本図は、2011年までに北海道太平洋沿岸で行われた津波堆積物の各種調査を踏まえて推定された「最大クラスの津波」による波高と浸水域の想定結果である。
この津波波源モデルは、様々な仮定のもとに推定されており、次に起きる津波の特徴を正確に予測するものではなく、北海道太平洋沿岸を過去に襲った最大津波を説明できる多くのモデルのうちの一つである。津波は自然現象であるためその想定を正確に行うことはできないこと、また、津波堆積物データにも地域的な偏りがあることから、過小評価や過大評価となっている地域があることに注意する必要がある。今後の調査研究の進展や、国の中央防災会議等における検討を踏まえて適宜検証し見直していくべきものである。
詳細地区別図には標高分布図も併記した。津波は、平野部や谷部など地形的な特徴により津波波高以上の高さまで遡上・浸水する可能性がある。市街地や集落等がどのような地形的土地条件に位置しているかを認識し、今後の津波防災対策の検討に活用して頂きたい。
平成24年6月28日
北海道防災会議地震火山対策部会地震専門委員会
(北海道に津波被害をもたらす想定地震の再検討ワーキンググループ)
北海道大学名誉教授 笠原 稔
北海道大学大学院理学研究院教授 谷岡 勇市郎
(地震火山研究観測センター長)
北海道大学名誉教授 平川 一臣
北海道大学大学院理学研究院准教授 高橋 浩晃
札幌管区気象台技術部地震情報官 齋藤 祥司
標高等に関する参考
- 特定の地点の標高を確認する:国土地理院 標高がわかるWeb地図を試験公開
- 津波ハザードマップを地域で作成する:北海道大学橋本研究室 GISを用いた津波ハザードマップ作成マニュアル
- 津波警報等の携帯電話メール配信登録:北海道危機対策課 メール配信登録方法(PDF) (注:メール配信にはパケット通信料がかかります)