建設部河川課
松倉ダム
1. 検討の背景
松倉ダムの建設については、平成5年度に実施計画調査に着手して以来、地質調査等の技術的な調査や環境調査を実施しているが、ダム建設に伴う周辺の自然環境への影響等について種々の意見が出されており、住民意見の把握が重要であることから、資料を公開し、住民意見の把握に努めている。
2. 経過
- 「松倉川水系の治水対策概要」「松倉川上流の自然環境」「函館市の水需給対策」などの資料を公開した。[函館土木現業所(治水課、ダム事務所)、函館市水道部建設課、函館市土木部道路河川課に配置]
- 市民説明会を開催(H9.11.10~13)参加人員219名(内市民190名)
(11月公報、広報車、マスコミ等により広く参加を呼びかけた)
(治水対策・水源開発の必要性、現計画及び比較案、環境調査結果を説明) - 町内会、関係団体との意見交換会を開催(H9.12.1、H10.1.27、2.6、2.25、3.25、4.27)
- 松倉川意見交換会を開催
目的:意見交換会は、「時のアセスメント」の再評価作業にあたって、市民の意見の把握など、松倉川水系の治水対策及 び函館市の水需給対策について意見交換を行う。
委員の構成:公募枠4名を含む15名
第一回意見交換会:H10.2.27開催 委員12名 傍聴8名 マスコミ5社
- 運営要領、治水対策について説明
- 主な意見
「森林伐採と洪水の関係を考えるべき」
「洪水を防ぐのは反対しないが原因を考えるべき」
「人口予測に疑問がある」
「水のリサイクルを考えるべき」
「現地視察が必要」
第二回意見交換会:H10.3.26開催 委員13名 傍聴12名 マスコミ4社
- 当初計画と現計画の比較、洪水の原因、森林の状況などについて説明
- 主な意見
「森林の保水能力を評価すべき」
「森林の保水能力は数量的に把握が難しい」
「市街地に遊水池を作るのは土地利用の関係から問題がある」
自然環境保全の意見に対して、
「流域で生活がかかっている人と、単に環境のみを言う人では同列に出来ない」
「漁業者としては河口周辺の調査を早くまとめて欲しい」
白老ダム
【白老川治水対策検討】
1. 目的
白老川の治水計画についてダム以外の治水対策も含め、再評価するための資料として、検討を行う。
2. 検討の内容
(1) 既存調査資料の再検討:最新の気象・水象データを用いて、治水計画立案のための基礎資料として整理・検討を行う。
(2) 現河道の流下能力の検討:現河道の横断図をもとに、流下能力の検討を行う。
(3) 治水対策の再検討:上記により、想定できる種々の治水対策について、社会的・自然的影響の面から検討を行う。
3. 検討結果
- 最新のデータにより基本高水流量が国道橋地点で1,200m3/secとなった。
- 現河道の流下能力は国道橋地点で850m3/secとなった。
- 比較案として以下の6案を選定した。
1堤防嵩上げ(案) 2堤防引き堤(案) 3高水敷掘削+堤防嵩上げ(案)
4高水敷掘削+堤防引き堤(案) 5高水敷掘削+遊水池(案) 6ダム(案)
トマムダム
【鵡川治水対策検討】
1. 目的
鵡川の治水計画についてダム以外の治水対策も含め、再評価するための資料として、検討を行う。
2. 検討の内容
(1) 既存調査資料の再検討:最新の気象・水象データを用いて、治水計画立案のための基礎資料として整理・検討を行う。
(2) 下流現河道の流下能力の検討:現河道の横断図をもとに、流下能力の検討を行う。
(3) 治水対策の再検討:上記により、想定できる種々の治水対策について、社会的・自然的影響の面から検討を行う。
(4) 上・中トマム地区の人口の動向把握
(5) 上・中トマム地区の水需要の動向把握
3. 検討結果
- 最新のデータにより基本高水流量が21線橋地点で35m3/secとなった。
- 現河道の流下能力は21線橋地点で10m3/secとなった。
- 上・中トマム地区の人口の動向は平成4年をピークに減少を続けていたが、近年は横這いである。
- 上・中トマム地区の水需要の動向は平成3年をピークに減少を続けていたが、近年は微増である。
- 比較案としてダム以外の治水対策について検討中である。
※「ダム3事業に関する検討状況報告書」「白老川治水対策検討書(概要版)」「白老川治水対策検討書」「鵡川治水対策検討資料」については、次の場所において縦覧が可能です。
○北海道建設部河川課ダム室
○地元土木現業所(松倉ダム:函館、白老ダム:室蘭、トマムダム:旭川)
○地元市町村(松倉ダム:函館市、白老ダム:白老町、トマムダム:占冠村)