文書館は、1985(昭和60)年7月に北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)内に開館し、2020(令和2)年2月に現在の江別市文京台に移転しました。
北海道の公文書を中心に、本道の歴史に関する文書、記録、その他の資料を収集し、保存するとともに、これらの資料を利用していただくことを目的としています。
当館が所蔵する資料は、道の諸活動を将来の道民に説明する責務を果たすとともに、本道の未来を考察するために必要な、歴史的事実の記録であり道民共有の知的資源です。
北海道立文書館の条例・規則等
施設紹介
文書館新施設は、令和元年(2019年)11月、江別市文京台の北海道立図書館敷地内に完成しました。
北方資料室(図書館)との複合施設で、図書館本館と連絡通路で接続されています。
所在地:江別市文京台東町41番地1
構造:鉄筋コンクリート3階建て
建築面積:1164.78平方メートル
延床面積:3062.47平方メートル
北海道立文書館概要
北海道の公文書の収集(引継移管)
文書館とは
文書館(もんじょかん)は英語の「archives アーカイブズ」の訳語の一つです。
歴史資料が保存され、閲覧利用できる施設のことですが、狭義では、運営主体の組織の文書を、評価選別し、引継移管を受ける仕組みを備えたものをいいます。ただし、運営主体や成立経過などにより、対象となる資料の範囲は異なります。
北海道立文書館の場合は、北海道の組織アーカイブズとして北海道(及びその前身にあたる機関)の公文書を始め、それら以外の公的機関の文書や、北海道に関係のある私文書(民間所在/由来の文書)を所蔵しています(複製含む。)。
日本の国及び地方自治体のものは、「もんじょかん」の他に「ぶんしょかん」「公文書館」「史料館」「記録資料館」…などさまざまな名称があります。
また、企業や団体の文書館も存在します。
参考:『文書館用語集』(文書館用語集研究会編、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会監修、大阪大学出版会発行、1997年)
歴史資料を扱う施設としては博物館、図書館もあります。これらと比較して、特徴を大まかに整理してみます。
館種 | 博物館 | 図書館 | 文書館 |
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対象資料 | あらゆるもの (文書含む) | 主に図書(書籍) 文書を扱う場合も | 文書が中心 運営主体発行の刊行物 参考図書類 |
対象資料の性質 | 一点もの・同じものが複数存在するもの・バリエーション | 基本的に同じものが複数存在するもの | 文書は基本的に一点もの |
資料の取得方法 | 採集、発掘、購入、寄贈等 | 納本、購入、寄贈等 | 主として引継移管、ほか購入、寄贈等 |
資料の利用方法 | 展示・論文等を通じて(研究成果を利用) | 閲覧・貸出し(直接利用) | 閲覧(直接利用) |
専門職員 | 学芸員 (資格制度あり) | 司書 (資格制度あり) | 文書館員(アーキビスト) (資格制度なし) |
沿革
年 | 月 | 出来事 |
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1981年(昭和56) | 3月 | 知事の諮問機関である懇話会が「北海道立文書館の設置に関する基本的な事項についての意見」を提出 |
1982年(昭和57) | 2月 | 「北海道立文書館(仮称)設置に関する基本構想」を策定 |
1982年(昭和57) | 8月 | 「北海道立文書館(仮称)の組織運営・業務及び施設計画」を策定 |
1984年(昭和59) | 4月 | 総務部文書館設立準備室を設置 |
1985年(昭和60) | 4月 | 北海道立文書館条例を公布 |
1985年(昭和60) | 7月 | 北海道立文書館を開館 開館記念式及び記念講演会を開催、開館記念誌『北海道の歴史と文書』を刊行 |
1985年(昭和60) | 10月 | 北海道立文書館報『赤れんが』を創刊 |
1986年(昭和61) | 2月 | 『北海道立文書館史料集』及び『研究紀要』を創刊 |
1986年(昭和61) | 3月 | 『北海道立文書館所蔵資料目録』及び『北海道立文書館所蔵公文書件名目録』を創刊 |
1986年(昭和61) | 6月 | 古文書解読講習会第1回を開催 |
1986年(昭和61) | 7月 | 開館1周年記念講演会を開催 |
1986年(昭和61) | 8月 | 浩宮殿下、展示室を御視察 |
1988年(昭和63) | 7月 | 開館3周年記念として講演会を開催 |
1989年(平成元) | 9月 | 天皇・皇后両陛下、展示室等を御視察 |
1990年(平成2) | 7月 | 開館5周年記念として講演会、特別展示、古文書解読講習会を開催 |
1995年(平成7) | 6月 | 展示室の観覧者数が開館以来100万人を突破 |
1995年(平成7) | 7月 | 開館10周年記念として講演会、特別展示を開催 |
1996年(平成8) | 7月 | 簿書(明治前期までの公文書)の件名採取事業を完了 |
1997年(平成9) | 4月 | 北海道庁文書の件名採取事業を開始 |
1999年(平成11) | 6月 | 第1回古文書解読講座を開催(古文書解読講習会を名称変更し、月1回の5回連続及び日曜日開催に改める。) |
1999年(平成11) | 12月 | 第1回文書でみる北海道史講座を開催 |
2001年(平成13) | 4月 | 展示室の土日・祝日開室を実施 |
2001年(平成13) | 12月 | 文書館ホームページを開設 |
2003年(平成15) | 10月 | 展示室の観覧者数が開館以来200万人を突破 |
2004年(平成16) | 6月 | 文書館所蔵の箱館奉行所文書167点が国の重要文化財に指定 |
2005年(平成17) | 4月 | 閲覧室の土曜日開室を実施 |
2006年(平成18) | 4月 | 出先機関としての文書館から総務部人事局法制文書課の内部組織の文書館に改組 |
2008年(平成20) | 3月 | 天皇家から寄贈された戦前の北海道関係映画フィルムを復元し、一般公開を開始 |
2010年(平成22) | 6月 | 開館25周年記念として「公文書にみる戦後の北海道」展を道政広報コーナーで開催 |
2012年(平成24) | 2月 | 北海道立文書館デジタルアーカイブ開始(箱館奉行所文書の画像公開) |
2014年(平成26) | 3月 | 文書館別館売却(所管:総務部総務課) |
2014年(平成26) | 8月 | 文書館所蔵の開拓使文書7,832点が国の重要文化財に指定 |
2015年(平成27) | 7月 | 文書館開館30周年記念企画展「戦後70年、文書でたどる太平洋戦争と北海道」を赤れんが5号会議室で開催 |
2017年(平成29) | 4月 | 北海道史編さん準備作業を開始 |
2018年(平成30) | 4月 | 道史編さん室設置に伴い、北海道史編さん関係業務を分離 |
2018年(平成30) | 9月 | 北海道立文書館改築工事着工(令和元年10月完成) |
2020年(令和2) | 2月 | 新施設に移転 |