道民のご意見を聴く会(天塩町会場)(環境・エネルギー室)
道民のご意見を聴く会におけるご意見等
(天塩町会場)
平成12年9月 北海道経済部資源エネルギー課
道民のご意見を聴く会の開催状況 1 開催年月日 目 次 1 意見陳述者からの意見等 【天塩商工会会長 瀬越 正己】 ただいま紹介にあずかりました天塩商工会の瀬越です。それでは、私の方から、地域商工業の立場から深地層研究所計画についての意見を述べさせていただきます。私たち地域経済の現状につきましては、国は一連の景気浮揚、金融緩和、金融システムの安定化等の諸政策により民間需要面も設備投資が緩やかながら増加に転じるなど、景気は一部に回復の動きが見られ始めましたが、当地域においては、個人消費は経済情勢を反映して消費は慎重姿勢が続くとともに、雇用情勢と相伴って厳しい経済環境下にあり、民需による自立回復への道のりは依然として厳しい現状にあります。この厳しい現状下で21世紀を迎えようとしている現在、社会情勢は大きく揺れ動いております。産業構造の変化や地方分権時代の到来、少子化、高齢化、高度情報化、国際化など、予想をはるかに超えて押し寄せております。このような情勢を踏まえて、私たち地域総合経済団体といたしまして、地域づくりの牽引役となり、新しい感覚のもとで活力ある地域産業の形成に向けての地域振興、まちづくりなどの支援に取り組んでいるところですが、景気低迷の長期化、過疎の進行、消費購買力の流出等、どれをとっても地域の中小企業を取り巻く経営環境はまことに厳しいものとなっております。近年、都市化が一段と進む一方で、多くの若い人たちの流出が続き、人口の減、住民の高齢化が一段と進んでおります。都会に流出する最大の理由は、地域に就職の場がないからであります。つまり、地域の既存産業等が衰退してくると、当然のことながら仕事の量や雇用の場が少なくなり、また、衰退傾向にある仕事は魅力に乏しく、若い人たちにとって将来性を見出すことは困難であると思います。そこで、既存産業の再構築を進めながらさらに新しい産業を興し、新しい仕事、新しい雇用の場をつくることが地域社会を発展させる重要な要素であると思っております。しかしながら、現在の厳しい経済的、社会的環境のもとでは、新規の企業の進出は難しいと考えております。このような地域の現状から、このたび計画の深地層研究所施設が設置されることにより、関連企業が誘致され、雇用の拡大等が促進されることにより、地域経済に潤いができ、地域の活性化が図られることを期待しております。深地層研究所の計画に当たり北海道がまとめた深地層研究所計画に対する基本的な考えによりますと、北海道は、道内に放射性廃棄物を受け入れない、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場は受け入れないという基本姿勢であり、また国においては特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律を策定し、その中で、通産大臣は、最終処分計画における概要調査地区等の所在地を定めようとするときは、当該概要調査地区等所在地を所管する都道府県知事及び市町村長から聴取した意見を十分に尊重していかなければならないということになっておりますので、私は、知事が受け入れることを決定されるなら、深地層研究所計画に賛同いたしたいと思っております。以上です。 【桑原 竜雄】 幌延町における深地層研究所計画に関して私の考えを述べさせていただきます。私たちには、隣接の幌延町が掲げた貯蔵工学センターの立地誘致の是非をめぐって議論をした時期がございました。工学センターとは表向きだ、国のねらいは人口の少ない北海道を放射性廃棄物の最終処分地にしようとする影がちらつく、そんな議論の中で、豊かな自然があふれる北海道を放射性物質で汚染させるべきでない、この主張は私も賛成です。また、会場の皆さんだって当然同じ考えであろうと思います。でも、何か変なのです。まず、幌延町は、原子力発電所が各地で稼働している限り放射性廃棄物は発生する。本来、安全な処分方法を確立してから発電所を立ち上がらせるべきだ。それなのに、その処分方法が見つからないまま見切り発車してしまった。ただ、戦後復興を最優先させなければならない当時の日本の事情として、これも一つの選択肢であったのでしょう。良い悪いは別として、そのときには苦渋の選択を強いられたのではないだろうか、このように思います。とにかく経済最優先政策の中で日陰の道を歩まされてきたであろうこの廃棄物処理問題に真剣に取り組まなければならない現状の実情を踏まえて、研究の集中、予算の集中と動き出した時期に、道北の過疎を宣言した、故人になられた前佐野町長さんが、この研究をもって地域振興を図ろうと心がけた洞察と経緯を思い起こす必要があります。そのとき、前職の科学物理の教鞭をとっておられたときの知識をもとに研究施設に絞り込んだ構想だったからこそ、後継者もその事業に確信を持って受け継いできたのを、周りで勘ぐって騒ぎ過ぎ、本来の道からかけ離れた論議へと発展してしまったのではないでしょうか。これから先、確実にあふれ出す放射性物質、これの科学処理、安全管理技術、格納素材開発研究、それに地質研究の道筋を一刻も早く確立してくれるよう切望します。不安を訴える方々の主張を正しく受けとめ、人類の未来を憂う声として真剣に受けとめる必要があります。我々親として、血を分けた子供の行く末を案ずるとき、安全が一番大切だと思います。冒頭に、何か変ですと申しました。最近、反対を訴えておられる方々の言い分は、北海道に一つだに放射性廃棄物を持ち込ませないし、最終処分地にさせないと言われますが、泊村にある1号機、2号機の原子力発電所から出る放射性廃棄物をどこに運び出そうというのでしょうか。また、今の生活レベルを下げてでも電気の節約を図り、原発の依存度を下げるようみんなで考えましょうという声が一向に聞こえてきません。要するに、論理に矛盾があるように思います。最初から日本国民が近い将来直面する廃棄物処理問題に正面から取り組む姿勢を捨ててしまって、国民の安全を論ずる資格があるというのでしょうか。今幌延町も、道も、国も、明解に北海道に放射性廃棄物は持ち込まない、最終処分地にはさせない、そのように確約しておる中で、まだ不安という声はもはや世論の域を超えたへ理屈、ちょっと暴言かもしれませんけれども、ともに痛みを分かち合いながら、次世代の、いや、もっと先の人類の安全と繁栄のために今世代の人間が果たしていかなければならない責任を負おうとしない無責任な利己主義者と断じたくなります。51基の原子力発電所は皆さんの生活を維持すべく今も稼働しております。稼働する限り廃棄物は蓄積されていきます。安全処分の方法が見つからないほど恐ろしいことはありません。この10年間、この問題は政争の具にされ、どんどん本筋から離れていったような気がします。今こそ本筋に戻す好機ではないでしょうか。そして、一日も早く安全な処分方法を研究していただくために、この計画が直ちに実現されるよう知事のご決断を期待し、私の発言を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 【大平 智】 5点ばかり意見を述べていきたいと思います。まず、幌延町における深地層研究所計画については、この間、貯蔵工学センター計画が浮上したときからの経過からして到底納得できるものではない。核燃、科学技術庁みずから、世界各国での研究は日本より15年から20年進んでいると説明しているが、その進んでいる国でもいまだに地層処分の方法が確立されておらず、処分方法も深地層から浅層、地上管理に方向転換をしている状況の中、今年5月31日、国会にて地層処分ありきの最終処分に関する法律が国民議論のないままに可決成立している状況であります。政府は、情報公開や理解と協力と言いますが、国民的な議論もせずに判断した事実から、到底信用できません。深地層研究所を受け入れることは既成事実となり、処分権限のない科学技術庁、核燃が幾ら処分場にしないからと言っても信用できるものではありません。現在日本は原発から出る核廃棄物の処理・処分方法も確立しておらず、幌延町への貯蔵工学センター計画は、1984年に明らかになって以来多くの道民が反対をしてきています。85年11月23日、科学技術庁の後押しで動燃事業団は日本の原子力史上に例がないこそくな手段で現地踏査を強行し、幌延町への貯蔵工学センター計画を推進してきた歴史があります。もともと幌延町への貯蔵工学センター計画には深地層研究所があり、動燃事業団が一番に進めたいとしていた施設である以上、分離、先行提案という疑念を持たせるものであり、私たち近隣町村に住む住民にとっては到底納得いかないものであります。2点目です。貯蔵工学センター計画でもそうであったのですけれども、なぜ幌延なのか、そこが自分としては理解できないところであり、理解できる回答をしてもらいたいと思います。また、深地層研究所計画については、札幌市や旭川市など大都市に計画をしないのかというところです。核燃は技術的要件と幌延の推進姿勢にて幌延の深地層研究所計画を示しましたが、技術的要件からすると幌延町でなくてもよいと稚内で答弁をしていますが、要するに理解と協力の有無が深地層研究所の立地基準であり、非科学的な計画であります。特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律の国会審議にて、安全基準は今後として、処分地選定は理解と協力を得られるところを選ぶことに最大限努力するとの政府答弁からすると、処分地選定の基準も理解と協力となっている以上、深地層研究所の受け入れにて核燃が地域に入ることとなり、15年間地域で行われた議員への接待工作、水面下での議会工作などで世論操作と混乱が持ち込まれることになる以上、担保措置程度では処分地を回避はできないと考えています。昨年核燃がまとめた地層処分に向けた第2ドラフト総論レポートの処分技術の研究開発の項には幌延町への深地層研究所施設の立地が確定している旨の記述があるなど、ますます国や科学技術庁や核燃に対しては不信感を持たざるを得ません。また、深地層研究所計画が必要というのであれば、発生者責任である北海道電力の本社がある札幌市などで研究所計画を進めればいいのではないか。なぜ田舎の幌延町に計画を持ってくるのかがわかりません。深地層研究所は地層処分の理解を深めるために体験の場とするとのことですが、それであれば、国民的な議論もなく地層処分ありきを示したことから、人も少なく、交通の便や多額の交通費用がかかる道北ではなく、電力消費地の大都市に行えばよいのではないかと考えています。3点目です。知事公約にある道民参加の道政、道民合意でいけば、道はそこを踏まえて対応すべきであると考えます。道民合意が担保措置であるかのような説明を道は札幌にて行ったようでありますけれども、本当であるならば余りにもひどい話であります。何をもって道民合意の判断基準とするのか、全く不明であり、道庁内の検討委員会、有識者懇談会を経て道の基本的な考え方に対する道民のご意見を聴く会で意見を聞き、道議会の議論を経て知事が総合的に判断するとの道の説明では、道民合意の判断基準すらない。道議会での議論といいますけれども、道議に深地層研究所計画の是非を付託したことはなく、全権委任もしていない以上、道北にて住民投票か住民アンケートは最大限行わなければその判断基準が不明となると考えています。必ず実施するよう要請をしておきます。4点目です。研究所についても、掘った後の埋め戻しについても明確になっていない状況では、幌延町周辺に住む住民としては不安であります。したがって、自分としては白紙撤回であります。道の担保措置は余りにもあいまいであります。道民や住民が将来処分地になるのではないかと不安を抱えているにもかかわらず、処分地からの除外となっていない状況でも認める場合の措置としており、研究所についても、掘った後の埋め戻しすら幌延と見解が違います。国が処分地から幌延とその周辺地域を除外しない以上、計画は白紙撤回すべきであると考えます。最後の5点目です。道庁として風評被害対策についてどのように考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。深地層研究所が建設にて、地下水に含まれている鉱物など天塩川に流れ込むなど、天塩の特産品であるしじみへの直接影響があるのではないか、心配であります。また、有珠山噴火では北海道全体の観光に影響が出たと考えます。核施設の受け入れにて風評被害が起きる可能性がないとは限りません。道北一帯は広大で大自然の豊富なところであり、核関連施設を受け入れれば観光地北海道のイメージダウンははかり知れなく、今日の不景気な北海道の経済に大きな影響をもたらします。さらに、幌延町を初めとした道北は農業、漁業など食料生産地であり、深地層研究所を受け入れることは風評被害が起こり、後継者不足に拍車をかけ、農業、漁業の死活問題となるのは目に見えて明らかだと考えています。最後に、知事並びに道に対して要望したいことがあります。1点目です。道北住民の意思確認が必要であると考えています。先ほど述べたように、必ず住民アンケートは実施をしていただきたいと思っています。2点目です。知事が道北住民より直接意見などに耳を傾けるべきであると考えています。現地に直接入ってほしいと考えています。以上、2点について要望をします。以上です。 【合羽井 征一】 それでは、私は幌延町に計画されている深地層研究所の研究施設について、賛成の形で意見を述べさせていただきます。私は、以前の貯蔵工学センターについても誘致推進活動に計画当初より参加してまいりました。この時点では放射性廃棄物の幌延町への持ち込みを前提としたもので、関係近隣町村としての判断も必要であり、天塩町民の立場として誘致推進に賛成してきました。今回、さまざまな経過のもと、町内に放射性廃棄物の持ち込みを認めないということを大前提に深地層研究所計画に変更になりましたが、エネルギーの供給にかかわる基本的な状況は十数年前とは変化なく、引き続き本計画に賛成しています。しかしながら、本計画に変更せざるを得なかった旧動燃の一連の対応は私たちも不満であり、今後当計画を推進するに当たって説明責任を自覚し、情報公開を徹底することを希望します。私が一連の幌延計画に賛成する根拠を申します。私の世代は、まきから始まり、石炭、石油とエネルギーの変遷を経験してきました。電気も、家に裸電球が数個、ラジオの時代からでしたから、むしろ地方にいる方はエネルギーの生を体験できたのではないでしょうか。都会では冷房も暖房も空気の温度でしか確認できないでしょう。電気はスイッチのオン、オフでしか確認していないのではないでしょうか。私は、自分の人生を通して、エネルギーの大量消費の時代に生きる人間の責任として、現に稼働している原子力発電所の放射性廃棄物の処分・処理技術の確立と安全な処分は、私たちの世代の重大な責任と認識しております。子孫に危険なものを残すなと言われる方もいますが、今ある廃棄物をどうしようという考えなのでしょう。石油エネルギーはあと40数年と言われています。しかし、人口増加と途上国のエネルギーの需要は幌延計画の当初より急激に伸びており、日本国民の核アレルギーは理解しますが、今原子力エネルギーの研究を中断したら大変な後悔をすると考えています。原子力の研究を続け、その成果を利用するのは国民が判断すればいいのです。深地層研究所も大事な研究です。深地層の研究を速やかに進め、放射性廃棄物の安全な処理の研究に役立てることが私たちの責務だと思います。以上、終わります。 【沖村 敬子】 皆様こんにちは。商店主からの気持ちを述べさせていただきます。幌延町に計画されている深地層研究所について意見を述べさせていただきます。原則的に私は賛成です。私は、この深地層計画のできる前に、幌延町では高レベル廃棄物の貯蔵工学センターを誘致していることを覚えています。当時は放射性廃棄物の貯蔵というイメージが強く、道民の方々も強く反対していたように思います。しかし、さまざまな情勢の変化や原子力関連事故の後で、この貯蔵工学センターの計画が白紙になりました。また、動燃も廃止されて、核燃料サイクル開発機構となってからは改めて現在の深地層研究所計画ができました。この深地層計画について、幌延町では特別に条例をつくり、核を一切持ち込まないことを内外に示しています。また、研究終了後においても放射性廃棄物を持ち込まないことを認めたことを明確にしております。さらに、国は特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律を制定しました。この中では、通産大臣は最終処分地を定めようとするときは、対象となる都道府県知事や市町村長からの意見を十分に尊重しなければならないことになっています。こうした放射性廃棄物への不安に対する二重、三重の関門が設けられていることで、幌延町に計画されている深地層研究所は純粋に学術的機関であることの判断ができるのではないでしょうか。この研究所が建設されることになれば、大きな費用が投資され、関係者がこの地域に集まり、経済への波及効果も相当なものになるのではないでしょうか。国がどうしても必要な研究のために施設として建設するのですから、そのほかにもさまざまな設備や施設がつくられると思います。こうした大きな地域への投資は、過疎に悩む私たちのまちにとっても必ずや活性化につながると思います。最近私たちのまちの商店街は、人口流出と消費者の都市流出で寂しくなる一方です。店をたたむ人もふえ、高齢化も進み、若い人の働く場もなかなか見つかりません。こうした中で、深地層研究所という国の巨大プロジェクトが近くのまちに来るとすれば、建設にかかわる事業はもとより、食料、燃料、衣料、生活関連のあらゆる面で私たちのまちも潤うことになると思います。今のままの過疎が続けば、まちの将来はどうなるのでしょうか。この深地層研究所の計画が早く実現することで地域活性化ができると私は確信します。商店、商業の立場から以上意見を述べさせてもらいました。終わります。 【長尾 聰美】 意見を述べさせていただきます。天塩町は酪農と漁業のまちであり、この中心的な産業が核、放射能という言葉のイメージにより打撃を受けることは、天塩町そのものの死活問題です。先日、乳製品に関していろいろと問題となっておりましたが、マスコミで報じられているとおり、食料品、食材に対して、多くの国民が神経質なほどにその高い安全性を求めています。また、マスコミで報じられる地域のイメージは消費者の購買意欲に直結します。過疎化が進む幌延が、その打開策として原子力関連施設誘致に手を挙げたのにつけ込み、旧動燃や科学技術庁は核廃棄物貯蔵工学センター建設計画を強引に推進しようとしました。しかし、たび重なる不祥事や事故、また多くの道民が反対していることなどから、計画を白紙撤回させることができました。しかし、科学技術庁は、新たに、核を持ち込まない深地層研究所を幌延に建設するという提案を道に対して行いました。道は、これまでの経過を知りつつも、核抜きの担保がとれればよしとする考えに傾いています。しかし、科学技術庁の約束は、永久に最終処分場や中間貯蔵施設としないとしているものではなく、地元の合意なしにはしないということであり、知事や道民の意思に変化が生じた場合には、再び核のごみ捨て場とできる余地を残しています。また、核抜き条例も政治情勢の変化によっては永遠なものとはなり得ません。こうしたことから、科学技術庁などが描くシナリオは、初めは核抜きで、そして施設をつくってしまえばこっちのもの、時間をかければ中間貯蔵にも最終処分にもできると考えていることは、これまでの幌延問題をめぐる経過から見ても明らかです。深地層研究所が幌延にできるということになれば、常にこの問題がマスコミ等で報じられます。当然隣接地域である天塩町の産業に大きな打撃が与えられることは明白です。幾ら最初の段階で核抜きを強調しても、深地層研究所には常に核のイメージがつきまといます。永久に核の最終処分場や中間貯蔵施設としないという確約もなしに、また周辺地域への具体的対策を明示されないままにこの不透明な計画を私たちは認めることはできません。また、21世紀を担う子供たち、またお孫さんたち、子孫たちに本当に安全なふるさとを残していくために、エネルギー政策において新しい方向を探ることこそ大切なのではないでしょうか。以上のことから、幌延町における深地層研究所計画については断固反対いたします。以上で終わります。 【富樫 真知子 本人欠席のため発言要旨を代読】 幌延の研究施設については賛成します。それは、私たち隣町村に居住している者でも、いろいろ聞いてみるときに、安全な研究施設だからと言える事です。この様な施設ができる事によってこの地方の活性化につながると思うからです。 【鹿児島 恵美子 本人欠席のため別途提出の発言メモを代読】 私は、幌延町に国及び核燃料サイクル機構が計画されている深地層研究所について、二つの観点から賛成の意見を述べさせていただきます。その理由は、第1点として、国のエネルギー政策上の見地からであります。現在我が国では51基の原子力発電所が稼働しており、電気エネルギーの35%を賄っております。原子力発電所から出てくる放射性廃棄物が子供や孫に被害のないように研究をし、科学技術を確立することに理解をすることは、今日まで電力の恩恵を共有してきた私たちの義務ではないでしょうか。幌延町が放射性廃棄物を持ち込ませない条例を制定し、議会という公の場で中間貯蔵施設や処分場も受け入れないと明言いたしました。また、国、道も、持ち込まない、受け入れないと確約いたしました。安全管理の確立を目指し、今なお努力を続けていることを確信し、科学技術を信頼することも国民の重要な役割の一つではないでしょうか。第2点として、地域振興の観点からであります。道北、特に天北地域は大きな企業もなく、高校や短大を卒業しても就職先もなく、80%の若者が都市へ流出していきます。1970年ころから人口は減り続け、それにより消費は落ち込み、10年以前から商店が次々と廃業に追い込まれて、ますます過疎に拍車がかかっているのが現況であります。深地層研究施設が立地されると、外部からもたくさんの人が来ます。研究者、見学者の入り込みもあり、観光も増加し、消費経済が拡大することを願っております。最後に、施設の建設に当たっては安全管理に万全を期して進めていただくことを強く要望すると同時に、科学者の英知と努力を信じて、私の意見を終わらせていただきます。 【岡田 徹】 岡田です。私が話ししたいなと思っているほとんどは先ほどの長尾さんという女の方がほとんど全部おっしゃっていただきました。さっぱり私しゃべることがなくなったような状況でございますけれども、私なりに思っていることがありますので、まず発言します。実は、意見を聴く会のこのやり方ですけれども、賛成とか反対とかという意見をただ言っただけで、質問もなければ討議もないと。これでは合意に到達しようがないのでないかと。私はもっとこのやり方について考え直していただきたいと。そちらの道の方、よく覚えておいていただきたいと思います、私の発言を。それから、この発言に対していろいろ意見を取りまとめたというような話も隣のまちからも聞こえてきましたが、もしそんなのであれば何の意味もないと、これが私の感じです。それから、イチカワサダオさん、タカギジンザブロウさん、ミズグチさんとかいろいろ7人の方の書いた本で「核の素顔」という本があります。この本の69ページに、1957年、昭和37年12月ないし58年の1月に起こったことです。ソ連の南ウラルでプルトニウムの核兵器を開発していた施設があり、そこで大きな爆発事故が起こりました。そのために少なく見積もっても何百という人が死に、何万という人が被害を受け、広大な土地が人の住めない状況になった、あるいは水が飲めなくなったと。広範囲な放射能汚染だと。これは、ソ連が核兵器開発をしたときの廃棄物を貯蔵していて、それが爆発事故を起こしたと。事故は当時は明らかにされませんでした。しかし、後でイギリスに亡命した学者がそのときのことを実証的にいろいろな裏づけをもって書いた本を出しました。「ウラルの核惨事」という本です。1982年発行。真相が知られるまでに20年かっておりますと書いてあります。これがそのウラルの核惨事なのです。廃棄物で起きた事故というのは、これはまずウラルの核惨事のほかにはないのです。廃棄物ですよ。これが、まず第1章からずっとありまして、13章まであるのです。これは皆さん知っている方が、皆もう読んだ本です。そして、この本が出されたのが今の言う1982年。フルシチョフが原爆の実験を一方的に停止すると言ったのが1985年です。そして、それがこのことと関連があったのです。そこのところは時間が私ないですから飛ばしますけれども、どうか皆さんも一緒に調べてほしいと思うのです。それから、これはメドベージェフという人が書いた本なのです。それで、ここにはこういうことが書いてあるのです。ページ数でいいますと22ページ。スペルドロフスクから約100キロメートル、60マイルのところに、ここより30キロメートルの間、決して停車せずに最高スピードで通り抜けることと運転手に警告する道路標識があったと。道路の両側は見渡す限り土地は死に絶えていたと。村も町もなく、ただ壊れた家の煙突だけがあり、耕地も牧場も家畜の群も人々も、全く何もありませんと。スペルドロフスクの周囲の全領域は極度に放射能を帯びていました。数百平方メートルの広大な領域が既に久しい間、十何年あるいは何百年の間あいたままに放置され、利用価値が全くなくなっていた。これは、大学教授のL・トーメルマンという人が先ほどのメドベージェフに、そこを通った状況を報告した文章です。この本が日本で出されたのが1980年7月、昭和57年なのです。この時をよく覚えておいてください、57年7月。そのころ、「原子力秘められた巨大技術」という本が出ました。これはNHKの取材班、その人たちがまとめた本なのです。この中では、目次では、これが原子力だ、2部、原子力の事故と安全性、スリーマイルやなんかのことも出ています。そして3部に放射性廃棄物、この廃棄物の問題が詳しく書いてある。どういうことになるのかと。4章では高レベル放射性廃棄物をどこへどうするのかと。これは非常に至難な問題であるというふうにこのとき言っているのです。この本が出たのがやはり1980年の7月です。東海村の村長さんが留萌へ来て、管内の各町会議員、村会議員を集めて、いかに村おこしに原子力はなるかという説明をしに来た。これは昭和60年です。この本が出てから2年後です。一国の町長さんが村の仕事をぶっ飛ばして、北海道のわざわざこの幌延の外れまで来て、留萌の支庁へ来て、そして廃棄物がいかに地域おこしになるかということを説明した。そのときに記者が、そんなに地域発展するものであれば廃棄物も今度東海村に置きなさいと言ったとき、いえ、それはできませんと言った、あの映像は皆さんまだ見覚えあると思うのです。テレビで言ったのだから。それが昭和60年です。東海村の村長さんが来たテープはここにあります。昭和60年10月25日、留萌で、幌延シンポジウムという形でやっています。そして、その1年前、当時、そちらにもおられますミヤタケさんが天塩町の議会議長になった。天塩町でぜひ幌延問題について研究したいと、勉強したいということで、町会議員が勉強会をするから、ぜひ来てくださいと科学技術庁にお願いしたのです。当時の科学技術庁の池田要さん、この方が同じこの席で、私のようにここに立って説明したのです。一番前列には町会議員です。後ろの人は全町の傍聴者が全部ここにいたのです。このときに、(テープを再生する)これは池田さんの声でしょう。こちらの人はよくわかるでしょう。この池田さんは、いかに動燃が計画している幌延の中間貯蔵施設は信頼に値するし、安全なものであるかと。地域のためには必要だと、こういうことを言いました。ところが、これが私先ほど言いましたように、1984年の昭和59年9月25日です。同じ昭和50年8月7日、放射性廃棄物処理・処分方策について原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会、ここでは何と言っているか。この試験地は、その後の研究開発の結果が良好であれば処分地となり得るものであることから、今回検討の結果、概念をより明確化し、第2段階終了時には処分予定地の選定を行うものとすると、こうなっているのです。これが池田さんが来たときよりも1カ月半前に既に国で決まっていることを池田さんは我々には教えてくれなかった。中間貯蔵地だと、こういう話をした。科学技術庁に対する信頼というものはどういうものか。私は全幅の信頼を捧げて池田さんの話をそのときは聞きました。真剣にやりました。この科学技術庁が言っていたその時期に、実は裏では着々と処分地のことまで考えられていた。こういう状況でございますから、とてもじゃないけれども、今科学技術庁がいろいろ説明したり、そのしり馬に乗って道がいろいろやっていても、我々は納得できないし安心できない。その後いろいろ事故がありました。チェルノブイリが起きたのが61年、これは大恐慌が起きるぐらい起きた。それで早い話が、幌延の貯蔵工学センターがいつの間にやら核抜きだと、こういうものでやっていくのだというふうになりました。そういうことが起きたり、さらには、科学技術庁が信頼できないと言ったのは、そのほかにも、つい最近ですけれども、ある学者の方が、ついこの間、東海村で起きた事故の状況で、科学技術庁が発表していた被曝量よりも、何だか効果を調べたそうです、何百枚だか。その被曝量から計算して、推しはかってみると、科学技術庁で発表した3.9倍から2.5倍の被曝量があったに相違ないと言っているのです。学者ですよ。学者の言っていることに私はうそはないと思うのです。科学技術庁は信頼できなくても、私は学者は信頼します。こう言っているのです。これがつい最近のこと。これはたしか8月17日でしたか、発表されましたね。これは皆さん知っているはずだ。そういうふうな科学技術庁が何でも低目、低目にしか言わないし、実際のことを言わない。しかも幌延でやりました、核燃料サイクル機構で説明会をやったのですが、そのときにも科学技術庁は来ていました。その核燃料サイクル機構という方々を見ましたら、元動燃の職員さんで、我々とやり合った方々がずらり。これはおかしいのではないか。動燃というものが非常にうその報告を国にしてみたり、実際のことを隠してみたりというふうなことがあって、とてもその会社はだめだといってつぶされたというか、解散したはずなのです。ところが、そこで勤めた方がまたちゃんと核燃料サイクル機構というのに名前が変わって勤めておられる。私思うには、そうしたらあの一連の大きな事故は動燃という名前が起こした事故であって、そこにいて働いた人は全然関係ないのかと。こんな奇妙な責任のとり方はないと思うのです。これが私が科学技術庁や動燃、今の核燃料サイクル機構というものに信頼を持てないまず根拠です。それから、核燃料サイクル機構では廃棄物を持ち込まないと言う、また研究もしないと言っているのです。持ち込んだり何かするというのは最終処分の話であって、最終処分をする権限は残念ながら核燃料サイクル開発機構にはない。この最終処分するものはまだできていないけれども、これからつくられるという団体が最終処分をやると、こう言っているのです。実際にやりもしないうちに、科学技術庁もその権限も持っていないのに、その人たちがいかに立派なことを道に約束しても私は納得できない。命にかかわる問題で、この地域の発展にかかわる問題で、せいぜいあと10年か15年、私はそのときいなくても、ここにおられる方々はまだ生きている時期にはっきりこの結論が出てくるのでないか。今までいろいろあったことの中で信頼に足るようなことがされたことが一度もないほど、この問題についての科学技術庁や核燃料サイクル機構の方々の行動には私は納得できるものがないと。そのほかにもありますけれども、今度あと、いろいろありますけれども、お願いなのですが、ひとつこの会合をこんなやり方で終わらすのでなくて、どうか帰ったら知事さんも交えて、みんなも地域の人たちと一緒にあの意見、この意見を出したり質問し合ったり答えたり、そういう形をしながら、本当にどうすれば核抜きの保証が確立されるのかということまでも詰めていきたい。今のままで核抜きなんて保証されてもどこにもない。これを保証されているなんて思ったら、我々ばかでないかというふうに言われますよ。はっきりしていることです。どこに300億のお金をかけて、入れもしないもののためにやりますか。行政のイロハですよ。調査するというときは実施するときです。そんなこともわからないで我々にうその説明をしたって私は納得できない。ひとつどうかこの後そういう会合を持っていただきたい。それから、よく言われますけれども、農家の方々、天塩町の農家の人たちは、この幌延の立地されるところからすぐ向かい側から農家です。七、八十戸も、まだもあります。幌延の方々はその周辺には十何戸か20戸しかないのです。そうして、その人たちは何と言っているか。まちの人はまちが寂れればまちから出ればいいのだと。おれらは土地をしょって逃げるわけにはいかぬ。このことについて是非を論じ、しかも本当の核抜きが保証されるかどうかを審議する、その大半の力は農民に頼ってつくるべきだと、私はそう思います。どうもちゃらんぽらんな話でまことに申しわけないけれども、私の気持ちだけ酌み取っていただきたい。以上です。 【横山 敦】 私は、この計画に賛成の立場から意見を述べたいと思います。現在、地域住民の核に対する不信感や不安は、当初計画されていた幌延貯蔵工学センター建設、泊原発3号機建設問題、さらには東海村のJCOによる臨界事故などピークにあると思います。このような状況の中、幌延町深地層研究所誘致を実現させるには、このような公聴会や説明会を数多く開催し、多くの地域住民に、この研究施設が安全で、かつ将来とも核廃棄物を持ち込まないものであることの具体的内容を明確にし、十分な説明のもと理解してもらう必要があります。世界各国で既にこの深地層計画の研究が進められています。日本にも当然必要な施設なのですから、本当に安全なものであると認識されれば、だれも反対する理由がなくなると思います。私がこの計画に賛成するわけの一つを述べますと、今道北地区、さらに留萌北部における急激な過疎化は地域振興にとって致命傷となっています。この近隣町村は、後継者がいない酪農家を初め、町工場、商店、飲食店ともに今の代で終わってしまうのがほとんどで、これからますます過疎化が進行していくのは火を見るよりも明らかです。私も地域の青年部活動を通して地域振興に少しでも貢献できればと活動してきましたが、人がいなければ、産業がなければ何も始まらないのです。今、地域振興こそが一番の難題であり、この深地層研究所計画を核とした地域振興のあり方を考えることができるなら、地元にとって最高の恩恵です。日本の北とはいえ、ヨーロッパの主要都市よりは南に位置するこの地に世界的に注目される研究所ができ、研究都市的なまちづくりができればと考えています。この計画は、この地に残された地域活性の最後の大きなチャンスです。こうした中、年々電気の消費量はふえています。これからもIT革命によるOA化などで消費量はふえていくと考えています。石油資源が乏しい日本では、全発電量の3割を占める原子力発電が必要なのは言うまでもありません。皆が原発の恩恵を受け、こうして電気の安定供給を受けていることを再度認識してください。これからは、原発から排出される放射性廃棄物をいかに安全に処理するかが重要なのです。そうとはいえ、私自身も核に対し恐怖心を抱いています。ですが、問題を先送りにせずに、処理しなければならない放射性廃棄物を安全に処理できる方法の早期発見に協力すること、また、徹底した省エネ、新エネルギーの開発研究こそが今すべきことだと考えます。一日も早くこの研究所が立地されることを期待し、私の意見を終わります。ご清聴ありがとうございました。 【藤原 由巳】 藤原です。私は、この席をおかりしまして幌延問題、そこへ何で高レベル廃棄物、あるいは廃棄物処理施設を、研究施設もつくらなければならぬかという立場から、もう一度我々国民一人一人として、今の日本政府のやっている、あるいは国の決めている、それから電力会社が行っている原子力発電について、考えを皆さんの前に報告しながら意見としたいと思います。原子力の関連施設で昨年9月、茨城県の東海村でのJCOのウラン転換加工施設での臨界事故で、被曝を受けて二人の方が亡くなっております。先ほどもちょっと岡田さんの方から言いましたが、この事故では、当時、350メートルの範囲内については危険区域ということで立入禁止区域になりました。しかし、それ以外のところは大した被曝でないと言っておったのですけれども、8月17日に研究グループの発表で、被曝したことが発表になっております。それは、現地の100メートル範囲内というのは230ミリシーベルト、それから360メートルで6ミリシーベルト、500メートル離れたところでも1.8ミリシーベルト、このシーベルトというのは被曝の量でございますが、一般に私自身被曝、レントゲンにかかったりいろいろしてそういう体にされます。1年間で1ミリシーベルトの範囲であれば、被曝を受けていても支障はないそうでございます。ところが、この研究グループの発表の中では、国が定めた350メートルの立入禁止外でも被曝をしておったというデータが出されております。それから、1995年12月に福井県敦賀市にある動燃の高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故、これが火災事故として起きていますし、1997年3月の動燃での、茨城県東海村での再処理工場での火災爆発事故、それから道内でも一昨々日ですか、8月17日に泊原発においても清掃中というか、作業員の方がタンクに転落して死亡しております。このように原発の事故というのは本当にあちらこちらで起きておりますし、安全神話というのが消し飛んでおります。国民の多くの人たちがこういった原発の危険性、あるいは関連施設に対しても危険と不安を抱いていますから、核における考え方というのが非常に機敏であり、なおさら今の農産物の問題にしても風評被害的なことでも、これに対する消費者の爆発というのは特別だと思います。私は、ここで世界の流れは一体どうなっているのだということを皆さんに報告したいと思います。ドイツでは、今年に入って政府と電力会社が原子力発電の全廃を合意しております。既設の原発の運転事業は32年、残りの事業の90%で発電を認めて、2020年ごろまでにはすべてなくするということです。また、これまで原子力発電を推進してきたアメリカ、カナダ、ヨーロッパ各国で原発を減らそうという動きが起きております。こういった計画はあっても、新たに原子力発電所を建設し、運転するという計画を持っているのは残念ながら日本国だけです。日本の原子力推進委員会、ここでは、これから10年後までに、泊だけでないのです。約20基の増設計画を立てる。非常に私たちには想像もつかないような驚きです。こういった中で、残念ながら、昨年の東海村の事故以来初めての増設に北海道の知事が容認をしております。これは、あの泊3号機の建設については多くの道民、7割強の反対の人たちがおる中、知事の容認は納得いくものではないと思いますし、これらの考え方が逆に、幌延問題にしても、これからの推進の中でどんな約束をされても、本当に信用できるのかという気持ちにされるのも当然だと思います。そういったことで、私は次に申し上げる問題を国、道、核燃料サイクル開発機構に対し要求するものです。まず1番目、原子力発電所より出たごみは、低レベルであろうと高レベルであろうと廃棄物の移動処理はせず、原発地の中において放射能レベルが低くなるまで保管・管理を義務づける。2番目、我が国もドイツ、アメリカ、カナダのように、あるいはヨーロッパ各国のように、原子力発電所の新増設について行わないよう国会で決議すること。3番目、既に存在する高レベル放射性廃棄物については、短寿命化になるまで、低レベル化になるまで放射能消滅化処理に関する研究開発を行うこと。4番目、幌延町における深地層研究所計画については中止すること。なお、これらの関連につきまして、近隣町村、あるいは今回8カ所で一応説明会的意見を聴く会を持っておりますが、地域の住民のアンケート、あるいは大勢の意見を聞くためのそういった場をつくることを約束していただきたいと思います。以上で終わります。 【北海道連合会天塩地区連合会会長 富樫 正勝】 ただいまご紹介にあずかりました天塩地区連合の会長をしております富樫といいます。労働組合の立場に立った形で意見を述べていきたいというふうに思っております。1985年6月、旧動燃が、幌延町の高レベル放射性廃棄物貯蔵施設の誘致表明を背景にし、道に対し貯蔵工学センター計画にかかわる立地調査の申し入れを行い、これを発端に、以来本道の最も重大な政策課題となった。幌延問題については、安全性の確立されていない現状と道民の声を無視し、民主主義を無視する見切り発車的なやり口で、地域住民はもとより周辺住民、そして道民を惑わし、対立の構図をつくり、憎しみと不信感だけが残ったものとなりました。このような状況でだれがどんな説明をしようとも、すべてに疑念が残り、子孫に必ずツケを残すとの観点より、放射性廃棄物は持ち込まない、貯蔵、処分につながらない設置であれば検討の対象との前提で一貫して反対をしてきました。確かに私たちのライフラインである電力は不可欠であり、泊を含め、原子力発電により確実に放射性廃棄物が発生し、将来原子力に依存しないエネルギー政策を選択するにしても、この放射性廃棄物の処理・処分のあり方については答えを出さなければならない現実にあるのはわかります。ただ、なぜ施設建設が食料生産基地の北海道で、酪農のまちである幌延なのか。風評被害が出た場合、道北の酪農、食料業者の打撃は相当なものと考えますし、北海道経済も少なからず打撃が出るものと考えますが、いまだに疑問であります。私は、この原子力行政、その中でも廃棄物の扱いがどうしてもその場しのぎにしか感じられず、これまで国会答弁、推進側答弁等でも、言葉じりで言った、言わない、法や言葉の抜け道で押し通してきたような気がします。ですから、今回の深地層研究所の幌延の立地申し入れに関しては、放射性廃棄物を持ち込まない、使用することはないことの担保措置が絶対必要と考えますし、実効性のあるものでなければならないと考えます。深地層研究所計画に反対する道の基本的な考え方の中で、深地層研究所計画を認める場合は担保措置対策が必要であると書かれていますが、この担保措置こそが本当に実効性のあるものなのかが疑問の点であり、協定で本当に遵守されるかが、なし崩し的に処分場になるのではないのか、放射性廃棄物を持ち込まないとしている地域が研究実施区域である幌延町に限られるのではないのか等の不安や疑念がぬぐい切れない理由であります。したがって、国とサイクル機構が表明している、放射性廃棄物は持ち込まないし、使用することはない。また、当該地域を将来とも放射性廃棄物の処分場にすることはないという内容を確実に遂行、遵守するための措置とともに、違反した場合の措置については、事業の主体であるサイクル機構、道及び幌延町の間で民法上の効力を発する協定を締結すること、また、求めに応じて周辺自治体との間においても同様の措置をとること、さらに当該区域として地域限定しているところを北海道全体の問題ととらえ、地域限定をせず、研究実施区域外の地域においても放射性廃棄物の持ち込みは認めない、貯蔵や処分場につながらないものとするため、地域住民、周辺市町村、道の意思を条例制定、決議、宣言等で明確にさせ、周辺地域に対し、国等からの概要調査等の申し出があった場合には直ちに拒否することを知事や関係市町村に求めることが道民、そして周辺町村の不安、懸念解消には必要と考えます。このことが遂行されない限り、この計画についての申し入れは反対と言わざるを得ないし、返上すべきと考えます。最後になりますけれども、今ここで北海道、科学技術庁、核燃料サイクル機構が三人三様の立場で話をしていたように聞こえますし、こういう場を設けることをこの不安を解消するためのことだと思いますし、それなのに、今三様から聞いていますと、全く不安を解消するための説明でもないし、そういうことをなくして、今日これから質疑、質問もあると言っていますので、核燃料サイクル機構にしても、道の立場、意見を受け入れるぐらいのここで表明をしてもらえない限りなかなか不安が解消する動きでないというふうに思いますので、ぜひ、最後の方になりますけれども、それをお願いして、私の意見にかえたいと思います。どうもありがとうございました。 【佐藤 義信】 私は、このまちで娯楽サービス業を営んでおります佐藤と申します。幌延町の深地層研究所(仮称)計画について私の所見を述べさせていただきます。古い記憶ながら経緯をたどってみますと、昭和55年9月、幌延町理事者、議会代表者による原子力施設視察調査が第一歩の踏み出しとなって以来58年まで、低レベル放射性廃棄物から高レベル放射性廃棄物への過程変更もあったが、中間貯蔵工学センター施設についての調査研究が続けられ、翌59年7月、同町議会において誘致決議をした。同日、知事は道議会で誘致反対の表明がされております。その後、6月3日、吉田動燃理事長より知事に対する調査申し入れが行われました。9月に拒否回答。同時期に当時の竹内科学技術庁長官には、貯蔵工学センターの誘致を進める考えはない、また、調査の実施を受け入れる状況にないとの知事の立場を伝えております。道議会関連としては、9月に特別エネルギー部会において調査促進決議がなされ、また10月の第3回定例議会でも調査促進決議が行われておりまして、これを踏まえて竹内科学技術庁長官、吉田動燃理事長が再度知事へ協力要請が行われております。そこで、少し視点を変えてみたいと思います。この56年から59年という時期は、昭和42年10月3日に北海道より泊村、島牧村、浜益村の3村が原子力発電予定候補地として公表され、それ以後いろいろな経過を経て58年4月に泊発電所専用港埋め立て工事が開始となりました時期と重なるときなのでありますが、そして平成元年6月22日に泊発電所1号機営業発電開始日となったのであります。記録によると、原子力発電所設置については道は積極的にかかわり、反面幌延の貯蔵工学センターについては、泊村のように地元との対話を重視し、その積み重ねの中から地域のコンセンサスを求めていくのに反し、幌延問題に対しては常に知事判断が先行し、地元住民の考えに耳を傾けようとしなかった。全く不合理な話ではありませんか。イデオロギーを超えて受け継がれた原発事業、当時、知事の不本意な事業であったと思います。それならばなおのこと、予測できた廃棄物の安全処理に厳しい視点を持って取り組まなければならない立場にあったはず。それなのに、地方からの先見性を持って提起された貯蔵工学センターの本質を論ずることすらしなかった姿勢は、理性ある政治家の姿ではなく、今日のねじれ現象の起源として良識派の失望を深めていったものでなかったでしょうか。そして、今また貯蔵工学センターの白紙撤回の要求に始まり、今日の道民の意見を聴く会の実施に至っても1年半の空白をつくり、幌延町が名乗りを上げて既に15年という貴重な歳月も流れてきました。しかも、貯蔵工学センターの白紙撤回という要求の根底に流れているのが、知事や道のメンツをないがしろにした頭越しの国への相談に起因したあつれきだと言う人もいましたが、もしそういうことが少しでもあったとするならば、行政官僚の思い上がりであり、道民への不遜なる傲慢な姿勢でしかないわけであります。今までの新聞報道を見ても、この問題の賛否について、東京や札幌などの特殊な分野にかかわりを持つ人たちの話は聞こえてきますが、いずれも政治的思惑の色濃い話であって、本質に真に取り組んでいるという姿勢も意気込みも感じられないことはまことに嘆かわしい限りと言わざるを得ません。この問題は私たちの庭先の問題であり、その庭先に住む私たちに国や道はどういう接触をしたのでしょうか。また、国の計画として、地方行政を通してきちんと説明があってしかるべきではないかと思うのであります。しかも、突然意見を聴く会と言われましては困る問題なのです。計画内容をもっともっと時間をかけて一人でも多くの人に聞いてもらい、問題の本質とは何なのか、急がなければならない理由はどこにあるのか、その結果どんな負担を背負わなければならないのか、選択の責任とはどういうことなのかなどなど、国の大事なエネルギー問題を政争の具にして、真実を問いかけることを怠り、本質の論議を避けて問題の先送りで糊塗してきた関係者の姿勢こそ大きな誤りであり、国民への重大な責任違反ではないかと心痛める立場と、また、将来行政改革上の町村合併という思惑の中で、好むと好まざるとにかかわらず町内問題となり得る可能性上強い関心を寄せざるを得ない観点より、今回この機会を与えていただいた次第であります。私は科学者ではありませんので、技術的なことはわかりません。しかし、日本の原子力発電所は世界でも極めて安全に運転されていると評価し、信頼を申し上げております。近くに東海村のJCOのような痛ましい事故がありましたが、これは企業モラルの問題です。今回の研究所は地層処分についての研究をする施設と理解しております。一部に深地層地質を何千年研究したって、何千年先、ましてや放射能が消滅する1万年のことを解明したり予測するのは不可能に近い、それこそ最も危険な選択であります。時間も来ましたので、まとめたいと思います。私も余計な施設は要らないのです。私はこのまちが大好きです。しかし、過疎化は深刻です。商売をする者にとって一番怖いのは人がいなくなることです。地方の公共施設は悪だとか、あれはだめ、これもだめでは地方の生活は成り立たないのです。来てくれる施設なら欲しい。そのことによって若い人たちの働ける環境が創設されるのならば、願わずにはいられない心境であります。私は、日本の学者の英知と技術と良心を信頼しております。そして、一日も早く安全な処分方法を開発、解明していただきたい。その一端である深地層研究施設は最も急がなければならない施設と認識しております。知事の英断を期待してやまないものです。この研究にかかわる関係機関の皆さんに最後のお願いとして、情報操作を行わず、真実を常に国民に明らかにすることを遵守していただきたく申し上げまして、終わりとさせていただきます。ご清聴ありがとうございます。 【小林 保】 私の意見を述べる機会をいただきまして光栄に存じている次第です。意見といいましてもまとまった意見が、こういう場は苦手でございまして、なされないとは思うわけでございますけれども、私の思うままをここで述べさせていただくわけでございます。 実は今月の初めだったと思うのですが、皆さんもテレビ等で拝見、聞いたとは思うのですけれども、政治討論会の中で、今月の初めの土曜日でなかったかと思うのですけれども、テレビ討論会の中の一端をちょっとお話して次に入らせていただくわけでございますけれども、竹村さんと亀井さんと菅さんの景気対策の話がちょっとなされたような記憶をしておる方は数多くいると思います。その中で、竹村さんは北海道の一端をお話しされました。それを聞いた道民はどう感じたのか、取り方によってはいろいろだと思います。私は、竹村さんの話が本当であればちょっと遺憾だなという感じはしたのですけれども、北海道の地域に、クマの出てくるような地域に景気対策の金を投資しても景気対策にはならないのだと、このようにテレビ番組でお話しました。そして、函館、青森の方に新幹線が行くのは景気対策にはならないと、このような話を朝のテレビ討論会の中で話したときに道民はどう感じたでしょうか。私はこれを先に皆さんにお伝えしながら、自分の思うままのことをお話しさせていただくわけでございます。今、そのような時代に、北海道を見放されているような状態の中で、この道北の地に、まして隣のまちに核サイクル機構でやっておられます地層研究センター、これが設けられようと今踏んでいるように聞いているわけでございますが、この研究センターということに対しては私も大賛成です。ということは、研究でございまして、この研究の中身が、お話を聞きますと800メートルから1,000メートルの地下底を研究するのだ。我々まだ全然見たこともない、味わったこともないこの研究センターが、日本で二つやる中での一つがこの隣の幌延町にできるということに対してはすばらしいことだなと、このように感じています。その研究の施設の一つとして、生涯学習の絡みの一端としますか、そういう中で学術的にも教養的にもひとつそれを生かしてくれるならば、ここにあります天塩高校、ましてや隣のまちにある大学、稚内にございます。そういう学術的な絡みのところを生かしていただきまして、そして生涯的に人材育成の新しい育成をつくるために、若い世代がこの地に残れ得るような環境づくり、それが隣のまちにできるということに対しましては、大手を振って私たちはやるべきではなかろうかと。研究ということに対しては無限だろうと私は思います。いろいろな研究をされています。ですが、地下の研究ということに対しては日本で初めてなされる。それが隣まちである。その影響力というのは、この当地に対しても相当大きいものがあるのではなかろうかと私は感じているわけでございます。研究は無限であろうと私は思います。私は、研究の一つとして、20年前には考え得られなかったことは数多くあるだろうと思うのですけれども、その一端を述べさせていくならば、自分が必要品としておられる携帯電話、これは皆さん20年前に考えたことがあるでしょうか。これも研究の一つでないでしょうか。今はなくてはならない一つのものになっているのではなかろうか。小さいお子さんまでも必要だ。どのような操作でどのようにやるということは学ぶと。だけれども、目に見えない電波がすぐ自分のそばに来るということに対しても、これも研究の一つでなかろうかと、このように思います。未知の研究はこれから始まろうとしています。それを期待しまして、一日も早く知事の賛同を得ながら、この地域のために活性化になるようひとつよろしくお願い申し上げまして、私の意見とさせていただきます。ご清聴ありがとうございます。 【笹原 啓公】 意見を述べる機会を得まして非常に光栄に思っております。先ほど来からたくさんのご意見が出まして、この幌延問題につきましてはもう十数年も前からいろいろと論議された問題であります。当時は今と違って非常に何だかいろいろな窮屈なことがあっただろうと思うのですが、現在は、先ほどいろいろ説明ありましたように、地層の研究施設ということでありまして、核は持ち込まない、持ち込ませない、こういう前提のもとにこれはやられると言っておるわけですから、私はそれは信じます。したがって、これは国並びに道、しかも地元の市町村が三者合意して、そういったことをかたく守ると、こういったことからの研究でありますから、まことにいい研究でないかと私は思っております。当地方は、ご承知のように、非常に過疎化が進んで、また、それらしきそうした研究施設、文化施設等はまことにありません。非常に皆無のような状態であろうと思います。したがって、これらがもし今計画されているように早急に実現されるならば、この地の経済並びに文化の面で非常に変わってくると思うわけです。何回もご意見あったように、当地方は非常に過疎化が進んでおります。そして、人口の流動も非常に激しい。これから先のまちづくりをどうするかということが非常に大きな命題になっておるわけであります。したがって、これからは広域行政、また広域経済ということで、幌延も天塩も遠別も、それらを合流した一つの経済圏、行政圏になるだろうと私は思っておりますだけに、隣の幌延の問題は心からそうしてほしい、そういう研究施設をつくってほしいということに対しては心から賛同するものであります。今もしこういったことが実現しますならば、今の経済、今の過疎化はうんと変わってきます。これらを一つのインパクトにして、そうしてこれからの経済振興のために大いに力添えをさせていただきたいものだと思っております。今後、これをてこにした大きな経済圏の中で、前にもだれかがおっしゃったように、この道北の地にもこれら研究施設をてこにした学園都市をつくろうではないかと、こういう構想もあったそうでありますが、もしできるならばそうしたことをつくっていただきたいものだと思っております。いろいろとご意見がありましたが、さきのご意見の中で一番大事なことは、核を持ち込まない、核を持ち込ませないということが既に国、道、担当の市町村でできていることであるやに聞いておりますが、これを信用して、そしてこれらをぜひとも天塩町の振興のために生かしていただきたい、かように思っておるわけであります。簡単でございますけれども、このようなことで、私はこれらの施設に対しては賛成を申し上げるものであります。以上です。 2 意見記入用紙による意見等 【豊富町 久世】 幌延計画には反対! 第一次産業を中心とした地域づくりを考えるべきであり、税金を使った開発・研究等は無駄な事であるばかりか、無知をさらけだすものである。 道北住民の意見を反映させる為に住民投票か住民アンケートを実施すべきだ。 酪農と漁業の町に核関連施設はいらない! 【天塩町 橋爪 徳男】 私は昨年5月、定年退職を機会に故里の天塩町を終の住家にと決めた者です。(札幌からUターン) この様なテーマの話を聞くのは初めてです。今回この様な機会を得たことにお礼申しあげます。 新聞紙上で今回の催しを知ってから、周囲の人達に意見を聞くと、国がやるのだから仕方ないさという声を含め、圧倒的多数が将来に対する不安をいだく反対の声でした。 故里天塩町はどこだいと聞かれると私は、「天塩川の河口の街だ」と答えてきたが、今后この計画が実施されていくなら「あの幌延のとなり町だよ」と答えることになるでしょう。 風光明びなところというイメージは遠くなり、このイメージダウンは大きなものとなるでしょう。人々にきらわれる街に地域発展はないと思います。 次に2つの疑問があります。 1、権限をもつ通産省が入らない協定は無意味ではないですか。研究が終わっただんかいで背信行為と云っても無理でしょう。 2、中間貯ぞう期間について、100年は必要という新聞報道があるように、未だ未確定の部分が多い原子力については、研究結論の一致をつくっていく事が一番の急務じゃないでしょうか。地元が賛成している事が唯一の根拠のように聞こえる本計画には反対です。 ◎高レベル放射能が急激に消減すると云っているが、この年数はどの位のものでしょうか。 【天塩町 村上 敏春】 放射性廃棄物を持ち込まない事を地元、国、道、機構で文書により協定を締結しますが、将来において、法改正等により法律等が変更された場合には、この文書協定は、効力があるのですか。 本施設計画が、実際に推進された場合には、地元の地域振興及び活性につながるとよく聞きますが、具体的には、地元に対して、何がどうなるのですか。例えば、多くの公共施設整備事業がされるとか。他自治体の実際の例でもよいです。(東海村、六ヶ所村等) 道内、又は地元住民の投票による計画合意の有無の判断は、できないのでしょうか。できないのであれば、何故できないのかの理由。 投票による判断(特に地元住民)が、各住民の考えがはんえいされて、最も適当な方法であると思います。 説明の中で、放射性廃棄物を持ち込んだ試験はしないという事と合わせて、「RI試験」は実施するとありましたが、「RI試験」の具体的な内容と、人体への影響を説明してください。 【天塩町 村上 博之】 この深地層の研究を本道で実施する場合の条件について「放射性廃棄物の持ち込みは認めない、貯蔵や処分場につながらない」との基本方針に基づき、この措置の担保が確保されなければ、町民(道民)の理解は得られないと考えますし、道の基本的な考え方の中で「道の基本姿勢を担保するための措置」とは、「担保措置方策等が必要である」と書かれているだけで、具体的なものが不充分なため反対とする意見とします。 【豊富町 山路 弦太】 計画には反対します。 この計画によって、地元の経済や過疎の問題が解決するとは思えません。これらの問題の原因は、もっと他に要因があると考えるからです。研究所ができたとしても、経済の発展はないでしょう。 【天塩町 横河 幸平】 私は研究所反対です。 道民合意は意見聞く会は、おかしい。知事は道北に来て話合すべき。 良く目を開け、しょぶんは全国有り得ない。原発立地場しか考えられない。 3 意見陳述者以外の応募者からの意見等 【水戸 恵美子】 幌延町の「深地層研究所(仮称)計画」に関わる推進要旨 1、創始者前佐野町長が想いを起した原点がなんであったか。 2、未だに不安を訴えるかたがたの論理の矛盾。 3、今世代の人々が次世代の為になすべき必要な事とは。 4、政争の具になって本筋からかけ離れた愚挙への苦言。 5、これ以上の先送りは国民の不安。すみやかな推進の決断のお願い。 【笹原 和子】 幌延町深地層研究所計画について意見を申し上げます。 この事につきましては何年間に亘っていろいろ論議されて来ておりましたが政治的な意見もあったりして本論が全く遠ざけられた感があります。私は資源エネルギー当局の意見を信頼しておりますから賛成致します、と同時にこの計画の将来性、地域に与える活性化について同感するものです。 1日も早く着手され研究成果を上げて頂きたいと思います。 【浦瀬 潔】 幌延町における深地層研究所(仮称)計画に関する「道民の意見を聞く会」におきまして、次の通り意見を陳述したいと思いますので、ご高配の程よろしくお願いします。 日本の原子力政策の在り方について、過去の政策を見るとあまりにも無計画、その場しのぎということが多々あります。そして、そのツケは国民に、特にその周辺地域の人々に多大なる損害として払わされているのが実状です。 日本の原子力政策は、原子力発電の安全性、核廃棄物の処理方法が未確立の中、見切り発車という形で進められました。そこには、省資源の日本にとって有効な発電方法である、世界の先進国に遅れをとりたくないなどの考えがあったと思われます。 当初は、核廃棄物の処理はフランスなどに依頼していましたが、依頼契約が切れること、核廃棄物処理の困難さから、以前の核廃棄物も日本に戻されることなど「トイレなきマンション」である原発のトイレを作らなければならなくなりました。 過疎化が進む道北の地の幌延において、過疎化脱却のため原子力関連施設誘致に手を挙げたのをこれ幸いと科技庁は・動燃は、その弱みにつけ込み「高レベル核廃棄物施設」を含む「核廃棄物貯蔵センター」建設計画を強引に推進しようとしました。 しかし、多くの道民の反対や科技庁・動燃の嘘をついても推進しようとする体質が分かり、道段階においても「貯蔵工学センター」建設計画の白紙撤回の度重なる要求で、白紙撤回させることができましたが、科技庁は新たに、核を持ち込まない「深地層研究所」を幌延に建設するという提案を道に対して行いました。もともと計画の中の「深地層研究所」だけでも先行着手という動きは以前からあったもので、新提案は何ら新しいものではなく、目先を変えたこれまで同様の手法によるまやかしであることは明らかです。 「核抜き」とお題目のように唱える裏では、政治の情勢や世論の変化があれば、いつでも「深地層研究所」を核廃棄物の中間貯蔵地・最終処分場にできるとなっていることは、科技庁の約束である「地元の合意」なしにはしないというものでも明らかです。この約束は、「永久に中間貯蔵地・最終処分場にはしない」ということではありません。したがってこれまでの科技庁・動燃の体質を見ても、私たち地域住民はとうてい信用することはできませんし、未来のある子ども達のためにも、断固受け入れることはできません。 以上のことから、幌延町における「深地層研究所」計画については、強く反対します。 【吉岡 良子】 幌延町の「深地層研究(仮称)計画」に関わる賛成要旨 先頃発表された道内市町村の合併案では、ふたつの案とも天塩町と幌延町は、近隣町村も含めて合併することが望ましいとされております。 近い将来この案のようになりますと、深地層研究所はわが町に所在することになり、隣町の問題ではなくなります。 今日まで、天塩町も含めこの西天北の町村は、一次産業を最優先に振興策をすすめてまいりました。この方針は将来とも最重要な取り組みではありますが、21世紀へ向かって多くの方面への振興策を展開しなければなりません。 その第一弾として、この研究所の設置はおおいに歓迎すべきものであります。 なぜなら、このことによって、人の出入りがふえ、地元雇用に望みがつながり、商店の売り上げ増にもなります。 核抜きを担保とする北海道や幌延町の方針が有効に機能することで、反対を唱える人々の主張は解決されます。 【連合北海道・電力総連 中根 誠治】 幌延における深地層研究所計画に大きな期待を抱く団体として陳述します。 電力総連は全国の電力関連産業に従事する25万人の組合員で構成され、日本の唯一とも言えるナショナルセンターの連合に加盟し、国際的な労働団体である「国際化学エネルギー・鉱山一般労連」を上部機関にもつ団体であり、北海道は1万人の組合員を有しています。名称のとおり、世界の113ヶ国のエネルギー産業に携わり、原子力職場を直接抱える労働組合として、原子力政策を進める上でバックエンド対策としての幌延深地層研究所に対して強い期待を抱いております。 ご承知のとおり、原子力政策なかんずく原子燃料サイクルの確立に向けてのバックエンド対策は極めて重要なものであり、高レベル放射性廃棄物の処理・処分問題は「トイレなきマンション」とも言われましたが、健全な原子力利用が進められるためには必要不可欠なものであり、その過程としての今般の幌延における「深地層研究」は誠に有意義なものと位置づけられます。 高レベル放射性廃棄物の処分問題はこの5月に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」として法案化され、使用済燃料の再処理により発生する高レベル放射性の最終処分を計画的かつ確実に実施するために、費用の拠出制度、実施主体の設立、拠出金の管理を行う法人等の整備を行うものであります。 このような中で幌延の深地層研究はこの法律での実施主体が実施するものではなく、核燃料サイクル開発機構が技術的見地から研究を行い、その成果を最終処分技術に役立てることですから、処分地選定とは全く次元の違うものであり、法律上でも担保されていると解釈すべきと考えています。 また、放射性物質を持ち込む、持ち込ませないとの議論がありますが、過去の研究によって研究そのものには放射性物質を使用しないで済む訳ですから、この点も全く問題にならないと判断しています。 計画は投資額として340億円そして年間の研究費が34億円、研究施設では100人が働くと聞きました。北海道経済に与える影響は大きなものとなります。そこで建設と研究にあっては地場産業の活用や地場からの雇用などに核燃料サイクル開発機構は努力を行っていただきたいと思います。 繰り返しになりますが、原子力政策はわが国のエネルギー供給の根幹を支える重要な国策であり、その推進にあたっては国が全面にたった取組みが必要であり、今後の深地層研究の成果に強い期待をもっていることを表明し、陳述希望の趣旨とさせていただきます。 【渡辺 修勝】 幌延町における深地層研究所計画に対して意見を述べさせてもらいます。 まず、最初にこの幌延町における深地層研究所計画に反対をする事を明確にしておきます。したがいまして、反対の立場で意見を述べさせて頂きます。 私達、道北に住む者として深地層研究所の受け入れが将来処分地へつながるのではないかと言う不安が消えません。 今から十数年前貯蔵工学センター計画と核然による地域介入で幌延と周辺市町村に大変な混乱と対立が持ち込まれました。 これ以上道北に混乱と対立を持ち込むことは絶対に許せません。 今から十数年前貯蔵工学センター計画で地域が混乱と対立をしている時、当時小学校1年生だった少年が「父さん、母さん僕は大きくなってもこんな危険な所で酪農はやらないよ」と言いました。 それから十数年たった今、その少年は今20才を過ぎ一人立ちをして何をやっていると思いますか。酪農をやっていると思いますか。私はこれも風評被害だと考えます。 道北は農業、漁業の食料生産地であります。ここに処分地につながる危険性のある深地層研究所を受け入れることは、かならず風評被害とイメージダウンにつながると考えなければなりません。国は今、土地利用型酪農推進事業を奨励している時に広大な土地を有するこの道北を処分地への不安から人口を流出させ、土地を利用する人間を少なくさせて地域振興にはなりません。 深地層研究所が処分地につながる危険を感じさせる事がたくさんあります。 研究実施区域には放射性廃棄物は持ち込まず将来とも処分場にする事はない、と言っているのに北海道特に幌延を中心とする周辺地域は処分地から除外されておりません。なぜですか、場所をずらして処分地になる可能性があるからではないですか。 道の「担保措置」は将来にわたる「措置」にはなりません。 埋め戻しに関しても道と幌延の考えが一致しておりません、なぜなんでしょうか。 知事公約である「道民参加の道政」「道民合意」はどこへ行っているんでしょうか。さらに公約では「全国的見地で調査選定すべき」と言っているのに貯蔵工学センター計画が白紙撤回されていないのに。加えてなぜ幌延なのか全く検討されておりません。 「道民合意」の定義や手法を明確にすべきです。 幌延と周辺地域が処分地から除外されず深地層研究所を受け入れることは将来にわたり処分地への不安を抱きながら道北住民は生活する事になります。 処分地への不安が残る以上安心して酪農、漁業の後継者に継がせられず後継意欲を削ぐことになるものであり現状の状態では断じて深地層研究所の受け入れを認めるわけにはいきません。 「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」が成立したのになぜ私達住民には処分地選定に関する拒否権がないんでしょうか。 核による活性化はありません。核による平和はありません。 核との共存はできません。 道の基本的な考え方では、核の持ち込みは止めれません。 処分地を止められません。 以 上 【山本 春光】 幌延町の「深地層研究(仮称)計画」に関わる賛成要旨 今までの新聞報道を見てもこの問題の賛否について東京や札幌での話は聞こえてきますが私達地元の接触はあったのでしょうか。国の計画ですから行政を通しきちんとした説明があってしかるべきではないでしょうか。本来、いきなり道民の意見を聞く会といわれても困ります。その計画内容をもっと時間をかけて説明してください。国のエネルギーの大事な問題を政治問題にして本質的な議論をしなかったのは間違いです。私は幌延町の隣接の町としてこの件に関心を持っていましたのでその範囲で意見を述べます。 私は科学者ではありませんので技術的なことはわかりません。しかし日本の原子力発電所は世界でもきわめて安全に運転されていると考えています。近くに東海村の痛ましい事故はありましたが、これは企業モラルの問題です。今回の研究所は地層処分についての研究をする施設と理解しております。研究はどんどんすべきです。そして、その結果どうするかは又、皆さんで判断すればいいことです。そのときは今までのような説明では納得しません。地元も入れて説明してください。 エネルギーを多く使う都市部の人は今使っている発電所の放射性廃棄物をどうしたいのでしょうか。反対もいいですが対案を出したらどうでしょう。発電所を東京にと言った人がいましたが、どうしてその運動を継続していないのでしょう。莫大な費用がかかってもやるのが筋でないでしょうか。その発電所も、その廃棄物の処理施設も過疎地が引き受けると考えているのではないでしょうか。皆さんの言うクリーンエネルギーの風力もこの留萌管内が多く担っているのです。 私たちとて余計な施設はいやなのです。しかし、地方の公共事業は悪だ、あれもだめ、これもだめでは暮らしていけません。きてくれる施設なら欲しいのです。それで少しでも働くところが出来ればいいのです。その代わり、安全には気をつけてください。そして中身はきちっと公開して説明してください。私は日本の科学者の技術と良心を信じ賛成いたします。 【中村 利幸】 道の基本的な考え方に示された、国・核燃機構の見解、並びに道の基本姿勢担保措置としての対応策では「なし崩し的に処分場になるのではないか」の不安・懸念は解消されない。住民の不安懸念を解消するために同計画の申し入れは返上するべきである □ 国の見解について 政策的に将来の展望・保証が明確ではない。 ◎「研究所の計画と処分場の計画を明確に区別する」とした原子力長計の策定当時に放射性廃棄物対策専門部会長の生田豊郎氏の発言(原子力産業新聞) 「将来的に研究にメドがついたあと地元の意向が変われば、話は変わるかもしれない」 又同部会委員川上幸一氏は(エネルギーフォーラム)「研究施設が処分場にならないとしても、施設に近い同じ地層の地域はどうなのかという問題が残る」と述べている。 ◎知事が受け入れない意思を表明しているもとでも、北海道が処分場選定の対象地域から除外される確約はされていない。 ◎処分法に定めたプロセスを踏んで判断するとしているが、同法では知事等の同意が必要とされていない。安全基準等も別の法律とされ、その制定時期も示されていない。 国会審議においても「知事の同意がなければ選定はしない」と明言はなく、「知事の意に反して調査地区の選定はないものと考える」とし「地元の理解を得るために最大限努力する」と答弁されている。 □ 核燃機構の見解について 独善的・秘密・強権の旧動燃体質は変わらづ信頼出来ない ◎研究実施区域が明確でない。将来とも処分場にしないとしているが、研究終了後の措置(所有権・管理責任等)が示されず、現状の現地対応(気象観測等)と同様の対応が危惧される。 □ 道の担保措置対策について 具体性に欠け、問題先送りで判断不能 ◎協定当事者の地元の範囲及び国のありかたが、今後の協議としている協定の協議機関・監視機関等が示されていない ◎協定の対象外地域に対する措置について明確な方策が示されていない。 概要調査地区選定段階は数年後であり、方策実現の確証もない。 【宮武 守也】 私は、平成12年6月、北海道が示した「幌延町における深地層研究所に対する基本的な考え方について」を熟読したうえ、ただ一点を除いて賛成する立場から私見を申し上げます。 この理解が出来かねる一点については、後程申し上げます。 私が生まれた昭和11年の天塩町の人口は7千人を超えておりました。以後60数年の間の一時期1万人以上を数えることもありましたが、60年前に比べ現在は約40パーセント減であります。この要因は多方面にわたって考えられますが、そのひとつとして、科学、文化、芸術の恩恵に浴する機会が少なく、且つ若者の雇用の場が限られていた事にあったと思われます。 また、今日まで各関係機関から、北海道の発展計画案が幾度となく示されてきたところでありますが、何れの案を読んでも、この西天北地域が最も貧困でありましてそれは立案者の責任ばかりでなく、この地に住む私達が振興策を発信することが少なかった責任でもあります。従って、この問題を打破する方策のひとつとして、当研究所設置計画は大いに歓迎したいのであります。 いま幌延町が、20数年前の原子力発電所誘致計画から始まり、長年振興策を発信し続けた帰結として、この研究所に辿り着いたことの情熱に、心から敬意を表し声援を送りたいのであります。 次に冒頭述べました理解出来かねるただ一点について、申し上げます。 当事者間の主な協定内容のなかで「研究施設は、研究終了後閉鎖するものとし、地下施設は埋め戻すこと」とありますが、私は理解に苦しみます。膨大な投資をして目的が達成したら破壊すると言っているに等しいことでありまして、これが反対を唱える人たちへの譲歩の為であるのなら、ぜひ再考願いたいのであります。 私は、研究終了後は、この施設を国立博物館として継続させ、研究の成果を内外に向かって公開すると共に、この博物館を、風水害、雪害に左右されない地層空間都市建設の研究およびサハリン、アジア大陸へ向けての海底トンネル建設の研究拠点として活用することを提案したいのであります。 いま、なぜ幌延なのかと言う問いかけがあります。 それは、研究したい堆積岩が幌延町にあるからです。 核抜きの担保は信用できないと言う主張があります。 その人達は、その主張を叫び続けてくれればいいのです。それによってこの担保は益々強固なものになります。 知事におかれては、この地で生まれ、この地で生活を営み、この地の発展を誰よりも願っている者の心からの叫びをお聞き届けいただき、速やかに研究所設置承認の表明をされますことを切望いたします。 【石山 直継】 幌延町の「深地層研究(仮称)計画」に関わる賛成要旨 1、過疎地として雇用環境の期待の面から。 2、将来の町村合併を視野に捉えた関わりの面から。 3、若年者のUターンを受け入れる環境整備の面から。 以 上 【高柴 幸子】 深地層研究所(仮称)計画に関する賛成意見の要旨 1、職場の関係と社会情勢を踏まえて「仕事の確保」「雇用者の生活」をどう安定させて行くかの立場からの関わりについて 2、ごく普遍的な危険物に対するプロセス。次世代に対する今の私たちの取らなければならない責任意識 3、道理に繋がらない意見、現実的対案のない主張に何故時間をかけ過ぎるのか 4、政争の具にしすぎて混乱を深めた知事への苦言 以 上 【首藤 竹雄】 幌延町の「深地層研究(仮称)計画」に関わる賛成要旨 1、現世代に課せられた次世代への責任義務の取組みの面から。 2、地域振興に及ぼす波及効果への期待面から。 以 上 【大谷 昌晃】 幌延町における深地層研究所(仮称)計画に関する「道民の意見を聞く会」におきまして、次の通り意見を陳述したいと思いますので、ご高配の程よろしくお願いします。 現在、世界の先進国では、原発の危険性、核廃棄物の処理が困難であるとの理由で、脱原発が進んでいます。しかし、日本は世界の潮流に逆行する形で原発の推進を行おうとしています。その背景には原子力産業に関わる膨大な利益を我がものにしようとする企業・政治家・官僚などの思惑がそこには見えます。 一部の利益のために、未来を生きる人へ「負の遺産」を残すことは、現在を生きる大人の責任として許されることではありません。私たちは、安全でクリーンな代替エネルギーの開発・実用化に向け取り組むとともに、核廃棄物の地層処分については、その法的な整備、実施主体、担当官庁、発生責任者、そして何よりも安全性は一切明確になってはおらず、ましてや何万年前もの間管理しなければならないことを考えるならば、ゴミの発生もとである、原発施設内で管理・保管を行うべきだと考えます。 天塩住民として断固反対する理由としては次にあげられる点です。 1点目は、「深地層研究所」を幌延に受け入れることは、処分地への不安から、さらに人口流出は増し、企業誘致も困難となるのは明白です。当然地域振興にはならず、隣接地域である天塩町にもその被害は広がります。 2点目は、天塩をはじめとした道北地域は、地下水や温泉が豊富な地域であり、ここに巨大な穴を掘ることは、私たちの生活及び産業用水(乳製品加工用)や温泉の枯渇が懸念されます。 3点目は、道北は農業・漁業の盛んな食料生産地であり、ここに処分につながる危険性のある深地層研究所を受け入れることは、風評被害・イメージダウンにつながります。 他にも、観光客の大幅な減少・処分地の不安が残る中、酪農・漁業の後継者問題に拍車をかけること・動燃の介入によって生まれた幌延と周辺市町村の対立など、「深地層研究所」計画は、私たちにとって、不利益になることを数えあげるとキリがありません。我々はここで生活している者です。我々の生活を脅かす「深地層研究所」計画を到底認めるわけにはいきません。 以上のことから、幌延町における「深地層研究所」計画については、強く反対します。 4 会場参加者との質疑等 【司 会】 発言順3番の大平さんの(2)の質問と(5)の質問、これをまずお答えいただきたいとと思います。 【天塩町 ナカムラ】 最初に科学技術庁ですか、国の方にお伺いしたいと思うのですけれども、先ほどの説明の中で、原子力関連施設についてはという、深地層の研究施設計画の進め方という中でいろいろ、処分地にはしませんよというようなご説明があったわけですけれども、それで、これはどうでしょうか、端的にお答え願いたいのですけれども、道の方で概要調査地区から除外されるかという質問に対しては、除外するともしないとも言っていないのですけれども、これは知事にこういう返事をしている以上、北海道は除外されるのかどうか、除外するのかしないのか、それだけ、いわゆる処分候補地の選定の調査は除外するのかしないのか、これだけお答え願いたいと思います。それから、核燃機構さんにお伺いしたいのですけれども、将来とも放射性廃棄物の処分場にすることはありませんということと、当該地区はということが知事の回答に入っているわけですけれども、この当該地区というのはどの範囲をおっしゃるのか。施設の建設だけなのか、それとも数十キロ範囲の地上調査が入るのか。それともその研究対象地層の分布区域が入るのか、これについて明らかにしていただきたい。それからもう一つ、将来ともとおっしゃるのですけれども、研究は先ほどの説明によると20年ぐらいだということですけれども、研究後も核燃機構がそこの所有権なり管理権なりはずっと将来とも維持するのかどうか、それでこういうことが出ているのか、以上2点お願いしたいと思います。 【サイクル機構からの回答】 サイクル機構の山崎と申します。 なぜ幌延で深地層の研究を行うのかというご質問だと思いますけれども、3番目の方の(2)のご質問ですけれども、先ほど圓山の説明の中でもありましたように、幌延町においては我々の研究の対象となる地層が分布しているということと地下水が存在しているということ、このほかに、ここには書いてありませんけれども、当然の前提となるわけですけれども、安全が担保できるような地層があるということが技術的な要件になります。それから、地元の理解、幌延町からは以前から誘致いただいていまして、地元の理解が得られやすいと、得られるということが大きな要件になると言えます。それともう一つは、全く繰り返しで申しわけないのですけれども、幌延町では、この資料に示してありますように、幌延町の置かれている地質の条件に着目したいろいろな研究ができる、その研究がそれぞれ非常に重要な研究となり得るものだということがあります。以上です。 【道からの回答】 風評被害については、今はあらかじめ心配しているということだと思うのです。それで、なぜ風評が起きてくるのかという部分、どこが発生源になってくるのかちょっとよくわかりませんけれども、私たちの今考えているのは、明らかに放射性廃棄物の持ち込みということを想定していないわけですから、風評が起きてくるその発生源がよくわからないのです。今の計画からいけば、研究の施設そのものはかなり公開性の高いものになりますし、また心配なされる方もそういったことの確認もできるという状態になりましょうし、現実に協定の中に、これは例えば、幌延町だとかサイクル機構には非常に失礼な話ですが、もし万が一というふうなご懸念をお持ちとしても、北海道は一切そういうことの懸念のないような形でその研究を見続けていくという、北海道自身がその協定に入りますから、北海道にもその責務があるわけですから、そこのところは全くそういうふうな形が惹起しないような状態で進行していくのだと思います。それにしてもなおかつ何かの風評被害があるとすれば、その発生源がどうなのか、そういったところのことをまた根絶させていかなければいけないと思いますけれども、今のところは本当にそういうご懸念になるような廃棄物、あるいは中間貯蔵、処分場、そういったことが全くその研究所の中にならないということをまずご理解いただきたいというふうに思います。 【サイクル機構からの回答】 深地層の研究というか深地層研究所を建設する際、あるいは建設後も地下水は当然排水しないといけないわけですけれども、それの排水の方法を含めて……。ちょっとこんがらがってしまいましたけれども、我々が深地層研究所を設置する場所というのはまだ幌延町のどこかは決めていないのですけれども、場所が決まりましたら、当然法規にのって必要な環境への影響というものは評価するということを考えています。仮に法規にかからない、適用を受けないということであっても、基本的には実質的に環境への影響については評価をしたいというふうに考えています。以上です。 【科技庁からの回答】 科学技術庁の渡辺です。先ほどのナカムラ様のご質問の中で、幌延及びその周辺が処分場にならないということについて、これが本当にそうかということのご質問がありました。これにつきましては、本年の4月25日ごろでありますけれども、同様なご質問を北海道から受けまして、これは科学技術庁から回答をしております。その段階におきましては、ちょうど特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案として国会に提出されていた時期でありまして……。 【天塩町 ナカムラ】 時間がないから端的に答えてください、除外するのかしないのか。 【科技庁からの回答】 わかりました。では、除外されるかしないかということに関して申し上げますと、最終処分場は、この法律に基づきまして概要調査地区というところから選定をされてまいります。そして、この概要調査地区の選定に際しましては、法律の条文では、当該概要調査地区等の所在地を管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を聞き、これを十分尊重してしなければならないというふうに……。法律はこう書いています。 【天塩町 ナカムラ】 何でそういう細かいことを言わなければならないの。聞いたことに答えてください。 【科技庁からの回答】 法律ではこの解釈、つまり当該市町村長の意見を尊重するということは、これについては当該市町村長の意に反してこの概要調査地区の選定を行うことはないと。 【天塩町 ナカムラ】 おれの聞いていることは、文献地域の調査やら概要地域の調査から、そういう対象から除外されるかと、そのことを、除外するかしないのかを聞いているのですよ。 【科技庁からの回答】 ですから、あくまでもこの市町村長及び都道府県知事の意に反しては行わないということです。 【天塩町 ナカムラ】 違います。僕の聞いているのは、市町村長に提案する前に文献調査やら概要調査、いわゆる処分候補地の調査の対象から除外されるのかと。わかりませんか、僕の言っている意味。町村長の意見を聞くときは、既に概要調査の指定があったときに聞くのでしょう。 【科技庁からの回答】 いえ、概要調査地区につきましては、これは処分の計画に記載しています。したがいまして、記載する前に市町村長の意見を聞いて……。 【天塩町 ナカムラ】 もう一回。文献調査もそうですか。 【科技庁からの回答】 文献調査については、具体的にどのように行うかについてはこの法律ではまだ明記、明確にされていませんのではっきりわかりませんが、少なくとも概要調査地区を決めて実際に行うに際しましては、この概要調査地区を記載して計画を定めます。その計画には、市町村長及び都道府県知事の意に反して行わないということを国会でこれは通産大臣が答弁しておりますので……。 【天塩町 ナカムラ】 答えが全くなっていないから、これ、司会どうしますか。わかりませんか、僕の聞いている意味。何も町村長そこへ出てくるときないのだよ。 【科技庁からの回答】 この法律は通産省の所管の法律でありまして、最終的にはこの実施主体、これは今現在電事連を中心に進められておりますけれども、この実施主体が行うことになります。それで、除外するかしないかということになりますけれども、少なくとも、少なくともといいますか、市町村長等の意に反して行うことはないと。 【天塩町 ナカムラ】 今科学技術庁の進め方の中に、北海道の知事に対して処分場にすることはありませんということを、現在知事は既にそういう放射性廃棄物は道内に持ち込むことは認めませんよと言っている、意志表示はしているわけです。そういうもとではしませんという返答を我々の前にずっと出しているのです。ですから、これから、整備機構か何だか知りませんけれども、そういう処分業者が文献調査をして概要調査、処分候補地のまたあれをやられるのですけれども、そういう選定の対象から除外されるのですかと。除外されませんかと。こういう文書を私たちが読みますと、当然処分地に関することは一切国の方はしないのだなと。処分業者はそういうことはしないのだなというふうに我々は受け取るのです。ですから今聞いているのです。どうですか。対象から除外されるかされないかと。この文章に対する考え方をはっきりおっしゃってください。 【科技庁からの回答】 順を追ってご説明します。ですから、実際にこの最終処分場の選定作業を進めてまいりますのは、この法律に基づいて設置されます……。 【天塩町 ナカムラ】 要するに除外しないのですよね。外さないということでいいのでしょう。 【科技庁からの回答】 いや、ですからあくまでも、科学技術庁長官が回答していますが、こういった趣旨のことにつきましては通産省も、それから経済産業省も引き継ぐと言っています。したがって…… 【天塩町 ナカムラ】 よくわかっています。ですけれども、ここで宣伝しているからそう言って僕は聞いたのです。 【科技庁からの回答】 知事が少なくとも持ち込ませないと言っている以上は、これは概要調査地区に入らないということは、処分場にはそこからはつながらないという理解をしていいと思います。 【天塩町 ナカムラ】 そこまで行く前の話だ。ここで宣伝しているから僕は言っているので。もういいです。 【サイクル機構からの回答】 ナカムラさんのご質問で、サイクル機構へのご質問が2点あったと思うのです。一つは、今日私が説明しました研究実施区域、この当該区域はどこかということでございますけれども、繰り返しになりますけれども、研究は3段階に沿って進めるわけですけれども、その初期の段階、地表からの調査研究をやりますけれども、その初期の段階におきまして、一応研究の実施区域については今後検討して決めるということです。今幌延町内という考えでありますけれども、幌延町のどこにその研究場所を設置するかというところは決めておりません。それからもう一点は、研究は20年間ということでございますけれども、その後どうするのかというご質問だったと思います。これも繰り返しになると思いますけれども、20年間研究した後については、私どもとしてはその処分の実施主体、この間の法律で決まっております原子力発電機構さんになるわけですけれども、そちらへには譲渡とか貸与、そういうものは全然考えておりません。 【天塩町 ナカムラ】 どうしてこうやって僕の質問に答えてくれないのでしょうか。司会、これでいいのですか。僕の質問に答えていますか、これ。僕は、いわゆる当該地区というのはその施設だけのところか……。もう一回繰り返すと時間が非常にむだになるのですよ。僕一人で終わってしまうでしょう。そんなことでは困りますよ。施設だけのところか、数十キロの地上調査も入るのか、あるいは研究対象の地層の分布区域が入るのか、その辺を聞きたいと。施設なら施設だけとおっしゃってくれればそれでいいです。 【サイクル機構からの回答】 だから、いわゆるメーンの施設と、それからおっしゃるところのいわゆるある程度広域の調査をやるわけです。そこは私どもの研究実施区域だという前提で今お話したわけです。 【天塩町 ナカムラ】 それと、その終了後の措置について、だれもそこへ譲渡しますかと聞いていませんよ。その後もおたくさんが管理、いわゆるその権利は持って、永久におたくさんは将来とも何かの利用目的で管理されるのかと、そういうことを聞いているのです。 【サイクル機構からの回答】 研究が終わった後については、道の基本的な考え方の中でご説明があったように、道としては担保の一つとしてそこを埋め戻すというお話が一つありました。ただ一方、幌延町さんから利活用の問題が出ているというお話がありまして、これについては、その研究の終わった後の問題については今後関係機関との相談になるのだろうと思います。埋め戻ししろということであれば私どもは埋め戻していきますし。 【天塩町 ナカムラ】 違いますよ。僕の聞きたいことは、将来とも処分はしませんという説明を我々にしているのです。なるほどその場所はならないのだなと受け取りたいのです。ところが、おたくさんは20年後で研究は終わるのです。ところが処分が始まるのは30年後です。ですから、そこのときにあなた方はそこの場所の権利を持っていて、絶対処分地には売りませんよと、させませんよという、そういうものがあるのですかと、そういうことをお聞きしたいのです。 【サイクル機構からの回答】 だからそこは、道の協定の中身にもありますように、私どもの研究が仮に終わった後をどうするかの問題については、譲渡とか貸与は実施主体にはいたしませんと、これをきちっと約束するわけですから、権利がなくなった後もきちっと明確にしていくということですから。 【天塩町 ナカムラ】 権利がなくなった後もどうやってやるのですか。 【サイクル機構からの回答】 権利がなくなる前の約束として、ちゃんとそういう実施主体には貸与とか譲渡というのは絶対いたしませんと、こういうことを約束するわけですから、それは協定の中で明確にするということになるようですから、遵守していきたいと私どもは思っております。 【天塩町 ナカムラ】 それでしたら、将来ともというおたくさんが、核燃さんは将来とも保証できますか、それで。それは、あとは道に任せるということでしょう。ですから、ここの宣伝文句が僕はこういうことですから、それにこだわっているわけですけれども。 【サイクル機構からの回答】 だから、その権利が私どもに……。 【天塩町 ナカムラ】 わかりました。 【サイクル機構からの回答】 いや、繰り返しになりますけれども、あくまでもそういう実施主体には私どもは譲渡とか貸与はいたしませんということを言っているわけです。それはきちっと担保するということですから、それは理解していただきたいと思います。 【天塩町 ナカムラ】 そこまでは理解しました。将来にわたっては権利はなくなるかもしらぬと、こう言っているのです。それで、道の方にお伺いしたいと思うのですけれども、ただいま道の方にお聞きする前にそちらにお聞きしたのですけれども、要するに科学技術庁にしても、文献調査なり概要調査の対象からは外さないと。概要調査の対象になったときに知事の意向をと、こういうことでしたね。そういう理解で、僕は道の担保措置そのものについてちょっと不満があるのですけれども、道の検討委員会の去年の何月ですか、7月か8月に、いわゆる検討事項の修正案なるものの中では、道民の中に、はっきりした知事の同意の条件のプロセスとか、それからその選定基準、安全基準などが国の方で決まっていないと。法的なものが何もないと。それだから道民の懸念が生じているのだと。こういう法律は、国の法律によって保証を求めるべきだというような意見も検討委員の方から大分出ていたようです。それで、道としても国に法律は求めるという方向が一時あったわけです。ご回答によりますと、国の法律の制定が非常に早過ぎたので、なかなか間に合わなかったのだというような回答もいただいたこともあるのですけれども、いずれにしても、国による保証というものが最大の担保であると。これは道の検討委員会の中でもおりますし、道民ひとしくそうだと思います。今国のそういう項目を、知事の同意を含むプロセスも盛り込まれなかった。それと安全基準とかそういうものは違う法律にするとか、そういうことになってしまっているのです。そういう現状のもとで、それでは仕方ないから協定とか宣言とかにしようかというような担保措置の問題が出てきていると思うのですけれども、これらは最初のころに考えたように、最初のころに検討委員会でまじめに討議されたように、国による保証と。法律による保証。これは別に日本だけがやらなければならぬことでなくて、既にアメリカの廃棄物法の中でも研究施設についての定めはありますし、フランスについてもそういうものがある。そういうものが本当の道民に対する責任として道は考えるべきだというふうに思いますけれども、その辺どうでしょうか。 【道からの回答】 ちょっとご質問の趣旨と私受けとめたのと合致しているかどうか自信ないのですけれども、まず国にそういった、当時法律はなかったですから、国に求めるというふうなことで、前回お答えしたのもナカムラさんはお聞きになっていたと思いますけれども、国が法案を提出したタイムと、それから道が取りまとめ、あるいは有識者懇談会でまだ議論している最中、そんなことの中で道としての考え方は、検討委員会の取りまとめは国にはお出ししておりますから、そこの気持ちは伝わっていたのだと思うのですけれども、いずれにしても、国の法案の審議が相当早くて、私どもの考え方は実は6月になって、国の案は5月31日に成立したと、こんな時間的な差もあったというふうに思います。それで、国による言質といいますか見解、それが最大の担保だというふうにおっしゃっております。ですから、今この計画を進めるに当たって、国から、もっと言えば処分庁である通産省から何らかの検証できるものを見せれと、もらうこと、そういうふうなおっしゃり方でした……。 【天塩町 ナカムラ】 国が法律はつくるべきだと、諸外国に倣って。研究法についても、処分法には研究について一切入っていないですよね。研究の処分開発についても処分法には入っているのですけれども、ほかの一切の進め方について入っていないのです。ですから、研究についてのもっとはっきりしたものをきちんと法律でするべきだということです。 【道からの回答】 外国の事例でそういったことはあるというのは聞いています。私どもの検討委員会の中でもそういったことの話題が出たことはありますけれども、具体的に道として国に今の研究に関するよって立つ法律をつくってくれというふうな動きは現在まではしておりません。していなかったです。 【天塩町 ナカムラ】 考え方として持てませんかということです。今道の方にしても、科学技術庁さんや核燃さんのそういう返事だけでは心もとないから担保措置を考えようと、こういうことでしょう。 【道からの回答】 はっきり申し上げまして、法律は除外地というのは持っていないのです。今のところは持っていません。だから、法律に基づく候補地の、それが例えば道内のどこかだとか幌延周辺だとか、来る懸念があるからこそ北海道としてその方策をとろうという、そういう流れですから。 【天塩町 ナカムラ】 ですから、そういう方策をとる、それだけでもこれ、こういう動きの中です。例えば、概要調査地区の指定になってから知事の意見を尊重しますと、こう言っていますよね。ところが、かつて工学センターのときは、横路知事はその調査も認めませんよと言っているが、それでもあれだけの強行調査を皆さんの理解を得るためにやっているのです。国会答弁でも、今回の処分法の審議の中で、理解を得るために最大の努力をいたします。その上で十分に、町長さんになお理解を得ていただけない場合はということは言っておりますけれども、その前に十分な協力を求める努力をします。その努力が工学センターのときはああいうことがあったのですから、地元の我々としては不安が尽きないわけです。ですから、そういう点も理解されてひとつ、私の中ではやっておりません。そういうことで、処分を、そういう法律とか、そういう国の施策をきちんとさせるという姿勢をどうしても道は持ってもらいたい。今道が提案している担保措置では全く安心できない。以上です。 【道からの回答】 新しい法律で概要、精密だとか最終処分地と、このそれぞれのステップを踏むことに国はもう責務を持ったのです。それを都道府県知事なり所轄する市町村長の意見を聞かなければならない、これは飛ばすことはできないです。このチャンスが与えられたというのか、チャンスと言っていいかどうかわかりませんけれども、そういう機会が都道府県知事なり市町村長に確実にそういう機会が与えられたということも事実だと思うのです。 それから、引用になるかもしれませんけれども、今の法律の中で北海道はどう見られているのかという部分、これは国会の論議の中で、北海道と青森と岐阜県知事に関しては、これはかつてから科学技術庁と各県が見解の確認をしております。新しい法律を所管する通産大臣もそこのところは、例えば北海道に関して、地元がノーと言えばそういう処分場にはなりませんよと科技庁が言ったわけですけれども、それは通産大臣も十分に了解しておって、いささかも今変わっていないという、そういう国会の答弁もされておりますので、私どもとしては、法律的に除外地に、あるいは聖域になっていない、僕は法律の面からいけば、それは国としてはつらい部分があるのだと思うのです。しかしながら、考え方として、大臣がそういうふうにおっしゃっているということは、北海道と今まで科学技術庁がやってきたことに対しては、その気持ちは通産省にも受け継がれていっているものだというふうに思っております。 【天塩町 オカダ】 私、先ほどちょっと言いましたけれども、昭和59年の8月7日、これは池田さんが来る前に、試験地が、一時貯蔵の試験地ですよ、それが良好だったら処分地となり得ることがあるのだというふうに、これは原子力委員会で決めている。これは私としては当然当たり前のことだろうと思うのですけれども、その後なのです。同じこの処分の問題について、平成4年8月28日、これは今でも生きていることですよね。原子力委員会は、本施設の計画は処分場の計画と明確に区別して進めるものとしと、こう書いてあるのです。大体試験場の計画と処分場の計画と一緒くたんに計画できるなんていうのは既におかしいことです。そんなもの当たり前ですよね、別々に。これを区分するというものだから、皆さんは今度は処分場と研究施設は区分されているのだというような感じを道民に与えようとして一生懸命これを使われていると私は思うのですけれども、これは全く、本施設の計画が処分場の計画と明確に区別して進めるものと、こんなことわざわざ書いているのに私納得いかないのですけれども、北海道としてはこれはどういうふうに理解しているのか、それをまず聞きたいことが一つ。それから、先ほど、私らがなくなる前に次のところへちゃんと意見伝達して、研究所は処分場にしないのだというようなことを言いましたけれども、これは原子力発電環境整備機構というものが別にこしらわれて、そこが処分は考えるというふうになっているわけでしょう、わざわざ法律つくって。今の核燃料のサイクル機構あたりが処分のことについて云々する権限があるのかどうか。また、科学技術庁もそのことについて大口たたけるのかどうか。私、その納得できないというのは、大体知事だって、先ほどから出ているけれども、横路さん時代にはだめですよと言ったのです。それなのに近隣町村の理解を得るために強行現地調査、踏査をやって、あるいはボーリング試験やったでしょう。動燃の人たちだもの、あなた覚えているでしょう。核燃料サイクル開発機構という名前になっているところに座っているから、別な会社だと思ってもらったら困る。私はちゃんと見覚えあるから、あなた方に。そういうところを我々は信頼できないと思っているのです。道はそれを信頼できているのですかどうですか、そこら辺をひとつ聞かせてもらいたいと思うのです。なかなか私納得しないから、詳しく説明してね。 【道からの回答】 2点おっしゃられたと思います。研究と処分を明確に区別、わざわざとおっしゃっている。本当にわざわざと思うのです。それはわざわざ鮮明にさせたのだと思うのです。研究がなし崩し的に処分場に行くのでないかというその不安をお持ちだから……。研究所の計画が、それが処分場に行く、これは今現在も皆さんのお持ちになっている不安だとか疑問だと思うのです。ですから、したがって、その前段である研究そのものも進行していかないという一つの反省があって、政策的な裏づけは、研究は研究、処分は処分ということで、それでこういった形で改めてその見解が示されたのだというふうに思っております。 【天塩町 オカダ】 研究する施設の計画なのです。いいですか。この計画と処分場の計画、これが区別しなければだめだと言っているだけなのです。計画なのです。その研究する施設と処分する施設は区分せと書いてあるのならいいのです。そうではないのです。この計画は明確に区別しとわざわざ言っているのが不思議でしようないのです。こんな変な言葉ってないのです。 【道からの回答】 私は、何というのですか、マスタープランならマスタープランありますよね。そのときから区別するというふうな意味で、だから研究の計画という計画の言葉だけとらまえると、計画があって、そしてその計画が承認されたから計画にのっとった事業が始まっていくわけですから、だから計画倒れだけで区別しているという、そのようなニュアンスには私はとっていなかったのですが。 【天塩町 オカダ】 これは私が持っている書類、あなた方からもらった書類だけれども、本施設の計画はと書いてあるのです。処分場の計画とと書いてあるのです。計画なのです、あくまでも。この本施設の研究が処分場の研究に使われるというようなことは大いにつながっていていいのです。だけれども、わざわざそれを、計画だけが処分場の計画と本施設の計画と、計画だけを別にした。そして一般的には処分場と研究施設は別なのだという感じを持たせようとしている意図がここある。それにまんまと乗っているようなふりをわざわざされるというところが不思議だというのです。 【道からの回答】 今私どもはいろいろな角度でその考え方というのをつくってきましたけれども、それは申し入れを受けた計画を受けられるかどうかという部分なのです。だから、ここでいう計画とは合致しているというふうに思うのですが。 それから、もう一つおっしゃいました、これは本当に答えにくい話ですが、道は本当に信頼できているのかという部分です。かつての強行調査だとかあって、それを指導してきた国、あるいは現実に動燃という組織が、今改めて組織が変わったけれども、今こういう計画を持ち込んできて、それに対して道は信頼を持ってやっているのかという、これは非常にお答えにくいです。ただ、道民の皆さんが不信、不安を持っているということは、これは確かですから、ですからそういった気持ちを、納得できるかできないかわかりませんけれども、納得をされるのであれば、道も協定の中に入って、当事者として見詰めていくというふうな考え方でおります。 【科技庁からの回答】 済みません、科学技術庁ですけれども、オカダ様は先ほどからこの計画ということでご指摘ございます。ちょっと私ちょうどそのころに原子力委員会の報告書を作成する場にいなかったので、その当時の雰囲気はわかりませんけれども、少なくともこの深地層の研究施設の計画と、あるいは処分場の計画としておりますのは、その段階では少なくとも両方の施設は存在していませんので、我々行政文書をつくる場合に、存在していないものを指して、もうそれがあたかも存在しているような、そういう記述はできないということから、これは研究施設の計画、それから処分場の計画というふうに記載しておりますけれども、意味するところは、あくまでもこれは処分研究施設と処分場とは異なると。明確に区別をして進めるという趣旨でございます。 【天塩町 オカダ】 お言葉ですけれども、科学技術庁というのは役所です。国の制度の中の役所ですよ。そこが文章の理解をあいまいにしたり、変なふうにとったりなんかできないのです。文章どおりにしかとれないのです。私は今あなたの話を聞いていて、池田さんの話を持ち出すのは悪いけれども、科学技術庁というのはどうしてそういうふうに、きちっとこの文章どおり理解できないのかと。理解しておらぬのだろうなくらいの程度で我々になぜそんな話をするのかと。私は大工の端くれですけれども、物事を設計するときに、あっちもこっちも一緒に設計するばかないのです。研究施設と処分場の施設と、これは全く別です。住宅と物置の設計を一緒にせというのと同じです。それは別なものです、頭から。それをわざわざここに、明確に区別して進めるものとしと書いておいて、そして処分場と研究施設は別なのだからという感じを国民に与えようとしている。そういう使い方をしているでしょう。違ったら、これは一つあなたと私の宿題にしましょう。20年待ちましょう。私は20年信頼しないから。以上。 【天塩町 ハシズメ】 天塩町のハシヅメと申します。どうぞよろしくお願いします。今日いただきましたこの資料についてちょっとお聞きしたいのですが、この資料でもって、資料の7ページですが、貯蔵という中でもって、冷却のため30年から50年間貯蔵というふうに書かれております。先日毎日新聞に発表になったのですが、あれは原子力科学者の研究として、この貯蔵期間は100年が必要だと。いろいろ理由も書かれておりましたが、私の記憶に間違いなければ、意見を求められた科学技術庁は明確にこれを否定していなかったように思うのです。私ども、このたびの計画につきまして地域の活性化のためにと願うのは、皆さんから安全だ、大丈夫だよと聞かされてきているからなのです。30年と100年というのは余りにも違うと思うのですが、この辺でひとつお聞きしたいと思うのです。それからもう一点、5ページにあります高レベル放射能の関係なのですが、急激に減少するというふうに書いてありますが、この急激にというのは何年くらいをいうのですか。何千年かと思うのですけれども、この二つについてお願いいたします。 【科技庁からの回答】 まず最初のご質問でございます。これは8月4日付の毎日新聞の、全国版ですと1面に記載されておりました。現在こういった、タカギジンザブロウさん等が指摘されましたけれども、高レベルの廃棄物は100年間保管が必要ではないかというご指摘でありました。これにつきましては、実際サイクル機構に対しましても毎日新聞から取材があって、サイクル機構からも技術資料等を公開したというふうには聞いておりますけれども、そもそもこの記事の趣旨としまして、これが30年間では、地層処分が可能であると説明していたサイクル機構の説明がおかしいのではないかということを指摘していたわけですけれども、ただし、実際新聞記事にありましたタカギさんが計算した計算の根拠、これがいまひとつ、今確認中でありまして、正確にどういった事実に基づいて計算したかということが今はっきりわかっていません。そういう意味で、これがどういう根拠でなされたものであって、それがどう違うのかということについては、まだ正確にこれをお答えすることはできませんけれども、少なくとも現在我が国におきまして実際の地層処分の対象となりますのは、ガラス固化体として、これは4種類今想定されています。それはイギリスとフランスの仕様、それからサイクル機構、それから日本原燃の仕様と。これらは放射能の量に差がありまして、タカギ氏が指摘していましたのは、現在六ケ所村にあるガラス固化体について独自の、根拠ははっきりわかりませんけれども、それに基づいて指摘をしておりますけれども、核燃料サイクル機構が第2次取りまとめで発表していましたのは、大体その大部分、およそ8割以上9割ぐらいを占めると考えております日本原燃の仕様のガラス固化体について検討して記載したものであります。したがいまして、当然今あります六ケ所村のガラス固化体について、実際に地層処分するに当たりましては、当然のことながらそれに対しまして正確な計算と検討が必要であるというふうに思いますが、いずれにしましても、このタカギさんの計算の根拠がはっきりわかりませんので、これ以上のコメントというのはできないと思います。それから、私が説明しました図、右下に5と書いた図の当初放射能が急激に減少するという図であります。確かにちょっとこの図、スケールが1万年と5,000年としか書いていなくて、最初はかなり急激に、具体的に申し上げると、大体1,000分の1から1万分の1程度に減衰をしている時間、これが何年かと。ちょっと私は正確にこれが何年かという、この図からは、これは対数グラフなのではっきり言えませんけれども、恐らく数百年間と。数百年のうちにこれは大体1,000分の1程度まで減衰をするというご理解をいただければと思います。 【サイクル機構からの回答】 今の質問ですが、例の冷却期間について、2000年レポートを取りまとめた一人としてお話したいと思います。これは、7月に、タカギジンザブロウさんの主催しています原子力情報室が、私どもが昨年11月に国に提出しました第2次レポートの中の内容について、特に我が国における地層処分の技術的信頼性云々というところの中で、廃棄体の熱解析についての一つの解釈といいますか、それについての新聞取材というか、ありました。本件については、具体的に廃棄物の熱の条件と、それから岩盤に熱が移動してきますので、そういう熱解析に使ったデータとどういうモデルを想定して計算されたか、その詳細が我々まだ入手しておりません。これは大事な問題ですので、タカギ先生の方に解析条件といろんな使ったパラメーターについてしっかり教えていただいて、私たちもそれに基づいて公式に文書でお答えしようと思っています。基本的には、タカギ先生が使われたやつは、フランスから返還廃棄体の廃棄物を使っているというのはわかっています。それから、解析については、我々の基本方針は、ガラス固化体を埋設する深度、それからその固化体の配置によって我が国の岩盤においても十分熱の影響を受けずに、特に緩衝材の健全性が損なわれなく十分機能するということが基本スタンスで、いろんな事例研究、極端な例も含めていろんな検討をしているということは事実です。したがいまして、タカギ先生の方から具体的な解析に基づいたデータと、数学的なモデルなのですが、それをお聞きして、きちっと文書でお答えするというのが今の現在の視点です。 【天塩町 ワタナベ】 天塩町のワタナベです。道の方にご質問いたします。私たち道北住民は、今幌延でやろうとしている深地層の研究所に核廃棄物を持ち込ませないということではないのです。そういった施設を受け入れることによって将来中間貯蔵あるいは最終処分につながるのではないか、こういう疑念をぬぐい切れないでいるのです。ですから、ここで道の基本的な考え方の担保措置についてお伺いをいたします。道では、その担保措置の方法として条例とか協定という、先ほどもご説明ありましたけれども、こういったものを挙げておられます。しかし、条例に関しても、条例自体は法律をしのぐことはできません。法律を抑えることはできません。法律の上に行くことはできません。したがいまして、ないよりはあった方がいいのでしょうけれども、条例そのものでは法的にはどうにもならないという部分、これは特にご存じのことと思います。さらに協定を挙げております。本来協定というのはお互いの信頼関係の上に成り立つものなのです。この信頼関係が果たして国、核燃とずっと持続できるのかどうか。今までの経緯を見ますと、動燃時代に、また科学技術庁は、原子力は人間が安全に管理をすればこれほど安全なエネルギーはないと言っていました。しかし、国内でも現に核関連の事故は起きています。死亡事故が起きています。それは想定のできない突発的な事故ではありません。基本的なマニュアルを守れなかったがゆえの事故なのです。そういった人間が安全に管理をすればといいながら、基本的なことができない状況の中で協定を結んでも、それは単に結んだだけです。そういった観点からいいますと、先ほどありましたけれども、担保措置、これはもっとわかりやすく言いますと、基本的にはこういうことなのです。参事もおられますし主査もおられますけれども、道庁の地下に最終処分場ができたとします。することになったとします。そうなっても幌延で深地層の研究をしますか。それは筋が通りません。それは決まった道庁の地下の地層を研究するなり調査をするのが筋というものです。そう考えると、幌延で一切中間も最終処分にもならないといいながら、将来的にはそういった可能性が非常に高いということを我々は心配しているのです。ですから、道が国に対してなさるものは、担保措置の最大は、結局これを受け入れないことが最も大きな担保措置なのですけれども、いろんなものがあるとすれば、少なくとも北海道を中間貯蔵、最終処分地から除外するくらいの意気込みで国に交渉してください。最後に道の方にお伺いしたいのですけれども、この道民の意見を聴く会、今皆さんからいろんな意見が出されました。こういった意見を、一つはどうやって知事判断の材料にするのか、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。それと、最終処分地にならないためには除外というものが最も有効な担保、さらに大きい担保としては、こういったものを北海道に受け入れないのが最大の担保と考えますけれども、この辺もあわせてどうお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。 【道からの回答】 おっしゃったように、条例が法律を超えることはないというのは、これは私ども承知しています。憲法だとか地方自治法の中で自治体が条例をつくるということは約束されていますけれども、それが国の法律に逆らって、あるいは上回ってという部分は、これはその部分においては力を発揮できないのだなというふうに思います。おっしゃるとおり、だから条例で法律は対抗できないのでしょうけれども、条例というのも自治体の一つの考え方ですし、住民の意見を反映しているということからいけば、分権時代、地方がそういう意思を出しているもとで、国が強行して、それを乗り越えて、自治体がつくった条例なりそういったものを乗り越えて国がやるということは私はできないのでないかなというふうに思っています。甘いと言われればそうかもしれません。しかしながら、いつか、この間もどこかでちょっとお話しましたけれども、そもそも、かつてから貯蔵工学センター計画があって、それで道民の世論というのは長い歴史の中で白紙化まで持ってきた。これはご存じのように、道が進めている、例えば時のアセスメントだとか、今国全体が公共事業の見直しをしておりますけれども、一つの国の政策転換がこの時点であったのだというふうに思います。今新たに核抜きの研究所という計画が提案されてきたと。しかし、それを一たん飲み込んだら、後でそれがどこにやるということであれば、これまでの経過というのも何だったのかと。これは道民なり北海道という組織を冒とくするものになるのだと私は思うわけです。したがって、まさしく先ほどおっしゃいましたように、今のサイクル機構、国の見解を全くそのまま信じることができれば何の担保も要らないのです。ですけれども、そうはすんなりと理解していただけない状態があるということから担保ということを言っているのです。そこのところをご理解していただければと思います。協定そのものは信頼があってこそと、これは本当にもちろんのことですけれども、これまた正面にいらっしゃって申しわけないのですが、法律によって今組織があるのです。サイクル機構というのは法律によって、国が関与した組織だったわけです。かつてはかつてかもしれませんけれども、それは今そういったような新生というか、新しい組織として生まれかわった組織は、これは従前の轍というのは踏まないということは、そういう認識というのはおのずからお持ちでしょうし、そういったところと私どもが協定を結んで、あるいは周辺の自治体の方々も、ここのところはまだいまいち信じられないというのであればその協定の中へ入っていただく。あるいは協定に入らなくても、その施設をウオッチングしてもらって、いささかもそういう不安のないような状態というのはつくり出すことは僕は可能だと思います。そこのところはもう少し、失地挽回のチャンスを与えていただければと思います。それから、将来のことを、いわゆる法律に基づく処分場にしないという担保を国からとってこいということですが、先ほどもお話したように、国の見解というものは出ていますけれども、北海道なり青森、岐阜なり、これは特別な歴史のあった県だということで、それは国の見解としては出してくれていますけれども、国の立場として、どこを聖域として手つかずの地にするということは、私はそれは言えないのだろうと思うのです。ですから、聞いても言わない。むしろ聞いて言わないことが明らかになったら余計疑念が募るのではないか、そういう心配もします。これは本当の生の事実として私話ししております。しかしながら、国会で大臣がした答弁は、これは私たちは大きな担保の一つだというふうに思っております。それから、知事判断をどうやってやるのだと。こうやってご意見を聞きながらどうそれが反映されていくのだということですけれども、いただいた意見は、それはこういうふうな形で活字だけでなくて、こういう今のやりとり全部テープおこしします。テープおこしして、質疑のやりとり、皆さんのお怒りの言葉、それぞれみんなテープおこしして、それを一字一句書類にして議会にお配りして、知事に報告して、そしてその中から皆さんの臨場感みたいなものもつかんでいただかなければならぬと思いますし、判断の前に議会の議論で相当議論されて、その議論の一番の源になるのが、こうやっていただいた意見が根っこになっていくのだというふうに思います。どこかでまた聞かれました、知事判断は何をもってそれでイエスとするかノーとするかということ。それは、こうしたいろんな角度でご意見いただいておりますけれども、数値化する、あるいは指数というか、そういうふうな尺度でご意見を、これは評価する、そういう基準というのが本当に難しいと思います。なかなか、何名の方が反対だったから賛成だったからと、そういうことでもないのです。言っておられる不安だとか心配が本当に確かなものなのか。そして今考えていることが、その不安や懸念が払拭できるような状態になっているかどうか、そういったところが本当に一番大事なところだと思うのです。そこのところで議会も、私たちが今担保措置として考えているそのハードルがまだ低過ぎるとおっしゃるか、いや、もうこれぐらいでいいとおっしゃるか、何ぼそんなことを考えてもやっぱりだめだとおっしゃるか、これはこれからの議論をお待ちするしかないのでないかなと思っております。 【科技庁からの回答】 科学技術庁ですけれども、1点補足したいと思います。繰り返しになりますけれども、繰り返しになるのと、法律の話、先ほど条例が法律を超えることができないというご指摘に対するこれは私の回答といいますか、この法律の所管ではないので、あくまでも事実としてお伝えするだけですけれども、確かにおっしゃるように、条例は法律の範囲内でしか制定できません。したがって、仮にこの法律の中で通産大臣がこの概要調査地区等の所在地を定めることができるとされておれば、幾ら条例等で地方自治体が反対をしても、これは最終的には通産大臣の権限になります。しかしながら、この法律においては、当該都道府県知事及び市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重してしなければならないという条文になっておりまして、これに対する通産大臣の国会での答弁、つまりこれは法律の解釈であります。ここでは、この地区を管轄する都道府県知事及び市町村長の意に反して概要調査地区等の選定を行うということはないものと考えております、こう答えています。したがいまして、これはあくまでも、この法律で言っているのは、この調査地区を定めるための手続を定めておりますので……。この法律の条文についてのお答えは私できませんけれども、少なくともこの解釈として国会の場でこれは報告されておりますように、当該市町村長等の意に反して選定を行うことはないと。それから、あくまでもこれは選定を行う際に、この選定を行う前に当該市町村長等の意見を聞きますので、これは……。 【稚内市 アズマ】 稚内のアズマといいます。稚内でも質問したのですが、非常に不親切な回答しかいただけなかったものですから、今日で天塩は最後ですから、私の方も天塩まで来て質問させていただくのですが、これまで道の方はずっと、知事がどういう判断をするのかということを先ほど何回も聞かれていて、それに対して明確な回答がない。数値化できないと言っているのですけれども、要するに今までのこういう道民の意見を聴く会で、極めて制限された範囲内でのこういう中でも半数以上の人が反対の意見を述べているはずなのです、私の聞いている範囲では。これだけの反対をしている、しかもこれはごく一部の、ほんの一部の人しか発言する機会を与えられていないと。そういう中でも半数の人が反対をしている、この周辺全体で。そういう中で道が、私の聞くところによりますと、この間は、それは議会が決めることだと簡単に退けられたのですが、9月議会あたりにもう知事判断を示してしまいそうだと、そういうことをうわさとしては聞いているわけです。ですから私たちは大変心配をして皆さん、道の方に、どうなっているのだ、知事はどう判断するのだということを心から聞いているわけです。それに対して、知事は数値化できないとかごちゃごちゃ言っている間にもう1カ月、2カ月たってしまうわけですから。その間に判断を下されるということを私たちは心配をしていて、それが道の不親切だと言っているのです。だから、道が本当に住民と向き合って、住民と、先ほど言ったように、何の不安感もないようにしたいと言っているのであれば、少なくとも道は、こういう意見を聴く会で聞いたことを持ち帰って改めて全部整理をすると言っていましたから、整理をして、それを全部道民の前に明らかにして、それからさらに広く住民の不安について、賛成の意見について聞くべきではないですか。そのことだけお聞きしたいと思います。 【豊富町 スガワラ】 私は、豊富のスガワラでございます。特に隣接でございますので、一言お話しさせてください。いろいろ、今日で最後でございますけれども、私は一つ提案というような形で皆さんお聞き願いたいと思いますけれども、これは何といっても現状においては、幌延は頂戴と言っていますけれども、岐阜と幌延、そしてさらにこういった道の進め方等も聞きながら考えるのですけれども、深地層研究所はもとより最終処分地においても、全国どこでも今後手を挙げるところはあるだろうかということを私は考えるわけです。一つ考えられることは、これは漫談になるかもしれませんけれども、こんな酪農のど真ん中で、人口が薄いといいながらも、周辺全部酪農です。そういう中で、しかも地下水の多いところ、核燃さんは水が出るからいいとか、堆積がどうのと言っていますけれども、私らはあの堆積はピスケットバラスと言っているのです。そして断層もあると。そういう中で試験をするよりも、人里離れたアルプス山中とか、または黒部ダムの秘境の地で、岩石の中で試験をされたらいかがなものでございましょう。そして、最終的にそこもだめだというのであれば、全国どこでもないと思いますよ。まして最終処分なんかは毒素そのものがもろに来るわけですから。そうなるとどうなるかといいますと、それは原発立地地域で、幌延よりもいい地層がどこかにあるはずです。しかも電源三法でがっぽりもうけて地域振興を図って、そして我々のこんな地域で研究するなんてとんでもない話なのです。一言つけ加えておきます。以上でございます。意見は要りません。 【道からの回答】 アズマ様の、知事判断が既に出ようとしているというおっしゃり方だったですけれども、それは私は全く聞いていませんし、それはあり得ないと思います。それは大丈夫です。 【稚内市 アズマ】 そうしたら9月に出ないの。 【道からの回答】 議会が9月にありますから。 【稚内市 アズマ】 出ないということだ。 【道からの回答】 9月の議会で議論されていくと思うのです。だから、そのときに議会の中でどう進展していくのか、これは僕は予測はできないです。 【稚内市 アズマ】 私の不安は、9月にされるかもしれないという不安なので、それは否定できるのね。 【道からの回答】 それはわかりません。ですから、9月に議会が始まりますから、その中の論議でして、その議会は会期10月の中ぐらいまであったと思いますけれども、その中で何か判断するのか、あるいはそれはまた持ち越しになっていくのか、それはわかりません。 【稚内市 アズマ】 10月になっても同じなのだけれども、少なくともそんなに急いで知事が、今まとめたやつを全部出して、それを道民の前に全部明らかにして、それからやるべきでないかというの。 【道からの回答】 それで、おっしゃっていた話ですけれども、整理したものはどう明らかにするのだということですけれども、私ども整理した時点で、前回、今回ですか、支庁やなんか、市町村縦覧したように、最寄りの支庁だとか町村にコンタクトをとっていただければお渡しできるような形でちょっと工夫してみたいと思います。 【稚内市 アズマ】 そんなことできるわけないでしょう。道民何百万もいるのだよ。この問題に対して関心持っていない人なんていないよ。 【道からの回答】 だから、そういうことで、入手できるような形でさせていただきたいと思います。 【稚内市 アズマ】 それで、1カ月や2カ月で判断できるの。道の役人だから聞くのだけれども、あなた方が住民の不安を解消するというとき、その程度の判断でやるわけですか。これだけ、ずっと聞いてきたのでしょう、今まで9カ所。少なくともその聞いた中で半数以上の人は、たったのこれだけの人数、しかも制約されて、7月の末ぐらいまでに文書で、A判1枚に文章を書いて、裏に住所を書いて、返信用のはがきを入れて、そうやって出せというのをわずか1週間か10日ぐらい前に公告出して、それぐらいでやって、その中にやっと応募した人なんだよ、みんな今日意見を言っている人たち。そういう人たちしか発言ができなくて、傍聴に来ている人だってほんの、そういうところにやっと気がついて来ている人たちだけれども、それ以外の人だってみんな心配しているのですよ、これを。だから、もっともっと幅広く意見を聞くというのが道のやることではないのですか、この問題に関して言えば。それが本当に地域住民のためになるかどうか。あなた方は地域振興になるとかということを、なると科学技術庁は、核燃は言っているけれども、地域振興になる保証なんて全くないのです。もしかしたら、私だったら別な方に考えます。こんなものが来たらこんなところに住んでいられないと。半数の人が反対しているのですよ。そういうふうになったらどうするのですか。地域振興になりますか。建物はできるけれども、人は住まなくなりますよ。そういう問題もあるから道はもうちょっと真剣に考えてほしいと言っているのです。 【道からの回答】 確かに今おっしゃったことも私たちはテープおこししてやりますから、例えば各地から出ております住民アンケートをやるべきだとか、もっと時間をかけて幅広くやるべきだ、そういったことも全部漏らさず整理して議会にも知事にも報告させてもらいたいというふうに思っております。
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