森林・林業基本計画
森林及び林業に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的に政府がたてる計画で、全国森林計画をはじめとする森林計画制度の基礎となる計画。森林の取扱いや木材の供給などについての目標を定めています。
全国森林計画
農林水産大臣が「森林・林業基本計画」に即し、5年ごとにたてる15ヵ年計画で、森林の整備・保全に対する国の基本的な考え方や目標を長期的・広域的な視点に立って明らかにする計画。地域森林計画はこの計画に即してたてることになっています。
森林整備保全事業計画
全国森林計画に掲げる森林の整備及び保全の目標の計画的かつ着実な達成を目的に作られる計画。全国森林計画の計画期間の最初の5ヵ年間に係る事業実施の目標や事業量について定められています。
地域森林計画
全国森林計画に即し、都道府県知事が5年ごとにたてる10ヵ年計画で、森林計画区内における民有林の森林整備目標や基本的事項などについて定めるとともに、市町村がたてる市町村森林整備計画の規範となる計画です。
市町村森林整備計画
地域森林計画に適合させて、市町村長が5年ごとにたてる10ヵ年計画で、地域森林計画で示された基準を指針として、市町村内における民有林の取扱いについての具体的な内容を示す計画です。
森林経営計画
森林所有者又は森林の管理を委託された者が、一人又は共同でその所有森林について自発的に作成する5年を1期とした森林施業の計画。市町村長等の認定を受け、計画どおり実行することで、税制、補助金、融資などで優遇措置を受けることができます。
森林の多面的機能
国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、地球温暖化の防止、林産物の供給など森林が有する様々なはたらき。
公益的機能
森林の持つ様々な機能のうち、水源涵養、山地災害防止/土壌保全、快適環境形成、保健・レクリエーション・文化・生物多様性保全など木材等生産機能を除く諸機能のこと。
国有林
国が所有する森林の総称。林野庁所管の森林が大部分を占めますが、自衛隊演習場など他省庁の所管地も含みます。なお、国有林の地域別の森林計画は、林野庁所管の森林について定めています。
民有林
国以外が所有している森林。一般民有林と道有林をあわせて民有林といいます。
一般民有林
民有林のうち道有林を除いた森林で、市町村や個人、法人などが所有する森林が該当します。
道有林
北海道有林野の整備及び管理に関する規程に基づき、北海道が所有し、整備及び管理している森林のこと。道有林は、宗谷を除く13の(総合)振興局、74の市町村にあります。
制限林
森林法、自然公園法、砂防法等の法令により立木の伐採が制限されている森林。
保安林
水源涵養、土砂の流出や崩壊の防備、保健休養などの特定の公共目的を達成するため森林法に基づいて一定の制限(立木の伐採、土地の形質変更、植栽の義務等)が課せられている森林。
普通林
制限林以外の森林。
人工林
人為的な更新手段(人工造林)によって成り立っている森林のこと。
天然林
天然更新によって成り立っている森林のこと。
無立木地
樹木が生立していない林分。地域森林計画では、樹幹を投影した面積が30%未満の林地としており、未立木地と伐採跡地を合わせて無立木地という。
未立木地
無立木地のうち、伐採跡地を除いた林地のこと。
伐採跡地
林木を皆伐した跡地のこと。
主伐
利用できる時期に達した林木を伐採すること。次の世代の樹木の更新を伴う伐採。
皆伐
主伐のひとつで、一定区域の林木の全部又は大部分を一度に伐採すること。
択伐
主伐のひとつで、成熟した木を抜き伐りすること。計画的に繰り返し伐採(抜き伐り)するため、伐採により林分の状態が大きく変化せず、持続的に次の世代の樹木を発生させることができるのが特徴。
地拵え
植栽の準備のために行う、伐採跡地の枝条等の整理や余分な落葉の除去、雑草や低木の刈出しなどの作業のこと。
造林
現在ある森林に手を加えることにより目的にあった森林の造成を行うこと又は、新たに森林をつくること。造林の方法は人工造林と天然更新に大別されます。
人工造林
苗木の植栽、種子のまき付け、挿し木などの人為的な更新方法により森林を造成すること。
天然更新
主として自然の力(天然力)によって次の世代の樹木を発生させ、森林を造成すること。
保育
樹木の生育を助け、健全な森林を造成するために伐採までの間に行う、下刈り、つる切り、除伐、枝打ちなどの作業の総称。
下刈り
植栽した苗木の生育を妨げる雑草木を刈り払う作業のこと。
つる切り
樹木に巻き付いたつる類を切って取り除き、成長を促す作業のこと。
除伐
育成の対象となる林木の周囲に侵入し、成長を妨げている林木を除去(伐採)する作業のこと。
枝打ち
節の無い木材の生産、下層植生の成長促進、病虫害の防除や雪害の防止を目的に、下部の不要な枝を切り落とす作業のこと。
間伐
林木の育成過程で林分内の密度を下げるために行う間引きのこと。林木同士の競合を緩和し、成長量の増大や林木の利用価値の向上、森林の有する諸機能の維持推進のために行う。
齢級
林齢を5ヵ年をひとくくりにし、まとめたもののこと。林齢1~5年生を1齢級、6~10年生を2齢級、以下3齢級・・と称する。