行政による職業紹介業務の変遷

 

 

行政による職業紹介業務の変遷


 

 

行政による職業紹介業務の変遷
    ~職安(赤沢)文庫と呼ばれる資料を中心として~

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 大正時代後半、労働行政は、公的立場での職業紹介業務にはじめて着手します。当時の行政機関としては、大正10年「職業紹介法」制定による市町村営職業紹介所の設置に始まり、大正12年の職業紹介事務局の設置、昭和13年の職業紹介所の国営化、昭和16年に国民職業指導所への改称、そして、昭和22年には公共職業安定所に組織を変更します。
 この間、旭川職業紹介所長など雇用行政の実務に長年携わった赤澤滋雄氏は、当時の労働関係法令、労働調査結果、就職斡旋、職業補導(現在の「職業訓練」)、出稼漁夫などに関する資料・出版物を将来の職業安定行政に役立つことを願って収集・編さんし、妻「ふるの」氏の協力のもと大切に保管しました。
 この努力の結果、保管された資料は、赤澤氏亡きあと、昭和29年『北海道職業行政史(道職業安定課編)』の発行時に大いに活用されたりします。
 戦争を含む激動の80有余年間、いつも消滅の危機にさらされながらも北海道で唯一まとまった形で保存されてきた雇用関係の資料であり、また、職業安定施策の研究にも貴重な原(1次)資料群です。
 
  職安(赤澤)文庫関係の図書・資料(主なものを参考掲示:順不同)
図書・資料名 作成者 作成年
1 屯田兵員及家族教令(明31) 北海道庁 1898
2 製糸女工に関する調査資料 中央職業紹介事務局[ほか] 1919-1925
3 失業保護に関する施設要綱 内務省地方局 1920
4 欧米に於ける職業紹介事業 永井 亨 1922
5 職業紹介事業年報 東京地方職業紹介事務局 1923
6 地方移動交換部関係資料(大13) 東京地方職業紹介事務局 1924
7 出稼漁夫関係資料 青森地方職業紹介事務局[ほか] 1924-1930
8 小樽に於ける木材積取事業労働者供給に関する事情(昭2) 小樽積取下宿業組合連合會 1927
9 北海道の労働異動を顧みて 東京地方職業紹介事務局 1927
10 労働移動協会趣意書(昭3) 労働移動協會 1928
11 職業紹介要綱 東京地方職業紹介事務局 1928
12 女子労働者関係資料(昭3) 中央職業紹介事務局[ほか] 1928
13 露領出稼漁夫関係資料 函館水上警察署他 1929-1931
14 失業救済及び失業応急事業関係資料 青森地方職業紹介事務局[ほか] 1930-1935
15戦時労務関係資料 北海道庁,中央職業紹介事務局 1931-1945
16 監獄部屋廃止論(昭6) 北海道庁学務部社会課 1931
17 有料職業紹介所の廃止 社会局社会部 1932
18 土工夫に関する調査第2集 :北海道土工夫の移動紹介状況調査 青森地方職業紹介事務局 1933
19 徒弟制度崩壊期と少年労働(昭8) 不明 1933
20 出稼ぎ労働者保護組合関係資料 北海道庁 1935
21 昭和七年中に於ける道府県外出稼者に関する調査概要 中央職業紹介事務局 1935
22 職業紹介法律関係法令通牒 社会局社会部 1936
23 北海道土工植民協会事業概要 北海道土工植民協会 1936
24 旭川労和会関係資料(昭12) 旭川労和会 1937
25 北洋木材積取労働事情 小樽市労働職業紹介所 1937
26 北千島漁業並其労働事情論 北海道庁 1938
27 道内職業紹介所関係資料(昭14) 旭川職業紹介所[ほか] 1939
28 昭和15年の本道における職業及び労務事情 不明 1940
29 国民職業指導所関係資料 北海道庁,江差国民職業指導所 1941-1943
30 失業対策月報 昭和24~26年度版 北海道失業対策本部事務局・北海道労働部職業安定課 1949-1951
31 本道に於ける小売業は如何に整備されるか:北海道小売業整備要綱の解説 旭川商工組合協会  1942
32 職業安定行政手引 第4~8分冊 労働省職業安定局 19??-1953
33 職業補導事業概要 (昭28) 北海道労働部 1953
34 北海道の社会保障の現状(昭28) 北海道總合開發委員会事務局 1953
35 炭坑の生活史 資料集第1集(昭29):友子制度のうつりかわり 三菱美唄炭鉱文学会  1954
36 職業安定(昭 29年2月~12月)
(昭31年10月~33年1月)
北海道労働部職業安定課  1954
1958
【所蔵経過】北海道総合企画部経済企画室から当センターへ所管替え
 
 

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