「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」に対する対応

 

 

 

 

「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」に対する対応について

 

 

 

1.研究計画に関する基本認識

 

 

 

○ わが国のエネルギー政策では、特定放射性廃棄物の最終処分は地層処分が基本であり、道としては、「特定放射性廃棄物に関する条例」に掲げる通り、その処分方法の試験研究を進める必要があるものと考えている。

 

○ 一方、幌延深地層研究計画については、道民の皆様の間に、最終処分場になるのではないかとの不安や懸念がある中、「三者協定」を担保措置として受け入れたもの。

 

○ 道としては、幌延深地層研究計画は、「三者協定」に則って進められなければならないと考えており、「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」に関する申し入れも、「三者協定」に則ったものであることが大前提である。

 

 

 

 

2.申し入れ内容の精査-確認会議

 

○ 道と幌延町は、申し入れのあった「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」に関し、5回にわたり確認会議を開催し、専門有識者からの助言を受けながら、道民の皆様からの質問も含め、必要性、妥当性、三者協定との整合性の観点から精査を行った。

 

○ その中で、

 

・ 「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」は三者協定に基づく計画変更の対象となること          

 

・ 研究は概ね順調に進められてきたものの、一部研究に遅れがあったことなどにより成果を得るため

 

 には、 継続して実施する研究があること

 

・ 令和2年度以降の研究は第3期及び第4期中長期目標期間の9年間を通じて技術基盤の整備の完了

 

 が確認されるよう進め、確認されれば研究は終了し、研究終了後は埋め戻すこと   

 

・ 三者協定の関係条項と整合しており日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構) は、協定遵守の意思があることなどを確認した。

 

○ この結果、「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」には、三者協定に反するものはないことを確認した。

 

 

 

3.道民の声等と対応

 

(1)道民の声

 

○ 道では、確認会議を開催するにあたって道民の皆様からのご質問を募集するとともに、確認会議後の説明会やメール等を通じて、ご意見をいただいたところ。

 

○ 主なものとしては、研究を推進すべきとのご意見があった一方、

 

・ 当初計画の研究期間20年程度を無視しており認めることができない

 

・ 再延長を認めると自動延長になる可能性があり、最終的には処分場になる可能性がある     

 

・ 終了期限が示されておらず、明らかにすべき

 

・ 研究は順調としながらも突然の延長であり情報提供が不十分(信用できない)

 

などのご意見があったところ。

 

○ また、道議会においては、道民の声をどのように受け止めたのか、当初計画通り20年で終了すべきではないか、道が研究期間を守らせる役割を果たせていないのではないかなどに関する議論があったところ。

 

○ 道としては、この度、申し入れのあった「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」については、確認会議において、期間を20年程度とした当初計画の変更として、三者協定第7条の対象となることを確認したものの、道民の皆様の間には、依然として、なし崩し的に最終処分場になるのではないかとの不安の声があるところであり、こうした声を十分に踏まえていく必要があると考えたところ。

 

 

 

(2)道民の声等への対応

 

○ 道では、確認会議や原子力機構理事長との面談などを通じて、

 

・ 原子力機構は研究計画を進めるにあたって「三者協定」を大前提と認識し、最終処分場にしないことや

  研究終了後は埋め戻すことを研究計画(案)に書き加え改めて提出したこと   

 

・ 令和2年度以降の研究期間は9年間であること

 

・ 原子力機構はその期間を通じて必要な成果を得て研究を終了できるようしっかり取り組むこと

 

・ 原子力機構は研究の実施主体として責任をもってこの計画(案)に即して研究を進めること        

 

・ 原子力機構は今後の工程表を整理し、毎年度の報告などの中で、研究の実施状況を分かりやすく説明  

  すること

 

・ 原子力機構は毎年度の計画及び実績はもとより研究に対する評価などについても、道及び幌延町への

  報告や地域での説明会等で伝えること   

 

などを実施もしくは明確化した。

 

○ これにより、なし崩し的に最終処分場になるのではないかとの不安や懸念が現実のものとなることは防ぐことができると考える。

 

○ しかしながら、地下施設が存続する間は、こうした不安や懸念を完全に解消することは困難であるため、研究が「三者協定」に則り計画に即して進んでいるのか、適切に確認していくことが必要である。

 

 

 

4.幌延町の意向

 

○ 幌延町長は、12月9日の幌延町議会定例会で、研究計画案について、熟慮を重ねた結果、幌延町として、三者協定の遵守を前提に、受け入れることを表明した。

 

 

 

5.道としての判断

 

○ 以上のことを踏まえ、「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」は、三者協定に則っており、9年間の研究期間で必要な成果を得て研究を終了するものと受け止め、これを受け入れることとする。

 

○ 合わせて、原子力機構に対し、研究の実施状況をはじめ、道民の不安や懸念の解消に向けた積極的な情

  報の公開と発信を求めるとともに、毎年度「三者協定」に基づく「確認会議」を開催し、専門有識者を加えて、

  年度ごとの計画や実績はもとより、外部評価も含め研究が「三者協定」に則り計画に即して進められているの  

 か確認し、その結果を公表していくことにより、不安や懸念をできる限り小さくしていけるよう取り組むこととす 

 る。   

 

 

 

 

 

「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」に対する対応について

 

 

 

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    北海道 経済部 環境・エネルギー局 環境・エネルギー課 調整係

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    メールアドレス:keizai.kanene1@pref.hokkaido.lg.jp

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