林業普及指導員は、森林所有者や一般道民、青少年からの多様なニーズに対応した地域の森林づくりに必要な技術や知識の普及指導を行っています。ここでは、林業普及指導員の様々な活動の一部をご紹介します。
「林業普及指導実施方針」に基づく重点課題の設定
道では、「林業普及指導実施方針」を定めるに当たり、国が定める「林業普及指導運営方針」に明記された
1.地域の森林の整備・保全や林業の成長産業化に向けた構想の策定への協力
2.地域の森林の整備・保全等の構想の実現に必要な活動の展開
を基本的な課題とし、4つの重点課題を掲げ、効率的かつ効果的な普及指導活動を展開しています。
【重点課題1】人材の育成・後継者の確保
地域で模範的な森林経営を実践し、高度な技術力を有する指導林家や、将来に森林所有者となり得る後継者として、青年林業士を育成・確保するとともに、地域のまとめ役となるリーダー等の育成を図っています。
また、意欲ある森林所有者等の自主的な取組への支援や、地域林業を担う森林施業プランナー等への指導・助言を行い、持続的な森林経営の実現に向け、人材の育成・確保を図るための普及指導活動を行っています。
平成28年度は、市町村森林整備計画の着実な実行管理を推進するため、全道179市町村全てに設置されている「市町村森林整備計画実行管理推進チーム」の活動を通じ、施業の集約化等による低コスト施業の推進、伐採跡地の現況確認及び造林未済地の解消等に向けた技術・知識の普及指導、適切な森林管理を担う人材の育成・確保に向け、市町村や森林組合、林業事業体等に対する指導・支援を行いました。
実行管理推進チーム
低コスト施行実践セミナー
効率的な搬出間伐方法の検討
路網配置等に関する現地検討
新規就労者の確保に向けた取組
森林GIS活用技術研修
【重点課題2】面的なまとまりのある森林経営の促進
森林所有者や森林施業プランナー等により作成された森林経営計画に基づく森林施業の着実な実施に向けて、森林施業の団地化・集約化の促進を図る普及指導活動を行っています。
また、自ら森林経営の実行が困難な森林所有者については、地域関係者との連携・協力を図りながら、意欲ある森林所有者や森林組合等の林業事業体への長期的な施業・経営の委託推進に向けた支援を行っています。
平成28年度は、地域の実情に応じた効率的な森林整備を推進するため、森林施業プランナー等と連携し、森林所有者に対して施業の集約化を促進するとともに、低コスト施業による森林経営意欲を喚起するなど、森林経営計画の作成推進を行いました。
施行集約化の利点を伝える室内研修
経営意欲向上に向けた低コスト間伐技術研修
林業グループ員を対象とした現地研修
コスト低減に向けた一体的な森林整備の推進
【重点課題3】森林・林業に関する技術及び知識の普及指導
複層林化や長伐期化等による多様な森林整備、生物多様性の保全、路網整備と作業システムの改善による生産性の向上、造林コストの低減などの技術及び知識について、森林所有者や森林組合等林業事業体、森林施業プランナー等の地域の林業関係者への普及指導活動を行っています。
また、地域の要請を的確に把握し、試験研究機関等との連携を密にしながら対処するとともに、新たに開発・考案された技術及び知識の普及・定着を図っています。
平成28年度は、「儲かる林業」の普及・定着を図るため、普及指導活動のパートナーである北海道指導林家や森林施業プランナー等と連携し、採算性を重視した施業技術等の研修会や検討会等の開催、森林所有者を対象に「林分診断書」や「施業提案書」等による間伐等の推進に向けた戸別訪問等を行うなど、適切な森林整備の推進を行いました。
指導林家による現地講義
森林整備促進のための個別相談会
森林施業プランナーと連携した施業提案
施業集約化に向けた事業箇所の把握
複層林の利点を伝える現地研修
指導林家に貸与される腕章とバッジ
【重点課題4】木材の安定供給体制の確立等
木材の安定供給体制の確立や地域材の利用拡大に向け、川上から川下の林業・木材産業・建築業等の幅広い関係者の連携・調整、情報共有、合意形成に向けた普及啓発活動を行っています。
平成28年度は、地域材や林地未利用材等の利用促進を図るため、地域住民や建築設計施工業者、森林所有者等を対象に「地域材利用促進セミナー」等を開催し、「地材地消」を広く普及PRするとともに、林地未利用材等の集荷・搬出技術に関する研修会や検討会等を開催し、地域材の安定供給体制の構築に向け、民国連携した取組を行いました。
地域材利用施設見学会
地域材の利用拡大に向けたセミナー
民国連携による現地検討
所管を越えた林内路網図作成の検討
民国連携による共同施業団地設定