第4回懇談会・会議結果概要(環境・エネルギー室)
第4回深地層研究所計画懇談会・会議結果概要
1 日 時:平成12年3月13日(月)10:00~11:30
2 場 所:ホテルポールスター札幌 4階 「シンフォニー」
3 出席者:加藤委員、傳法委員、三浦委員、向田委員、山科委員
(事務局)
北海道経済部 磯田、本多、村井、板谷、村本
4 議事概要:
(1)深地層研究所(仮称)計画について
(2)その他
○座長
- 大変お忙しい中、ご出席をいただき感謝を申しあげます。できるだけ全員の先生方の出席のもとに懇談会を開きたいということでご都合を伺ってきましたが、全員が揃うという日がないものですから、お諮りをいたしまして回数を多くさせていただいたということです。前回、そういう意味から古市委員から廃棄物の問題を含めた道民合意の形成について、ご専門のお立場から話をいただいたわけです。本日、向田委員にきていただいておりますので、前回からの検討内容の残りの一つである放射性廃棄物を持ち込ませない担保措置を中心に今日は意見を述べていきたいと思いますが、進め方はそういうことでよろしいですか。
- ではその様にさせていただきます。
○委員
- 今日は担保措置ということでお話をしたいと思います。この間、私宛に多くのファックスや手紙を受け取りまして、道民の皆様方が深地層研究所が核の処分場になるのではないかという危惧を持っているということを、私も十分理解できるわけです。そこでそういうことにならないような担保措置について、お話をさせていただきたいと思います。
- 前々回お話をさせていただきましたように単に申し入れではあまり意味がないと。協定といっても、協定が実効性あるものするには、単なる宣言的なものにとどまっているのでは困る。効果があるような形にしたほうがいいのではないかということをまず述べたいと思います。そういう観点からみますと、この協定での担保措置について三つの点で議論ができるだろうと思います。
- 一つは、協定の形式の話です。協定は一種の契約みたいなものですから、できるだけ法律の文章になったような形のものが望ましいと思います。そういう意味では、泊発電所での協定書などが一つの参考となるかなというように思います。
- それから2点目は協定の内容であります。協定の内容につきましては、検討委員会報告の7頁に書いてあり、内容的にはこういうことかなという気がします。ただし協定に違反した場合に、必要な措置と書いてありますが、この必要な措置というのをもっと具体的に書く必要がある。例えば一番強くいうと操業停止とか、そういうことまで含んで具体的なことを書かなければちょっと問題があるかなという気がします。
- 3番目は、協定の当事者であります。私は、前から言っていますように国が単なる立会人では困る。この問題は国の政策の問題ですから、科学技術庁の長官の文書がきていますので、国が単なる立会ではなく、協定が守られるようにちゃんと担保するのだという形を入れる必要があると思います。
- ただし、協定という方式で担保措置をとっても、協定そのものには限界があります。何が限界かといいますと協定の内容に盛り込まれていること、それから協定の当事者しか拘束しませんから、それにはずれた場合にどうするかということを考えておく必要があるのではないかと思います。この懇談会の中でもいろいろ議論がでましたように、ゴミは自分のところで始末する。それは産業廃棄物であっても、放射性廃棄物であっても自分のところで始末をする。これは前回も委員の方が話していますし、私もそのとおりだと思います。そういう観点からも宣言的なものでも結構だと思いますから、条例化をしたほうがいいと思います。たまたま新聞を見ていましたら、産業廃棄物についてはそういう方向で進むという話がでていますので、それと同じようなかたちで条例化してはどうか。条例化するということはどういうことかといいますと、議会で議論するということになります。そうするとこれは道民合意の形成の一つということになりますので、そういうものを作っておくということによって、今後の対応、措置がいろいろ可能になるだろうと思います。
○座長
- 今担保措置の形式の問題、内容の問題、当事者として特に国の役割というようなお話でありましたが、委員の方、何かご質問等々ありますか。
- かなり法律的な内容に関することだと思いますが、形式として先ほど泊発電所の協定の内容というものも参考になる。例えば、深地層関係ですと、東濃地科学センターの協定書はどうですか。
○委員
- これは簡単すぎて、あまり今の問題となっていることにまず対応できるのかどうかという気がしました。その後泊発電所の協定を見て、せめてこのくらい細部にわたった協定書を作る必要があるのかなというように思います。
○座長
- 内容のことにも関連して、違反した場合の罰則、操業停止とかそれぐらいのところまでも持っていく必要があるというような話がありましたが、先生方いかがでしょうか。
○委員
- 今のご意見に賛成したいと思います。ただ一つ、協定に違反した場合というのは、核廃棄物を持ち込まないということに対してそれを持ち込んだ場合ということが違反なのでしょうか。
○委員
- それも当然含まれると思います。どういうように作るかわかりませんが、協定内容に反するということで、最もひどく反することは、今の言ったように持ち込んではいけないということに対し、持ち込むような場合で、そこまでならないケースがいろいろとあると思うのですけれど。一番強い場合のペナルティーとしてはそこまで考えておくべきだと言っているわけです。
○委員
- 私自身は行政というか、国をすべて信頼しているわけでは決してありませんが、幌延にまつわる、今までの経緯から予想される不信感がかなり根強くあって、その結果、国が核廃棄物は一切持ち込まない、何年後かには、深地層研に土を埋めて終わるということを明言しているわけです。私は国を信頼しております。どうしても将来廃棄物の処理は必要となってきますから、そのためのノウハウを早く確立しておく必要があるということです。担保措置というのは、一切持ち込まないということを前提にその上で、さらに担保措置が必要なのでしょうか。持ち込まないということを前提にした上で、さらに問題があるかどうか。私は法律の専門ではないので、この場合についての先生のお考えを聞きたいと思います。
○委員
- 一般的に言いますと、協定者が契約を結びますね。そうすると必ず契約を守らない場合を想定しておきます。例えば、損害賠償請求をするとか、違約金を取るとか。そういうレベルで話を考えていただけるといいのですが、要するにこれは協定ですから、協定というのは、両当事者を縛るわけです。しかし片方は国だから信頼しなさいと言われてもなかなかそれは出来ないよというのがいろいろな意見なのですね。だから、こういうことをしておけば大丈夫ということで、一番強いものです。だからそこまでいくということでなくて、もしもの場合に備えて万が一の時ということでいっているわけでして、口からでまかせを言って何かするとかそういうことを言っているわけではない。
○委員
- 委員がおっしゃったことは、違反した場合にはどうするかということですね。そうするとチェック体制ということも当然議論の中に入ってくると思うし、それはどのように考えていますか。
○委員
- この検討委員会の報告書でも立ち入り調査というのがありますから、そういう専門の部局なりが、道に必要なのではないでしょうか。立ち入り調査をした結果こういう違反がありましたといって、次の段階にいくわけで、全くない段階ではわからないわけです。何らかの組織を作る必要があるのかなと思いますが。
○委員
- 一点だけ、3番目にご指摘いただいた国が立会人になることでは困るということです。具体的にこういう協定を3者が同等の立場で国、地方公共団体が対等の立場で行なわれたケースというのはあるのでしょうか。
○委員
- 国が対等の当事者というのはないと思います。当事者になるというのではなくて、国が単なる立会でなくて、国がちゃんと保証しますよというそういうものが必要なのではないか。一番いいのは当事者になることなのですが、だけど恐らくそれは法律構成上、無理だろうと思います。今までにないことですし。立会人というのは、ある意味では傍観者的といいますか。本来は国の政策ですね。だけどたまたま放射性廃棄物の処理は事業主体にまかせる、あるいは研究機関にまかせるということがあるから表面に出てこないだけであって、しかし実はこれは国の政策なのですから、そうであるならうまく取り入れていくという発想で考えてみたのです。
○座長
- おそらくこの協定書を結ぶ時の内容の問題だといいましたが、具体的に違反をする内容の中には、必ずしも放射性廃棄物を持ち込まない、持ち込ませないということだけではない。研究は行ってみなければわからない面があって、実施していくうちに周辺とか、その他に何らかの影響が出てこないとも限らないわけです。ですからそういうようなことがあったら困るから、この研究の経過というものは、オープンにされなければいけないし、多くの方々に利用していただかなければいけない。内容によっては、これ以上研究を続けると影響が大きくなるから、例えば中止をしなさいとかいうこともでてくるのかと私は思ったのですけれど、いかがでしょうか。
○委員
- 私は前回の委員会で、担保措置の中に具体的に事業主体からの情報公開だけではまずいというお話をしましたが、それは大学も含めて地域住民等々が同じ研究成果に対して同等の立場で議論できるようにすることが必要と思います。専門的な話はかなり特殊な面もありますけれども、そういうものを一方的な情報公開ということだけではなくて、それをできるような体制を是非担保措置の中に入れていただきたいと思います。今までの原子力行政が不信をあおっていたところはかなりそういう部分が、日本ばかりではなくてあったということは、十分皆さん認識されていると思いますので、そのことは是非担保措置という項目の中に具体的に入れていただきたいということでお話をしたつもりです。
○委員
- それは大賛成です。今、サイクル機構で情報公開制度を持っています。ですから求められた情報は出す。むしろ今、先生がおっしゃったのはそれだけではなくて、もっと研究成果を共有できるような情報のシステムみたいのを作って、それを盛り込むということは私も大賛成ですね。
○委員
- 私も今の意見に全く賛成です。
○座長
- 資料を隠して大きな問題が出てから謝るというのがこれまでのやり方でしたよね。これだけ大きな道民の方々の関心がある中で隠して地域に迷惑をかけるような研究は、おそらく成り立たないのではないか。そこでウソみたいなことをもししたら、これは研究所だけではなく廃棄物そのものの将来的な処理が一切進まなくなっていく。そういう大変なポイントではないかと思ったものですから、決して研究所の担保問題は、放射性廃棄物関連の問題だけではなくて、同時に研究所ができることによって周辺にどれだけ迷惑をかけないような、そういう内容にしていくかということが大切かなと思います。事務的にみてどうなのですか。
○事務局
- 東濃の場合もそういう委員会を設けて情報公開等にあたるという仕組みも一つ必要だということにしていますので、追々そういうことを実際にする形になっていくと思っています。サイクル機構の研究がもともとオープンな形で、国際的に開かれた研究機関ということで行うし、研究の範囲も地震等の研究を含めて行うということですので、そういう仕組みができるように今後検討していくということになろうと思います。
○座長
- 改めて泊原発の協定書の内容を見ますと、かなりきめ細かく協定が結ばれています。ですからこういったものが研究所についても必要になっていくだろうということだと思いますが。
○委員
- 形式については、先ほども言いましたように泊発電所の場合を参考にということです。それから協定の内容は、報告書の7頁にほぼ盛られていますので、これはそのまま使えるのではないかということなのです。読みますと、研究実施区域に放射性廃棄物を持ち込まないこと及び同区域内で使用しないこと、それから研究施設を処分の実施主体へ譲渡、貸与しないこと、研究施設は、研究終了後閉鎖するものとし、地下施設を埋め戻すこと、放射性廃棄物の中間貯蔵施設を設置しないこと、計画の内容を変更する場合は、事前に協議すること、道及び地元自治体に情報を公開すること、計画の実施段階ごとの具体的計画内容について十分説明をしていくこと、必要に応じ研究施設への立入調査ができること、道及び地元自治体は、事業主体が協定内容に違背したと認めるときは、事業主体に対し必要な措置をとるものとし、事業主体はこれに従うことこういう項目がありますから、これを持っていけばいいのではないか。
- 国の問題はどうでしょうか。おそらく事務局で交渉しているのでしょうが、なかなか出てこないのでしょうね。おそらく。
○事務局
- 協定書の国の関わりということですが、前々回、先生からの発言もあり、なおかつ議会のほうでも国の関わりの質問がありましたので、国のほうにも見解を照会しています。現時点ではそういう例がないということで、国が当事者になるということはないという理解はしていますが、なお今後国とも協議は続けていきたいと考えています。
○委員
- 特定放射性廃棄物等の最終処分に関する法律案の骨子というのがありますが、この情報を把握しているのであれば教えていただきたい。
○事務局
- 以前に高レベル放射性廃棄物処分に係る制度の概要という形で国のほうから将来の法案の整備に向けての動きがあるということで情報提供を受けておりましたが。特定放射性廃棄物等の最終処分に関する法律案、まだ仮称ですけど、そういったものを提案するということで、今、法案の各省協議をしているというように伺っております。3月10日の原子力委員会で国のほうから説明があったという資料を3月11日、土曜日に各委員のかたがたのところに取りあえずお届けさせていただいたところであります。これは、国の基本的な方針、それから最終処分計画の明確化を、通商産業大臣が策定し、それをもって閣議で決定する。全体計画については、原子力委員会及び原子力安全委員会の意見を聞いて策定していくということになっています。これがまず処分の計画の基本方針等についての国の責務ということになります。もう一つは、将来、処分をするにあたっての処分資金といいますか、拠出金の関係、これもかなり具体的になっていまして、機構の名称も原子力発電環境整備機構ということで民間の発議により設立されて通商産業大臣が認可・監督する。国につきましては、これまでの例えばサイクル機構と違いまして、国は出資はしないことを予定しているようです。そういうことで電気事業者がこういう拠出金の義務を課されるということ、それから資金の管理主体につきましては、これは国の指定法人が行うということであります。私どもが、この法案に向けた制度の概要の中で、説明をうけたところで一番問題視されていたところは、処分施設の立地に関する事項について都道府県知事の意見を聴かなければならないというところです。都道府県知事が意見を述べる場合、当該地点の市町村長の意見を勘案しなければならないと、こういうことを概要案の段階では説明を受けていました。地元の市町村が誘致に動いたときに、それが誘致ということですから、受けたいということが当然前提となるわけです。それに対してそこを管轄する知事の意見を聴くけれども、勘案しているというからには、片方がイエスという時に、知事がノーとはいえないのではないかと、こういうご指摘を受けてたわけですが、ここの部分が今度の法案では処分実施主体による処分地等については、まず最初に概要調査地区があって、それから精密調査地区、それから最終処分施設の建設地と、こういう今のところ三段階の選定プロセスがあると理解しています。この段階ごとにそういう選定が行われた場合には、通商産業大臣が知事、それから市町村長の意見を聴いて、その都度、先ほど申し上げました国が作った処分計画を逐次改訂していくということで、聴くやり方で勘案という言葉が消えてございまして、両方からお聴きするという形になってございます。ここが私が見て大きな変更点ではなかろうかと思います。法案につきましては各省庁協議がなされているということで、まもなくそれが閣議決定されるというようには聞いております。
○委員
- 原子力発電環境整備機構が放射性廃棄物の最終処理を行う。そうするとサイクル機構との関係はどうなるということが、ここからだけでは分かりませんね。そういう情報が全くありませんか。
○事務局
- サイクル機構は平成10年10月の法律改正で処分のほうは一切関わらないことになっており、研究が中心になっております。サイクルオンリーの再処理の開発とか、もんじゅなどの運転もございますけど、そういった固有の業務の他に処分に向けた研究については一応事業主体になるということです。それ以前にもございますけど、原子力委員会の決定におきましても、研究施設の計画と処分場の計画を明確に区別していくということでありますので、国も処分の実施主体を、2000年度中にこの法律に基づいて成立させていくということだと思います。
○座長
- これだけ例えばかなりきちっとした担保措置をして、協定を行ってもなおかつ信用できないというご意見はどうしたらいいのでしょうか。
○委員
- 先ほど言いました協定方式の問題ですから、協定に参加した当事者しか縛らないし、協定の内容しか範囲が及びませんから、それ以外の事態が出た時、もう一回やり直さなければならないわけです。沢山ファックス等をお寄せいただいておりますけれど、そういうことも心配されている方が沢山おられると思っておりますが、そういうことが協定の限界でもあるわけです。
○座長
- ご存じのことで、具体的に何か地域を無視して国が何かを行ったというような具体的な問題をご存知でいらっしゃいますか。
- 協定書というものはかなり厳しいものを持っているわけですね。要するに地域の意向を無視した形で、地域がこぞって反対をしている中で、我が国でそういったことがおこってくるのかということが心配されている。例えば吉野川の河口堰の問題にしても、地元が反対しているから、大臣が言っていても実際には方向を変えなければいけないというようなこともありますよね。私はずっと前から幌延の問題について言えば、先に地域が手を挙げて核廃棄物でもいざとなったら受けてもいいといってきたという経過があります。それを実際には北海道が、北海道という地域の立場でもってずっと反対してきた。だから持ち込まれてきていないという現実があるわけです。協定書の当事者はこれから道として見直しして検討していくことになろうかと思いますけど、今度の場合、知事がかなり強い意思をもってこれに打ち込もうとしている。それ以上の担保措置があるのかなと、安全措置というものはあるのかどうかっていうのが私には分からないですから。
○委員
- なかなか答にくいですね。これは、ここでの議論に馴染むのかどうかの問題ですけれども。歴史的な経緯があって、ここでいろいろねじれ現象が起きてますから、一言で言えないと思います。
○委員
- 今の座長のお話を聞いて、この懇談会に参加するにあたっての私の心構えと少し違うように思えます。私の認識とちょっと違います。廃棄物の処理施設は将来必要で、どこかにそれは作らなくてはいけない。北海道も、泊原子力発電所がある以上どこかに埋めなくてはならない。それはどなたも同じ考えだと信じております。自分のゴミは自分で捨てると。そのうえで今回のこの科学技術庁、それからサイクル機構の提案というのは、当初は核の廃棄物を捨てる施設ということから始まって、それは道民の合意が得られずその提案は拒否されたのだろうと私はそう思います。しかし2030年にはどこかにゴミを捨てていかなくてはいけない。日本で処分するための条件を研究するための基礎研究はどうしても必要です。サイクル機構や科学技術庁の方々にいろいろなことを質問したつもりですが、北海道で一切放射性廃棄物を持ち込まないという条件で、これを作ったらいいかどうかということを、私は専門家の立場で問いかけられていると思いまして、放射性廃棄物を絶対持ち込まないということだけを担保されるならば、科学者として、専門の立場としては、どうしてもこれは早いうちに進めていくべきだという立場にたっているわけです。それでも作った以上放射性廃棄物を捨てるのではないかというのが今の議論の中心だと思うのです。私は、やはり私たちが選んで、圧倒的な得票を得て当選した知事を信頼していますし、国もある程度信頼して、あとは私たちがどう監視して放射性廃棄物を持ち込ませないように行政的に担保してもらうかということと、私たちが監視できる仕組みだけを作っておけばよいと思います。その他にもう一つは、北海道にこういうものを作ることができれば、私たち研究者というものは非常に大きな波及効果、メリットがあるという立場でこの問題をとらえているわけです。例えば計画内容を変更する場合でも、協定という話がでてましたけれど、計画内容の変更は、放射性廃棄物を一切持ち込まないと言っていたのに、持ち込むというふうに変更するということはあり得ないこと。もともと持ち込まないということを前提でしてることですから、計画内容の変更というのは、例えば来年度地質学的な研究で、こういうことをしてみたら、次に来年度にはこういうことをすればもっといろいろなことが分かるという、そういう意味の研究計画の変更はありえます。前提条件として放射性廃棄物は一切持ち込まないというそれだけが担保されていれば、ある程度研究の計画はありえます。ですからあとは知事公約にあるように、放射性廃棄物を持ち込ませないための担保措置方策等について、道の考え方をまとめることとしております。議会やこの会やそれから住民の合意を得て最終的に判断するということでありますので、担保措置についての問題点というのは、知事がどういうふうに判断されるかということですし、それに期待したいと思っております。放射性廃棄物を持ち込まないといっていても、持ち込むのではないかという懸念はだれでも持つのだろうと思うのですが、その研究施設には、至る所に放射能の検出器を置いて、それはいつもオープンになっていて、放射性廃棄物を持ち込まないということだけをモニターして監視することは不可能ではないと思います。でも、そこまで国や道庁それから知事が信頼されないということならば、いったい私たちはなんでそういう人を行政のトップに選んだのかなということでありまして、あんまりいろいろなことを詮索していきますと、何も先へ進めないというような気もします。
○座長
- 最終的にはもう、法律というものも信頼してそれで成り立っているものですから、それをなおかつ信頼できないとなると後はなかなかないだろうというふうに思うのです。だからこそ今度は協定書を締結してより厳しいものにしていく。それしかないのかなというのがどうしてもあるものですから、地域を無視した形では、私はこれからの問題は進むものではないだろうということを前提にこれまでのお話をしてきましたが、それで良いですか。
○委員
- 先ほども話しましたけど、条例化についてはこの懇談会の先生方とは合意できそうな気がしますけども、宣言的なものでも結構だから、そういうことは将来的には一応議会をとおしますから、ひとつの担保措置にもなりうるだろうというふうに思います。議論をしていただければと思います。
○座長
- 何かご意見ございますか。確かに協定書に載っていても、協定書に外れるようなものも出てくる可能性がありますね。それに対しては、それぞれ地域で実際にしているところもあるようですが、条例化というようなものも地域で議論をしていく必要があるというお話だと思いますが、これについて何かご意見ございましょうか。それはもっともだというように思えるのですが。
○委員
- 北海道としての姿勢を示すことは、こういう問題に対する基本的ないわば基本法のようなものです。それによって権利義務まで影響を及ぼす問題ではなく、いわば宣言的でも結構ですから、そういうものを北海道として作っておいた方がよろしいのではないかということ。
○座長
- これの検討報告書の7ページの下のところに、道の基本姿勢を明確に示すためには協定以外の措置として、条例の制定や議会の決議、宣言もしくは声明、または知事の定める要綱などが考えられて、こういったものについて今後議会その他のご議論などもいただきながら、あるいは懇談会の意見も参考にしてもらいながら、でき得る最大限のものを道として努力してもらうということでよろしいですか。条例がいいのかということにつきましては、それは具体的な方法論については、道にお任せしたいと思いますが、そういう強い宣言みたいなものも視野に入れておいた方がいいというご意見をいただいたと思います。
- 他にこの担保措置のことについて何かご意見ございますか。
- 最初に協定の形式の問題としての参考として、泊の原発に関しての協定書が非常にきめ細かくて参考になると、こういった形式のものを考えてみたらよいと。それから内容につきましては、具体的に書いて、極端なことをいうと、何か違反事実が出た場合には、それに対する禁止措置をも盛り込んでいくようなことも書いていく必要があるのではないかと。それから国が直接な当事者になるのかどうかわかりませんが、ただ単なる立会人ではなくて、もう少し強いものを考えてはいいのではないかと。実際にはなかなか地域と国が契約を交わすのは、法律的には結構難しいことですが、それならば代わるものとして、何かを考えていく必要があると。この協定書からはずれたことで問題が出てくることに対して一つの歯止めとして、例えば条例化なども、この検討報告書の7ページで、この報告書そのものが述べているような内容について、宣言その他の条例化を考えていくのが良いであろうということだったと思いますが、これに後、付け加えることがございましょうか。
- それではですね、大体この担保措置のことにつきましては、これで終わりたいというふうに思います。なおできれば、必要があって私どもこれまで4回の懇談を重ねてまいりましたが、できるならば今年度内、今日で終了したいと考えておりますので、この機会に各委員の先生方なんでも結構ですから報告書に関連しました問題についてご発言をいただければと思いますが、いかがでしょうか。順番にお願いしてよろしいですか。
○委員
- 法律関係の委員もおっしゃいましたけれども、国の政策というお話がありました。原子力問題についても、他のことについても、よくあることですが、国の政策なのに、国が当事者として表面に出てこないということがこれまでよくあったように思うのです。第1回目の時には国の人が出席していましたので、私が伺ったのはそのことなのです。今日、事務局からのご説明では、今、立法化に向けて一種の特別法でしょうか、高レベル放射性廃棄物処理についての法案が準備中で、そのうち国会に上程されるということですが、私は中身が本当にそれで良いのかどうかどうかということがよく分かりません。第一、法律の条文について1項ずつ検討したこともない。しかし一番大事なのは、ここで議論になってますように、最終的な処分場といわれてますものが決定される時のプロセスというのが非常に大事だろうというように思うのですね。法律ではそのことがクリアーされているのかどうかということが大変気になります。後のことは実はその後に続いてくることだと思うのです。
- 私も多くの方々からご意見を聴かせていただいたのですね。その中にはこんなご意見がありました。例えば地質について調べることは結構だろう、だけど研究所を作るということと、処分場の建設というものは別のことだとすると、処分場についてもまた調べをしなければいけない、だから二重になるのではないかというご意見がありました。私はそのこのことについてもなるほどというように思います。できれば国がどういうように考えているかよく承知しないで言っているから、間違っているかもしれませんけれども、大まかなところで処分地を定めて、それを具体的に調べて、それを最終的に決定するという三段階のプロセスがあるということが事務局のほうからお話がありましたが、そんな手順で進めていくというお話ですね。それがされるのであるならば、その手順を日本の国内のどこかでそういうことでしていけばいいと思うのです。ただ今回出てきたのは、話はそのことではないと思うのです。原子力の先生がおっしゃったように、一般的なノウハウというものの蓄積というものがまずなければならないだろうということがたぶん先にあるのだろうというように思います。個別の地域というものの名前を出しますと大変問題が起こるということは私も承知してますけれども、もう皆さんご存じのように実際には北海道の中の幌延という地域が特別に挙がってきていて、これはサイクル機構のほうの人たちの説明でも、そこで調査研究をするとどういうことになるかということを前提で話をしているということをはっきり言っていましたよね。他のところでももちろんいろいろな調査研究をするということは可能だと思います。最終処分場というものが選ばれるとすると、そこでも同じように調べなければいけないだろうというように思います。前から申し上げたことを繰り返すようで恐れ入りますけど、日本で果たして実際に考えられているような地層処分ということが可能であるかどうかということを含めて、やはり検討を実際に進めなければいけないわけですから、これも私がいただいた文書の中にあったことですけれども、地面の表面に置いていてもいいのではないか、あるいは深いところでなくても、浅いところで処理を進めてもいいのではないかとこういうご意見もあったのですね。これについては、確かにいろいろな議論があったし、研究もされているというように思います。ただ、地下の処分が一番妥当だろうと。処分というのはどういうことかというと、安全に相当な期間隔離することだというように言われています。もしそうだとすると、相当な期間とはどのくらいだということが大変問題になりますけれども、ある人の言い方によると、安全になるためには10万年かかるというように言われています。人の人生のサイクルからいきますと随分途方もない長い年月です。だからこそ非常に慎重に徹底的に調査を進めなければならない、研究しなくてはいけない、ということだろうというように私は思います。そういう意味では、一般的に基礎研究は、いくら早く始められてもおかしくない、日本は遅すぎたと思っています。私はかつてストックホルムの大学に勤めていましたので、スウェーデンのいろいろな動向については関心を持っています。スウェーデンはいろいろな意味で、我々の参考になるような国だろうと思ってます。小国ですけれども、非常にいろいろな考え方が進んだ国だろうと思います。あそこでは、最初の原子炉というのは軽水炉ですけれども、これをバーセベックというところで、1972年だったと思いますけれども稼働を始めてまして、もう何年も経たないうちに、後のほうはどうするかということが非常に関心を引くようになりまして、確か1977年だったと思いますけれども、スウェーデンでは、放射性廃棄物の処理に関する法律ができ、つまり、原子力発電所を稼働させるからには、その後はどうなるかということもずっと前にいろいろ気がついて、いろいろ考えていて、その事自身も前にちょっとご紹介しましたけど、その後ずっと経過がありますけれども、スリーマイル島とかそういうのがあって、スウェーデンでは原発をこれ以上作らない、2010年までに全廃するということを国民投票で決め、1980年に原発全廃を議決したということですね。そこの国では、原発の寿命というのは大体25年というようになっています。ですから新しく作らないで、今ある発電所を終息に導くのはいつかというと、2009年。その国でも廃棄物の処理というのは大変重要な問題で、今ハードロックという研究所を作って研究をしてます。それまでの間は、テンポラリーですけれども、一時期、地上に30年から40年と言われてますけれども、銅のカプセルに入れたものを、一時的に保管するということです。低レベル、中レベルについては、地下のそんなに深くないところに、処理場は既にできておりますが、高レベルのものについては、まだ研究は進行中だということです。スウェーデンの地質は、非常に堅い岩盤でできてますので極めて安定していると普通は考えられるところです。ところが日本で同じような条件のところを探すことは大変面倒です。私がいただいたご意見の中には、そこでいろいろな研究をしているのであれば、なにも特別にしなくてもいいのではないかという考えもあるようですけれども、それは違うのですね。日本で処理をしなくてはいけないのであれば、自前の条件を自前のやり方を探さなければいけない。いただいたご意見の中に誤解があるなというふうに思った部分がありました。例えば、幌延で研究を行う場合に、利尻火山の話が出てきたり、あるいは奥尻島の津波の話が出てきたりしている。そういうことも、研究計画の中に盛り込まれており、それならなんでもありではないかという話になる。しかしこれは非常に大事な点なのです。例えば、幌延は非常に厚い地層が溜まっているところであり、地層がたくさん溜まっているということは、どんどん沈降しているということです。その中には、たくさんの火山灰地層が含まれています。これは朝鮮半島起源のものもありますけれど、多くは利尻火山から由来したもの。地層の年代を決める時には、火山灰の研究というのがどうしても必要となってきます。その場合には、周辺のところも含めて調査する必要がある。本質的なことが分からなければ、一体それをどういうように利用できるのか。例えば地下環境のあり方というのが、本当のところが分からなければ、本当のことというのは、いろいろなことを総合的に考えてということですけれども、それ以上は進まないだろう。本当に処分が適当なのかどうかということも含めて大事なことだと思います。先ほど100万年という話をしましたので、あまりにも先のことで、そんな先のことが分かるのかという疑問がでてくることだ思うのです。前回も委員からどんなものでも100パーセント安全なものはないことを前提にして考えるということが大事ではないかというご意見がありました。地下に埋めるということを、そういう処理が必要だということを前提にしてお話をしますと、地下というのは過去にできた地質体ということなのです。それから現在まで時間がたち、幌延の地層の中には、幌延という地域がたどってきた歴史が全部記録されているということになります。そうだとすると、未来のことについては確かに分からないけれど、過去の経過についてはかなり調べることができる。そうだとすると、その延長上に未来があるというように考えることができるだろうという考え方に立てる。実際には、放射性の廃棄物をガラス固化体の中に固定して入れるということですから、それが何万年も経ったらどうなるかということを本当にチェックしなければならない。ですけどそれは、研究としてもできることではなかなかない。それでナチュラルアナログと言ってますけれど、いろいろな時代のいろいろな地層がどんな具合に経過をたどってきているかということ、これは研究可能ですので、これを未来に向けて調べていくことが大事だと思っております。
- 地層の中に最終的に処分するということは、国の処理計画の中でも前提として認められているようです。ですけど本当は、法律でそういうように言ってしまっているのかどうかということは私は分かりません。どこでどのようにして安全に隔離することが一番いいのかということは、これは全部をひっくるめて調べていかなければいけないことだろうというように思うわけです。ただ、どの場合でも、これは地下のことについては、例えば地上の構造体についても、これは地盤工学の先生がおっしゃったことですけれども、地盤のことについて調べていかなければいけないし、他のことについてもみんなそうです。地下の地質についての知識がなければ、安全性の検討ということはできない。
- もう一つ、チェック機構のお話をいたします。道は、人的にも、それから体制としても、地質の研究についての検討をチェックすることができる組織を一つ持っていると思います。ですから開かれた研究でさえあれば、そういう体制でさえあれば、我々はそういう人、あるいは組織に依頼して研究を進めていくことが十分可能だと思っております。
○座長
- ありがとうございました。
○委員
- 今日で4回出席させていただいて、いろいろなご専門の方々の意見等をお聞かせいただいて、大変勉強になりました。私は地盤工学という学問分野で仕事をしておりますので、そういう観点から深地層研究所計画というものに対していろいろな期待があります。それは前提が放射性廃棄物という高レベルの廃棄物ということ以外に、非常に科学、あるいは学問の進展に貢献するところが大きいということを以前お話ししました。この高レベルの放射性廃棄物を埋める手段として、深地層に人工のバリアを設けて、それを自然のバリアに期待して、なんとか格納して、所定の安全度を保持すると。こういうことをするために、日本の特に地質学あるいは地盤工学の観点から見る研究レベルというのはかなり低いと思います。というのは、カナダなどとずいぶん共同研究を進められているようですが、ごく最近になり、そういう関連の論文が我々の関連する論文集に載ってくるようになりました。ところが、その論文の根元といいますのは、既に先進国でされているデータであるということと、それから地盤工学の面から見まして、自然のバリアということを期待していて、本当に高レベルの放射性廃棄物を保持できるかということに関しては、まだまだ研究段階では低い位置にあるというように言わざる得ないと思います。そのためにも、日本でも早急な研究が当然必要なわけで、そういう処分場にはしないということを前提に研究所計画を受け入れるということについては、そういう意味では非常に歓迎しているわけです。それでただ今までの議論の中で、今国会で提案される原子力委員会の決定の文書を先週末詳細に見せていただいているのですが、その中でいろいろな定義が、その前に主としてそういう廃棄物を出してくる民間の公益事業ですけど、電力会社の責任等々が、非常に法案の中では極めて明解になっていると思うのです。ところが私が現状で懸念している部分に関しては、例えば概要調査地区であるとか、精密調査地区、それから最終処分施設建設地等に関して定義があるのですが、その中で一部見ますと、精密調査地区という中に、当該地層内で、坑道の掘削に支障がないと考えられる概要調査地区内においてということ、それから最終処分施設に適していることが明らかになるという段階は、非常に不明確な形で提示されているわけです。したがって、そういう観点から見ますと、法律で一から十まできちっと整理されるというのは、非常に難しいのかもしれませんが、是非前回から申し上げているような担保措置の中に、ここで不明になっているような、研究成果の評価をいろいろな立場の方が参画できる形で整理していただきたい。そうすれば、かなり地元の意思の反映ということも、この検討委員会の報告書の8ページからございますけど、かなりの程度明確に答えを出していくことができると期待しています。こういう法律論議の中で、研究成果を本当にこれは100パーセント安全な施設を導くものだと、あるいはそうでないということを詳細に議論する必要があります。それだけ重要な問題を将来に持っていくことになりますので、その辺を是非議論するような形を作っていただきたいというように思うわけです。
○委員
- 北海道としての姿勢の示し方のところで補足しておきますと、検討委員会の中でいろいろ議論がなされたようで、結局、法律との関係で条例は難しいという結論に落ち着いたのだと思います。しかし、道が道民の健康とか生命とかを守ることは当然の仕事でありますから、それを条例の中に取り込んでも、なにも健康上の問題が起きるとは考えられないということで、是非前向きにやっていただきたいというように思います。以上です。
○委員
- 日本の原子力の最終処分に関する研究は、非常に遅れていると思います。例えば、スウェーデンの処分場を私は何年か前に見てきましたけど、原子力はかなり縮小しつつありますけど、既存の原子力発電所から出てくる放射性廃棄物について、スウェーデンは100年分の地層処分をする場所をもっていると自慢していました。北海道にも原子力発電所があって、着実に原子力発電所の廃棄物は出てまいります。2030年には、私ども北海道にも自前で処理する施設は持たざるを得ないと。そのためにはどうしてもより安全な最終処理施設というものを作るために、とにかく地層の研究はどうしても必要であると。放射性廃棄物は一切持ち込まないという条件で研究施設を早急に進めていかなければ、北海道にもどんどんゴミが溜まってくることになります。問題なのは、今日、議論があった担保の取り方だと思いますが、これは知事公約にあるように道民合意を得てという知事の今後の進め方、これは道民の合意が十分に得られるような形で成り立つことを期待しています。いずれにしましても、放射性廃棄物を持たないという前提での施設ということですが、ゆくゆくは北海道の中にも必ず高レベル放射性廃棄物を捨てる場所というものをどこかに確保しなければならない。そのためには早いうちにこういう研究に取りかかる必要があるということであります。今後、道や知事の指導力というものに期待したいと思います。
○座長
- 座長としてではなくて一委員としての私の意見をお話しさせていただきたいと思います。私ども現代社会に住んでいて、自然の資源を利用して、いい生活を送れるようになりました。今、分かったことは、この資源というのは有限のものであって、大切にしていかなければならないということが一つ。もう一つがそういう中に生きている全ての人間が、次世代のためにその資源を残していく責任があるということが基本だと思います。そういう意味でいけば、逆に言いますと、現在私どもが、生活の中で恩恵を被っている電力というものを使っていて、そしてそれに関連する様々な問題が出てきた時にこれから逃げることができないということです。道民のどのような人達も、どの人達もこういった問題に責任があるのだということが一つあろうかと思います。そういう意味からいきますと、原子力発電というものが現実的にあって、それなりの負の遺産というわけではありませんが、高レベル廃棄物が出てきているとするならば、これについてただ反対、ノーというのではなくて、同時に自分は何をしなければいけないのかということを考えていかなければいけないのではないかというのが第一点でございます。
- 二つ目には、そうであればなおさら、私は安全に処分していくための基礎的な研究が必要だと思います。
- ただし三つ目には、その途中で、これはあくまでも研究ですから、深地層研究をしていったとしても、その途中でいろいろな不都合なことが出てくるかもしれません。その時にはそういった内容がいつも他の人達に見てもらえるということがあって、そういった不都合なことがあれば、決して住民の方々に迷惑をかけるような内容での負担を続けさせてはいけないということです。
- 四つ目には道民の方々に非常に強い不信感がある中で、北海道はそういったものの払拭に努力すると同時に、大きな流れの中でこういった研究のあり方について、国との調整、それから実際に行うにあたっては地域での調整というものをきちっとしていって欲しいと思います。そしてそういった合意の上で、この研究所の実現というものについては、道民の方々の意見を聴いて十分検討していただきたいということでございます。大体これで、私ども委員のほうではお話ししてきましたが、事務局の方で何かさらにお話ありますか。
○事務局
- 事務局から一つはお詫びになると思いますし、もう一つはお願いがございますが、2月7日の設置以来1か月少しに渡りまして、この間、先生方のご自宅あるいは大学、こういうところにも沢山ご意見が寄せられたというように聞いてございます。私どものところにもいわゆる組織的な同文の文章をはじめ沢山いただいてございまして、そういうことをまた先生方にお届けしたりして、随分ご迷惑かけたこともあったかと思いますけれど、先ほど来お話がございましたとおり、道民の皆さんの中にもそういう不安とか疑念とかをお持ちの方もいるということの一つの証でございますので、そういうことでご勘弁願いたいなと思ってございます。またファックス等をいただく中で、委員の方々のところのファックスの調子がおかしくなったということまで伺ってございまして、大変申し訳なく思ってございます。それからもう一点は、会場の運営につきましても事務局の不手際があったかと思いますけど、委員の皆様方からおしかりを受ける場面もあったかと思います。これも大変申し訳なかったと思ってございます。
- それからお願いのほうでございますけど、またこの後、道の方で検討する段階におきましても、このご縁を機会に勝手なお願いということでアドバイスをお願いする場合もあるかと思いますので、一つその節はまたご相談に乗っていただければと思ってございます。最後に本日の会議の記録の内容につきましては、また委員の皆様のところにまとめ次第チェック等をお願いするという形を考えてございますので併せてよろしくお願いしたいと思ってございます。本当にありがとうございました。
○座長
- それではそろそろ終了させていただきたいと思いますが、これまで4回の懇談を重ねて参りまして、各委員の先生方からご専門の立場で、検討委員会の報告内容等につきましてご意見を伺って参りました。私も教えていただき、感謝した次第でございます。こういう4回の懇談を重ねまして大体参考になるご意見をいただいた上で、総括にはならないのですが、当懇談会の検討してきた内容としては、この度の深地層研究所計画検討委員会報告書で出てきたこの幌延における深地層研究所につきましては、原子力発電から結果として出てくるところの高レベル放射性廃棄物の処分あるいは将来の施設建設の安全基準の検討の意味からも必要とされるだけではなくて、広く地層科学とか、地盤工学とか、あるいは地震学上からも広く波及効果が期待されるものではないかというような認識はあったものと思います。ただ、これまでの長い経過もあって、この研究所を受け入れる場合であったとしても、それは道が決めることであろうかと思いますが、道の方としてはやはり一番の心配でありますところの放射性廃棄物を持ち込ませないための担保措置として、協定の締結など十分検討していただくことに対しまして、この懇談会の委員からも、もっと効力を高めるための条例その他を含めて検討するようにというアドバイスをいただけたかというように思います。しかしながら同時に、この研究所の問題につきまして慎重あるいは反対等の意見を沢山いただいておりまして、このことにつきまして道として誠実に話し合うとともに、一方では、随分早いと拙速との意見をいただいておりますが、そういった誤解を受けることのないようにしていく必要があるというご意見をいただいているわけでございます。私どもは検討報告書の内容について意見を述べて参りましたが、そういったことについて特に取りまとめるということはいたしませんが、この間の議事録その他も参考にしていただいて、道としての適切な対応をしていただきますようお願いをしたいというように思います。それでは座長といたしまして、皆様のご協力をいただきながら務めることが出来ました。私達の意見が役立つことを希望するものでございます。本当にありがとうございました。
○資源エネルギー課長
- 道の経済部の資源エネルギー課長でございます。閉会にあたりましてご挨拶を申し上げたいと思います。本来であれば、経済部長が伺ってお礼を申し上げるべきところでございますが、あいにく道議会の開会中でございまして、本日出席することができません。お詫びを申し上げまして、私の方から一言ご挨拶申し上げます。
- 傳法座長を始め、加藤委員、古市委員、三浦委員、向田委員、山科委員の皆様には大変お忙しい年度末の時期に深地層研究所計画懇談会にご出席を賜りまして本当にありがとうございました。国及び核燃料サイクル開発機構から道に対しまして申し入れのあります深地層研究所計画に関しまして庁内の検討委員会で取りまとめました内容について、それぞれのご専門の立場から貴重なご意見を賜りまして重ねて感謝を申し上げる次第でございます。今後道の考え方をまとめまして、広く道民の皆様のご意見を聴いて参りたいと考えている次第でございます。傳法座長をはじめ委員の皆様には、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますように、よろしくお願い申しあげます。簡単な挨拶で恐縮ですけど、お礼の言葉とさせていただきます。本当にありがとうございました。
○事務局
- それではこれで第4回懇談会を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。