第8回検討委員会・会議議事録(環境・エネルギー室)

 

 

第8回検討委員会・会議議事録(環境・エネルギー室)


 

 

 

 

第8回検討委員会・会議議事録

 

第8回深地層研究所計画検討委員会・会議議事録

1 日 時 平成11年7月29日(木)14:00~16:05
2 場 所 道庁別館10階 地方労働委員会会議室
3 出席者 堀委員長代理、清野委員、西山委員、和氣委員、磯田委員、
   (事務局等) 経済部資源エネルギー課 本多、村本
            政策室 三浦、水産林務部 稲井、上川支庁 生田
4 開 会
○事務局 
・ ただ今から、第8回深地層研究所計画検討委員会を開催します。政策室の稲垣参事、水産林務部企画調整課の村井課長は、本日、出張のため欠席です。それでは、議事に入りますが進行は委員長代理が行います。

5 議 事
(1)幌延問題道民懇談会からの検討委員会の検討事項等についての質問と回答について
○委員長代理
・ 今日の議事は、最初は、幌延問題道民懇談会からの検討委員会の検討事項等についての質問と回答についてです。第6回の本委員会において、同懇談会から意見を聞きました。その際いろいろな議論がありましたが、検討委員会で聞くということではなく、経済部としてお聞きし、それを検討委員会に提供するという形で進めることにしましたので、これを受け事務局で意見交換をし、文書で回答しています。これまでに同懇談会からの質問と事務局からの回答、それに対する再質問と再回答ということでやりとりがあり、その経過を資料としてまとめてありますので事務局から後ほど説明させます。もう一つの団体の道北連絡協議会の意見については、同協議会からの地元開催要請について前回審議し、事務局の資源エネルギー課での対応をお願いすることとしましたが、7月31日に資源エネルギー課の方で豊富町において意見を聞くこととしていますので、後で検討委員会に報告してもらうことにしたいと思います。それでは、先ほど言いました議題について事務局から説明願います。
○事務局
・ 資料1に幌延問題懇談会からの質問「道検討委員会の検討事項などについて」という資料があります。これに基づき説明します。予めこの資料はお手許にお届けしましたので、詳細説明は割愛しますが、主眼はまず2ページ中程からありますように、当検討委員会に対し、検討項目として、今日資料3で配っています第4回目から出しています検討項目のことですが、この中に入れるべきと申し入れされている点が当委員会に一番関係のある点でないかと思われますので、当座、事務局で説明しますが、後ほどこの点を当委員会の検討項目に加味するかどうか検討を願いたいと思います。
・ 資料1の2ページ目からの、質問にある「諾否の判断基準に関わる検討事項」からですが、「a 道民の間の対立が解消しない情況でも受け入れるべきか否か」と次の、「b 国が法整備を後回しにした状態で申し入れている情況でも受け入れるべきか否か」、「c これまでの原子力委員会の政策決定(特に原子力委員会の55年報告や、59年中間報告など)を撤回しない情況で受け入れるべきか否か」ということ。それから、「d 返上して国の法整備を求めることと、このまま受け入れることでは将来の核汚染の防止にどちらが確実か。どちらが道民が納得できるか」ということで見識を求められています。それから、「e 法律上処分と研究の施設区分もない状態で受け入れるべきか否か」、「f 貯蔵工学センター計画が白紙であるなら深地層試験場も全国平等であるはずなのに、幌延をあえて選択してきたという地元の反発を無視しても受け入れるべきか否か」、「g 処分地になる恐れについて、道民、特に道北住民の不安が解消されなくても受け入れてよいかどうか」、「h 核廃棄物を持ち込ませない法律上の裏付けがないまま受け入れるべきか否か」、「i 処分事業実施主体も定まらず、処分地になるかどうか回答できる法的機関がない状態で受け入れるべきかどうか」などの質問が続き、それに対して右側のほうに事務局で整理し、回答しています。回答したものに対して、質問に対応した答えになっていないという厳しいコメントの再質問があり、それに対して答えております。
・ 主張は、何々がない状態という否定的な表現でそういう状態があるのに受け入れるべきか否かどうかということです。そういうような状態がなくなるということについては大変難しい部分であろうかと思います。例えば「道民の間の対立が解消しない情況でも受け入れるべきか否か」ということは、これは要するに対立がすべてなくならない間は受け入れてはならないということで、大変至難な技ですし、また、「国が法整備を後回しにした状態で申し入れている情況でも受け入れるべきか否か」ということでは、法整備は我々には何とも申し難い部分があります。「c これまでの原子力委員会の政策決定(特に原子力委員会の55年報告や、59年中間報告など)を撤回しない情況で受け入れるべきか否か」ということですが、原子力委員会の場合は、前の決定の後に新たな決定があると上書きされたというかたちで行っていくという状況ですので、そういう意味では、法律のように一部改正とか全部改正というような改正の手続きでなくされるところを、そこを「撤回」という言葉でもって、そういう状況がないうちはしてはいけないという認識を示しています。そういうことで、何々がない状態という、現実にない状態が、ある状態になってからするべきということなので、苦慮するより方法がなく、見たとおり苦しい回答で、再質問も同様に四苦八苦で答えています。今のような点が検討項目にそういう表現で入れるべきということですから、今日配りました資料3を見て、例えば「h 核廃棄物を持ち込ませない法律上の裏付けがないまま受け入れるべきか否か」という項目をどこに入れるべきかと考えると、何々がない状態で受け入れるべきではない、あるいは受け入れるべきであると、資料3は、最初否定から入る表現になっていないものですからそのへんがどこに 入るのかと探すときに頭を悩ますところでした。ただ、こういうご指摘に貴重なご意見もあろうかと思いますので後ほどこの点を資料3に検討項目として入れるべきかどうかを検討願いたいと思います。そういうことで、1ページ目の回答の二つ目のところに「何々がない情況(状態)で受け入れない」という「受け入れない立場(視点)で論点を整理すべきとのことのようでありますが、「何々がない状態と」と否定して言うは易し行うは難しの難問ばかりが並びます。是非、その解決策のご教示をお願いします」と皮肉めいてしまいましたが、回答しています。ただ、考え方の整理の仕方もいろいろ方法があるということを知らされ、そういうことで難渋しながら回答しました。 
・ 次に、同じ幌延問題懇談会からの質問ですが、資料2の「『深地層研究所計画検討委員会』の審議について」に基づき説明します。こちらは、第4回検討委員会で配付した「深地層研究所(仮称)計画についての検討事項の記載内容や、さらには検討委員会議事録の記載内容、特に委員長代理の発言内容、こういったものを細かくただす内容になっているほかに、科学技術庁やサイクル機構の説明内容についても質問されています。
・ 1ページ目から質問が並びまして、右にあるように、再質問の部分を含み答えています。答えについて、コメントは特に必要ないかと思いますが、この中で3ページ目にある委員長代理の発言の中に、質問から引用すると「『簡単に言いますと研究所計画を受け入れるか、受け入れないかの道としての意思を出す』と説明しているが、これは設置要綱に違反していないだろうか」というような指摘については、質問そのものは5月13日付けで受けておりますので、正しい指摘として、第6回の検討委員会で委員長代理と事務局からその点を訂正していて、「検討委員会がまとめようとしているものは、深地層研究所を受け入れるか否かの結論ではなく、試験研究の必要性、幌延ということの必要性、放射性廃棄物を持ち込ませないことについてどう担保されるかについてのとりまとめなど、深地層研究所計画について一定の考え方の整理をすることとしている」というふうに訂正しています。3ページ目の下のほうに泊原発で出た放射性廃棄物について、「敷地内で保管・貯蔵するのが基本と考えるがどうなのか」ということですが、出したところがずーとそのまま保管するべしという趣旨の主張ですが、 今、こういった使用済み燃料の経路は、国の指導により決められており、泊原発から出る使用済み燃料は道外で再処理されるという計画になっています。ただ海外委託の分が1998年までで終了しているので、下北の再処理工場が開始されるまでは、敷地内で保管するしかないのかなということです。 いろいろな点につき細かに質問があり、答えられない質問も実際はあるものの右欄にコメントしたかたちで回答しています。ここでは、特に検討委員会に検討願う事項は先ほどの訂正済みの項目以外ではあまりなかろうかと思っていますので、先ほど言いました、直接、検討項目に入れるべきという提案の部分を中心に検討願いたいと思います。
○委員長代理
・ それでは、検討に入りますが、特に最初の説明にあった当検討委員会に対し、検討項目として入れべきと指摘している点について、そうすべきかどうかを最初に議論することにしたい。それでは、報道の皆さんには、後ほどプレスリリースをしますので、ここでご退出いただきたいと思います。

○委員長代理
・ それでは、委員の発言をお願いします。資料1に関してです。
○事務局
・ aからiまで、この判断基準に関わる検討項目を資料3の検討項目のどこかに記載して検討すべきということについて。
○委員長代理 
・ これが同懇談会の意見です。
○事務局
・ たとえば、「a 道民の間の対立が解消しない情況でも受け入れるべきか否か」ですが、この受け入れるべきか否かというのは、受け入れるべきという趣旨ではなく、受け入れるべきでないという趣旨であるというふうに言われてまして、こういうことが現実にはどういう状態でとらえるかですが、平行線という現象は何にでも常にありますので、平行線が解消されないと未来永劫解消されないということになる。ここだけ見ると、別のところで、国の法整備がない状態がいわれてますが、法整備がされても対立が解消されない情況があると、やはりしてはいけないということになる。そういう解釈が成り立つ。法整備がされても、その下で都合のいい人、都合の良くない人がいることが現実社会で、物事を処理する場合も考え方が相反する前提があるわけで、ある一方から見て対立が解消しない情況ではすべきでないということになると身動きがとれないということで、このような回答になっています。どれかを入れてもという思いはあっても、受け入れるべきでないという結論をみせられると、なかなか難しい。特に法整備を主張されると、ないものを判断基準にするということで、どうしようもない。ど ういった方法があるかたずねるしかない状態になります。
○委員
・ 質問の1ページから5ページまで、ほぼ総てがネガティブで、前提条件が本来あるべきなのに、ない状態で、どう判断するかというメルクマールの提案なら理解できるが、受け入れるべきでないという一つの結論を求めてきている。検討委員会の任務は、メルクマールを明らかにして、道は有識者の意見聴取、道民の意見聴取、議会の論議を通じてやっていこうということですから、そこをいう必要がある。こちらのスタンスとベクトルが違うものをどう扱えば良いのか。
○事務局
・ 同懇談会の代表、あるいは事務局長の方は、日弁連で例えば原発の問題、放射性廃棄物の問題等で非常に活躍されているので、したがって、こういったことにもいわゆる造詣が深いからご意見をお聴きしようと検討委員会で意見を聴いたことが発端です。ただ、ある意味でネガティブなことを重ねられるとなかなか前に進めないところが折衝していてつらいところであります。後で検討項目のところでの検討でもこの懇談会の提案に関連して意見があればまた出して下さい。
○委員長代理 
・ 今の点は、検討委員会としては、委員会の検討項目としてなじまないということになりますか。
○委員
・ 基本的認識の部分ではある程度受け止められていると思うのですが、ただし、法的な問題は、われわれの検討委員会で検討する問題でない。国のほうからの提案からいくと、法律のない中で受け入れてもらえるかどうかを検討して下さいという話です。法がなかったらいっさい否定するということになると検討することにもならなくなる。認識部分のいくらかの部分は、基本的認識の中に盛り込まれて、そういう考え方があるからどう対応するかという考え方を打ち出していくというのが筋の気がする。
○事務局
・ 委員の言われた、受け入れてもらえるかどうかという点は、知事に対してであって、検討委員会として検討することではない。検討委員会は、基本的な考え方の整理をするところで、知事公約に沿って受け入れるかどうかの判断は知事にある。深地層研究所計画に対する基本的認識を整理しているのが1の部分、知事公約にある担保措置方策の検討の整理というのが後段の2のところであると思います。
○委員長代理
・ この検討委員会としては、検討項目に入れなければならないという申し出の点については入れられないという整理でいいですか。そういうことでよろしいですか。
・ 今後も検討項目に入れるべきとの意見が出てくるかも知れませんが、経済部での対応になりますね。
○委員 
・ 再質問までいつの時点で答えたのでしたか。
○事務局 
・ 資料1は、5月13日付けの質問で、5月24日第6回検討委員会での意見聴取を挟んで、6月30日付け回答。7月13日付けで再質問、7月15日に意見交換があって、ここで今日の提出資料とほぼ同様の内容で対応をし、7月23日付けで文書で回答しています。資料2については、同じく5月13日付けで質問、第6回の検討委員会での意見聴取を挟んで、6月30日付けで1回目の回答、7月15日に再質問がきて、7月23日付けで文書で回答しています。

(2)深地層研究所(仮称)計画について
○委員長代理
・ 次に、議題の2に移ります。深地層研究所(仮称)計画について、前回提出した検討事項の修正案に基づき議論を深めていきたいと思いますが、できれば、検討の中で具体のご意見を踏まえながら、少し体系だった内容に形成して整理していきたい。そうなると逐条審議みたいなことになるので、事務局の説明をもとに進行していきたいと思います。そういうことで進めていきますのでよろしくお願いします。
○事務局
・ それでは、資料3の検討事項についてですが、当初、事務局で示し、4回目から5回目にかけて検討があり、数項目が加えられたり修正されています。項目毎の字句については、第4回目の事務局案を基に検討吟味していますが順を追って確認していきます。この場で修正すべきという点がありましたら指摘して下さい。その上で、検討委員会は、報告をまとめる必要がありますので、これをどう体系化していくかの全体像をイメージしながら項目ごとの確認をしていただきたいと思います。
・ 1の基本的認識についてどういうことでの基本的認識かがあろうかと思います。
・ 例えば一つ目の「原子力発電所が稼働している現状では、発電に伴って発生する放射性廃棄物を長期間にわたり安全に処分するための研究、技術の確立が必要である。」については、深地層の研究に関わる認識ではないかと思います。
・ 二つ目の「深地層の研究は放射性廃棄物を長期間にわたり安全に処分するための研究の一つである。この他、地上又は浅地層における長期貯蔵についても検討している国もある。」については、例えば深地層処分に反対の人の中には、むしろ地上とか浅いところで貯蔵すべきと言う人もいますが、世界的にはこの深地層が主流になっていると、過去の検討委員会で資料を提示し、説明を受けたりしていますが、一方でこれ以外の方法での長期貯蔵についても検討している国もある。さらに核種消滅というのは、フランスだと思いましたがそういうことをしている国もある。あくまでも深地層処分ありきではなくて、深地層での研究も放射性廃棄物を安全に処分する研究の一つであるということで、これも研究の基本的認識であると思いますがいかがでしょうか。
・ 次に、三つ目の「放射性廃棄物の処分については、道民の間に処分技術が確立されていないことなどに対する不安や懸念があり、道民合意も得られていない状況にある。」については、この検討委員会が研究所計画を検討していますから、処分までにはいきませんが、ここでなぜ、処分ということが出てくるかということですけど、研究と処分の間に区別をはっきりさせる必要があるということです。
・ それから、「放射性廃棄物の処分方法は、十分な科学的知見をもとに決定されるべきである。」については、処分方法は、十分な科学的知見を基に決定されるべきであるという認識を示しております。
・ 次に、「研究と処分地選定プロセスとは明確に区別されなければならない。」については、研究と処分の関係を整理したものです。この三点で、こういう項目整理でいいだろうと思われますが、その点いかがでしょうか。
・ 最後に、「高レベル放射性廃棄物については、処分場の立地基準や処分地選定に当たっての地元の同意等を含む立地プロセスが確立されていないことが様々な懸念を生じる要因のひとつとなっていると推察される。」については、研究と処分という関わりもあるわけですが、処分地選定の立地プロセスがきちっとなっていれば懸念もないという認識で、一つは深地層の研究の基本的認識ではあると、要するに処分地の立地プロセスがはっきりしていないので、研究の方にまで影響を与える、懸念を与えるという認識でありますので、逆に言うとそういうところがはっきりしていれば、研究の方の認識は是とされるということではなかろうかと思います。 
・ 以上のことから、六つのことをある程度体系立てるとすれば、一つは、深地層研究の基本的認識の部分と、それから深地層の研究と処分の関係についてと、こういう認識で分けて整理していくことでいかがでしょうか。ここまでのところで字句修正等がありましたらご意見をいただきたいと思います。
○委員 
・ 事務局に再度確認という意味で聞くが、散文という形でまとめるという前提ですね。今は、箇条書きということになっているけれど、もう少し書き込み、そんなに分量は多くはないが庁内検討委員会として報告書を作るということに当たって肉付けの意見を出すということですね。
○事務局
・ 肉付けの意見はこの後と考えています。まず基本的認識をこういう体系立てにして整理することがいいのかどうかということと、この段階で検討項目に字句修正がないかということを再確認しています。
○委員
・ 今の説明のあった六つのうち、ちょっと異質だと思うのが3点目、「道民の間に処分技術が確立されていないことなどに対する不安や懸念があり、道民合意も得られていない状況にある」。ここだけ道民に着目した認識になっている。後は、すべて読みようによっては一般論です。今言った趣旨であれば、1、2、4、5、6とまとめて、最後に、この3点目をそこに位置付ける整理というのがあるのかなという気がする。
・ 逆に言うと、6番目と3番目が似たような趣旨であり、3番目と6番目の関わりを整理したうえで、道民に関することを一番最後にすることもあるかなと。
○事務局
・ 今の3番目は、処分技術が確立されていない、要するに研究がきちっとされていないということがバックにそういう認識があるわけです。4番目は、だからこそ科学的知見をもとに処分方法そのものについて技術的な裏付けをもって決定されるべきだという認識から出てきております。
○委員
・ 事務局の言う論理、処分技術が確立されていないことなどに対する不安や懸念があるから、科学的知見をもとに決定される必要があるという論理であれば、道民に関わっての認識をここに持ち出すのは違和感がある。
○事務局
・ 2の方に移りますが、1の基本的認識のもとに、道の対応の考え方は、「道内に放射性廃棄物を受け入れない。また、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場を受け入れない」。「研究実施区域内については、放射性廃棄物の持ち込みや使用を認めない。また、深地層研究所は研究終了後閉鎖するものとし、同施設を中間貯蔵施設や処分場に転用することは認めない」との考え方に立ち、ここまでは前段で、これは今回の深地層研究所計画の申し入れがあった以後の経緯で、道としては、サイクル機構等と確認の形の文書がある部分もありますので、それを前提にこういう考えを書いているという認識です。
・ 放射性廃棄物については、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設などでは、ある意味では、青森県が全国の受け皿になっていて、青森県の方の認識を考えたら、他県も自分のところには持ち込まない、あるいは自分のところで出したものは外に全部持っていって処分してもらう、こういう認識は、はたして通用する認識であるのかどうかというようなこともありますが、道と国、サイクル機構との間のやり取りの中で、幌延町の深地層研究所計画においてはこういう点での確認があるので示しているということです。これについて再確認したいと思います。
・ とりあえずここはそのままにして進むということでよろしいですか。
・ 後段になりますが、「幅広く道民の意見を聞きながら、計画を認める場合には」という書き方がされていますが、ここは知事公約では、道民の合意を得ながらということになっていますが、そうではなくて幅広く道民の意見を聞きながらというと、意見を聞くだけでいいのかということが議論になってきますので、いわば道民の合意を得ながらという知事公約の部分をそのまま置いて、それをもとに計画を認める場合にはと言った方が知事公約に沿った文言になると思いますが、その点は如何でしょうか。
・ 道民の合意を得るための手段としては、幅広く道民の意見を聞きながらということが実際になされるわけですが、ただそれだけではなくそれを踏まえて最終的には道民の代表という負託を受けている道議会の論議を踏まえてということになるかと思いますが、それをひっくるめて道民の合意ということになるかと思いますので、今の表現では、ある意味で議会が抜けているのではないかという指摘につながるかと思いますが。
○委員長代理 
・ 知事の公約の道民の合意を得ながらの方がきびしいということですね。
○事務局 
・ そういうことです。議会も当然そこの中に含まれてくるわけで、幅広く道民の意見を聞くという場合に議会をイメージするのは少し無理があるのかなと思います。少し議論してここのところをどうするのか決めて欲しいと思います。
・ 道民合意を前提に「計画を認める場合には、次のような措置を講じる必要がある。」とされています。「上記の考え方を踏まえ、条例又は要綱を制定し、道の姿勢を明確にする。」これについて、条例、要綱、その他、他県、他の市、町ではいろいろな事例があるという資料を出して説明し、検討されてきていますが、それを道に置き換えてどうするのかということは、もう少し議論を深める必要があると思いますが、そういう意味でここは割と短かくしか書いていないということかと思います。
・ 次に、担保措置方策等ということになりますと、まず協定を中心に考えられていて、深地層研究所計画については、サイクル機構との間で協定を締結するということで、協定の内容を8項目にしています。項目については、例えば岐阜県等が結んでいる項目に比べ、放射性廃棄物の持ち込みを規制するといった点を主にするということで特徴があり、「地下施設を埋め戻す」といった部分は厳しいものがあります。以上、検討項目について何か議論があればと思います。以上が検討項目についてです。 
○委員 
・ これからの流れを考えた場合に、この検討委員会が終了後に有識者の懇談会の開催が予定されていると伺っているし、道民意見聴取などを経て、最後のステップとしては、知事の判断ということになると思いますが、事務局の考えとして、この流れを考えたときに、この検討委員会で次の段階としての有識者懇談会の前段としてのこの検討委員会は、どこまで踏み込んで整理すべきかというところが一つのポイントだと考えます。例えば資料3に記述があるとおり、研究の必要性や担保措置について、当委員会としてはどこまで踏み込んで整理をして有識者懇談会につないでいくかという点について事務局の考えはどうですか。
○事務局 
・ ここは事務局だけの認識ではなく、委員の皆さんの認識を一本化するということでまとめていくのが相当だという気がします。ただ、これを報告書にするための肉付けとしまして、とりあえず事務局としてどういう体系づけがいいのか、先ほどこういう体系の項目にしてはどうかと若干言いましたけれども、そういった中で検討項目に幌延町の深地層研究所(仮称)計画そのものに対する基本的認識がないということが一つ大事な部分であろうと思います。この検討委員会は、この深地層研究所計画をそ上に上げているわけですから、それに対する認識を示す必要がありますので、それは報告作成の段階でまとめたい。ただし、それはこれまで、国やサイクル機構が示していることと、道のこれまでの認識と全く違うということでしたらいろいろな議論の余地があると思うのです。
・ この研究所の事業主体はサイクル機構であるが、国からはその必要性があるから、原子力委員会の決定の手続きに従って知事に対して幌延町での深地層の研究の申し入れをしている。それに対し、基本的認識の一番目に書いてある所ですが、この検討委員会はこの認識に立つということと、それから2点目の条例に対する考え方をどうするのか、これはまた後で議論していくときにある程度の考えがないと前に進まないこともありますので、体系づけ、肉づけするという意味で委員にお知恵を拝借したいと考えております。
○委員長代理 
・ 今言わんとすることは、資料3の真ん中の下にある上記の考え方を踏まえ条例又は要綱を制定し道の姿勢を明確にするという部分ですか。
・ これは今までの中で条例化について各委員で実質議論してきた経過はどうでしたか。
○事務局
・ 基本的な認識の議論はありましたが、報告でどう表すかまではやっておりません。
○委員長代理 
・ 条例なり法律の専門の集団ではないので、分からない部分はありますがそういう実質の議論を、「今日は条例化について勉強する」いうことをやってはいないのでしょう。
○事務局
・ そうではありませんが、検討はしています。
○委員 
・ 他県や市町村での例の紹介を含めた議論はあります。 
○委員長代理
・ もう一歩踏み込むと、検討事項に肉づけして報告書のようなものになれば、資料3は消えてしまうでしょう。
○事務局 
・ そういうことです。それをふくらませて書くわけですから。
○委員長代理 
・ 項目だけでなくて項目の中の実質議論をする必要があります。
○事務局
・ そういうことです。重たい部分であるということで、実質のことを言えば先送りされてきている部分で、まず条例から検討に入ったということでは必ずしもありませんので、今日は、まず基本的認識の部分から順を追って入りまして、担保措置も協定についてはかなり事例もあるし、かなりくわしく書かれていて分かりやすい。条例については、今日と次の会議で全体像をつかめればと思っています。
○委員長代理
・ もう一歩踏み込むと、資料3は項目である、これに基づいて、これを十分盛り込んだレポートを考えていただくということが必要です。
○事務局 
・ 報告書となれば、1の基本的認識の前段部分を、一つは深地層の研究という項目を立て、次に深地層の研究と処分の関係という整理があるのではと思います。次に深地層研究所(仮称)計画という中で、先ほどから言っております深地層研究所(仮称)について、どうして幌延で行うかという理由であるとか研究はどういうことを考えているのか、これまで説明を受けていた所を書き込んでいきたい。さらに道の対応の考え方について、深地層研究所計画への基本的な対応、常に原点に戻るのですが、知事公約が一つと、知事公約の後段にあります放射性廃棄物を持ち込ませることがないような担保措置方策を検討することになりますので、知事公約との絡みと、検討項目の前段の二つの部分を入れた整理と担保措置の整理を分けて行うと体系づけられるのではないかと思います。
・ はじめにの部分ですがこれは事務局の仰せつかる部分ではないかと思いますが、ここはまず検討委員会が設置に至るまでの経緯、検討委員会は基本的な考え方の整理を行って端的に申しますと何に役立つのかと、どのようなことを期待しているのかということを、記述していくのが良いのではと思っています。
・ 最初に言いました深地層の研究の部分ですが、これは基本的認識の部分に6項目書いてありますので、この部分の整理ということで整理していましたが、例えば、大きな項目としては深地層の研究についてです。地層の研究を純粋に注目して、そこを抜き出して基本的認識を記述したいと思います。検討項目の1番目と2番目、深地層研究の基本的認識として最初の部分に位置させます。とりあえずこれまでの検討項目そのままの文言が収めようと思います。資料3の検討項目の1番目と2番目をもとに、若干敷衍(ふえん)していきたい。
・ 2番目としまして、深地層の研究の基本的認識の次に、外国はどうか、我が国はどういう状況なのかということをやはり物の順番としてはそのように書くのかと思い研究先進国の状況にふれ、また、我が国の深地層研究として、これは岐阜県の東濃地科学センターがありますので、これに言及し、ここで基本認識の一番下の6番目にある基本的認識、これを受けまして、その認識とは「高レベル放射性廃棄物については処分場の立地基準や処分地選定にあたっての地元の同意等を含む立地プロセスが確立されていないことが様々な懸念を生じる原因のひとつとなっていると推察される」と既に示していますので、処分場に係る法整備を求めていくとすれば、国の方は検討を進めてきていると聞いていまして、いずれにしても、法整備というのは2000年中になると思いますが、法整備を求めていくということは書き込んでいくことも差し支えないのではないかと思います。
・ 深地層の研究と処分の関係においては、資料3の上から3、4、5番目を考えの基本として、それに対して国の長期計画は原子力の研究開発及び利用に関する長期計画ではどうなっているか、それからこれは平成6年6月のものですが、そこにも深地層ということを、国の方針としていますが、このような深地層についての学術的研究にも寄与できる、総合的な研究の場として整備していくということが重要であるとし、このような施設を我が国の特性を考慮して複数の設置が望まれていること、さらに深地層の研究施設の計画は研究開発の成果、特に深部地層環境の科学的研究の成果を基盤として進めることが重要であり、その計画は処分場の計画とは明確に区別して進めていくとなっておりますので、国の文書にもありますが、このような機会に研究と処分場とは区別して進めるということになっていると、道民の皆様にご理解いただくためには引用すべき所ではないかと思います。また、平成10年5月の原子力委員会の高レベル放射性廃棄物処分懇が取りまとめた報告書の中にも、端的に書いてありますが、国民の方々から深地層の研究施設の重要性を指摘する意見の一方で、研究施設に廃棄物を持 ち込むのではないかと、研究施設あるいはその周辺がその処分地になるのではないかといった不安や懸念を引き起こした状況では施設の建設や研究の推進は困難であるとしまして、動燃事業団、さらにこれを改組した新たな法人(今のサイクル機構)が行う深地層の研究施設の計画は実施主体が行う処分場の計画等、処分地の選定プロセスとは明確に区別して進めるべきであるというふうにしていますので、いずれにしても国においてはこのような深地層の研究施設が処分場につながらないということを明らかにしているということを研究と処分という部分で説明、整理していく。 
○委員 
・ この庁内検討委員の後、有識者懇談会や道民意見聴取があり、議会があって最後に知事の判断があるわけですが、有識者懇談会、道民意見聴取などがどういう流れを経て知事の最終的判断に至るのかということも含めて、次回委員会で状況説明という意味でその段階での事務局の考えも提示してもらったほうが、われわれ庁内検討委員会の位置づけもはっきりしてくるのではないかと思っています。
○事務局
・ わかりました。先ほど委員からの意見のあった部分の整理、つまり深地層研究所計画に関する部分ですが、なぜ幌延町で研究の必要性があるのか、国が説明し、サイクル機構が説明しておりますが、そういった所の位置づけが検討項目の中では特にあがっていないので、ここは必要であろうということで、これまでいろいろ説明いただいた部分を束ねてここで委員から参考までに、考えを示して欲しいと思います。
○委員
・ 深地層研究所の計画についてですが、なぜ幌延で研究を行うのかなど3点に整理してみますと、研究の目的、内容、研究成果をどのように反映していくかということになろうかと思います。 
・ サイクル機構によりますと、幌延で深地層の研究を行う理由は四つぐらいの理由があるのですが、最初に付近の地層がいろいろな形で乱されていないという条件が必要なわけですが、この場所はいくつかのボーリング抗がありますが、坑道を掘削したことはありませんので、研究の場は乱されていないだろうということ、対象となる堆積岩が3次元的に十分な広がりを持って分布している、それから地下水も存在している。二つ目はこれは非常に重要なことですが、原子力政策を進めるにあたり、地元幌延町が研究開発利用に理解がある。三つ目は地質環境の特徴ですが、サイクル機構から何度か説明がありましたが、塩水系の地下水が存在している、この二つ目の所で地震はあるが、活断層は確認されていない。過去200万年前くらいの新第三紀の地層まで掘り込むということで、第四紀の地層が180万年くらいですから、200万年程度の地殻変動に関する研究ができる。三つ目はここには天然ガスが存在する可能性がありますので、地下水を含めてガスの動きも研究対象でしょう。四つ目は場所によっては断層にあたるかどうかわかりませんが、地質構造や断層運動に関する研究が出来るのではないかということです。 
・ 研究目的と内容については、二つテーマがありまして、地層科学の研究と地層処分の研究開発に分かれております。地層科学の研究については、現在の学問レベルでは地下の場合は最終的には掘ってみなくてはわからないのが正直な所で、そういう意味では一般的な記述になると思います。例えば、一応ガスが含まれているわけですから、異常高圧があるかもしれない、これは掘ってみないとわからないので、地層処分の技術開発は工学的な問題でして、核を持ち込まないわけですから、同じ温度のもの同じような大きさのものを例えば数をたくさんそろえて置いた時に水の動きはどうなるのか、ガスの動きはどうなるのかといった、シュミレーションのためのデータが揃うと思いますし、そういう内容になると思います。 
・ 次に研究成果の反映ですが、これにつきましては、既に話に出ていましたように、深い地層での研究、特に実際に処分事業を始めるにあたってのいろいろな形でのシュミレーションやモニターの方針が立てられるので、安全基準や最終的には処分工程と いうような所に反映されていくのではと考えております。いずれにしても深地層というのはどこでもそうなのですが、まず地質を調査するのは医者で言えば内科の臨床学みたいなもので、その次にいろいろな物理探査をするというのがMRIとかスキャナーをかけるみたいなもので、ボーリングをするということは中を開く、探る、つまり外科手術みたいなもので、やってみなくてはわからないということです。 
○事務局 
・ 深地層研究所の計画についての道の考え方の後段の部分になりますが、この基本的な対応の最初が知事公約の中で整理した方がよいということ、これまでに書いてありますように、国、サイクル機構との打ち合わせを踏まえた文書のやりとり、これは公開されていますが、それに基づいた部分を、道の考え方がこれまで表明されているということで、書いていこうと考えております。前段を知事公約を再現する形にし、知事公約にもありますように道民として放射性廃棄物が道内に持ち込まれることのないようにするための担保措置方策について検討することが大切だということで、資料3の検討項目にありました二つの項目を次に記述してはどうかと思っております。資料3にあるように「道内に放射性廃棄物を受け入れない、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場を受け入れない」、もう一つはサイクル機構との打ち合わせの中で「研究実施区域内については、放射性廃棄物の持ち込みや使用を認めない」ことのほか、「深地層研究所は研究終了後閉鎖するものとし、同施設を中間貯蔵施設や処分場に転用することは認めない」とこういう考えに立つことが必要であると、道の対応の基本的な考え方にな ろうかと思います。このような形で整理しまして、最後は担保措置の部分が最終の所になるかと思います。 
○委員 
・ これまで示された検討事項の修正案の柱立てを大きく超えるものではありませんが、公約には条例を含めてということもありますから、条例だとか、あるいは議会サイドの決議など、知事サイドとしては要綱、当事者間では契約を交わす協定、いくつかの方法論がありますので、そういう方法があるということを示すのが一点。 
・ この段階で見る限り協定でいくのがベストではないけどベターというトーンになっています。これから先の議論に供するという意味で言いますが、現実的には協定が実効性という点からみていいのかなという気がしますが、広く世論に道なり道知事の考え方を、あるいは議会を含めた道の全体の意思を表明するという方法と合わせて協定という選択枝もあり得る、という考えも今のところ捨てきれていない。 
○委員長代理 
・ 条例について正面から意義がないということを言い切れない部分があるのかなという気もしますが。県では例は無いけれど市町村ではあるから、同じ自治体の都道府県でも可能という言われ方に対しては、どう考えればよろしいでしょうか。
○事務局
・ 市町村は、その中に議会は一つで、首長も一人ですから、そこにおいて、ある施設の誘致について反対の議決がされれば、それは近隣市町村のどこにも迷惑にならないからOKですとなる。県レベルの条例になるとそれは同時に市町村をしばるかたちになるので、仮に受け入れないという条例ができれば受け入れるという市町村があれば県条例違反になる。罰則がつけられていなければ、違反したときの拘束力が弱いものであっても同じエリアの中で県と地元の市町村が分かれ、対立することが考えられますから、それはいかがかというところで、通常の施設であれば、県レベルでは域内の自治体を全部しばるというところでは難しい部分があり、例が見られない。 
○委員長代理 
・ この時代において罰則になじむわけないから行政条例とは違って宣言だろうけれども、県の条例作って域内市町村全部カバーするというのは、市町村も個々の議決機関があり、選ばれた人がいる中で、そこに宣言的条例であってもしばりになると市町村みんなの共通の理解をもらえるかという疑問があるということですか。交通安全条例というのがあるが、交通安全なら市町村でもダメとは言わないから、みんなが納得するけれども、いろいろと議論のあるものについて都道府県のレベルで網かけるのは、行き過ぎになるということにもなりかねないとうことですか。 
○事務局 
・ 施設を誘致する権利は、個々の自治体にもあり、事業者の立地する権利においても、どの地域はダメということは難しく、どちらも経済活動の自由や地域振興を主張することができる部分があり、それを封じ、規制をかけることがゆるされるのかということが判断の難しいところだと思われます。都道府県と市町村、それぞれの議会も対等であります。 
○委員 
・ 宣言条例がないことによって入り込むというか、そういう余地を残すということもある。 
○委員長代理 
・ いちおう項目ごとの検討を今日はこれで終えます。 
・ 示した考え方については、今後、文章表現を検討してもらいそれに基づき事務局案にしたもので、また検討してもらうという進め方でよろしいか。ご了解いただければ次回にも最終的にまとめるということにさしていただきます。 
・ 先ほども説明しました、事務局の資源エネルギー課で道北の団体の意見を聞いた結果を次回報告してもらいますので、それにも留意して、検討を続けていただくことにしたいと思います。 
・ それでは、その他の報告事項は事務局に任せます。 

(3)その他(関係予算の概要の報告について) 
○事務局 
・ 前回2定に議会が終わりましたら関係予算等の概要を報告することになっていましたので報告します。道民の意見を聞くための予算として、深地層研究所計画懇談会(仮称)開催経費が3回分で2百50万円強、地元市町村あるいは経済団体などの各種団体、さらには地元住民などを対象とする意見等の聴取を行う経費が7百万円強、海外調査費として4百万円強、合わせて1千4百万円強の予算が付いています。 
・ 予算執行に伴う今後のあらあらの予定としては、8月に有識者懇談会が設置されると想定すると、道民意見聴取は、9月以降に実施されるかと思います。 
・ なお、海外調査につきましては、資源エネルギー課の職員が、カナダ、スウェーデン、フランス3国の深地層研究施設を調査・視察し、8月に帰国する予定です。 
・ 次回は、事務局案を用意したいと思います。今日は、ありがとうございました。 


(この内容については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったもの等を整理のうえ、作成しています。)

 

                                                                    

資 料 3

深地層研究所(仮称)計画についての検討事項の修正案

1 基本的認識

○ 原子力発電所が稼働している現状では、発電に伴って発生する放射性廃棄物を長期間にわたり安全に処分するための研究、技術の確立が必要である。

○ 深地層の研究は放射性廃棄物を長期間にわたり安全に処分するための研究のひとつである。この他、地上又は浅地における長期貯蔵についても検討している国もある。

○ 放射性廃棄物の処分については、道民の間に処分技術が確立されていないことなどに対する不安や懸念があり、道民合意も得られていない状況にある。

○ 放射性廃棄物の処分方法は、十分な科学的知見をもとに決定されるべきである。

○ 研究と処分地選定プロセスとは明確に区別されなければならない。

○ 高レベル放射性廃棄物については、処分場の立地基準や処分地選定に当たっての地元の同意等を含む立地プロセスが確立されていないことが様々な懸念を生じる要因のひとつとなっていると推察される。

2 道の対応の考え方

深地層研究所(仮称)計画については、上記の基本的認識のもとに、

○ 道内に放射性廃棄物を受け入れない。また、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場を受け入れない。

○ 研究実施区域内については、放射性廃棄物の持ち込みや使用を認めない。また、深地層研究所は研究終了後閉鎖するものとし、同施設を中間貯蔵施設や処分場に転用することは認めない。

 との考え方に立ち、幅広く道民の意見を聞きながら、計画を認める場合には、次のような措置を講じる必要がある。

 (措置)

 ○ 上記の考え方を踏まえ、条例又は要綱を制定し、道の姿勢を明確にする。

 ○ 深地層研究所については、サイクル機構との間で協定を締結する。

  (協定内容)
  ・ 研究実施区域に放射性廃棄物を持ち込まないこと、また使用しないこと
  ・ 研究所への立入調査を行うこと
  ・ 研究施設を処分の実施主体へ譲渡、貸与しないこと
  ・ 研究終了後は地下施設を埋め戻すこと
  ・ 幌延町に放射性廃棄物の中間貯蔵施設を設置しないこと
  ・ 研究所計画の内容を変更する場合は報告すること
  ・ 情報を公開すること
  ・ 道は事業主体が違背したと認めるときは、事業主体に対し必要な措置をとるものとし、事業主体はこれに従うこと
   など

  (協定当事者)
   道、地元、サイクル機構

                                                                       

   

※ 資料1 道検討委員会の検討事項などについて
   資料2 「深地層研究所計画検討委員会」の審議について
  上記資料は、大冊につき割愛していますが、北海道行政情報センター(道庁別館3F)をはじめ、関係支庁(留萌、宗谷、上川)の行政情報コーナーに備え置いており、また周辺市町村(幌延町、天塩町、豊富町、稚内市、猿払村、中頓別町、浜頓別町、中川町)にも備え置いているので、ご利用下さい。

 


 

 

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