知事臨時記者会見記録 H10.11.10

  • 日 時/平成10年11月10日(火) 11:20~ 11:45 
  • 場 所/記者会見室
  • 記者数/41名 (その他カメラマン等 17名)

[知事からの話題]
<「時のアセスメント」について>
 「時のアセスメント」の実施結果についてお話をさせていただきます。
 今日は、「医療・産業・研究都市づくり」事業についての結果でございます。
 「時のアセスメント」の対象のうち、「医療・産業・研究都市づくり」事業につきましては、「再評価調書」の提出がありました。先ほど開きました政策会議で協議をいたしました結果、道としての対応方針を決定をいたしました。
 「医療・産業・研究都市づくり」事業につきましては、「北海道国際医療・産業複合都市構想」いわゆる「ハイメックス構想」の実現を目指した取り組みの一つとして、北広島市の南の里地区において計画したものであります。
 しかしながら、対象地域内において貴重な動植物が認められ、また、一方では、地形等の問題もございまして、土地利用に大きな制約を受ける一方で、予定していた研究施設の設置が見込めない中で、研究開発・サービス提供等の拠点整備の実現可能性が乏しく、また、札幌圏における住宅地開発の動向等から見まして、大規模な住宅地をつくる必要性、緊急性は認められないことなどを総合的に判断をいたしまして、「医療・産業・研究都市づくり」事業は、取り止めることといたしました。 この事業の予定地につきましては、都市近郊に残された貴重な動植物が生息する豊かな自然環境を有する土地であることを踏まえまして、今後、その適切な利活用方法等について庁内に検討機関を設けまして、年度内を目途に検討を進めることとし、土地の利活用方策が決定、着手するまでの間、予定地を保有する北海道住宅供給公社に道として必要な対策を継続してまいりたいとこのように考えております。
 また、ハイメックス協議会の今後のあり方の検討とか、あるいは北広島市が今後取り組んでいく、まちづくりの検討に対し、道として必要な協力を行うほか、高齢社会を迎える中で、道として、高度先端医療技術等に関する研究開発・関連産業の振興に取り組んでまいりたいとこのように考えております。
 以上でございます。

[質問事項]
(朝日新聞)
 幹事社の朝日ですが、今回の中止の最大の要因は、見込み通りに機関立地の目途が立たなかったことのようですが、それは道として計画決定段階とか、あるいは事業推進段階での見通しが甘かったことによるということでしょうか。それとも、見通しの甘さ以外の理由によるとの認識でしょうか。

(知  事)
 この事業はですね、昭和62年に、皆さんご承知かと思いますが、民間主導で提唱された事業でございます。したがって、63年からスタートした道の総合計画の
中の戦略プロジェクトにも入ってない、あくまでも民間が主体で進められた事業でございまして、ただ、そういった中でなかなかその事業の目途が立たないという中で、私どもとしては、「ハイメックス構想」を将来展望として念頭に置きつつ、その先行的な計画として「医療・産業・研究都市づくり」構想というものを立ち上げまして、平成6年に基本構想をつくったものでございます。
 しかしその後、厳しさを増す道内の経済環境とかあるいは、事業着手にあたって実施したいわゆるアセス、環境影響評価によりまして、注目すべき動植物の存在が確認されたり、また、これらに配慮した土地利用計画の見直しを行った結果、土地区画整理事業の着手が大変難しいということでございます。
 それからまた、この現在の札幌圏における住宅開発の動向等を考慮いたしますと、なかなかこれからの宅地造成についていえば、見通しが難しくなった等がございまして、総合的な判断として事業を取り止めることにしたものであります。

(朝日新聞)
 幹事からもう一点お願いします。
 事業に参画している立場から民間主導だったというお話ですけれども、要は、道としての責任をどう考えるのかというのが一点と、それから事後処理ですが、計画推進協議会の加盟団体に今後どういうふうに説明して、例えば事業用地の処分なんかどういうふうな見通しになっていくのか、事後処理について…。

(知  事)
 結論につきましては、これはもうもちろんでございますが、「ハイメックス建設推進協議会」に報告をした上で、今後、構想ならびに事業化の方針などについて、協議会の中で検討してまいりたいとこのように考えております。
 それから、住宅供給公社の保有するいわゆる事業用地につきましては、なによりも適切な利活用方法について、先ほども申し上げましたけれども、道として検討機関を設けまして、検討をしていきたいと。新たな土地利用が決まりましたら、そういった利用の着手までの間、必要な対策といいますか、そういうものを継続していかなければならないとこのように考えております。

(このデータは、11月10日に行われた会見の「時のアセスメント」に関係する部分のみ抜粋してあります。内容については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったもの等を整理のうえ、作成しています。[記録作成:総合企画部政策室広報課報道係])

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