道民のご意見を聴く会(中頓別町会場)(環境・エネルギー室)
道民のご意見を聴く会におけるご意見等
(中頓別町会場)
平成12年9月 北海道経済部資源エネルギー課
道民のご意見を聴く会の開催状況 1 開催年月日 目 次 1 意見陳述者からの意見等 【佐藤 一弥】 それでは、発言させていただきたいと思います。まず、このような私どもの意見を述べる場をつくっていただきました道に対しまして敬意を表したいと思います。今後とも道民の意見を十分その真意を尊重してこの問題に対処していただきたいと思います。幌延町における深地層研究所計画への意見。私は、幌延町での深地層研究施設設置に反対の立場です。また、深地層処分そのものにも疑問を持つものです。今から約20年前、1981年、昭和56年、幌延町がいわゆる低レベル核廃棄物処理施設誘致を表明しました。時の町長は、後日、原子力施設誘致の本命は高レベル施設だったと公言いたしました。その後、1984年、昭和59年4月、当時の動燃は、突然高レベル放射性廃棄物の研究貯蔵施設を幌延町に設置する計画を打ち出しました。当初動燃は、この貯蔵工学センターは単なる研究施設のように宣伝しておりました。このことについては、地元、周辺町村を初め、道民全体の中からわき起こった反対運動のために、また動燃自身の引き続く事故のために方向転換されてきました。そこで新たに提案されてきたのがこのたびの深地層研究所の計画だと私は理解しております。以下、反対の理由を申し上げます。1、深地層研究施設の幌延町への設置は、深地層処分施設の幌延町ないし近隣町村への設置の可能性を高くするものではないでしょうか。今ご説明あった中でも、岐阜県で実際やられているということも述べられましたけれども、この幌延町の施設については、冒頭で申し上げましたとおり、長い経過の中で今、現状に至っているわけなのです。それを考えるとき、私どもはどうしてもそのことの疑念を捨て去ることはできません。また、いわゆる核抜き担保なるものも、先ほどたくさんの細々したことを申されましたけれども、根本的に私どもにとっては非常に危うい感じを持つわけです。また、これは先ほどご説明あったことですけれども、いわゆる最初にありました貯蔵工学センター計画というのも、やめたということを先ほど明言されたので、それはそれで結構なことだと思うのですけれども、私どもはそこまで明確な理解を持っておりませんでした。本当にやめたのか、やめた理由は何なのか、そこら辺は十分な理解はいまだしておりません。2番目、深地層処分は現実には、深地層への核廃棄物の投棄は、今の説明の中でも投棄だということが明確にされましたけれども、私ども、放射性廃棄物の特性からして、研究するのだということですから、これはそう言われれば全く水かけ論になるわけなのですけれども、本当に投棄していいものなのだろうかと。長い間放射能物質を発生し続ける。しかも、先ほどありました、既に三百何十本もある。1万3,000本も予定されていると。そういうような大量の放射能を帯びたものを地中深く埋設する。埋めてしまうわけですから、出し入れして管理する、常時見て管理するという体制にはならなくなると思うのですけれども、そこら辺、非常に不安を感じるわけなのです。3番目、深地層処分研究施設の設置は地域振興にはならないのではないかと。高レベル放射性廃棄物関連施設の誘致によって、原発周辺自治体に似た利益を得て地域振興を図ろうというのは、国民的な支持も得られず、地域住民の活性化も阻害するのではないかと思うわけです。そして、私は以下のように考えます。核抜き担保の根本は廃棄物の最終処分地を原発周辺並びに電力大消費地周辺に限定することを明確に打ち出すことが、よりこの問題に対する多くの国民の理解を深める上で極めて重要でないかと思います。埋め戻しとか協定とか、テクニック的には非常に多彩ないろいろなことがあろうかと思いますけれども、根本原則を大切にすることがこの問題、非常に重大であり、かつ長い期間かかるということを考えれば、幾世代にわたることを考えれば、根本的な原則を打ち出す必要があるのではないかと思います。また、高レベル廃棄物の発生は自然現象ではありません。原発でのプルトニウム利用を今後はやめていくということも考えなければならないのではないか。現在の環境、ごみ問題の解決の流れは、後世に残る有害物質を数値目標を設けて発生量を減らしていく方向に向いているのは、これは皆さんご存じのとおりで、世界的な流れです。そういう中で、核物質についてもそういう方向に今踏み出すべきではないでしょうか。地方分権の時代、道は農林漁業の宝庫であり、緑深いこの天北の地域を、ここに住む人々とともに長い目で守り育てていっていただきたいと思います。今回のこの問題についても、焦ることなく、長い目で、十分協議をして、また道民の真意を十分酌み取って、慎重な、また本当に安全性が確保できる対策を今後ともとっていただきたいと思います。以上で私の意見陳述を終わりたいと思います。どうもご清聴ありがとうございます。 【川村 忍】 まずは、このような道民の意見を聴く会、そして詳細な説明をしていただいたことに、まず敬意をあらわしたいと思います。では、私の意見ということで、意見の方を述べさせていただきたいと思います。私は、就職のために中頓別町に来て2年になります。現在小頓別というところに住んでおります。それまで旭川以北に来たことはなかったのですけれども、この中頓別町に来てから、豊かな自然、そしてここをふるさととする心広く、心温かい人々に接する中で、この地域が非常にいいところだな、すばらしいところだなということで大変好きになりました。核燃料サイクル機構と科学技術庁は、この自然豊かな地域に隣接する幌延町に、深地層で核廃棄物を処分するための研究を行う施設を建設したいという考えということで先ほど説明していただいたわけですが、結論から言いますと、この施設は将来の核廃棄物の処分場建設につながるおそれがあるということで、私はこの計画に強く反対します。この研究をするに当たって、核燃料サイクル機構と科学技術庁は、将来にわたって核は持ち込まないというふうに先ほども説明がありました。しかし、問題はその後のことだと思います。核燃料サイクル機構と科学技術庁は、研究が終了した後、幌延町やその周辺に核廃棄物の処分場を持ってこないという約束はしていません。いや、約束できないと思います。なぜなら、研究を行うのは核燃料サイクル機構や科学技術庁ですが、核廃棄物の処分場建設については、通産省と通産省のもとにできる新たな事業体が行うからです。つまり、科学技術庁には通産省の行う事業のことまで約束することができないはずです。また、国も、今回の研究所計画と核廃棄物処分場計画とは明確に区分すると述べています。さらに通産省は、処分場の候補地については総合的に判断するとして、幌延町やその周辺をその候補地から外すとは一度も述べていません。莫大な費用をかけて幌延町に深い穴を掘り、岩盤が核廃棄物の処分に適しているかどうかを調べ、核廃棄物が地下水などの環境に与える影響を調べるはずです。そうした研究をしておきながら、そこに核廃棄物処分場をつくらないというのは、客観的に見てかなり不自然な論理です。幌延以外に処分場をつくるのだったら、そこの岩盤や地下水の様子を調べればよいと思います。もし百歩譲って、本当に幌延で行うのは研究だけだというのなら、先に処分場をどこにつくるのか決めてからにすべきだと思います。幌延以外の日本のどこに核廃棄物処分場をつくるか、はっきりさせてからにすべきです。それすら約束できないのに幌延町に深地層研究所を建設するということは、将来の処分場建設につながる可能性が強過ぎて危険です。北海道は、今決断するのではなく、日本のどこに処分場ができるのかが決まってから研究所の受け入れについて検討すべきです。今の中途半端な段階で研究所計画を受け入れるということに私は強く反対します。もっとも、現在も核廃棄物は次々と原発で生み出されています。だから処分場の受け入れも仕方がないのだという意見もあります。しかし、一旦この道北の地域に核廃棄物の処分場ができてしまうと、日本の全国から核廃棄物が運ばれてくるはずです。輸送のコストも当然電気料金にはね返るでしょうし、何より、そんな危険なものを遠くから運んでくることは危険きわまりありません。一旦事故が起こってしまうと、この地域には人が住めなくなるのです。この地域の豊かな自然を奪い、人々からふるさとを奪ってしまうことになるのです。今出ている核廃棄物は、原発のある地域で管理すべきです。そして、脱原発のための新たなエネルギーを開発するための研究にこそもっと力を注いで核のごみを減らしていき、将来は原発を廃止すべきです。世界の趨勢もそうだと思います。私たちの世代がつくり出してしまった原発や核廃棄物などの負の遺産は、私たちの時代で終わりにする義務があります。私たちがこの道北地域をふるさととする次の世代や、またその次の世代に残していかなければならないものは何でしょう。祖父や曾祖父は、この緑豊かな自然と第1次産業を中心とした産業を私たちに残してくれました。それを私たちの世代で終わりにしてならないことだけは確かです。核廃棄物の処分場計画につながる深地層研究所計画は、ここをふるさととする子供たちのためにも絶対に受け入れてはならないと考えます。ふるさとの自然をこれまでずっと大切にしながら生きてきたこの地域に住む人たちが、子供の代も孫の代も、そしてさらにずっと安心して住めるように、核廃棄物処分場計画につながる一切の事業をこの地域に持ち込むことに対して、北海道は先頭に立って反対すべきだと私は思います。先ほど説明もありましたけれども、その説明を踏まえた上でこのような意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。 【石井 雄一】 私は、幌延町における「深地層研究所の計画」について、これを推進する立場で意見を述べさせてもらいます。私自身は、現在乳牛を飼っております。酪農専業農家でございます。毎日酪農をやっている中で、電力といいますか、電気に対する恩恵といいますか、そのことについて、電気がなければほとんど経営が成り立たないというふうな認識でおります。そういった中で、酪農ばかりではなくて、ほかの産業の分野でも、現在電力というのは大変なウエートを占めているエネルギーだと思います。存在価値としては、自然界の空気や水に次いで電力と言ってもいいのではないかなというふうに、そのぐらい我々の日常生活の中に浸透していると思います。そういった中で、その電力がなければ我々の日常が成り立たない、こういった現状の中で、最も大事なことは電力の安定供給だと思います。その電力を安定供給させるために、今日、地球環境とかそういったことを考慮してエネルギーを確保していく現実、現状がございます。そういった中で、原子力発電はクリーンな発電エネルギーとして、先ほども説明があったとおりでございます。その原子力発電によるウエートが先ほど3割以上を占めているという、このことによって我々は安定した生活を送っていけています。そういった見解から、私は、原子力発電所をまず肯定をする、認めるということはやむを得ないというふうに考えております。現状、これにかわるエネルギーといいますか、発電の方法は、まだ時間がかかるというふうに認識しておりますので、これからの電力の需要が21世紀に向かって増えていくことを考えると、日本としては、まだ原子力発電に依存をしなければならないというふうに思います。そういった中で、この発電所を認めていく立場で最も大事なことは、放射性廃棄物、この処理・処分だと思います。もちろん原子力発電所そのものの管理も安全運転のために最も大事ですけれども、最終処理・処分、このことがきちっとできて初めて電力を利用する意味もあるのだというふうに思います。そういった意味で、今まで原子力発電に対しては大変重要なウエートを占めていながら、ずっとこの政策に対してトイレなきマンションとかそういった言われ方をして、この廃棄物の処理・処分がなかなか進んできておりません。これは、日本全体でこのことについてどう処理・処分していくのかということを国民にもっと広く理解してもらう、このことが今までに足りなかったのではないかなというふうに思います。そのことをこれからもしっかりやっていくことが、次の世代に対して責任ある廃棄物の処理・処分をする我々の態度だと思います。先般、堀知事が泊3号機を容認する旨の新聞報道がございました。堀知事もその中で、原子力発電に対して、恒久的な施設といいますか、発電、エネルギーのあれではないというふうな言い方をしてございます。私もそう思います。これにかわる電力エネルギーが出てくると、当然原子力発電はなくなっても構わないと思います。でも、現在、毎日出て生産されてきております廃棄物、それから今後も稼働して出てくるであろう廃棄物を安全かつ確実に、将来とも問題のないように処理・処分することが最も大事な、我々にとって必要なことだと思います。そういった意味も含めまして、道民の意向を十分尊重しまして、将来とも安全な処理をしてくれるよう心からご祈念を申し上げまして、私の意見とします。どうもありがとうございます。 【小林 嘉仁】 中頓別町と幌延町とは山一つ隔てた位置関係にありまして、大変近いという位置にあります。幌延町における低レベル核廃棄物処理施設誘致から始まり、現在の深地層研究施設までの16年間、非常に身近な問題として危機感をつのらせ、反対の意思を持ち続けてきました。この問題については、当事者である幌延町は当然のこと、中頓別町も賛成派、反対派とが入りみだれ、町を二分する問題に発展し、論争を戦わせてきた時期もありました。この小さな町に非常に波紋を投げかけた問題であるというふうに思っています。まず、この問題の大もとは原子力発電所の存在でありまして、過疎の町をターゲットとして、町村への振興策を手土産にあちらこちらで建設が進められてきたと。地域の住民の反対などをある程度無視しながら、政府の巨大な権力を背景にして、原子力発電所の存在自体を既成事実化してきたのではないかなというふうに思っています。テレビコマーシャルで、原子力発電はクリーンなエネルギーであると。ほかの発電に比べまして非常に環境に優しいというようなことをうたい文句として推進してきている昨今ですが、本当に環境に優しいのか、はなはだ疑問に感じます。なぜなら、本当に環境に優しいのであれば、自然界への処理に研究が必要となるような物質などが副次的に生み出される訳がないからなのです。「核のゴミ」、この副次的に産出される核物質が人体に無害になるまで何万年もかかるというふうに聞いています。「この処理を技術的に確立する研究のため、施設を幌延町に建設したいと。核のごみはここに持ち込まない。」ということを前面に出して核燃は立地に向け活動を活発化させていますが、低レベル核廃棄物処理施設誘致から始まった幌延問題に係わる核燃の発言、対応についてははなはだ疑念が残り、今までの経過から、本当に核物質を持ち込まないのか、信用できないというふうに思います。我々はこの問題について十分論議をつくし、少しでも核が持ち込まれる可能性があるのであれば、その危機感を排除していきたいというふうに考えています。核燃が本当に核廃棄物の処理が安全であり、その技術に自信があるのであれば、本道北を騒がせ、地域紛争の発端となった幌延における核関連の施設の立地は、その責任の重大性を考え、やめるべきだというふうに考えます。自分も3児の父でありますが、子供たちの未来のため、そして道北の1次産業、道北の未来のためにも核関連施設の立地は認められないというふうに思います。断固反対を表明します。以上です。 【鳥山 卓也】 最初に、この意見を発言できる時間をいただきまして大変ありがとうございます。初めに、今回のこの「道民の意見を聴く会」ということでありますけれども、その開催箇所については、幌延並びに周辺の7町村と、あと札幌市の計9カ所での開催と。意見陳述者についても全部出てきて合計130から140程度という意見を聴く会ということではありますけれども、これでは道東や道南を含めた幅広く道民の意見を聞くことは実際問題困難であることからしましても、今回出された全意見をもって「広く道民からご意見をお聞きしました」という認識で今後話が進められると大変残念なことと思います。これでは「道民の意見を聴く会」ではなく、「周辺住民の意見を聴く会」ではなかろうかというふうにも考えております。国においては、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」、その中で「都道府県知事及び市町村長から聴取した意見を十分尊重する」と示されていることは、道民一人一人、住民一人一人の声を十分に尊重するということでありまして、最終的には道民、住民の同意を得ないままでは知事、市町村長としての意見とはなりきらないというふうに思いますし、納得できるものではないという事を認識して頂く事と、この事は、知事公約の中で、「道民参加の道政」、「道民合意」ということの約束事に対してちょっと疑問を抱いているというところも含めまして、改めて住民投票等による道民全体での判断を求めてもらいたいということを申し上げたいと思います。あと、この宗谷、利尻・礼文を初めとしてサロベツの自然等、観光客も多数訪れております。そこにこの研究施設を受け入れるということになりますと、道北地域並びに北海道全体のイメージに悪影響を与えることに繋がると思われます。この道北の地域にそういう混乱を持ち込まないでいただきたいということを、道知事の立場を見失うことなく、慎重な判断を期待したいというふうに思います。以上で終わります。 【古閑 信二】 どうも皆さんご苦労さまです。大変貴重な日に、数は少ないですけれども、集まっていただいて、道民の意見を聴く会に参加していただいたということで、この場に貴重な意見を言えるということで感謝申し上げたいというふうに思います。私は公務員でありますけれども、中頓に来て23年になりますけれども、その間、この23年間の間に半分以上幌延の問題でいろいろやってきたという関係で、私なりの意見をこれから述べていきたいというふうに思います。まずもって、道民の意見を聴く会ということで、道政に係わって日頃ご奮闘されている職員に対しましてまずは敬意を表しておきたいと思います。さて、今回の深地層研究施設に対する意見聴取ということで、この問題は、古くは幌延町が誘致をした「高レベル放射性廃棄物」の貯蔵工学センター計画から引き続いているものでありまして、幌延のみならず、周辺市町村を含めた地域が最終処分地の適地とされかねない危機感を抱いているということで、その前段の既成事実化の積上げに他ならないのではないかというふうに思っております。それから、国は、十分な議論もされない中、国会解散直前にばたばたと特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律を5月31日に成立をさせていると。原子力発電所から出される危険なごみを計画的かつ確実に処分しようということでありまして、さらに原子力発電所を作り易いような環境を整備しているのではないかというふうにしか受け取れないというふうに思っております。処分地の管轄知事、市町村長の意見を尊重するということになってはおりますけれども、同意とはなっておらず、国に押し付けられるのは間違いないというふうに思われます。さらに、幌延が最終処分地から除外をされているという訳でもなくて、この様に危険なものは、強制的に国が法律によって決着をつけるとの姿勢がありありと感じられるということで、道が担保措置として結ぼうとしている協定でありますけれども、これについても将来にわたる措置とも言えず、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」を上回るものではないと。これについても、早く言うと、何ら効力を持たないものではないかというふうに思われます。それと、幌延町長が施設の利用を繰り返しており、応じない場合にはどうするかということも明らかにされていないということであります。それと、これまでの核燃サイクルが岡山県でのウラン残土の撤去協定を10年も反古にしているという状況からも、到底信用出来るものではないというふうに判断されます。もしこの計画が進められるとなれば、最終処分の計画がどの時点で発表されて、その時点で地元の意見を聞こうとしているのか、ちょっと不明ではありますけれども、いずれにしても、同意をされれば、幌延を含む周辺地域が適地という立地基準、安全基準に合うようにデータが操作されるような可能性もあるということを思っております。このことも道北の多くの住民もわかっているのではないかというふうに思っておりますし、核抜きで矛先を交わすような姑息なやり方にも怒りを覚える次第でございます。農業、漁業など食料生産地であるこの地域にも、風評被害にもつながり、多大な影響を及ぼすことは避けられないというふうに思います。知事公約での「道民合意」を前提としていながら、泊の3号機の増設問題では、大都市を含めて聴く会を多く開催をして、より広く道民に意見を求めたのに対して、今回は地元幌延と周辺市町村、そして大くくりに札幌市に限定をしているという状況であり、これは全道的な開催でないということに対して不満が残る思いであります。また、手法についても、わかり易く、客観的に判断できるような住民投票や住民アンケートなどを実施しないのか、また、住民の不安や疑問に対して誠実に答えるような道主催の意見交換会を道北で開催しないのか、お伺いしたいところであります。受け入れの基本姿勢ではより混乱を招くだけでありまして、知事としての真価が本当に問われているというふうに思います。後世に核のゴミを残した知事と言われるより、いろいろな圧力に屈せず、民意を通した知事と後世にまで名を残したと言われるような勇気ある判断をお願いしたいというふうに思います。最後に、研究施設は核のゴミがある以上必要でありますし、研究施設が要らないということは言いませんけれども、早急に核のゴミのもとを絶つということが先決であるというふうに思いますし、そしてさらに代替エネルギーへの政策転換、開発を行うことこそ重要であるというふうに考えております。あえて言うならば、施設研究は原子力発電所の地下を掘れば、今の日本の科学力でいけばそれで十分間に合うのではないかというふうに思います。多少まとまりがなくなりましたけれども、終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 【岩田 利雄】 まず最初に、道民の意見を聴く会を本日企画してくださった関係者の方々に心から敬意をあらわしたいと存じます。幌延町における深地層研究所計画につきまして意見を述べさせて頂きます。私は、まず、この計画を早期実現に向けての必要性を強く望む一人でございます。その理由は、地域振興からいろいろあるわけでございますが、まず、私たち人類がこの大地、国土に長期生存を果たす絶対要件のひとつとして共存共栄の理念、その重要性を私は常から痛感いたしている者でございます。豊かな生活を永遠に持続するために原子力発電が果たす役割、同時に、これにたずさわる多くの方々のご苦労に対し感謝の気持ちをあらわしたい一方で、このリサイクル過程から生じる放射性廃棄物の処理・処分対策が急がれております今日、我々世代が発生させた廃棄物は我々の世代のうちに、せめて処分の為の研究、道筋はつけておくべき責任があろうと思うのであります。深地層研究所はこういう意味で早急に設置を決定いたしまして、研究を進めなければならないというのがその理由のまず第1点であります。私は、65年の過去を振り返って、生活は貧乏のどん底から、ランプ、ローソク生活を経験いたしました。そして、戦後の復興と同時に煌々と灯ったあの電気の有難さ、あの瞬間、あの家族のともどもの歓声は生涯忘れる事はないと思いました。そして、時代の変化とともに、急激な電力の消費によって幾日も続いたかつてのあのろうそく送電、今では特別な事情でもない限り1日も、1時間だって停電など知らない、いわゆる安定した電力の供給を受けているのであります。そして、その総電力の36%もが原子力発電によって賄われて居るという事であります。このことは、すべての住民がその恩恵に多かれ少なかれ浴していることは間違いありません。その事を私は真摯に受けとめ、少資源国の日本が、これからも永遠に電力エネルギーの安定供給が国家的な課題としてある事を忘れてはならないと思うのであります。従って、地球規模での環境問題、資源力に乏しい我が国の未来を考え合わすとき、まだまだ原子力発電に依存せざるを得ない現実を直視しなければなりません。もう一点は、地域振興の大きな手がかりがつかめるのでないかと私は期待しているのであります。確かに都会人から見ますれば、広大なこの宗谷、天北は自然の美豊かな、またのどかな山林、山村生活はあこがれの場でもあるかもしれません。しかし、ここに永住する私たち、そしてまたこれからも永遠に住もうとする後継者、子孫は一体どうでしょうか。企業は去っていかざるを得ない、学校はなくなる、若い頭脳と労働力はどんどん都会の方へ流れていっていることは間違いないのであります。こんなとき、国家プロジェクト、深地層研究所が近隣町に張りついたとするならばどうでしょうか。地域の経済波及効果もさることながら、宗谷、天北の発展は間違いないと確信するものであります。先ほどもご説明のありました16ページにそのことが出されておるわけであります。私は、以上の点を申し上げて、深地層研究所計画の早期実現と、北海道知事におかれましては、前向きにこの問題についてのご英断を切に希望して止まない次第であります。ご清聴を感謝申し上げます。 【千葉 靖宏】 まずは、日頃の道政執行に対しまして敬意を表したいと思います。さて、今回開催される道民のご意見を聴く会ですが、計画の内容や道の基本的な考え方について広く道民に周知し、道の基本的な考え方に対し道民の意見を聴取することとなっていますが、実際は幌延町及び周辺自治体と札幌市の9市町村だけで、内容は科学技術庁と核燃サイクル機構に計画等の説明をさせて、住民の意見内容は事前に郵送で申し込みさせ、会場での意見陳述は15人に限定し、討論は一切認めないというまさに「ご意見を聴くだけの会」で、本当に広く道民に周知し、道民の意見を聴取したと言えるでしょうか。幌延と周辺だけの問題として取り扱うのではなく、北海道全体の問題として取扱うのであれば、当然9市町村だけでなく、全道各地においてこの意見を聴く会等を開催すべきであり、意見についても限定するのではなく、すべての人から発言してもらうべきではないかと思います。実際にはこういうことは非常に難しいとは思いますが、そこまでの事をしないと本当に道民の意見がわからないと思いますし、知事公約でもあります「道民参加の道政」、「道民合意」にはならないのではないかと思います。また、「道民のご意見を聴く会」による道民対応すら実施されていない状況の中で、去る7月6日、7日に核燃の理事長が幌延周辺の自治体の首長へ挨拶まわりを行い、さらには7月17日幌延、18日には稚内で核燃と科技庁による「地元説明会」というものが開催されました。このような「深地層研究所計画」を既成事実化する「地元説明会」に、実施を止めるべき立場にある道が職員をオブザーバーとして派遣させています。このことは、道が、「意見を聴く会」の前に、すでに核燃と科技庁に深地層研究所計画の実施の了解をしたとしか考えられません。このような道の対応に対して、8月に開催される「道民のご意見を聴く会」で住民の意見が本当に意見として反映されるのかどうか心配であり、これは道民、地元住民を馬鹿にした対応で、不誠実きわまりないと思います。つぎに、5月31日に、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」が解散のどさくさに紛れて成立しました。この法律は、高レベル廃棄物の扱いについては、地上管理や人間の手の届く範囲での地下管理などのいろいろな方法が考えられているにもかかわらず、地下300メートル以深に地層処分をすることを前提にした法律であり、また、処分地選定について、「都道府県知事及び市町村長の意見を聞き、十分に尊重する」としながらも、「同意が必要」となっていないことから、首長の意見がどう反映されるのか、不透明であります。さらに、幌延町は、法律成立前の5月11日に「深地層研究の推進に関する条例」を制定しましたが、「持ち込みを認めない」といっても、条例の対象は核燃料サイクル機構が計画中の深地層研究所のみに限定されて、放射性廃棄物の処分場や貯蔵施設の受け入れに反対と言っているものではないように考えています。また、道が深地層研究所(仮称)計画を認める場合の担保措置として、当事者間(核燃・地元及び道)の契約行為である協定が現実的であり、有効な方策であるとしているが、核燃(旧動燃)は、15年前に、「調査を実施するときは事前に知らせる」と約束したにもかかわらず現地踏査を強行し、ボーリング機材を搬入したときも事後通知でありましたし、東海村の再処理工場での火災・爆発事故や、もんじゅの事故での虚偽報告や、人形峠事業所のある岡山県での協定を破って県に事故報告をしなかったりと、このような体質の核燃を相手に協定を結ぶことが本当に担保措置として有効とは考えられませんし、まして、最終処分の権限が科技庁や核燃にないものの回答も不安です。こういった状況の中で幌延で数十年間の調査を許せば、処分の立地基準や安全基準は幌延及び周辺地域にあわせたものにされ、「幌延適地」で、なし崩し的に処分地の立地がされる心配が非常にあります。ここ道北一帯は、酪農、漁業など第一次産業を中心とした食料生産地であり、手つかずの自然を生かした公園、山々には道北特有の動植物が生殖、繁殖しており、観光産業に大きく貢献をしています。ここに廃棄物処分につながる深地層研究所を受け入れることは、風評被害や環境破壊につながり、クリーンなイメージのダウンにつながりかねません。処分地への不安が残る深地層研究所を受け入れることは、過去にもあったように、幌延と周辺市町村に「混乱と対立」を持ち込み、また、将来にわたり、「処分地への不安」を抱きながら道北住民は生活することになるので、安心して生活の出来ない核関連施設に対して強く反対します。最後に、知事におかれましては、公約である「道民参加の道政」、「道民合意」を前提として、立場を見失う事なく判断を願いたいと思います。どうもありがとうございます。 【小坂 達哉】 まず最初に、このような会を開催するに当たりまして労をとっていただきました北海道、また説明をしていただきました科技庁、核燃料サイクルの皆様方に敬意を表したいと思っております。では、以下私の意見を陳述させていただきます。まず一つ目ですが、わが国の原子力政策における道としての基本的な姿勢についてのものでありますが、今、世界的にも原子力発電というものについては縮小あるいは全廃といった流れが大勢となっております。そういった中で、わが国のみが増設、増設という拡大の一途をたどっているといったものであります。しかも、臨界事故、放射能漏れなどの原発事故は相次ぎ、一向におさまるところを知りません。ひとつ間違えば取り返しのつかない、我々国民の命がなくなるという事態にもなりかねない危険な原子力政策、原子力技術、こういったものを北海道、そして知事は本気にこれらを信用されているのか、大変、はなはだ疑問であるというふうに思っております。そして、なおこれからも一層の推進をすべきなのか、そのようなお考えを持っているか、聞きたいところであります。次に、高レベル放射能廃棄物でありますけれども、これについても日々増え続けております。これは、トイレなきマンションとよく揶揄されておりますけれども、その廃棄物処理については半永久的な処理が必要であるとされております。そして、その処理方法についても、ガラス固化体等の説明は先ほどございましたけれども、全世界的なレベルでは確立がされていないといったのが現状ではないでしょうか。ゆえに世界各国、特に最近ドイツ等におきましては、原発そのものを時限的に全廃をしていくという方向に踏み切った、そういったものがあるのではないでしょうか。次に、幌延町における深地層研究所計画の必要性についてでありますけれども、なぜ幌延町に建設をする、その必要性がなぜなのか、我々にはどうしても理解ができないものであります。幌延町がただ手を挙げたからといって、その一つの町だけで、そして国及び道だけで判断できるといったものでは当然ないというふうに考えております。単に、失礼な言い方かもしれませんが、過疎地であるといったことだけもあるとすれば、過疎であることを喜ばれていると。いわば本末転倒ではないのでしょうか。また、最終処分地にしないということでもありますが、最終処分地にしないのであれば、なぜ深地層研究所を建設する必要性があるのでしょうか。一つの穴を掘ってしまっておけば、あとはなし崩し的に最終処分地にできるのだよというふうに安直に物事を考えている、そういった性格のものもないと、完全にないと言えるものなのでしょうか。次に、道の基本的な考え方についての中に入っております担保措置についての考え方でありますが、担保措置の中での説明はありましたけれども、協定を結ぶということになっております。これについては、サイクル機構、地元及び道としておりまして、科学技術庁を立会人とするとなっております。地元とは基本的に幌延町であると先ほど道の方からも説明がありましたが、我々道北地方、そして幌延町に隣接する町村に住む住民としましては、地元というのは幌延町だけではなく、我々周辺町民すべても入っているというふうな考えがあります。当然のことながら、我々、ここは中頓別町でありますが、地元という周辺町民にも当然のことながら事前説明をしていくものであると考えますし、道民合意をよく得るためであるのであれば、説明をもらい、そして意見を聴く会のみだけではなく、住民投票、住民アンケート等を実施をし、幅広く、広範囲な意見の聴取をすべきではなかったのでしょうか。また、さきの国会の終了間際にあわただしく決められました特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律がありますが、これにつきましては通商産業大臣が最終的な処分地を決定するというふうになっております。単に科学技術庁のみを立会人に入れるといったことですべての約束事、すべての協定事がきちんと守られるのかどうか、不安があります。また、万が一の話でありますが、廃棄物等、秘密裡に設置された場合などの諸約束事を反古にされた場合、道としてはどのような対応をお考えなのでしょうか。過去の例をひもとくまでもなく、我々周辺町村に住む住民にとっては、旧動燃の体質、行動については強い疑念を抱いております。それは、現在の核燃料サイクル機構になったとしてもそのまま引き継がれているのではないかという、これまた強い疑念を我々は持っているわけであります。北海道及び北海道知事におかれましては、この道北地方をどのように位置づけておられるのか。ここは大変豊かな自然があり、また酪農等を初めとする大変な食料基地でもあります。子々孫々にまでこの豊かな自然を語り継がせ、過恨を残すことのないよう明確な判断をお願いしたいというふうに思っております。公約にもあります道民の合意を前提とした立場をきちんと見失わないように賢明なる判断を願いたいというふうに思います。以上、簡単、はなはだ雑駁でありますが、私の意見とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 【大島 浩巳 本人欠席のため発言要旨を代読】 去る7月10日に科学技術庁、核燃料サイクル開発機構より出されました深地層研究所(仮称)計画説明会のご案内というチラシによれば、「研究実施区域に、研究期間中はもとより終了後においても放射性廃棄物を持ち込まないし、使用することはありません。また、当該地域を将来とも放射性廃棄物の処分地にする事はありません。」との事でしたが、北海道、特に幌延及び周辺地域は明確に処分地から除外されているわけではないようです。常識的に考えると、多額の予算を費やし、研究し、データをとった幌延周辺地域を最終処分地とするのが合理的ではないか、幌延町が最終処分地になるのではないか。研究所の受け入れで、地元周辺にはこういった不安が広がるのではないでしょうか。幌延町をはじめ道北地方は農業、漁業が主力の食料生産地であり、処分地につながるような研究所の受け入れは風評被害をもたらし、地元特産物や道北地域全体のイメージダウンにつながり、更なる人口流出の加速、企業誘致の難航など、幌延町とその周辺地域に大きな痛手となってくることが心配されます。最後に、私が最も心配するのは、ここ数年に起こった原子力関係施設での多くの事故と、それによってもたらされた原子力に対する人々の不信感です。特に東海村の事故は、ついに死者まで出す国内最悪の原子力関連の事故となりましたし、事故の内容自体も、多くの作業手続き、安全基準を無視した結果によるものです。いかに優秀な技術が確立され、すばらしい設備ができていても、それを動かす人間の側で間違いや、いいかげんな事をすれば大きな事故につながるいい例だと思います。原子力事業は高度な技術を必要とすると聞いています。しかし、今の原発関係機関の組織のあり方、モラルのあり方について、多くの人々は不信と不安を持っています。このような状況の中で、さらに核燃料最終処分地につながる可能性の高い深地層研究所(仮称)計画を幌延町に受け入れる事に大きな不安を感じています。 【十倉 孝夫】 まず、道民のご意見を聴く会を開催していただきました北海道に対しまして敬意を表する次第であります。また、このような場で意見を述べさせていただく機会を得ましたことに対しましても感謝を申し上げます。私は、深地層研究所の受け入れを反対する者として意見をこれから述べさせていただきたいと思います。5月31日に国が定めた特定放射性廃棄物の最終処分地に関する法律が成立しました。この法律は、地層処分を前提にし、処分地を選ぶときの根拠や基準、また技術的なことは何も示しておらず、また、処分地選定については知事及び市町村長の意見は尊重するとはなっているが、同意は必要としておらず、処分地選定の権限を持つ通産大臣によって決定できる内容というふうに私は理解をしております。したがって、道が担保措置として、サイクル機構、地元及び道の三者による協定が有効としているが、この特定放射性廃棄物の法律を上回る協定はあり得ないというふうに私は考えております。また、先ほど道より説明があったわけですけれども、協定内容では、研究施設は終了後埋め戻すこととなっていますが、幌延町は跡地利用を表明しており、道との見解が大きく食い違っており、このような状況が解決されないまま意見を聴く会が開催されたことは大変残念であり、道としても無責任であると言わざるを得ません。北海道は日本の食料供給地であります。そのクリーンなイメージは道民の誇りでもあります。今この地に、3代目、4代目の若い後継者が意欲を持って農業に取り組んでいます。また、この地に魅力を感じて、新規就農者も多数参入しようとしており、そんな状況の中、最終処分地につながる深地層研究所を受け入れる事は、風評被害を受け、クリーンなイメージを損うばかりか、地域活性化に水を差し、その不安から人口の流出を招くこととなり、地域振興の大きな妨げになることは明らかであります。これまで、貯蔵工学センター計画と核燃による地域介入で町の発展が著しく停滞し、不幸な状況が続きました。今住民の思いは、安全と安心して暮らせる町です。道民の幸せと発展を願うのであれば、もうこれ以上地域に混乱と対立を持ち込むべきではない。これは知事としての責任でもあります。知事公約である道民参加の道政、道民合意を前提にしながら、道民の意見を聴く会を実施する前に、本来であれば周辺市町村全町にわたりまして説明責任と質疑を受け付けないなど重大な疑義があります。また、意見をどのように道民合意が得られたと判断する定義や手法が示されないまま意見聴取を実施すること自体問題であり、単なる施設を受け入れるための手続として形式的に行われているようにしか思われない。深地層研究所は幌延町と周辺地域だけの問題でなく、北海道全体の将来を左右する問題であります。道民合意を前提とするならば、道民投票を実施し、判断するのが当然であると私は考えます。先人が築いてくれたこの緑豊かな大地を未来永劫にわたり安心して、汚すことなく子供たちに託せるように、知事の決断を望みたいと思います。これで私の意見を終わらさせていただきます。ありがとうございました。 【村山 義明】 幌延町における深地層研究所計画に対して、賛成の立場で意見を述べたいと思います。私は、幌延町が貯蔵工学センターを誘致していた時から、処分地にはしないという前提条件で推進に賛成をした者の一人であります。6月に北海道がまとめた「深地層研究所(仮称)計画に対する基本的な考え方」によると、北海道は「道内に放射性廃棄物を受け入れない、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場は受け入れない。」ということを基本姿勢としています。また、幌延町は、5月に、深地層の研究を円滑に推進するために、研究期間中及び終了後において町内に放射性廃棄物の持ち込みは認めないことなどを盛り込んだ条例を定めたとあり、また、国においては「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」を制定し、そのなかで、通産大臣は最終処分計画における概要調査地区等の所在地を定めようとするときは、当該概要調査地区等の所在地を管轄する都道府県知事及び市町村長から聴取した意見を十分に尊重してしなければならないとしています。私は、このように、国、北海道、幌延町の姿勢が明確でありますから、放射性廃棄物や処分場についての心配は必要ないと思っております。また、この報告の道の認識部分では、「我が国においても原子力発電所が稼働している現状では、発電に伴って発生する高レベル放射性廃棄物を長期間にわたり安全に処分するための技術の確立が求められており、深地層の研究は必要である。」としています。そして、この程、泊3号機増設計画を容認する表明がなされました。当然深地層研究所計画についても推進するものと思いますし、出来るだけこのことで周辺町村において混乱を起こさせないがためにも、道のすみやかな決断をお願いしたいと思います。最後に、協定内容をしっかり取り決めて協定を結んでほしいものと最後に申し上げ、意見としたいと思います。どうもありがとうございました。 2 意見記入用紙による意見等 【中頓別町 大村 勝彦】 道民の1人として、また、幌延町の近隣町村に住む住民として、何故、幌延町でなければならないのか?他に候補地がないのか?今までの流れ(政党との問題、圧力等の問題)経緯により取り止める事が出来ないのか?等疑問に思う事ばかりです。 腐い物にはフタをする。その為の条件として、かそ化に悩む地区、基幹産業がない地区等、その自治体がかかえている部分につけこむ様なやり方はいかがなものでしょうか?「幌延町」の地名を聞くと行った事はないが「核のゴミ」の処分地に指定されている所でしょと、あるTV番組の1コマにありました。緑豊かな宗谷、あるいは、自然豊かな宗谷ではあるが、確実に風評が全国に流れているのが現実の様に思われる。話しは変わるが、「ゴミ」に関しては家庭でもそうだが、自分の所で出した物は、自分の所できちんと分別し責任を持って出すのがあたりまえの事であり「核のゴミ」に関しても、比較にはならないが、出した所で処理するのが筋の様に思う。この問題が持ち上った時から、「核のゴミ」はこの宗谷あるいは留萌地区には持ち込むのは反対との気持ちは変わっていない。 【中頓別町 西 一彦】 協定と法律の効力の差はどうなのか? 「十分に尊重する」と「同意が必要」との違いは。 本年4月からの介護保険についても、直前になって「介護納付金」の徴収について延期に示された様に、国家の法律ですら与党の考えでどうにでも改定される現状をみるときに「協定」が担保措置として有効と云えるのか。 知事も全与党で選ばれ、どこにもいい顔をしたいのは理解は出来るが、将来の不安要素を子孫に持たせない様、知事は勇断をもって「NO」と云うべきです。 【中頓別町 野田】 道民の意見を聴く会を開催するにあたって、出てくる意見は、「反対」か「賛成」の2つしかない事が分かっているはずだったと思うが、本当の気持ちとして、何故、わざわざこの時期に、今になって、この会を実施することになったか伺いたい。 また、このことが、今後どのようにすすんでいくのか、また、考えているか具体的に伺いたい。 【中頓別町 平中 敏志】 幌延町への深地層研究所計画に対して、私は非常に危機感を持っており、強く反対しています。 なぜなら、まず過去の動燃、科技庁の行ってきた事に対しての不安が消えておらず、今「放射性物質を持ちこまない」という言葉に対して信用できないし、「処分場にはしない」という言葉も、処分場については通産省の計画であり核燃・科技庁の言葉は信用できないからです。 又、道の担保措置が本当に有効なのかという疑問も消えていませんし、道民合意という手法についてもどう行っていくのか私には分らない状況にあります。 今回の意見を聴く会についてもどういうスタンスで行っているのか判らず、私にはただ意見を聞くだけという会であるようにしか見えません。 本当に道民の合意を得ようとすればやはり道民投票等の手法を取ることが望ましいと考えます。 周辺町村に住む者として将来にわたって不安が少しでもある限り私は深地層研究所に強く反対いたします。 3 会場参加者との質疑等 【稚内市 オギュウ】 稚内市に住んでいるオギュウカズトシといいます。11日、稚内市でこの会が開かれるのですが、その日、私用がありまして参加できないものですから、120キロの道を走ってこちらに来た次第です。それで、2点お聞きしたいことというか、意見があります。まず第1点、科学技術庁にお聞きしたいのですけれども、この資料の2に核燃料サイクルの説明図があるのですが、高速増殖炉もんじゅはこの図ではどこに相当するのでしょうか。核燃料サイクルというのは、私はこれは大変危険なことであり、プルトニウムを抽出してもてあそぶものであり、これは中止すべきだというのが私の考えなのですけれども、それはともかくとして、高速増殖炉もんじゅはこの核燃料サイクルにおいては一つのかなめをなす施設だと思うのです。この核燃料サイクルの説明図ではどれに該当するのか、お聞かせいただきたいと思います。これが第1点です。それから2番目、道にお聞きしたいことがあります。道の資料の2ページ、道の基本姿勢を担保するための措置についてと。この担保ということが云々されておりますが、私は道民の一人として、こういうことを北海道がおっしゃることは、大変残念で恥ずかしいことだというふうに思っています。この文章によりますと、道民の間には高レベル廃棄物の持ち込みに対して不安や懸念があると。だから担保が必要なのだという文脈ですが、この不安や懸念は道自身も持っておられるのだと思うのです。道自身が高レベル廃棄物に対する不安や懸念を持っておられないということであれば、そのことを改めて明言していただきたいが、もし不安や懸念を道民と共有するのであれば、そういう不安や懸念を持つ高レベル廃棄物を、この道の論理でいえば、他の府県に押しつけることになるわけです。47都道府県の一つである北海道として、そういうことは言うべきではないのではないかと。これは、道として高レベル廃棄物に対する不安や懸念がないということであれば、私の今の質問や発言は成り立たないわけでありますから、もし不安や懸念がないということであれば、そのことを明言してくださればいいし、不安や懸念をお持ちなのであれば、こういう立場はいかがかなと、大変恥ずかしいことではないかなというふうに私は思っております。 【中頓別町 ヨシダ】 私は中頓別町のヨシダというものです。余り時間がないということなので、簡単に質問だけしたいと思いますけれども、まず道の方に質問したいと思いますけれども、説明資料等にも何度も出てきていますけれども、道民合意ということを何度かうたわれています。質問の中にもたくさん出てきたのですけれども、そういった部分で、意見交換なり道民投票なりということをやる意思があるのかどうかということをまずここで聞いておきたいなと思います。それともう一点ですけれども、核燃料サイクルさんの方に聞きたいのですけれども、先ほどの説明の中で、放射性物質は一切持ち込まないという話、ずっと出ているのですけれども、先ほどの説明で、放射性同位体というのがあると聞いたのですけれども、これは放射性物質とはまるっきり違うものなのでしょうか。その辺はっきりと聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。 【中頓別町 ヤギサワ】 中頓別のヤギサワと申します。意見を言うだけなのかなと思ったので、言い出しっ放しではお話を聞いても仕方ないなと思って手を挙げなかったのですけれども、先ほどお答えしますということなので、一つ質問しておきたいと思います。まず、私が今一番道側に対して聞きたいのは、この道民の合意というものを、意見の中にもたくさんありましたけれども、どの時点で合意を得たというふうに判断されるのか。このことに関しては、知事が選挙のときに公約として上げているわけです。それで、知事も大変お忙しいでしょうからあれなのですけれども、こういう意見を聴く会に知事が一回か出席したという話は、泊3号機でも今回のことでも一回も聞いていません。このことは、道の職員が道民に約束したことでは私はないと思うのです。ですから、時間を割きながらでもどこかの会場へ来て、知事がじかに意見を聞くということが私は本当の姿かな。それで、先ほどから言うように、幌延近隣町村と札幌だけで意見を聞くということですけれども、ではほかの地域におられる方は道民ではないのですかというふうに私は聞きたくなるのです。今日来られた道の職員も、恐らく帰ってから知事にその内容を説明すると思うのですけれども、果たしてどのように知事に報告するのか。先ほどからアンケートなり道民投票なりがありましたけれども、そういう意味で、これが道民合意を得るためのベストな形なのか、そう道側は思っておられるのか、そのことをひとつお聞かせいただきたいと思います。 【道からの回答】 道の方からそれではお答えをしたいと思います。まず1点、稚内市、オギュウ様でしたか、担保に関して、まことに恥ずかしい、こういう議論をすること自体が恥ずかしいことだということをおっしゃいましたけれども、私も本当に実はそういうふうに感じております。それで、道自身がそれでは不安を持っているのかいないのかという部分でございますけれども、道はサイクル機構あるいは科学技術庁に道の意思をお伝えして、明快な見解を承っておりますし、それによって、この研究計画に関して放射性廃棄物が持ち込まれることがないという、そういった物の受けとめをしてございますけれども、ご存じのように、知事の公約もありまして、多くの道民の方々の不安の払拭のために、現実にこの計画を認めるということになれば、担保措置方策について検討するというふうなことも公約の中で述べております。したがいまして、今日お聞きした限りでも、地域にいらっしゃる方々、本当に不安、懸念を持っておられますので、ここのところを不安を払拭させる手だて、現実的にこういったものが必要なのだという理解で、考え方の中に担保措置に関して盛り込まさせていただいたところでございます。それから、中頓別のヨシダさんでございますか、道民合意、道民投票ということ、それの具体的な考え方なり、やる意思がありやなしや、3番目の方も道民合意に関してのお尋ねがありました。これまで道民合意というふうなことに関して、相当道議会の中でも質疑の応酬がされております。正確には覚えておりませんけれども、2年近く前からこの論議がされておりまして、議会の中で知事が答え、あるいは担当部長が答えておりますけれども、手続的なものも含めましてご紹介しますと、庁内に検討委員会を設置しまして、さらにその取りまとめたものを有識者懇談会ということで専門的な方々の意見をいただきながら、そして道の考え方をつくり出す。そして、その考え方をこうした道民のご意見を聴く会ということでご説明させていただいて、さらにその考え方に対する意見もまたいただきつつ、その意見を知事に私ども報告させていただきます。さらにまた、道議会でも報告させていただきます。ご承知のとおり、かつてからこの問題、大きな政治的な意図も含んだ議会論議の経過をたどってきておりますから、これからも恐らくこのご意見を聴く会、逐一その報告をさせていただいた後に、議会で相当な議論も行われるものだというふうに思っております。知事もその議会議論の重要性ということを力説しておりまして、そうした経過をたどって最終的、総合的判断ということになろうかと思います。さらに、道民合意、いつのタイミング、どういう尺度かということでございますけれども、これはどのタイミングかというのは、知事自身がそのタイミングをはかるということで、周囲の事情も総合的に勘案されるわけでしょうが、その尺度というのは非常に難しい。何点で合格、何点で不合格というふうな、そういうものを本当につけることの難しい選択が迫られる問題であろうかと思います。そういったことも議会で相当議論されていくのであろうと。そうした中で、いずれかの答えの方に向かって収れんされていくのだろうと、そういうふうに思っております。いただいた意見でございますけれども、私どもは、意見そのものはもちろんですけれども、いただいた会場の雰囲気だとかそういったこともなるべく忠実に知事に伝えていきたいというふうに思っております。 【科技庁からの回答】 稚内のオギュウ様からご質問をいただきました。道も説明しました核燃料サイクルの資料の中で、もんじゅがどこに該当するかというご質問でありますが、基本的には、もんじゅにおきましても回収されたプルトニウムを発電に用います。したがいまして、原子力発電所に相当する部分にもんじゅは入ってまいります。 【サイクル機構】 先ほどご説明いたしましたが、地質調査ですとか土木工事で一般的に使われている方法で、例えば具体的には、先ほどボーリングの穴を掘るとお話しましたけれども、ボーリングの穴には測定機をおろしていって、地下の地層ですとか岩石がどういう性質を持っているのかを調べるという方法があるわけです。その中で、特に地層の、あるいは岩石の密度を調べる方法として、その地層に中性子ですとかガンマ線を当てて、それからはね返ってくるガンマ線を測定することによって密度を調べるという方法があります。それは、容器の中に密封された放射性同位体を測定機に組み込んで調査を行うということになります。そういった方法については採用をしていきたいというふうに考えているというものです。 【稚内市 オギュウ】 道と科技庁に改めてお聞きします。私がお聞きしたのは、高レベル廃棄物の持ち込みに対する不安や懸念ではないのです。高レベル廃棄物の安全性に対する不安や懸念についてお聞きしたのです。そのことをお答えいただきたいのです。参事、おわかりですか。参事がお答えになったのは高レベル廃棄物の持ち込みに対する不安や懸念でしょう。そのことについてお答えになりましたよね。私の聞き方が悪かったのか、私がお聞きしたかったのは、高レベル廃棄物の安全性に対する不安や懸念を道は持っておられるのか持っておられないのかということなのです。次、科技庁なのですが、これは本当に素人の質問なのですけれども、高速増殖炉では二酸化ウランも燃料として使うのでしょうか、教えていただきたいと思います。 【中頓別町 ニシ】 中頓のニシと申しますが、担保措置の言葉の中に法律と協定云々ということがあるのですけれども、協定が法律に上回る効力というのはあるのですか、ないのですか。 【道からの回答】 お聞きの高レベル放射性廃棄物そのものに対する不安というか危険というか、そういったものを道として持っているかどうかということです。私どもとしましては、廃棄物そのものが相当な高熱を持って、その熱を落とすために地上で30年あるいは50年という冷却期間を置かなければならない。さらにまた、現在地層処分ということで考えられておりますけれども、その半減期が長くて、数万年も見続けるといいますか、モニタリングといいますか、そういった注意義務を払わなければならないということからいけば、危険が高いものだというふうに私どもは思っております。それから、ニシさんでございますか、担保措置に関して、法律が協定を上回るか否かという部分に関してでございます。私も突然、ちょっと予期していなかったのですけれども、法律と協定がそもそも比較対照してどちらが上か下かという、上位にある、あるいは下位にあるということは、ちょっと私は一概に比べるものなのかどうかということを疑問に思います。法律も、相当拘束性の高い法律、いわゆる私たちが何々してはならないということで縛られている法律もあれば、何々に向けて推進していく法律もあろうかと思います。一方、協定でございますけれども、当事者はある一つの目的に向かって、それの完成のためにそれぞれの約束事を取り交わすということで、これは民事間の約束事ということになろうと思いますけれども、それにしてもやはり契約という行為でありまして、少なくともその当事者間を縛るという意味においては有効であろうかというふうに思っております。 【科技庁からの回答】 追加の質問にいただきました二酸化ウランをもんじゅで使うかということですけれども、私ちょっと今正確な燃料の組成についてはデータを持ち合わせておりませんが、二酸化ウランはもんじゅでも使われます。それから、先ほど道の方でお答えいただいた件について若干補足したいと思います。いずれにしましても、この特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律は通産省の所管の法律でありますので、最終的にはその法律の解釈権限というのは通産省になってしまうのですが、ただ、通産省は、国会での議論の場でもお答えしていることを紹介したいと思います。先ほど参事からもご紹介ありましたように、この法律の中では、概要調査地区等を選定する場合においては地元自治体の理解と協力が不可欠であるということを通産省としても前面に出して答弁をしております。具体的に申し上げますと、概要調査地区の選定においては、地元の理解や協力を得るべく最大限努力をしてまいりますと。それでもなおご理解が得られないときには、概要調査地区を管轄する都道府県知事及び市町村長の意に反して当該概要調査地区等について最終処分計画に記載することはないものと考えておりますというような答弁をしております。この点につきましては、確かに法律と協定ということで、例えば条例でありましても、法律に反するような条例はつくることできませんけれども、その法律行為を実施する場合に、その協定がこの場合であれば有効かどうかという議論になると思うのですけれども、少なくとも通産省が答弁している限りにおいては、当該市町村長あるいは都道府県知事の意を最大限に尊重して概要調査地区の選定等を行うということを国会でも述べております。
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