大地を潤す北海道の畑地かんがい
私たちの家庭にはいろいろな植木鉢があり、美しい花々や緑を楽しんでいます。
その植木鉢は植木が枯れないように、いつも注意し、土が乾いてきたら水を与えます。
それと同じように、畑の農作物が健康にすくすくと育つように、水を必要としているときは、必要なだけ与える必要があります。これを『畑地かんがい』と言います。
畑地かんがいは、貯水池に貯えた農業用水を農作物が水を必要としているときに必要な分だけ、農地に散水するシステムです。
このことにより、農作物の収量アップと高品質生産を目指しています。
作物に水を与える畑地かんがい
さまざまな水の使い方と散水の方法
畑地かんがいでは、水分補給のほかにも、さまざまな目的に応じていろいろな使い方がされています。
また、かんがいの目的や農地の状況等に応じた散水方法を取り入れております。
スプリンクラー
作物が順調に育つように、また、日照りで水不足にならないように必要な水分を補給します。
スプリンクラーによる散水は畑地かんがいの一般的な散水方式です。
水圧を利用して噴出させ降雨状に散水します。果樹園などでは施設を固定していますが、畑では一作ごとにパイプを設置する方法が採られています。
作物の種類によりスプリンクラーヘッドを替えて水滴の大きさの調整ができます。
リールマシン
散水機であるリールマシンは、ホース巻き取り用の大型リールとスプリンクラーを取り付けた台車で構成されています。
リールが自動的にホースを巻き取りながら台車が移動して散水する構造となっています。
たいらで大きな畑に適していて、省力的です。
施設作物用水
ハウスの中では、雨水による水分補給が困難なので、かんがい施設を設置しています。
スプリンクラーや多孔管方式などの散水方式があります。最近は、全自動の散水施設もあり、無人操作であることから省力機械として注目されています。
肥培かんがい
肥料成分のある牛のふん尿などを水に混ぜて散布する方式です。
化学肥料の節減になり、資源の循環や省力等に役立ちます。
現在は主に牧草に散布されています。
[リールマシンによる肥培かんがいの散布状況]
防除用水
病害虫の防止に農薬を散布する場合、かんがい施設を利用して、水に混ぜて薬液を散布する方式です。
水の少ない地域では防除用水を遠くから運んでこなければなりませんが、かんがい施設を整備し、その水を利用することで、省力化になります。