木材が固定している炭素量の推定方法
森林から伐採された木材は、住宅や家具など製品として利用されている間は、炭素を固定しています。
炭素固定量の計算式は次のとおりで、二酸化炭素の排出量や吸収・固定量については、二酸化炭素の重量に換算した「二酸化炭素トン(t-CO2)」や二酸化炭素中の炭素重量に換算した「炭素トン(t-C)」といった単位が用いられており、ここでは、炭素トンで表しています
木材の炭素固定量(t-C)=木材の材積(m3)×木材の密度(g/cm3)×木材の炭素含有量
ここでは、「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン(令和3年10月1日3林政産第85号林野庁長官通知)」に準じた計算方法を示しています。
1.木材の材積(体積)を調べます。
住宅や家具などに使用されている木材の材積(m3)を調べます。
2.木の種類(樹種)を調べて、木材の密度を求めます。
木の種類によって木材の密度が異なるため、住宅や家具などに使用されている木の種類(樹種)を調べます。
木材工業ハンドブック改訂4版(森林総合研究所監修)における、樹種別の気乾密度の値(g/cm3)を木材の密度として使用します。ここでは、北海道の代表的な樹種を表示しています。
針広の別 | 樹種 | 気乾密度(g/cm3) |
---|---|---|
針葉樹 | トドマツ | 0.40 |
針葉樹 | カラマツ | 0.50 |
針葉樹 | エゾマツ | 0.43 |
針葉樹 | イチイ | 0.51 |
針葉樹 | スギ | 0.38 |
広葉樹 | イタヤカエデ | 0.65 |
広葉樹 | セン、ハリギリ | 0.52 |
広葉樹 | マカンバ、ウダイカンバ | 0.67 |
広葉樹 | シラカンバ | 0.57 |
広葉樹 | カツラ | 0.50 |
広葉樹 | クリ | 0.60 |
広葉樹 | ブナ | 0.65 |
広葉樹 | ミズナラ | 0.68 |
広葉樹 | ホオノキ | 0.49 |
広葉樹 | ヤチダモ | 0.55 |
広葉樹 | アオダモ | 0.71 |
広葉樹 | シナノキ | 0.50 |
広葉樹 | ハルニレ | 0.63 |
表の樹種以外の気乾密度については、下のPDFをご確認ください。
合板や木質ボードが使用されている場合は、樹種に関わらず次の密度を使用します。
種類 | 密度(t/m3) |
---|---|
木質ボード(パーティクルボード) | 0.596 |
木質ボード(硬質繊維板) | 0.788 |
木質ボード(中質繊維板) | 0.691 |
木質ボード(軟質繊維板) | 0.159 |
合板 | 0.542 |
3.木材の炭素含有率を求めます。
住宅や家具などに使われている資材の種類(製材、木質ボード、合板)を調べ、次の表から該当する炭素含有率を使用します。
種類 | 炭素含有率 |
---|---|
製材 | 0.5 |
木質ボード(パーティクルボード) | 0.451 |
木質ボード(硬質繊維板) | 0.425 |
木質ボード(中質繊維板) | 0.427 |
木質ボード(軟質繊維板) | 0.474 |
合板 | 0.493 |
4.木材の炭素固定量を計算します。
1~3で求めた数値を次の式に当てはめ、木材の炭素固定量(t-C)を計算します。
木材の炭素固定量(t-C)=木材の材積(m3)×木材の密度(g/cm3)×木材の炭素含有量
二酸化炭素の重量に換算したい場合は、木材の炭素固定量(t-C)に44/12を乗じてください。
免責事項
このページに掲載している計算方法や情報の正確さには万全を期していますが、吸収量や固定量をおおよそに試算するために示した標準的なものです。このため、利用者が本ページの情報を用いて行う一切の行為について、いかなる責任も負うものではありません。また、道は利用者の皆様が本ページを利用したために被った損害、損失に対して、いかなる場合でも一切の責任を負うものではありません。