北海道の果樹生産
北海道の果樹栽培については、江戸時代の享保年間(1716~1736)に、市渡村(現在の北斗市)に「なし」が植えられていたという記録が残っています。
その後、明治元年(1868年)にはプロシア(現ドイツ)の商人 ラインハルト・ガルトネルが、現在の亀田郡七飯町に農場を開き、りんご、ぶどう、なしなどを植え付けました。
本格的な果樹栽培の導入は、明治6年(1873年)、北海道開拓使がアメリカ合衆国から各種の果樹を導入して普及奨励に努めたことに始まります。
現在、全道各地では、「りんご」や「ぶどう」、「さくらんぼ(おうとう)」、「すもも」をはじめとした様々な種類の果樹や、ハスカップ、ブルーベリー、アロニア、シーベリーなどの小果樹も栽培されており、冷涼な気候のもとで栽培されているため、道産の果樹は『農薬の使用量が少ない』、『果実の色が鮮やか』という特徴があり、果樹生産者のなかには、観光農園としてもぎ取りや直販・直売などの取組も増えてきています。
また、近年、道内ではワイナリーの設立が増え、令和6年(2024年)11月現在では71箇所となって、10年前の約3倍に増加しており、平成30年(2018年)6月にはワインにおける地理的表示制度(GI)での国内2例目として「北海道」が指定され、令和2年(2020年)には北海道のぶどう品種「山幸(Yamasachi)」が「国際ブドウ・ワイン機構」(OIV)の品種リストに登録、さらに国内外のワインコンクールで受賞されるワイナリーが誕生するなか、道内では「ぶどう」の加工専用品種等の「加工仕向量」は、平成10年(1998年)から減少傾向にあったものの、近年では増加に転じるとともに、加工専用品種等の作付面積は、道産ブドウ全体の約5割(道農政部調べ(R4)、面積は栽培面積)を占めるようになってきています。
赤ワイン用品種の栽培面積は、これまで「ツバイゲルト」が40ha程度の推移で最も多かったのですが、近年「ピノ・ノワール」への注目が高まって令和元年以降で最も多くなってきており、「国際ブドウ・ワイン機構」(OIV)に日本品種3番目として品種登録された「山幸」も道東地域で増加しています。白ワイン用品種の栽培面積は「ケルナー」が最も多く50ha前後で推移しており、「シャルドネ」は増加傾向となっています。
道内各地の果樹園やワイナリーを訪れていただき、旬な果実や北海道産ワインなどの美味しい味覚をお楽しみください。
道内の果樹生産地のご紹介や「ほっかいどう くだものマップ(H23版)」、「くだものカレンダー(北海道果樹協会作成)」はこちらから