~ 農政部編 ~
農政部農政課((株)北洋銀行派遣)
主任 板本 進太郎
【採用からの経歴】
- H26.4.1 上川総合振興局産業振興部農務課農政係
- H27.6.1 上川総合振興局産業振興部農務課農業経営係
- H30.4.1 農政部農業経営局農地調整課自作農財産G
- R2.4.1 農政部農政課((株)北洋銀行 派遣)
制度の活用は、いつ頃から考えはじめましたか?
採用前は、農業関係では田植えや稲刈りの体験でしか関わったことがなかったため、採用時に配属された農務課の業務は、農業を理解することからのスタートでした。
初めは作物の名前も分からないなど、右往左往しながら業務に携わっていましたが、1年目から、現場の農業者の方や農業団体の方などと接する機会も多く、早くから農業の課題、重要性・将来性を考え始めることができました。
農政部で働き続けたいと思ったのは、採用から2年目頃です。
制度資金や補助金、担い手対策など農業者の支援に直結する事業を担当したことから農業への理解も深まり、更に専門的な知識を身に付けて、今以上に農業者の方や農業界全体を支援していきたいとの思いが芽生えました。
なぜ、その行政分野を選択したのですか?
一つは自身の将来像です。
採用前は様々な分野を経験し、幅広い知識を持つことで総合力を持ち合わせた職員を目指すつもりでした。
しかし、北海道は多岐に渡る課題があるため、各分野で課題解決の優良事例を作り上げて北海道全体に展開する必要があることから、専門性に特化することが課題解決への近道であると考え、自分自身も一つの分野を選択する決断をしました。
次に人間関係です。
行政分野選択までの5年間だけでも、農業者の方をはじめ、道職員、関係機関の方など多くの方と知り合うことができました。
人と人との繋がりは、一生の財産です。他部局に異動となれば繋がりが薄くなる可能性がありますが、行政分野を選択すれば築いてきた繋がりを十分に活かした仕事ができると考えました。
最後に農業という分野です。
北海道の基幹産業である農業では、生産量が全国1位の作物が多々あり、日本の食糧基地とも呼ばれていることからも、北海道農業の持続的発展は日本経済の発展に波及するものです。
全国有数の農業地帯である北海道において、自分のこれまでの経験や人との繋がりを生かし、農業専門者として関われることに魅力と誇りを感じました。
~地域の方と一緒に取り組んだ「田んぼアート」~
制度の活用を決断した経緯は?不安はなかったですか?
行政分野選択を考え始めた採用2年目の頃から、自らのキャリアアップに向けた選択の一つとして、申告の決断時期を常に検討していました。
分野を絞ることで自らの可能性を潰すのではないか、他にやりたい分野があるのではないか、といったことについて、実に約3年間、他部局の同期や後輩の話を聞いて仕事内容等の情報を集めたり、異動等について上司に相談しながら、将来ビジョンを考えてきました。
これらの悩みや不安の解決はもちろんのこと、検討してきた3年間で新たな農業の可能性や自らの進むべき道を見出せたことから、申告を決断しました。
分野選択後の人事配置や、研修・自己啓発の状況を教えてください。
行政分野選択後の初めての異動先は、株式会社北洋銀行への派遣でした。
一度は民間企業の業務を経験したいと派遣を希望していたところ、北洋銀行と農政部の交流人事の話を頂くことができました。
北洋銀行の農業支援を、道からの派遣者としてサポートするという、農政部ならではの経験をしています。
今後は、専門性を深めながら他部局との交流や農林水産省への派遣、市町村派遣など幅広く経験したいと考えます。
また、農政部では、行政分野を選択していなくとも、農業への理解を深めるために、2週間の農業体験研修や、採用3年目の農政部職員(振興局含む)を対象とした専門人材育成研修があります。
私自身としては、上記のほか、自己研鑽として、先進的な農業者の方の取り組みを勉強するため、書店で農業関係者の書籍を購入したり、セミナーに参加するなど積極的に取り組んでいます。
今後は、経営の相談にも対応できるよう、農業簿記の勉強もしたいと考えています。
制度の活用を迷っている後輩に向けて、メッセージをお願いし
行政分野の選択は、道職員として30年以上働く上での一つの分岐点になると思いますので、一人で考え込まず、同期や先輩、上司に相談して納得のいくまで考えてください。
そして、申告することを決めたら上司に真っ先に報告しましょう。熱意が伝わるはずです。
また、他部局の方から情報を聞くことは大変勉強になりますので、振興局単位で参加する地域のイベント行事等には積極的に参加して、知り合いを増やしてください。一生の財産になります。
北海道は命名から150年を迎え、200年、300年に向けて新たなスタートを切ったところです。
人口減少や高齢化など多岐に渡る課題を解決するため、道職員には今後、様々な分野で専門性や課題解決力が求められると思います。
各分野において各々が専門性を高め多様な課題の解決に取り組むことにより、一緒に北海道の未来を創っていきましょう。