、食材の特色を生かした料理を考案している。
 日本氷彫刻会に入会しており、札幌雪まつりにおいて氷像を制作することで、地域を盛り立て、技術を発信しており、道内若手技能者の中でも第一人者と言われている。
小竹 北斗
(28歳)
鉄道車両組立工・修理工
北海道旅客鉄道(株)
 平成26年北海道旅客鉄道(株)に入社以来車両の各装置の電気ぎ装や耐圧試験などの各種検査修繕業務に携わり、たゆまぬ努力で自身の技能レベルを向上させ、令和元年には1級鉄道車両製造・整備技能士(電気ぎ装)を取得したほか、業務に必要な種々の資格を取得するとともに、業界の振興、地域社会の発展に貢献し、道内若手技能者の中での第一人者といわれている。
 令和4年度からは技術管理、品質管理業務を担い、手順書や検修調書の管理を行っており、各種整備基準の内容や作業実態を確認し必要な改訂を行っている。また、今後必要となる業務の効率化、省力化にも取り組んでいる。加えて、危険物保安監督者として、設備保安の役割も担っている。
 自己の作業に必要な技術力を身につけるだけではなく、後進技能者の育成にも力を存分に発揮し、他の技能者の模範となっている。
及川 健太
(27歳)
大工
(株)土屋ホーム
 平成27年(株)土屋ホームに入社後、認定訓練校土屋アーキテクチュアカレッジへ入校し一年間の訓練期間を皆勤賞で修了し、北海道職業能力開発協会優良賞を受賞した。
 1級建築大工技能士・職業訓練指導員の資格を取得し、自己の技能・技術の研鑽に努めている。特殊建築の施工班のリーダーとして活躍しており、常に現場の整理整頓や清掃することで作業の安全性や作業効率を上げ、工期内に作業を納め生産性を向上させることにつなげている。そのため、他の技能者から氏への信頼度は高く、後進の模範となっている。
 現場では休憩後の缶・ペットボトルなども分別し、「現場はショールームである」という意識の下、現場近隣への挨拶も欠かさず、会社のイメージを高め、営業活動の一環となっている。
里平 竜之輔
(26歳)
型枠工
(株)横建
 平成25年札幌高等技術専門校に入校し、(株)横建にて型枠施工の学科及び実際の現場での実技実習を受講、修了後も同社で技能技術の研鑽に励み、1級型枠施工技能士の資格を取得した。時間を惜しまず努力する姿は他の若手技能者の模範であり、後輩技能者の育成にも成果を上げている。
 まだ専門的な知識と技能を有していない若年者でも加工が容易にできるように、型枠加工の難易度の平均化を考慮して加工図を作成し、作業効率化の大幅な改善につなげた。
 札幌高等技術専門校修了生らを中心に構成されている札幌市建築業組合「技術技能士会」の会員として、札幌技能フェスティバルに毎年参加し、木製椅子などの製作体験を通じて来場者にものづくりの楽しさや技能の素晴らしさを伝えている。
出口 茜
(29歳)
輸送用機械器具検査工
トヨタ自動車北海道(株)
 平成25年トヨタ自動車北海道(株)入社以来一貫して自動車備品の品質管理業務に従事。自社製品の精度を保証し不良品が出ないよう、事前に故障や破損防止ができるように、自ら年間計画を立て2,000台以上の測定具を管理している。
 令和4年にはそれまで外部に修理依頼をしていた歯車測定器や検出器修理を内製化させるため、修理メーカーに教育実習に行き認定を得た。それにより、経費の削減や修理品の納期の短縮、余分な予備品が不要となり、作業の効率化に成功した。これらの事柄を織り込んで作業要領書を作成し、チームで共有してメンバーへの教育を実施してきた。
 知識・技能向上のため自己研鑽・チャレンジ精神が旺盛であり、令和5年2級機械検査技能士を取得、現在は1級を目指してさらなる研鑽を積んでおり、後進の模範となっている。
 また、将来の高齢化に向けて重量物作業や高所作業などにシニアや女性が職場に入ることを想定して改善に積極的に取り組んでいる。毎月の安全の日に実施される危険予知を行う訓練では、グループ内でもトップレベルの結果を出し、安全に対する感受性を持ち、常に危険を予測し他の模範となっている。
 中学時代から行っているアイスホッケーにおいて、心技体の精神を未来ある子どもたちに伝えるべくスクールコーチとして参加・指導している。また、苫小牧港まつりへも毎年積極的に参加している。 
山口 雄河
(28歳)
大工
加藤建設(株)
 平成26年に札幌高等技術専門校に入校後、加藤建設(株)にて木造建築の学科及び実際の現場での実技実習を受講し、令和5年には1級建築大工技能士の資格を取得した。さらに設備や電気工事等の技術を習得し「多能工」として活躍している。
 所属事業所が母校である札幌高等技術専門校の訓練委託事業所であるため、職業訓練指導員の資格取得を目指し、受け入れしている後輩の指導も熱心に行っており、その優秀な技能とともに他の技能者の模範となっている。
 現場での作業効率を上げるため、伝統技能を継承しつつもノミやのこぎりなどの手工具からマルチツール等の電動工具で補えるところは積極的に取り入れ、作業時間の短縮や製品品質の向上へとつなげている。 
 札幌高等技術専門校修了生らを中心に構成されている札幌市建築業組合「技術技能士会」の会員として、札幌技能フェスティバルに毎年参加し、木製椅子などの製作体験を通じて来場者にものづくりの楽しさや技能の素晴らしさを伝えている。
𠮷田 直輝
(27歳)
鉄筋工
(株)ソーシン鋼業
 平成24年(株)ソーシン鋼業に入社以来10年以上にわたり鉄筋工として従事し、たゆみない努力により優れた技能の習得とともに業界の振興、地域社会の発展に貢献している。特に鉄筋組立業務において工場内で鉄筋加工の大事な役割を担っており、加工技術では若手技能者の中での第一人者と言われている。
 長きにわたり職務に励み、技術の向上に努め、玉掛け技能や足場・クレーン技能などの資格を有し、品質管理・作業工程の効率化を目指し資質向上・技能の研鑽に尽力している。正確な品質加工・工程管理の調整業務などを精力的に行いその信頼は社内のみならず同業他社からも高い評価を得ている。
 また、後進の育成・指導に積極的に取り組み、特に外国人技能実習生に対する教育・生活指導については、コミュニケーションを深め、働きやすい環境作りに力を注ぐ活躍ぶりは、人望も厚く、高い信頼を得、他の技能者の模範となっている。
 担い手不足による工期の遅れがないよう、加工業務をいかに効率的に行うか、正確性と安全性を第一に考え、鉄筋形状・数量の品質管理の徹底、現場内での安全衛生管理など、作業の省力化に積極的に取り組み生産性の向上に貢献している。
小清水 大輔
(25歳)
タイル張工
小清水タイル工業
 平成29年マルニシテグラ(株)にタイル張工として入社以来たゆみない努力により優れたタイル技能の習得に取り組み、1級タイル張り技能士の資格を取得、令和5年には事業主として独立し、タイル業界の将来をになるホープとして期待されている。特に作業難易度が高く、タイル張り工法の基本である積み上げ工法については、熟練技能者にも劣らない優れた技能を有し、道内若手技能者の中での第一人者といわれている。
 また、「改良タイル積み上げ工法」の技能の取得により接着品質のばらつきを減らし工期の厳守や短縮に努め、元請けや業界から高い信頼と評価を得、社業の改善、施工の合理化を図り技術の研鑽に努める真摯な姿は、他の若手技能者の模範となっている。
 札幌タイル煉瓦工事組合が参加する「札幌技能フェスティバル」においては、講師として児童や市民にものづくりの素晴らしさや楽しさを伝え、技能尊重機運の醸成に貢献した。
中神 葵依
(26歳)
酒類製造工
曲イ田中酒造(株)
 平成28年曲イ田中酒造(株)に酒類製造工として入社以来日本酒、焼酎、その他醸造酒、リキュールの製造業務に従事、たゆみない努力により1級酒造技能士を取得した。酒造技能者不足の道内にあって、次世代を担う若手技能者の第一人者といわれている。
 年々品質が向上する北海道産酒造好適米を使用した「宝川」、「宝川2020」、貴醸酒「赤毛米2023」の開発に携わり、さらに付加価値の高い製品を目指して、製麹作業等において工夫、改善を重ねて高品質の純米酒・純米吟醸酒を開発、国内のみならず外国人観光客に向けて新たな価値と今後の市場拡大の可能性を作り出した。
 社内は元より、業界の若手リーダーとして、後進の指導にも積極的に取り組みながら成長を続ける姿は、他の技能者の模範となっている。
 新製品の開発にあたり、これまで酒類の原料にされていなかった北海道産の農作物を積極的に利用してきた。日々誠心誠意向上心を持って努力しており、とりわけ北海道の酒づくり、農業振興及び観光振興に多大な貢献をしている。
大浦 康平
(27歳)
築炉工
大和工業(株)
 平成27年大和工業(株)入社以来築炉工として耐火物築造作業に従事、技術の研鑽を積み、1級築炉技能士を取得し、築炉の主である耐火煉瓦積みの技能については、若手が希薄な築炉業界でも卓越した技能を有する貴重な人材である。
 築炉では難しいといわれる大・小径管内の内張煉瓦積みやコークス炉の築造を得意とし、中でもコークス炉においては自ら志願し3本のコークス炉建設に携わり研鑽を図った。その積極性と努力、そこで培った技能は上司・先輩からも高く評価されている。また、後輩の指導を率先して行い、同世代の築炉工の技能レベル底上げの役割を担い、他の技能者の模範となっている。
 従前から行っている自社の築炉作業方法に自分の経験を活かし、円滑に進めるための工夫やアイディアを提案して作業の改善を積極的に行っている。
 築炉の技術を活用し、地域の神社、幼稚園等の花壇や歩廊の煉瓦積み等のボランティア活動を行ってきた。
大場 光大
(27歳)
板金工
(有)三曻
 平成27年(有)三曻に板金工として入社以来建築板金の業務に従事し、たゆみない努力により優れた技能を習得するとともに、業界の振興、地域社会の発展に積極的に貢献している。2級技能検定の際、標準時間4時間に対し2時間未満で課題を完成させ、その精度と仕上がりの良さは検定委員からも高く評価されており、特に屋根施工については、道内若手技能者の中でも評判となっている。
 屋根谷部の落雪防止の依頼や屋根ふきにおいて、それまで使用していた材料に工夫・改良を加え、きれいに仕上げることで好評を得ている。
 他の技能者に作業の手順や指導などを言葉だけでなく実作業でそつなく伝えること、また新規の現場において、作業前に足場の手すり等を点検し墜落の恐れがある箇所には侵入防止対策を講じるなど、安全に作業を進めることができ、他の技能者の模範になっている。
 働き方改革の推進事業者として、品質確保や安全性向上も考慮し限られた時間の中で、効率のよい現場での作業割り当てや道具資材等の配置、整理整頓、清掃を徹底しスムーズに作業を進められるよう改善し効果を上げている。
 苫小牧地区板金技能士会に所属しており、ボランティア活動として苫小牧市道の清掃を行ったり、技能祭では燻製機やロケットストーブを製作したりするなど積極的に参加している。
石橋 昂大
(27歳)
大工
(株)広翔カワハラ
 平成29年(株)広翔カワハラに入社以来木造住宅の建築現場の第一線で建築大工として従事している。たゆみない努力により優れた技能を習得するとともに、その技能を遺憾なく発揮し、平成27年度から30年度まで積極的に全道建築大工競技大会に出場、上位入賞を果たし、令和元年には、技能五輪全国大会建築大工職種で銅賞を獲得している。旭川地方の技能水準の高さを道内外に示すなど、業界の振興地域社会の発展に貢献しており、道内若手建築技能者の中では、第一人者となっている。事業主や職場の上司からの信頼も厚く、将来が期待されており、真面目な性格で、仕事に対しては研究熱心なことから、他の技能者の模範となっている。
 建築現場では常に整理整頓を心がけ、作業の効率、安全性を図っている。
 例年、旭川建築高等職業訓練校で開催されている、認定職業訓練校指導員補佐研修において指導員補佐として参加しており、若手の参加選手に熱心に指導を行っており、地域の技能育成にも貢献をしている。
一戸 敬護
(29歳)
鉄道車両組立工・修理工
札幌交通機械(株)
 平成25年札幌交通機械(株)入社後、平成27年に現所属に異動以来鉄道車両備品研修業務に従事し、たゆみない努力と自己研鑽に努め、優れた技能を習得するとともに、鉄道車両の安全安定輸送を通じ、北海道地域社会の発展に貢献してきた。
 多くの人々を安全に目的地に運ぶため、寒暖差が大きく走行条件が過酷である北海道の鉄道車両の部品検修等について、高い技術技能を保持するとともに、品質向上、安全確保、業務効率化に取り組み成果を上げた。1級鉄道車両製造・整備技能士をはじめ、業務に必要な様々な資格を積極的に取得、他の技能者の模範となっている。
 また、技術継承にも積極的に取り組み、中途採用の社員に対しての技術指導をはじめ、小集団活動での業務改善提案や、環境整備、5S推進にも積極的に取り組み成果を上げた。
 鉄道車両備品の検修に際し、高い技術技能を駆使し、品質向上を図り、安全作業の遂行、環境整備を通じて、品質のよい、故障のない車両備品をJR北海道に提供し、北海道民の公共交通機関である鉄道輸送の安全安定に大いに貢献している。
髙橋 幸平
(28歳)
大工
(株)協伸建設
 平成30年(株)協伸建設に入社以来技能の研鑽を積み、2級建築大工技能士、2級建築施工管理技士、1級建築施工管理技士補の資格を取得。近年の若者の技能離れの中「物作りが好きで、大工を目指したい」と父と同じ現所属に入社した。
 仕事は丁寧であり、手順もよく他の技術者の方々から仕事内容を読み取る力に優れており、また、これまで習得した資格の活用へとつなげ新しい感性で切磋琢磨している。
 技能習得の向上に努力する姿勢は、同じ建築大工の若手仲間にも大きな手本となっている。
 仕上げに対する創意工夫があり、職人の方々とのコミュニケーションを大切にし、作業向上や効率化につなげており、現場監督にも認められている存在である。
 ねむろ自然の番人宣言「ごみゼロの日」への奉仕作業に参加したり、中標津地方技能士会に所属し、青年部理事として家庭用包丁研ぎなどの手作り体験技能祭へも積極的に参加している。

 

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