乳牛改良
乳牛改良は、泌乳能力などの乳用牛の能力や体型を改善することにより、酪農生産基盤の維持・強化並びに生乳の安定供給を図るために重要なツールです。
北海道の生乳生産は、全国の生産量の50%以上を占めており、国内の生乳供給に大きな役割を担うとともに、全国の牛群検定加入頭数及び後代検定 の実施頭数の大半を占め、国内の乳牛改良においても中心的な役割を果たしています。
しかし、近年では、酪農家戸数の減少に伴う牛群検定加入農家の減少や後代検定実施率の低下、海外の精液の輸入増加など、乳牛改良をめぐる状況が大きく変化しており、一層の基盤強化が求められています。
道では、乳牛改良の土台となる牛群検定の安定的な実施体制の確保に取り組むほか、 北海道乳牛改良委員会 において、後代検定や新たな改良技術の普及推進に取り組んでいます。
1.乳用牛群能力検定事業(牛群検定)
牛群検定とは、地域の酪農家が組織する検定組合に所属する検定員が、検定加入農家が飼養する乳用牛について、個体毎に乳量、乳成分率、体細胞数、繁殖成績などのデータを毎月記録し、収集したデータを専門機関で分析した後「検定成績表」として酪農家へフィードバックするシステムです。
各酪農家は、出荷乳の品質管理や飼養管理、繁殖管理、経営内の牛群の改良(雌牛の選抜・淘汰)など、様々な要素から経営改善に役立てます。
また、後代検定において、種雄牛の遺伝的能力評価にも活用されます。
1 牛群検定加入状況
(1) 推移
(2) 推移(グラフ)
「牛群検定加入状況」についてはオープンデータとして利用することが可能です(CCーBY)。
利用する場合は出所明示を行ってください。
詳しくは北海道オープンデータ利用規約をご確認ください。
2 牛群検定成績表について
(1) 牛群検定成績表の見方
→ 道内 (公社)北海道酪農検定検査協会のページへ
→ 全国 (一社)家畜改良事業団のページへ
(2) 検定成績の最新情報
→ 道内 (公社)北海道酪農検定検査協会のページへ
→ 全国 (一社)家畜改良事業団のページへ
2.乳用種雄牛後代検定事業(後代検定)
後代検定とは、種雄牛の候補となる雄牛(候補種雄牛)の遺伝的能力を、その娘牛(後代検定娘牛)の検定成績などから評価する方法です。このことにより、遺伝的に優れた能力を持つ種雄牛(検定済種雄牛)を計画的に生産することができます。
この検定済種雄牛の精液は、酪農家へ販売され、高能力精液の安定供給につながります。
3.乳牛改良の活用
後代検定で作出された検定済種雄牛の評価成績は、「乳用種雄牛評価成績(通称:赤本 発行:(一社)家畜改良事業団)や「乳用牛評価報告(発行:(独)家畜改良センター)」に掲載されます。
雌牛と交配する際は、雄牛の総合的な能力の評価値(総合指数(NTP))や近交係数、各形質の特徴を確認し、酪農家それぞれの牛群管理方法や経営目標に合う雄牛を選ぶことが大切です。
獣医師や家畜人工授精師へ交配相談をする他、交配相談システムなどを活用して優良な雌牛をのこしていくことをおすすめします。
・参考資料「優良な雌牛をのこしませんか?」
表 ↓ クリックして拡大 ↓
裏 ↓ クリックして拡大 ↓
4.北海道乳牛改良委員会
平成22年3月、道内の酪農関係団体14団体が「北海道乳牛改良委員会」を設立し、牛群検定や後代検定などの乳牛改良に関する理解醸成の取組のほか、農林水産省などに対し、乳牛改良に係る政策提案を行っています。
2 理解醸成資料
(1) 乳牛改良と後代検定
(2) ゲノミック評価を活用した改良技術
(3) ゲノミック評価の活用に向けて
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