松倉川意見交換会の委員意見について(要約版)

  1. 松倉川意見交換会(以下「意見交換会」)」は、住民組織関係者6名、各種団体関係者5名、公募者4名、合計15名の委員で構成され、8月7日「第5回意見交換会」をもって終了しました。
  2. 意見書は、全員の委員からいただいています。
     各委員個々のご意見をいただくことについては、当初の「意見交換会」において了承を得ており、さらに、第4回及びの第5回「意見交換会」において、無記名にて公表することについても了承を得ています。
  3. 意見書の内容は、下記の項目について、「本文」と「本文の要約」となっています。
    (1) 治水対策の必要性について
    (2) 治水対策の手法について
    (3) 水需給対策の必要性について
    (4) 水需給対策の手法について
    (5) その他
  4. 本資料は、意見書の内、「本文の要約」を抽出して作成したものです。
    意見書本文等については、下記の場所において配置縦覧しておりますので、お問い合わせ下さい。

    北海道建設部河川課ダム室 TEL 011-231-4111 (内線29-345)
    北海道函館土木現業所治水課 TEL 0138-47-9000(内線 4361)

[北海道建設部河川課]


A 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     治水対策は是非必要である。
  2. 治水対策の手法について
     分水路、遊水地作成のときには関係住民との話し合いをすることが必要である。
  3. 水需給対策の必要性について
     水需給対策は是非必要であります。
  4. 水需給対策の手法について
     水源を松倉川上流に求めること賛成です。

B 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     治水対策は必要であり、それは洪水被害防止との因果関係が明確でなければならない。これまでの被害の内容が分析されないで、どうして具体的対策が立てられるのか。洪水被害(100年確率の予測を含めて)→原因→対策という極く普通の手順を踏むべきである。
  2. 治水対策の手法について
     短期的にはこれまで起きた洪水被害の内容に対応した防止対策を急ぐべきで、長期的には松倉川水系への雨水の短時間集中を防ぐ対策を考える必要がある。
     この2つの具体的対策がダムに代替する根本的治水解決策である。
  3. 水需給対策の必要性について
     平成17年2万トン取水の「松倉ダム」建設根拠は破綻しているが、今後の水需給対策は必要である。どのような根拠で必要であるかを含めて、再度検討すべきである。多目的ダム論はすでに存在しないのだから、単独で水需給対策を考えるべきである。
  4. 水需給対策の手法について
     有収水量をいかにして押さえるか、市民の危機意識と協力を喚起すると同時に、政策として具体的対策を検討すべきである。ダムで水資源を開発するのは自然との折り合いを避け、一時凌ぎに過ぎない。多目的ダム論は存在しない。
  5. その他
     自然といかに折り合いをつけるつもりなのか。自然環境へのダムの影響については何も示されていない。道の治水7案の費用の詳細(含まれるものと含まれないもの)が明らかでない。

C 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     海産資源と松倉川口海岸と沖合、森林が山の保水力、等の因果関係を調査し、全国的な基準でなく地域特性による治水対策の事業推進として検討を求める。
  2. 治水対策の手法について
     現地視察により、河川の整備が必要(特に中流から下流地域)。
     予定地の自然環境をテレビで放映し現状を市民にPRすべきだ。
  3. 水需給対策の必要性について
     雨水のリサイクルの検討、及び節水のPRが必要(各家庭にステッカー等の配布)。
  4. 水需給対策の手法について
     人口数増に伴う海水の淡水化検討すべき。

D 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     不要と判断、白紙に戻し、ここ2~3年、7案にあるダム、本通町4カ所目の遊水池を中断して、様子を見て再検討すべき。
  2. 治水対策の手法について
     当面、河道の整備にとどめ、御願い致します。
  3. 水需給対策の必要性について
     まったく不要、計画は中止すべき。
  4. 水需給対策の手法について
     現松倉川の取水権を4.5~5万程度に変更申請されること。
  5. その他
     本当に必要性があるなら反対はしない。
     河道の整備に勤められ、残った事業費を第2産業道路の取付道路の収用と着工に当ててください。

E 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     災害は忘れた頃にやってくるの諺にもあるとうり、ダム建設は洪水を防ぎ個々の生命財産を守るためにも、安全快適、豊かでゆとりある生活環境を維持していくためにも、必要と考える。
  2. 治水対策の手法について
     洪水対策、水の需給問題を含め、あらゆる角度から検討しても分水路+松倉ダム(上流地点案)が他のあらゆる案に比し妥当な案と考える。提言された案は何れも具体性から程遠い。
  3. 水需給対策の必要性について
    生活様式の近代化が進み、将来に向けての企業誘置の受け皿づくりの環境整備をするためにも、ダム建設はあらゆる案に先行しての苦渋の選沢と思う。水、電力、土地のない所に企業はこない、人も集らない。
  4. 水需給対策の手法について
     定住人口イコール水の需用量は理解できるにしても、流動人口の増加企業を誘置するための工業用水確保のための先行投資は必要、水の需用は生活の近代化と共に増えても減ることはないと考える。ダム建設は検討すべきものと思う。

F 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     治水対策が必要である。
  2. 治水対策の手法について
     ダム建設が一番良いと思う。
  3. 水需給対策の必要性について
     絶対に必要である。
  4. 水需給対策の手法について
     ダムからもらうのが一番良い方法(コスト面で)

G 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     松倉川水系の流域への洪水の発生は、是非、阻止して欲しいと思います。
     鮫川・深堀川・湯の川・湯の沢川等の流域への、道路冠水や家屋への浸水を防除する対策を、早急に講じて欲しいと思います。
  2. 治水対策の手法について
     松倉川水系の本川への、100年確率の降雨量による水害防除の対策としては、ダム難民も発生せず農耕地を潰すことも無い松倉川上流へのダムの建設が、現実的には有効な手法と、私には思えます。
     支川である鮫川・深堀川の流域の洪水については、排水溝や下水道の整備に加えて、河川改修工事や河川の清掃管理などにより、取敢えず対処すべきと思います。
     松倉川上流にダムを建設することにより、湯の川・湯の沢川については、松倉川下流部への流量に余裕が出来ると思われるので、当面は、河川の管理や小規模の改修工事などで、対処したら良いのではと思います。
  3. 水需給対策の必要性について
     水は、人間のみならず、すべての命の根源です。家族が健康に生活出来ることを一番の喜びとして日々を過ごしている生活者たる市民の一人である私個人としても、更に一層の節水を心がけますが、是非、安全でおいしい水を、少しの余裕を持って供給して欲しいと願っております。
  4. 水需給対策の手法について
     飲料としての安全な水を、安定して供給して戴くには、私個人の知恵の範囲では、ダムの建設が、より現実的で、有効な手段に思われます。
  5. その他
     松倉川水系の治水計画については、松倉川沿川の住民や土地所有者のご意見や、本音の思いの丹念な聞き取り調査が必要と思います。
     今回の意見交換会については、松倉川水系の地域の水害問題と水需要対策という函館市限定の議題が、当事者たる市民の議論の俎上に提供されたことに意義があったと思います。

H 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     治水対策が必要か否かは、専門分野の研究者の領域と思う。現在のように事故が生じたときに、行政の責任を問う以上、行政側が対策に積極的にならざるを得ないことは認める。
  2. 治水対策の手法について
     日本国内における自然破壊の現状は想像以上のもので、特に北海道は植民地意識が強いせいか荒らし放題になっている。
     自然破壊をともなうものについては、地元の議会での徹底した論議と承認を得てから対策を進めてほしいと思う。
  3. 水需給対策の必要性について
     必要なのは当然のこと。しかし「必要」を前提に、工事が無条件で許される時代は去ったと思う。
  4. 水需給対策の手法について
     前項に記したように無条件で工事が進められることに疑問を感じる。限りある自然を追いつめるだけでなく、水の大切さのアピール、すなわち節水運動の展開や排水の利用など、水をただで得るという考え方を転換すべきと思う。
  5. その他
     市民が発言できる場ができたことは良いとは思うが、会議のあり方が工事をすすめることを前提としたもので、市民の意見も聞きましたという形づくりに終わってしまったようで今後の会議のあり方を考えるべきと思う。

I 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     少々の降雨でも洪水の危険な川は直ちに防止策をとるべきである。しかし、50年に1度、100年に1度、200年に1度と決める基準は何か。住民にすれば、50年より200年の方が安心と云って希望するだろう。そこに経済性をどうからませるか苦労の多い仕事になる。全住民を納得させる方法はないだろうから、提案より実施まで時間がかかる。無人地帯でない限り、治水の必要性は誰でも認めるが、総論賛成、各論反対(一般論賛成、具体案反対)におち入りやすい。
  2. 治水対策の手法について
     治水の第一は降雨量をどう見積るかである。今回の提案では、5個所の測定点の平均値を使用しているが、降雨量の精度を上げ、適切な対策案を作製するために、観測点を増やし再測定し、対策を立てるべきである。7案の治水対策は氾濫の水位を計画水位としており、100年に1度の洪水対策とは云へ、余裕のあるものと思う。
  3. 水需給対策の必要性について
     安全な水の供給、使用量の増減対策、源水確保の方法は、水道局の重要な業務で10年先、20年先の事態の調査、計画をすることは当然の業務と考えている。
     しかし、今回の提案は需要増の大きな根拠、人口増は願望であり、正当な理由とは思われない。計画を実行に移す際は局内で関係者が討論し、政治的思惑に左右されない純技術的な計画であってほしい。
  4. 水需給対策の手法について
     人口の予測は、自然動態(出生率、死亡率)、社会動態(転入、転出)市民の年齢構成などの要因と、過去の動態から時系列(自己回帰)分析で決めると資料に記述してあるのに数式も示さない。全くのミスと思う。
     第一、一般の人でも直ぐに不審に思う人口増を理由に供給量増加を提案するところに無理があった。
  5. その他
     会議でいろいろ資料を渡された。説明を受けた。しかし、それ等は意見書を書くためのものと知った。討論会でなかった。各資料の大部分はコンサルタント社の作製したものだろうが、この資料の内容の意見交換会であってほしかった。

J 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     絶対必要である。
  2. 治水対策の手法について
     「ダムありき」ではない。環境にもっと配慮を。
  3. 水需給対策の必要性について
     今後の生活体系等で水需要の増加も考えられるが、何せ水需給の増大の説明資料(人口問題等)があいまいで納得できませんでした。
  4. 水需給対策の手法について
     水道水以外の水資源の活用等を考えた場合、逆に相当の費用が必要と考えられるので、治水対策上「ダム」の建設に決定した場合はダムにより取水し活用すべきである。
  5. その他  
     松倉川の治水対策として遊水地設置工事等を実施される場合、鮫川改修工事(遊水地等)に伴う参考事項を述べたい。
    ・地域住民組織との連携を十分にすること。
    ・担当者が代わっても十分引継ぐこと。
    ・事後対策(処理)を十分行うこと。

K 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     治水対策イコールダムを造る事とは別問題。
  2. 治水対策の手法について
    川の管理、排水口、排水管の管理、雨水を土に戻す環境造り、植樹の森造りをしての保水力を高める事が大切だ。
  3. 水需給対策の必要性について
     人口32万人になるはっきりとした根拠を示せ。
  4. 水需給対策の手法について
     雨水の再利用と自然をこわさずにおいしい水が飲める環境を造っていただきたい。
  5. その他
     松倉ダムが完成した時に市民の負担はどうなるのか、事業費の膨らみが心配である。

L 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     現在進めている河川改修だけでは十分でない事で地域住民は常に不安を持っている、従って短期的にはこの対策も進めながら100年の安全度を考えた抜本的な対策が必要と思います。
  2. 治水対策の手法について
     地域の自然環境を守りながら上流にダム建設を図り洪水調節が必要と思います。河口部においては市街化が進み改修困難と思われるため、第7案が妥当と考えます。
  3. 水需給対策の必要性について
     日常生活に直結した水、貴重な資源としての水は将来に向け余裕を持った対策を今から講ずるべきである。
  4. 水需給対策の手法について
     松倉川上流にダム建設を図る事によって安定的な水量の確保が得られるものと思います。

M 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     松倉川流域の土地利用、人口の集中度を考えた場合、市民の貴重な生命・財産を守るための治水対策は必要なものと考える。
  2. 治水対策の手法について
     松倉川水系の治水対策について、行政が必要と判断している治水対策を行うべきであるが、流域に住む市民の生命・財産を守る反面、河口域で生計を営んでいる市民(漁民)もいることに配慮し、海域への影響を十分調査し、対策を検討した後、治水対策を行ってもらいたい。
  3. 水需給対策の必要性について
     市民生活レベルの向上に伴い、水の需要量は増加している、又近年(平成8年には)渇水により、あわや断水直前の事実もあったように聞いている。
     多少ゆとりのある水供給の上からも何等かの水需給対策は必要なものと考える。
  4. 水需給対策の手法について
     函館市の水需給対策について、行政が必要と判断している利水対策を行うべきであるが、その対策が河口域への影響が懸念される場合には、河口域で生計を営んでいる市民(漁民)もいることに配慮し、対策を検討した後、水需給対策を行ってもらいたい。

N 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     松倉川流域への洪水発生は阻止して貰いたい。鮫川・深堀川・湯の川・湯の沢川等の流域への道路冠水・家屋への浸水を防除する対策を早急に取組むべきです。
  2. 治水対策の手法について
     鮫川・深堀川の流域の洪水については排水溝や下水道の整備に加えて、河川改修と河川の清掃管理等で取り敢えず対処すべきです。
     松倉川上流にダム建設する事で、湯の川・湯の沢川については、松倉川下流部への流域に余裕が出来、当面は、河川の管理と小規模の改修工事等で対処されてはと思う。
  3. 水需給対策の必要性について
     これから先の将来の函館に於いて、この安全な飲料水の確保と余裕のある水の供給を願うものです。
  4. 水需給対策の手法について
     飲料としての安全な水を安定して供給して貰うには、ダム建設が現実的で有効手段に思う。
  5. その他
     委員会に参加させて頂き、治水・利水等の勉強させて頂き、ありがとうございました。

O 委員

意見の要約

  1. 治水対策の必要性について
     結論は相互理解のもとに。
  2. 治水対策の手法について
     提出案にこだわらず多方面よりの再度検討を望みます。
  3. 水需給対策の必要性について
     必要性の再検討。
  4. 水需給対策の手法について
     治水を考慮した決定。
  5. その他
     ダムが不必要ということではなく、建設に関して行政、民間共に多くの課題が残されているように思います。
     問題解決には相互理解が必要と思われます。

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