12月18日付け科技庁及びサイクル機構からの回答(環境・エネルギー室)

12月18日付け科技庁及びサイクル機構からの回答(環境・エネルギー室)

12月18日付け科技庁及びサイクル機構からの回答について

平成10年12月18日付け科技庁及びサイクル機構からの回答について

 

                                  10 原 第 203 号
                                  平成10年12月18日

 

  北 海 道 知 事
    堀   達  也  殿

 

                               科 学 技 術 庁 長
                                  竹  山    裕

 

幌延町における深地層の研究について(回答)

 標記の件について、平成10年12月15日付け資源779号をもって、貴職より照会のあった件について、核燃料サイクル開発機構が計画する幌延町における深地層の研究に関連して、下記のとおり回答します。

1.幌延町への放射性廃棄物の中間貯蔵施設の立地については、核燃料サイクル開発機構理事長から北海道知事あての回答(別添1)のとおり、先の貯蔵工学センター計画を取り止めたことから、幌延町への同施設の立地は将来ともありません。

2.本年2月26日の当庁から道への申入れ書にある「高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵については、その必要性に変わりはないことから、さらに理解を得るための努力を進めつつ、全国的な見地という考え方を十分に踏まえて取り組む」 との中間貯蔵に関する記述は、北海道への申入れではなく、中間貯蔵について国民の理解を得て取り組むという当庁の考え方を示したものであります。
   また、原子力委員会においては、11月17日の同委員会議事録(別添2)にあるとおり、核燃料サイクル開発機構からの報告事項は妥当であるとされるとともに、委員長代理より、平成10年版原子力白書(227頁)の高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵に関する記述は、北海道に対する申入れではなく、科学技術庁の考え方を示したものであるとの発言がありました。

3.原子力関連施設の立地については、関係自治体や住民の理解と協力を得ることが不可欠であります。北海道知事をはじめとする地元が中間貯蔵施設及び処分場を受け入れない意思を表明されているもとでは、北海道内が高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設及び処分場の立地場所になることはないものであります。

 

 


                                                 (別添1)

 

                              10サイクル機構(立地)012
                               平 成 10 年 12 月 18 日

 

  北 海 道 知 事
     堀   達 也 殿 

 

                             核 燃 料 サ イ ク ル 開 発 機 構
                             理 事 長  都 甲  泰 正

 

幌延町における深地層の研究について(回答)

 標記の件について、平成10年12月15日付け資源779号をもって、貴職より照会のあった件について、下記のとおり回答します。

1.核燃料サイクル開発機構は、幌延町における深地層の研究では、研究実施区域に、研究期間中はもとより終了後においても、放射性廃棄物を持ち込まないし、使用することはありません。また、当該区域を将来とも放射性廃棄物の処分場にすることはありません。
   さらに、放射性廃棄物の中間貯蔵施設については、先の貯蔵工学センター計画を取り止めたことから、幌延町への同施設の立地は将来ともありません。

2.幌延町における深地層の研究について道民合意が得られた場合には、深地層の研究終了後の措置等については、北海道や幌延町及び周辺市町村との間で協議します。

3.上記1及び2に関し、北海道と協議のうえ、協定等を締結する意思があります。

 

 


 

(別添2)

第65回原子力委員会定例会議議事録

1.日 時   1998年11月17日(火)10:30~12:05

2.場 所   委員会会議室

3.出席者   遠藤委員長代理、依田委員、木元委員
  (事務局等)科学技術庁
         原子力局
           今村審議官
           政策課 坂田課長、中川
           原子力調査室 森本室長、板倉、村上、池亀
           核融合開発室 中村課長
           廃棄物政策課 青山課長、千原、玉井
          資源エネルギー庁
           原子力発電安全企画審査課
           伊藤統括安全審査官、木本統括安全審査官
           足立、黒田、須之内、永田、有村、小山
         核燃料サイクル開発機構
           中神副理事長、圓山立地推進部長、増原
         吉舗専門委員

4.議 題
(1)東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号、4号、5号、6号及び7号原子炉施設の変更)について(答申)
(2)中部電力株式会社浜岡原子力発電所の原子炉の設置変更(5号原子炉の増設)について(一部補正)
(3)第130回核融合会議の結果について
(4)遠藤委員の海外出張について
(5)その他

5.配布資料
資料1-1 東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、 3号、4号、5号、6号及び7号原子炉施設の変更)について(答申)(案)
資料1-2 東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所原子炉設置変更許可申請(1号、2号、3号、4号、5号、6号及び7号原子炉施設の変更)の概要
資料2-1 中部電力株式会社浜岡原子力発電所の原子炉の設置変更(5号原子炉の増設)について
資料2-2 中部電力株式会社浜岡原子力発電所原子炉設置変更許可申請書(5号原子炉の増設)の一部補正の概要について
資料3    第130回核融合会議の結果について
資料4    遠藤原子力委員の海外出張について
資料5-1 第63回原子力委員会定例会議議事録(案)
資料5-2 第64回原子力委員会臨時会議議事録(案)
資料6    幌延町における深地層の研究について

6.審議事項
(1)東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号、4号、5号、6号及び7号原子炉施設の変更)について(答申)
 標記の件について通産省より資料1-2に基づき説明があった。これに対し
・折角、設置してある海水淡水化装置を現段階で経費をかけてまで撤去する理由を明確に説明されたい。
(通産省)発電所建設当時、水道水の供給能力が足りず次善の策として自前の海水淡水化装置を設置したものであるが、その後柏崎市の水道供給能力が増強されたため、現在は水道水のみで発電所用水を賄っている。運営コスト的にも海水淡水化装置よりも水道水の方が勝っており、今後稼働予定のない同装置を撤去したい。
・海水淡水化装置を撤去して上水道を利用する場合、どれくらい経費が削減できるか、教えて欲しい。
(通産省)後日、定量的に説明できる資料をお持ちする。
 等の質疑応答があった後、平成10年9月4日付け平成10・03・31資第99号をもって諮問のあった標記の件に係る核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第26条第4項において準用する同法第24条第1項第1号、第2号及び第3号(経理的基礎に係る部分に限る)に規定する基準の適用については妥当なものと認め、通商産業大臣あて答申することとした。
  注)本件申請に係る変更は以下の通り
  (1) 1号、2号、3号、4号、5号、6号及び7号炉に9×9燃料を取替燃料として採用する。
  (2) 1号、2号、3号、4号及び5号炉にハフニウムフラットチューブ型の新型制御棒を採用する。
  (3) 1号、2号、3号、4号、5号、6号及び7号炉共用の海水淡水化装置を撤去する。
(2)中部電力株式会社浜岡原子力発電所の原子炉の設置変更(5号原子炉の増設)について(一部補正)
 平成10年11月10日付け平成09・04・15資第6号をもって通商産業大臣か ら通知のあった標記の件について、通商産業省より資料2-1及び資料2-2に基づき説明がなされた。これに対し、
・申請書に書かれる記述は、だんだん詳細になっていく傾向があるのか。
(通産省)一般的に、以前大幅な安全裕度を見てきたものは、実験等の知見が得られることで、より合理的になることがある。
 との質疑応答があり、本件については引き続き審議することとした。
 注)本件は、平成10年2月25日付け平成09・04・15資第6号をもって諮問を受けた標記申請について、
    申請書の本文及び添付書類の記述の適正化を図るため、一部補正を行うものである。
(3)第130回核融合会議の結果について
 標記の件について、事務局より資料3に基づき説明があった。これに対し、
・ITERについては2つの懸念がある。一つは、低コストオプションの設計が建設段階でまた高くならないかであり、もう一つは、EUとの関係が問題なく進められるかである。EUとの関係は重要であり、特に主要構成国である英、仏、独とどの程度ITERをサポートしてくれるかについて適当な時期に摺り合わせを行い、EUの状況を幅広く把握しておく必要がある。
・実験炉から実証炉までの各開発段階における目標設定が重要である。多様性を持つ実験炉の目標をどのように設定し、次の段階に進むのか将来への見通しを明らかにすることが必要。
(核融合開発室)コストの問題及び協力のあり方は建設段階で特に重要であり、次回の会議で議論して貰う。
・米国が抜けた現在、リ-ダーシップを発揮するのがどこであるのかが重要である。
・横浜会議でのITERに関する研究者の意向はどうであったか。
(核融合開発室)横浜会議では、ITERのみの議論ではないが、核融合研究開発全般について300件の報告があり、活発であった。
・EUにおける幅広い人の意見を調査し、どのような考えをもっているのか調べる必要がある。
(事務局)調査を実施したい。
  との委員の意見及び質疑応答があった。
(4)遠藤委員の海外出張について
 標記の件について、事務局より資料4に基づき、遠藤委員が1998年11月23日(月)から27日(金)までの5日間、タイ国バンコクにおいて開催されるIAEA主催「原子力平和利用に関するナショナル・パブリック・インフォメーション・セミナー」に出席するため海外出張する旨、説明があった。これに対し、
・従来までのIAEAは、本セミナーを世界各地で行っていたが、対象地域として アジアに最も力を入れるべきだと考 えている。
 との委員の意見が及び質疑応答があった。
(5)幌延町における深地層の研究について
 標記の件について、資料6に基づき、核燃料サイクル開発機構より先の貯蔵工学センター計画を取り止めたことから、幌延町への中間貯蔵施設の立地は将来ともないなどの報告があり、廃棄物政策課より補足説明があった。これに対し、
・理事長に動燃時代からの経緯を十分に説明しているのか。また、理事長自身十分認識しているのか。
(核燃料サイクル開発機構)今までの経緯を含めて理事長は十分承知しており、現実的な状況を踏まえての発言であった。しかしながら、従来の見解を逸脱しているのではとの懸念から、訂正したのは良くなかった。
・せっかく新法人としてスタートした機構が信頼されるということから遠のく印象。自覚と自信を持って堂々とやるべき
(核燃料サイクル開発機構) 我々のつたないやり方で疑念を生じさせたところは、申し訳なかった。今回のことを反省材料として、きちんとした情報が上がる様にして意思疎通に努力していく。
・この文書の取扱いについては。
(核燃料サイクル開発機構)政策の整合性の観点から、原子力委員会及び科学技術庁の見解を頂いた上で、北海道及び幌延町に説明したい。
 等の委員の意見及び質疑応答があった。
 これを踏まえ、原子力委員会としてサイクル機構からの報告事項につき妥当とするとともに、委員会の見解として、遠藤原子力委員長代理より、
・平成10年版原子力白書227頁における「高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵については、廃棄物政策上その必要性に変わりはないことから、さらに理解を得るための努力を進めつつ、全国的な見地という考え方を十分踏まえて取り組む」との記述は、北海道に対する申入れではなく、科学技術庁の考え方を示したもの。
・6月2日の原子力委員会決定により「新たに提案された北海道における深地層の究施設の計画を地元の理解を得て推進する」としていること。
・科学技術庁と核燃料サイクル開発機構は、幌延町及び北海道の理解と信頼を得られるよう、今回のことを教訓として全力を投入して取り組んでもらいたい。
 との発言があった。
(6)議事録の確認
 事務局作成の資料5-1第63回原子力委員会定例会議議事録(案)及び資料5-2第64回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。

 なお、事務局より、次回の会議については、開催日時を調整し、決まり次第ご連絡したい旨発言があった。

 

 


                    (参考)

 

第65回原子力委員会

資 料 第 6- 号

                               10サイクル機構(立地)007
                               平 成 10 年 11 月 17 日

 

  科 学 技 術 庁
     原子力局長 青江 茂 殿

 

                            核 燃 料 サ イ ク ル 開 発 機 構
                               理 事 長  都 甲  泰 正

 
幌延町における深地層の研究について

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 当機構の業務につきましては、日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、去る10月12日に当機構は、北海道及び幌延町に対し、幌延町における深地層の研究について申入れを行いましたが、申入れに引き続く記者会見の内容に関し、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設の立地の考え方について、道民の方々に対して疑念と不信を招く結果となり、北海道からの申入れを返される事態となりました。
 当機構としては、このような事態になったことを真摯に受け止め、別添のとおり、放射性廃棄物の中間貯蔵施設の立地に対する考え方を改めて整理し、北海道及び幌延町に対して説明することと致しましたので、貴庁においてご高配を賜りますようお願い致します。                                 

                                         敬 具

 


別 添 

  

幌延町における深地層の研究について

  

                            核 燃 料 サ イ ク ル 開 発 機 構
                               理 事 長  都 甲  泰 正

 

 去る10月12日の幌延町における深地層の研究についての申入れに引き続く記者会見の内容に関し、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設の立地の考え方について、道民の方々に対して疑念と不信を招く結果となりましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。 幌延町における深地層の研究施設には放射性廃棄物を持ち込みませんし、同施設は放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場につながるものではありません。
 また、放射性廃棄物の中間貯蔵施設については、先の貯蔵工学センター計画を取り止めたことから、幌延町への同施設の立地は将来ともありません。    
 以上のとおり、ここに当機構としての放射性廃棄物の中間貯蔵施設の立地についての考え方を明確にさせていただきました。
 なお、当機構としては、動燃改革の趣旨を踏まえ、意思疎通を十分に図ることにより組織としての一体性を確保するとともに、職員の意識改革の徹底を図る等の措置を講じ、道民の方々の信頼関係の回復に全力を挙げて参る所存であります。

 

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