調査目的
農業農村整備事業は、土地改良法の改正(2001)を踏まえ、環境との調和に配慮した、自然と共生する「田園環境創造型」に転換することになりました。
「田んぼの生き物調査」は、上記を踏まえ平成13年度から全国の水田周辺水域等(農業水路と一部ため池)の生態系の現状を把握することを目的に、農林水産省と環境省が連携して行っている生物生息調査です。
農林水産省と環境省との連携
- 環境省から、調査分析手法への助言・提案等
- 環境省の自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)との情報交換(補完)
北海道における調査対象と調査箇所数
調査対象生物
魚、カエル
調査地区数
20地区
魚調査地点数
124地点
カエル調査地点数
22地点
北海道における調査機関
実施機関(基幹調査*、一般調査**を実施)
北海道開発局*
札幌、旭川、函館、釧路、小樽開発建設部・事務所・事業所
北海道**
道庁農村計画課、空知、上川、後志支庁
土地改良区**
雨竜、富良野、共和土地改良区
*・・・基幹調査:北海道開発局が実施する定置網・カゴ網・タモ網を利用した調査
**・・・一般調査:北海道・土地改良区が実施するカゴ網・タモ網を利用した調査
協力機関
市町村
美唄市、厚真町、今金町、共和町
土地改良区
神竜、当別、沼田、多度志、北海、東和、てしおがわ、狩場利別、厚真、下川、共和土地改良区
小学校
深川市:納内、多度志小学校
美唄市:南美唄小学校
今金町:金原、神丘小学校
厚真町:軽舞、富野、厚真中央、上厚真小学校
標茶町:虹別、沼幌小学校
東川町:東川小学校
共和町:西陵、北進小学校
調査機関
平成17年7月上旬~8月下旬
調査結果の概要
全体の概要
全体124地点で魚類調査をした結果、100地点(約81%)で何らかの種が採捕されました。
採捕された魚
9科26種
採捕されたカエル
2科3種
採捕された上位5種(かっこ内は、採捕地点数を示しています)
魚:フクドジョウ(46)、ドジョウ(40)、イバラトミヨ(31)、ウグイ(23)、エゾウグイ(9)、ヤマメ(9)
カエル:ニホンアマガエル(20)、エゾアカガエル(2)、ツチガエル(2)
希少種(環境省のレッドリストに挙げられている種)
魚
5種
カエル
なし
外来種(ここでは、外国から移入してきた種のことを指します)
魚
2種:タイリクバラタナゴ(6)、ニジマス(2)
カエル
なし
今後の展開方向
- 本年度以降も環境省との連携を図り、継続的に生物調査を実施します
- この調査結果をもとに、水田周辺水域等の魚類やカエルを主体とした生物生息状況や環境条件を明らかにして、生物保全のためのより良い施設整備のあり方について検討を行います
- 地域の方々が実施する生態系保全、環境教育等の地域活動などとの連携をさらに進めます