第4回深地層研究所計画検討委員会・会議議事録
1 日 時 平成11年4月16日(金)10:00~11:20
2 場 所 道庁別館10F 地方労働委員会会議室
3 出席者 山口委員長代理、伊東委員、吉田委員、和氣委員、麻田委員、甲斐委員、近藤委員
(事務局等) 経済部資源エネルギー課 村井、板谷、村本
留萌支庁 中嶋、宗谷支庁 稲村、上川支庁 生田
4 開 会
○事務局
・ 本日は、委員長の真田副知事が所用のため欠席となっていますので、議事進行は委員長代理の山口
経済部長が行います。
5 議 事
(1)深地層研究所(仮称)計画について
○委員長代理
・ 第2回目ではバックエンド全般について科学技術庁、サイクル機構から話しを聞くとともに、第3回目で
は深地層研究所の計画についてサイクル機構から考え方を聞いてきました。本日は、そのことを踏まえて、
深地層研究所についての道の対応の考え方などを整理していきたいと考えております。
・ まずは事務局から説明させます。
○事務局
・ 資料の深地層研究所計画についての検討事項を委員会で検討していただきたいと思います。
・ 最初に基本的認識については、四つの項目をあげております。一つ目は原子力発電は我が国の総発
電電力量の約3分の1を占めており、発電に伴って発生する放射性廃棄物は放射能レベルが高く、半減
期が長いことから長期間にわたり安全に処分するための研究、技術の確立が必要であること。
・ 二つ目は放射性廃棄物の処分については、現在研究段階であり、処分技術が確立されていないこと
から、道民の間に処分技術等に対する不安や懸念があり、道民合意も得られていない状況にあること。
・ 三つ目は放射性廃棄物の処分方法は、第2回検討委員会で科学技術庁からさまざまな方法が考えら
れているとの報告がありましたが、いずれにせよ十分な科学的知見をもとに決定されるべきものであること。
・ 四つ目は研究施設あるいはその周辺が処分場になるのではないかとの不安や懸念があることから、研
究と処分地選定プロセスとは明確に区別されなければならないこと。
・ このような基本的認識で取り組んでいきたいと考えております。これらの基本的認識を整理するにあたっ
て、参考資料1で科学技術庁の考え方、原子力長計、サイクル機構の考え方、検討委員会における科学
技術庁等の説明質疑を参考としてまとめております。
・ 2の道の対応の考え方については、基本的認識にもとづいて、道内に放射性廃棄物を受け入れない。
また、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場を受け入れない。研究実施区域内については、放射性
廃棄物の持ち込みや使用を認めない。また、深地層研究所は研究終了後閉鎖するものとし、同施設を
中間貯蔵施設や処分場に転用することは認めない。との考え方にたって、計画を認める場合には、次の
ような措置を講じる必要があると考えております。
・ 措置については、二つ例示しております。一つ目は、条例又は要綱を制定し道の姿勢を明確にするこ
とです。二つ目は、深地層研究所計画について、事業主体であるサイクル機構との間で協定を締結する
ことです。これは、道民合意が得られた場合に行うのですが、この際の主なものを例示しており、修正、追
加の議論になると思います。
・ 例として、研究実施区域に放射性廃棄物を持ち込まないこと、また使用しないこと。研究所への立入
調査を行うこと。研究施設を処分の実施主体へ譲渡、貸与しないこと。研究終了後は地下施設を埋め戻
すこと。なお、東濃地科学センターでは協定の際に研究終了後の研究所の利用については、跡地利用
を検討する委員会を設けています。幌延町に放射性廃棄物の中間貯蔵施設を設置しないこと。情報を公
開すること。道は事業主体が違背したと認めるときは、事業主体に対し必要な措置をとるものとし、事業主
体はこれに従うことなどを例示しております。この際の協定の当事者としては、道、地元、サイクル機構が
考えられます。
・ これらの参考として、参考資料2から11まで道内外の協定や条例、要綱を載せてます。
・ 参考資料2は岡山県湯原町が平成3年4月に放射性廃棄物等の持ち込み拒否に関する条例を制定し
ております。この条例の内容は使用済み燃料や、使用済み燃料を再処理する過程で生まれる放射性廃
棄物の最終処分場とそれに関する研究開発施設の建設についても拒否すること、放射性廃棄物等の町
内持ち込みを拒否することなどであります。
・ 参考資料3は地層科学研究が行われている岐阜県土岐市において、従前から放射性廃棄物の持ち
込みを禁止する環境保全都市宣言がありました。この宣言の精神を具体化するなどのために条例を制定
していますが、湯原町と同じように放射性廃棄物等の処分場とそれに関する全ての施設の建設を拒否す
るとしております。また放射性廃棄物等の持ち込みを拒否するとしております。
・ 参考資料4は生活環境保全に関する条例であり、従前から制定されていましたが、今回、条例の中で
市の責務として、第2条に放射性廃棄物の持ち込み禁止を入れて改正しております。
・ 参考資料5は岐阜県の東濃地科学センターにおける地層科学研究に係る協定であって、岐阜県、瑞
浪市、土岐市、当時の動燃、立会人として科学技術庁で締結しております。その内容は、一つ目は研究
所について放射性廃棄物を持ち込むことや使用することは一切しないし、さらには処分場にしない。二
つ目は立入調査を行うことができることです。三つ目は研究終了後の研究所の跡利用について検討機
関を設けることです。四つ目は東濃研究学園都市構想があり、これに協力していくということです。五つ
目は事業団は地元雇用を優先するなど地元地域の振興に協力するということです。
・ 参考資料6は泊発電所周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書であり、立入調査、違背時の
ことについて記述しております。
・ 参考資料7は土岐市の環境保全都市宣言でありますが、放射性廃棄物を市域内に持ち込みさせない
ということを宣言しております。
・ 参考資料8は瑞浪市議会の決議、「超深地層研究所計画に関する安全の確保のための決議」であり、
研究終了後も将来にわたって放射性廃棄物の持ち込みについては、いかなる場合であっても認めないし、
放射性廃棄物の最終処分場については一切受け入れないことを決議しております。
・ 参考資料9は砂利採取計画認可要綱であり、法整備で足らないものについて要綱等で補っているもの
の例としてとりあげております。
・ 参考資料10はゴルフ場開発の規制に関する要綱、これも法律では規制できないものについて要綱を
定めている例であります。
・ 参考資料11は産業廃棄物の処理に係る指導指針であり、道外で発生した産業廃棄物等の取扱いに
ついて、持ち込む場合には協議が必要であることなど、道外からの産業廃棄物の規制としての例です。
以上簡単でありますが、参考資料の説明です。
(質疑)
○委員長代理
・ ただいま、事務局から説明のあった資料及び参考資料について、ご質問あるいはご意見を伺いたいと
思います。
○委員
・ まず、スケジュールについてお聞きします。第1回目の時に、この問題に慎重な態度をとっているところ
からも意見を聞くということがあったと思います。今まで、科技庁等から意見を聞いてきましたが、今後、慎
重な人たちから意見を聞くタイミングと今後、どのように進めていくのか確認させてください。
○委員長代理
・ 今後のスケジュールについては、今月下旬にも5回目を開催し、慎重な人たちから意見を聞きたいと考
えております。その後、道の対応の考え方について議論をし、その次に、検討委員会の案を議論していた
だきたいと考えております。
○委員
・ 慎重な方からの話しを聞く前に、基本的認識を整理することは、いかがでしょうか。基本的認識のところ
は、議論のあるところだと思います。
・ 処分について、いろいろと話されている中で、例えば、はっきりと処分が確立していないし、現在、発電
所の中で一時的に保管していることもあり、そういうことを当分の間、行うのがいいという議論もあります。これ
は、処分という概念に該当しないのですか。
○事務局
・ この資料における処分については、手をはなされるというかたちであり、長期貯蔵とは違うものです。
○委員
・ その辺は大きく議論が分かれているところであり、今の段階で一つの選択をするわけですか。
○事務局
・ 長期貯蔵の考え方を捨てるというわけではありません。放射性廃棄物を長期にわたり安全に処分するた
めの研究、技術の確立が必要であり、このことは処分の方法を選択するということではなく、処分の方法は
いろいろあるからさらに研究をしなければならないということです。
・ 基本的認識の三つ目に、放射性廃棄物の処分方法は、十分な科学的知見のもとに決定されるべきで
あるとしており、当然、地上での保管とか、浅地層中での保管という考え方があると思います。
○委員
・ 処分ということに限定しない様々な管理方法があると思います。その管理方法の中で、処分ということに
限定して研究技術が確立されることは、可能であれば望ましいことなのでしようが、いろいろな議論があり、
今の段階では、はっきりし得ないことだと思います。
・ これまでの議論では、処分について法律の整備が十分ではないことが不安や懸念につながっていると
いう話しがありました。研究施設にも係わらず、将来処分場につながるのではないかということが盛んに言
われておりますので、この点についても検討課題として入れておいた方がいいのではないかと思います。
○委員
・ 基本的認識には、一般的な処分に関するものだけでなく、地層処分に関することもいれるべきではない
かという気がします。一般的な処分のことを考えると幅が広すぎて難しいのではないかと感じます。
○委員長代理
・ その通りだと思います。ただ、一方で発電所の中に使用済み核燃料を置いておくという議論もありますが、
そのうちに貯蔵容量を超えてしまい、そういうことができなくなるから、使用済み核燃料をどこかほかのところ
で作ろうという議論があります。
・ また、燃料の効率的な使用の面からもサイクルで再利用しようとしており、その中で、放射性廃棄物が発
生するので、地層処分したいという議論などがありますが、そのことを考えるのは国の責任だと思います。
地層処分やその他いろいろあるでしようが、それを決めて、研究するのは国の責任だと思います。ただ、
いろいろな研究をすべきだろうし、地層処分の研究をしてはいけないとはならないと思います。たまたま地
層処分の研究をしたいと北海道に提案しているので、地層処分の研究について、道として認めるかどうか
を考えるということであり、そのことが抜けているようです。その点を整理し、そこから深地層研究所の件に
ついてどうしょうかという北海道の考え方がでてくるわけです。処分についての仕方については議論があり
ますが、いま北海道に提案されているのは、深地層に係る研究施設をどうするかということですから、道の
対応というのはそこのところであり、その先は国の責任だろうということが前提です。
○委員
・ 原子力発電所が現に稼働しており、いろいろな方法が選択肢としてでてくると考えます。長期に安全に
処分する手法も一つの選択肢であります。その手法として、地層処分というものがでてくる。だから、選択さ
れてきたうちの三段階目ぐらいに地層処分というのがあるわけです。それしかないというのではなく、いくつ
かあるものの選択肢の一つとして、地層処分があり、委員長代理が言われた、道が提案をうけたのはこの
部分だから、そういう前提で検討していくというのであれば、整理がつくのではないでしょうか。ほかを排除
するのではなく、他に問題があってここにくるのではなく、いろいろな問題も課題もあるが、それは道の問
題ではなく、国においてしっかり議論、検討してもらわなければならないと言うことではないでしょうか。
○委員
・ 基本的認識のなかには道民の理解が得られる、これが前提だと思います。ここのところをおろそかにし
ていては元に戻ってしまうことになります。エネルギー政策そのものについては、道民一人一人が、自分
のこととしてどのように考えていくのか、また合意形成については、これからはいろいろなことで必要になっ
てきますし、この問題はきちんとやるべきだと思いますから、基本的認識のところを、もっと吟味していくべ
きだと思います。
・ ここに書いてあることはこのとおりだと思いますが、原発が必要ないということは別として、道内には現に
原子力発電所があり、必ず廃棄物が出てきますから、どのように安全な形で処分していくかを、研究して
いかなければならない。この点をベースに基本的認識を道民全体にわかりやすい形で示し、議論をし、
手直しし、返していくという作業は必要ではないでしょうか。
○委員
・ この資料が、道の基本的認識で、これをベースに議論され、また議論を呼ぶ性格を持っていると思いま
すが、これはあくまでもたたき台という認識でいいですね。
○委員長代理
・ 極端に言うとこれに対していろいろな異論を出していただきたいと思います。
○委員
・ 私もそう思います。異論を出し、議論をしている中で合意形成が図られていくのではないでしょうか。
○事務局
・ 今回の委員会の後に、慎重な方の意見を聞き、その後また検討をいただいたうえで、整理したいと考え
てます。ある程度整理できれば、有識者よる懇談会の設置や道民の意見を幅広く聞いて整理をするような
形で、意見を取り入れながら、繰り返し繰り返し整理していこうという考えです。
○委員
・ この検討委員会は、問題点を整理して出したら終わりなのですか。それともフィードバックする過程に関
わりを持つのですか。
○委員長代理
・ 関わりは持ちます。検討委員会として、道としての意思、簡単に言いますと研究所計画を受け入れるか、
受け入れないかの道としての意思を出す。
○委員
・ 検討委員会としてその議論をしていく。それは有識者の意見を聞くことや、道民から直接聞き、それを
フィードバックしながら、検討委員会としては、整理しまとめるということですか。
○委員長代理
・ 検討委員会としての意思、それは道の意思ですから、検討委員会で6月の中ぐらいまで行い、後3回
程度でまとめたいと考えております。
○委員
・ 検討委員会はそれで終わりか。
○委員長代理
・ 残しておきます。
○委員
・ その都度関与した方がいいと思います。道としての意思を決定する過程で有識者の意見も聞くという形
で、最終的にはこの委員会として道としての考え方をまとめるということになると思います。
○委員
・ この問題については、道民合意というものがあります。道民合意というのは、いろいろな形で有識者の意
見や道民の意見を聞きそれをフィードバックし、道民合意があったのかということを検証しなければならない、
道民合意があったのだという判断もこの検討委員会で議論する素材になると考えていいのですか。最終的
に道の結論を出す場とすれば、そういうことになりますね。
○委員
・ 基本的認識について、地層処分研究に対する評価を、どのように捉えるかということが抜けていると思い
ます。今後、慎重な方からも意見を聞くということですので、それも踏まえた上で、その位置づけ、道として
の考え方を盛り込んでいくべきであると思います。その時には、貯蔵問題も含めて道としてどのように考え
るのか。広くいえば放射性廃棄物の管理だと思いますが、管理の中には、貯蔵や処分がある。貯蔵をすべ
きという意見に対して、道としてどのように考えるか。そういうことを打ち出していくことになるのかと思います。
○委員
・ その場合には、これが正しい、正しくないことを決める必要はないと思います。こういう意見もあるし、ああ
いう意見もあるでいいと思います。道に出された提案とは、研究所の提案であり、持ち込まないという前提
さえしっかりしていれば、それはそれとして切り離して議論できるのだという整理をして、研究所の検討に
入るいうことが、いろいろな議論がある中で、その議論に巻き込まれることなく、研究所の議論に入ってい
けるのではないかと思います。確かに、地層処分がいいかどうかということについては、外国の例でもいろ
いろな議論がでてきていますから、良い悪いの方向付けをこの委員会で出した上で進むのではなく、そこ
は留保しておいて、研究は必要だし、やれるという整理でいいと思います。
○委員長代理
・ 放射性廃棄物や使用済み燃料の管理の仕方には、いろいろなものがあるし、それに関してはいろいろ
な意見がある。その管理の仕方には評価はしないが、いろいろな研究はしなければならないだろうし、そ
の研究の中の一つの深地層研究について、北海道に提案があったということだろうと思います。
○委員
・ 要するに場所提供を求められたということで理解していいと思います。
・ 2番目のまるに関して処分技術に対する不安や懸念がありといっていいのか疑問です。例えば、技術が
確立されていないために道民の合意も得られていない状況にあるという表現の方がいいのではないかと
いう気がします。
○委員
・ 放射性廃棄物の処分に係わってはそうだと思いますが、今提案されているのは廃棄物を持ち込まない
研究施設ですから、切り離した方がいいと思います。
○委員
・ 処分技術に対する不安や懸念というのは、技術問題だと思います。確立されていないと国は言ってい
るが、不安や懸念があるかどうかはわからない。道民の合意は得られていないのは確かですが、技術が
わからないのに不安や懸念というわけにはいかない。
○委員
・ 現実に、不安や懸念があるわけですから、そういう性格のものだということは基本的認識にしておいた方
がいいのではないかと思います。確かに、技術は確立していないというのは事実ですが、それをはっきりと
いった上で、結果的に不安や懸念を持たれていることだと思います。
○委員
・ 技術が確立されていないから研究するという提案ですから、それに対してどう考えるかが問題なわけで
す。
○委員
・ 研究施設が処分場につながるのではないかということが、最大の問題です。研究所といっているものの、
そのうちになし崩し的に処分施設になるのではないか。処分施設については、今いったように、技術が確
立されていないこともあって不安や懸念の固まりのような話しになっているわけです。ですから、放射性廃
棄物を持ち込まれない研究所だからといって、簡単な議論ではすまされないという認識はしっかりと持って
いなければならないと思います。基本的認識としては、そういうデリケートな部分も一方では持っているも
のであるから、議論を整理していけば、この部分は、切り離して検討できるのではないかという整理をきち
んとしていくことが我々の役割だし、この研究所を議論していける整理の仕方と思うのです。そうでないと
道民合意の議論に入っていけない。不安や懸念がある中で道民合意を前提に受け入れることにはなら
ない。不安や懸念があるが、それはあくまでも放射性廃棄物の処分についてであって、放射性廃棄物を
持ち込ませない研究所については、処分場になるのではないか、持ち込まれるのではないかという不安
や懸念があるけれど、処分場にならない、持ち込まれないことをはっきりすれば、別のものとして議論でき、
また整理しやすくしていくことになると思います。
○委員長代理
・ 処分技術等が確立されていない状況にあるという表現の方がいいのではないかということですね。
○委員
・ はい。道民の合意も得られていないという表現の方がいいと思います。
・ 不安、懸念は確かにあると思います。ただ、文章化してしまうと、不安、懸念がどういう不安、どういう懸念
なんだとなると、技術問題での不安、懸念ということになると思いますが、そうなるとなかなか難しい問題が
あると思います。
○委員
・ 100%の技術というのはないのです。100%信頼される、100%不安がないという技術はないわけですか
ら、どこまでいっても、話し合いをやっても、廃棄物の処分というところに合意点は得られない。そこのところ
に、陥っていくとどうにもならなくなると思います。
・ 放射性廃棄物を持ち込んで研究をするわけでもない。そもそもまったくそれと切り離した形の研究施設
です。それをどうするかということの基本的認識というであれば、道民の目線という視点からいえば、不安
や懸念について私どももそうですよということの方が、きちっとした技術論でいえば、別なのでしようが、認
識としては、同じ目線にたてるのかなという気がします。
○委員長代理
・ 委員の言っていることはわかりますので、ご意見として伺い後から整理したいと思います。
・ 処分については、技術が確立されていないということで、道民の間で不安や懸念があり、合意が得られ
ていないという関係ですね。後で整理させてもらいます。
○委員
・ 基本的認識の4番目の研究と処分地選定プロセスとの区別についてですが、その一つ上のところに処
分方法は十分な科学的知見をもとに決定されるべきとなっておりますので、もっと明確な言い方の方がいい
と思います。例えば、研究と処分地選定プロセスを併行して行わない、のような表現にならないでしょうか。
○事務局
・ 研究と処分地選定を併行して行おうとしていますから、研究が終わってから処分地を選定するとなれば
明確にはなります。
・ 参考資料1で示しているとおり、フェーズ毎に、研究のまとまったものについて、処分地選定等に生かし
ていくということになっております。
○委員
・ 法律の未整備については、どう扱いますか。
○事務局
・ まとめる段階で、何らかの形で入れるつもりです。
○委員
・ 本委員会では、法律についての議論が多いものですから、そこが抜けているとおかしいことになると思
います。通産省の検討はどうでしょうか。
○事務局
・ 実施主体を決めるために高レベル放射性廃棄物処分法のようなものを考えているようです。
○委員
・ そこはしっかり、北海道のメッセージとして入れておく必要があると思います。国では法案を議論してい
るところですから、北海道の考えを示し、法案の中に反映していただくようにすればいいと思います。
○委員長代理
・ 最後のまとめではないですから、少し抜けているところがあるかもしれません。
○委員
・ 端的に言うと基本的認識では、一般的には研究の必要性は認めますということですか。2の道の対応の
考え方では、具体的に深地層の研究についても検討する必要があり、いろいろと最終処分に係る問題が
あるので一定の歯止め措置が必要であると考えてよろしいですか。
○委員
・ 検討するにあたって、道民合意を前提とした取り組みですから、そこが抜けているのではないですか。
○事務局
・ 道民の意見などを聞くときには、白紙で聞くことにならないので、道の対応の考え方を明らかにしたうえ
でと考えております。その整理で、研究は必要だということです。不安や不信に対して、どのような措置が
考えられるかということです。
○委員長代理
・ 研究を否定するものではなく、申し入れがあったので、道民合意を前提に担保措置を検討しようというこ
とです。
○委員
・ 道の対応の考え方のところですが、認めるか、認めないかについてはこれからのことであり、仮に計画を
認める場合には次の措置を講じるということです。道民からいろいろな意見を聞いていく中で変わっていく
と考えています。
○委員
・ 2の二つ目のまるについて、一般論として研究実施区域内に放射性廃棄物等の持ち込みを認めないと
し、一般論として書いてあるという理解でよろしいですか。
・ 文言的には計画を認める場合にはというものの、計画を認めることを前提として書いた文章に思われて
しまうのではないですか。
○事務局
・ 放射性廃棄物の持ち込みを認めない、研究が必要だという基本的な認識です。道の考え方として、申
し入れのあった深地層研究所計画については、基本的認識をもとに、道内に放射性廃棄物を受け入れ
ない。また、申し入れのあった深地層研究所計画についても一切持ち込みを認めないということです。そ
の考え方を決めておいて認める場合には担保措置をとるということです。
○委員
・ 論理的には最初に深地層研究所計画について基本的認識のもとに計画を認めるとした場合、次にそこ
からまる二つが計画を認めるとした場合には、こういう考え方でというようになると思います。2の道の対応の
考え方一つ目は、一般論で北海道の中に放射性廃棄物を受け入れません、二つ目は研究実施区域内
の話にしています。このように分けるのは、北海道の中に受け入れないということと、研究実施区域内に持
ち込ませないということとは、歯止めのかけかたが違うという意味で段階をつくるわけですね。条例等を考え
る場合には道内に持ち込ませないということだろうと思います。
○事務局
・ 道内に持ち込ませないとしていますから、深地層研究所には持ち込ませないのは当然であり、申し入れ
の件については当事者と協定を結ぶし、当事者のいないところについては条例等で行ってはどうかという
ことです。
○委員
・ 担保措置の議論のなかで、条例や要綱については必ずしも十分な担保となり得ないという意見もあるの
ですから、検討事項にそのことを言い、そういう問題点をどこかに付記していくことが必要ではないですか。
○委員
・ これに関連して、計画を認める場合には次のような措置を講じる必要があるという考え方ではなくて、場
合によってはどの程度有効な担保措置があるかどうかも考えながら、計画を認めるかどうかを決めるという
ことだと思うのです。認める場合には措置を考えるのではなくて、どの程度有効な歯止め措置があるかど
うか、考慮しながら計画を認めるかどうかということだと思うのです。
○委員
・ 2の道の対応の考え方の一つ目のまるは基本的認識に入るような感じがする。それが基本的認識で合
意され、それでは歯止め措置をどうするのかという整理だと思います。また、研究終了後閉鎖するというこ
とが入っており、その点はきちっと書いてるような気がします。こうした方が不安解消になると思います。
○事務局
・ 先ほど説明したように、東濃地科学センターのところでは跡利用委員会を設置し、研究所の跡を例えば、
地震関連で利用するとか、いろいろ検討しているようです。それは地元が入ったなかで、どう使うかを検討
しているわけですが、北海道は過去の経緯がありますから、一切閉鎖して20年ぐらいたった時に地元の
方から使わせてくださいとなれば、その時に議論になってくると思うのです。実際には、管理することは難
しいうえに、誰が管理するということも考えなくてはいけないと思います。
○委員
・ 深地層研究所のなかでいろいろな研究を行うこととしておりますから、深地層の研究が終了したから埋
め戻すというような形になるのでしょうか。例えば地震の研究の場合には、始めたら、途中で観測は止め
ましたとはならないと思います。そうなると、施設は残ってしまうという形になると思いますので、閉鎖すると
言ってしまった方がいいのか、あるいは研究終了時に検討するとした方がいいのか考えてみる必要があ
ると思います。深地層処分の研究だけを行えば、閉鎖するでいいのですが、いろいろな実験をした場合
に、その実験が全て終わらないうちに閉鎖することはできないわけですので、問題があるのではないかと
思います。
○事務局
・ 核燃料サイクル開発機構は深地層処分の研究を行うのであり、付随して地震研究等が考えられるわけ
である。終了したら坑道の維持も難しいし、そもそも誰が維持するかが問題です。委員が言われるように
使われる可能性は十分あると思うのです。それをどのように表現するかが問題だと思います。
○委員
・ 一番のポイントは研究施設が処分場になるのではないかということだと思うのです。一つの例として、
研究がある段階まで進めば処分候補地の選定作業が始まりますから、処分候補地から幌延が除外され、
含まれなかったということになれば、跡地を利用するということについては特に反対は生じないと思います。
今の時点でそういう懸念があるとすれば、明確に閉鎖するなり、埋め戻すという考え方でいいかと思います。
状況が変わればその時点でまた別の考え方を出せばいいと思います。
○委員
・ 私もそう思います。今次の世代のことを決めてないで、仮に研究所ができ、研究がはじまれば意識も変
わっていくかもしれませんが、今不安や懸念を残すようなことはしないで、研究が終わったら閉鎖、埋め戻
すという整理でいいと思います。
○委員
・ 条例や協定書をつくるとしても、法的拘束力があるのかないのか、考える必要があるのではないでしょ
うか。
○委員
・ 道内に放射性廃棄物を受け入れないというのは、北海道以外で生じた放射性廃棄物を持ち込ませな
いということですか。
○事務局
・ その趣旨で書いています。
○委員
・ 泊原発の関係ではどうですか。
○委員
・ 道の対応の考え方を二段で書く意味があると思います。
・ 二番目だけだと足りなくて、泊発電所で発生した廃棄物については一番目と二番目を合わせて整理
されると考えていいわけです。一番目の場合は泊発電所の廃棄物は否定のしようがない。それであって
も持ち込むことにはならないだということが、二番目ではっきりといっていると考えていいですね。
○委員
・ 具体的な歯止め措置のなかに、深地層研究所についてサイクル機構との間で協定を締結するとありま
すが、当事者間の約束を明らかにするという意味だと思うのです。当事者となるのは深地層研究所と事業
主体の他に、場合によっては国はどうですか。
○事務局
・ 当事者は、道、地元、サイクル機構の三者であり、場合によっては、国が立会人になるのかと考えてま
す。また、地元についても、幌延町だけなのか、周辺市町村も含めるのか検討課題です。
○委員
・ 立会人では性格が曖昧ですね。協定を結ぶ場合の基本的な考え方として、当事者間の約束を明確
にし、場合によっては履行面で一定程度の担保をとるという考え方に立てば誰が実際の設置者なのか、
管理者なのか、それから許可等の権限等を持っているのか、実質的な当事者能力が誰なのか、整理し
たうえで協定の対象者を考えてはどうですか。
・ 条例又は要綱を制定し道の姿勢を明確にするという表現について伺います。いろいろな意見の中には
法的な規制が可能なのかどうかという意見もあり得ますが、この表現は条例を制定することによる法的な
規制は難しいだろうということで、それは除外して考え、道の姿勢を明確にするという観点から条例制定
の検討と理解してよろしいですか。それとも場合によっては道の姿勢を明確にするということだけではなく
て、他の面からの観点から条例の制定の必要性も考えると、例えば、条例のなかで一定の規制的な内
容にすべきであるという意見もあり得ますが、そういうものではなくて道の姿勢を明確にするために検討す
るのだと理解してもよろしいですか。
○事務局
・ 条例、要綱、方針、場合によっては、議会の議決、決議、宣言などがありますが、できないものもありま
すのでこの点も含めて検討したいと考えています。
・ 規制するという条例で考えており、その規制したものを広く出していこうという意味で、道の姿勢を明確
にすると書いてあります。
○委員
・ 単に条例のなかで姿勢を出すという意味ではなくて、規制を通じて姿勢を広く道内外に出すということ
ですね。
○委員
・ 宣言のようなものと限定しているわけではないですね。
○委員
・ 条例の骨子は2の道の対応の考え方に書いていることが中心になるということでしょう。
○事務局
・ 考え方を条例に盛り込み、それを広く、打ち出す姿勢ということです。
○委員
・ これだと規制の条例ではないですね。
○委員
・ 今回の検討の中では、検討課題として残っているということで、整理された方が良いですね。
○委員
・ 先ほど協定当事者の話で地元という問題が出たのですが、例えば周辺でどうモニターするかという問
題がありますので、周辺を入れた方がいいと思いますので検討していただきたいと思います。例えば水
の動きがどうなるかということを調べる場合にどの範囲でやるのか、町内だけでやるのか、あるいは周辺
の市町村のところまで広げてモニターするのか。多分その対応は出てくると思います。
○事務局
・ 地元という表現をしておりますが、例えば、周辺市町村が当事者を希望しない場合もあります。放射性
廃棄物を持ち込まれないなら、当事者に入らなくても良いという場合もあり得ます。場合によっては町と三
者で結んで協定のなかで周辺市町村を含めた協議会をつくるとか、立入調査や報告聴取などについて
は周辺市町村を全部入れてするとかいろいろ考えられると思います。
○委員
・ モニターや地表調査などを行う場合には、周辺市町村のことも考えなければならないのですから、もし
行うとすれば周辺市町村も入れた方がいいのではないかと思います。
○事務局
・ 項目によってはいれるとか、いれないとかなど考えてみたいと思います。
○委員
・ などに含まれているかもしれませんが、地下約500メートルに坑道を展開することになりますと、多分計
画の変更ということが結構出てくると思うのです。計画とは似ても似つかぬものができると困りますので、そ
の都度情報公開するようにした方がいいと思います。通常は研究所ができてしまえば、立入もできるし、
公開もすることになりますが、建設段階では、多分できないと思うものですから計画の変更をお互いに確
認することも考えてはどうですか。
○委員長代理
・ わかりました。では、これで終わりたいと思います。
(この内容については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったもの等を整理のうえ、作成して
います。)
資 料
深地層研究所(仮称)計画についての検討事項
1 基本的認識
○ 原子力発電所が稼働している現状では、発電に伴って発生する放射性廃棄物を長期間にわたり安全
に処分するための研究、技術の確立が必要である。
○ 放射性廃棄物の処分については、道民の間に処分技術等に対する不安や懸念があり、道民合意も得
られていない状況にある。
○ 放射性廃棄物の処分方法は、十分な科学的知見をもとに決定されるべきである。
○ 研究と処分地選定プロセスとは明確に区別されなければならない。
2 道の対応の考え方
深地層研究所(仮称)計画については、上記の基本的認識のもとに、
○ 道内に放射性廃棄物を受け入れない。また、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場を受け入れな
い。
○ 研究実施区域内については、放射性廃棄物の持ち込みや使用を認めない。また、深地層研究所は
研究終了後閉鎖するものとし、同施設を中間貯蔵施設や処分場に転用することは認めない。
との考え方に立ち、計画を認める場合には、次のような措置を講じる必要がある。
(措置)
○ 上記の考え方を踏まえ、条例又は要綱を制定し、道の姿勢を明確にする。
○ 深地層研究所については、サイクル機構との間で協定を締結する。
(協定内容)
・ 研究実施区域に放射性廃棄物を持ち込まないこと、また使用しないこと
・ 研究所への立入調査を行うこと
・ 研究施設を処分の実施主体へ譲渡、貸与しないこと
・ 研究終了後は地下施設を埋め戻すこと
・ 幌延町に放射性廃棄物の中間貯蔵施設を設置しないこと
・ 情報を公開すること
・ 道は事業主体が違背したと認めるときは、事業主体に対し必要な措置をとるものとし、事業主体はこ
れに従うこと
など
(協定当事者)
道、地元、サイクル機構
※ 参考資料1 放射性廃棄物の処分に関する国の考え方等について
参考資料2 放射性廃棄物等の持ち込み拒否に関する条例(岡山県湯原町)
参考資料3 放射性廃棄物等に関する条例(岐阜県土岐市)
参考資料4 生活環境保全に関する条例(岐阜県土岐市)
参考資料5 東濃地科学センターにおける地層科学研究に係る協定書
参考資料6 泊発電所周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書
参考資料7 環境保全都市宣言(岐阜県土岐市)
参考資料8 超深地層研究所計画に関する安全の確保のための決議(岐阜県瑞浪市議会)
参考資料9 砂利採取計画認可要綱(北海道)
参考資料10 ゴルフ場開発の規制に関する要綱(北海道)
参考資料11 産業廃棄物の処理に係る指導指針(北海道)
上記参考資料1~11は、大冊につき割愛しておりますが、北海道行政情報センター(道庁別館3F)を
はじめ、関係支庁(留萌、宗谷、上川)の行政情報コーナーに備え置いており、また、周辺市町村(幌延
町、天塩町、豊富町、稚内市、猿払村、中頓別町、浜頓別町、中川町)にも備え置いているので、ご利用
下さい。
|