Q21
Q21 農業全体が有機農業になるべきなのですか?
環境の世紀と言われる今、環境と調和した農業生産の推進は世界の趨勢となり、諸外国では有機農業など環境に優しい農業に積極的に取り組んでいます。我が国の農業も、環境と調和しながら持続的に発展してゆくためには、農業全体が環境保全を重視したものに転換していかなければなりません。
また、農産物に対する国民の多様なニーズに応えるためには、多様な農業の形態が必要で、生産性や経済性を重視する農業や、慣行栽培並みの生産性を維持しつつ農薬・化学肥料の節減を進めるクリーン農業のほかに、農薬・化学肥料を原則的に使用しない有機農業も必要です。特に、農業全体が環境保全を重視した持続性の高いものに転換してゆくためには、農業の自然循環機能の維持増進や環境負荷の軽減に努めることを生産の原則とする有機農業の比率を高めることが求められます。
現状では、有機農業は生産技術や農業経営の面で様々な課題を抱えており、取り組んでいる農家は少数です(H26:全道で726戸、販売農家戸数の1.6%)。当面、有機農業を本道農業の中の一農法として確立させ、環境保全型農業の先導役とすることが必要です。