原子力環境センターの概要
設置年月日 昭和61年4月1日
設置目的 北海道電力株式会社泊発電所周辺の環境放射能の監視、
環境試料中の放射能分析、及び温排水影響調査などの
環境モニタリング、農業・水産の試験研究
所在地 北海道岩内郡共和町宮丘261番地1
職員数 15名
組織 所長、次長(札幌分室長兼務)、次長、総務課(5)、監視課(3)、分析課(4)
業務内容
<環境モニタリング>
1 空間放射線の監視
・安全協定
道並びに泊村、共和町、岩内町、神恵内村(岩宇4町村という)は、泊発電所周辺の地域住民の健康を守り生活環境の保全を図る目的で、昭和61年2月8日、北海道電力(株)と「泊発電所周辺の安全確保及び環境保全に関する協定」(安全協定という)を締結しています。その安全協定に基づき、環境放射線を監視するため、岩宇4町村にモニタリングステーション5局、モニタリングポスト3局及び気象観測局の計9局を設置し、空間ガンマ線の線量率や気象要素等を測定しています。また、これらを補完するため、モニタリングカーを配備して線量率などの移動測定を行っているほか、モニタリングポイント30局で3ヶ月毎の積算線量の測定を行っています。
上記の測定結果は、当センターのほか、後志総合振興局管内市町村役場並びに後志総合振興局に設置している環境放射線データ表示盤やインターネットで見ることができます。
2 環境試料中の放射能分析
発電所周辺でとれるメロン、すいか、生乳などの農畜産物や、ほっけ、たこ、いか等の海産物をはじめ、陸水、陸土、海水、海底土、浮遊じん(大気中のちり)など36種類の環境試料について放射能分析を行い監視しています。
3 温排水影響調査
泊発電所の取放水にともなう温排水の影響を調べるため、調査船を用いて水温、流況、水質などの測定を行っています。
※温排水とは
発電所において、電気をつくるために回したタービンの蒸気は、海水で冷却されます。
冷却後、排出される海水は水温が上昇しているため、温排水と呼びます。
<広報啓発>
広報誌「ほっかいどう原子力環境だより」の発行
環境モニタリングの結果や農業・水産の試験研究成果をお知らせするために、四半期ごとに発行し配布しております。
<農業と水産の研究>
1 農業の研究
地域の特産品であるすいか、メロンの栽培や、新規導入作物の試験などの調査研究を行っています。
また、農作物の栄養障害などに関するビジュアル資料の作成を行っており、これまでに「目でみるすいかの栄養障害(平成9年3月)」、「メロンの栄養障害・病害虫(平成10年3月)」、「目で見るスイートコーンの栄養障害(平成14年3月)」、「岩宇地域のメロン主要害虫診断のための写真集(平成22年1月)」、「園芸用単管パイプハウス施工マニュアル(令和3年3月)」等をとりまとめました。
2 水産の研究
岩宇地区(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)沿岸域における磯焼けの原因解明や海洋観測、ウニ類の生理・生態、海藻や魚類の餌生物など、岩内湾の海洋環境に即した調査研究を行っています。
なかでも、航空写真撮影と潜水調査による磯焼けと海藻の分布調査は、当センターが開所した昭和61年から継続して実施しており、平成11年度には13年間の結果をまとめた研究報告を原子力環境センター試験研究第6号として発行しました。