知事臨時記者会見記録 H10.12.25

  • 日 時/平成10年12月25日(金) 17:05~17:23
  • 場 所/記者会見室
  • 記者数/21名(その他カメラマン等 10名)

[知事からの話題]
<「時のアセスメント」について>
 どうも、ご苦労さまでございます。二つほどお話をさせていただきます。
 一つは「時のアセスメント」の実施結果についてお話をさせていただきます。
 「時のアセスメント」の対象のうち、「北海道地域輸入促進計画」、いわゆる「FAZ計画」の推進につきまして、「再評価調書」の提出がありました。先ほど開きました政策会議で協議した結果、道としての対応方針を決定をいたしました。
 「FAZ計画」につきましては、バブル経済の崩壊による低成長時代にある今日、輸入関連企業が新たな投資に慎重な姿勢を示すなかで、第二段階の流通加工施設の整備計画を当初想定した「生鮮物」から「住宅関連資材など」に変更するなど、推進のための検討を行ってまいりました。
 しかしながら、この対象業種として最も可能性の高い住宅関連資材などにつきましても、参画企業の見通しが立ちませんで、施設運営における採算性の面からも、その推進は見込めないものと判断をいたしまして、第二段階計画は取り止めることといたしました。
 これに伴いまして、「FAZ計画」につきましては、流通加工施設の整備が必須の条件となっておりますことから、第一段階のインポートマート事業、将来構想としての国際貨物施設などの整備も含めまして、全体計画を取り止めることといたしました。
 今後の計画の取り止めに伴い、現在、実施している国際情報ビジネス支援センターなどの事業につきましては、本年度をもって終了するほか、関連施設の取扱いについて関係者と十分に協議してまいりたいと考えております。
 また、千歳市、苫小牧市、経済界、それから産業基盤整備基金などの出資者に対して、計画を取り止めることに至った経緯等につきまして説明を行うとともに、HAFの存続問題について関係者と協議してまいりたいとこのように考えております。
 なお、輸出入の促進につきましては、貿易振興策はもとより、この住宅産業など輸出入関連企業の事業展開とか、あるいは新千歳空港周辺地域の経済活性化の取り組みに対する支援の検討など、道として、まだ積極的に取り組んでいかなければならないものもございますので、そういったものについては、これからも積極的に取り組んでまいりたいとこのように考えております。

<支庁制度検討委員会の設置について>
 もう一点でございますが、「支庁制度検討委員会」の設置についてお話をさせていただきます。
 現在、支庁制度の見直しを進めておりますが、民間有識者からなる「支庁制度検討委員会」につきましては、学識経験者、市町村長、産業経済分野、さらに、市民生活分野など、各界・各層から15名の方々にお願いをいたしました。名簿は配布されているというふうに思いますが。
 支庁制度の検討にあたりましては、道民の皆さんの『暮らし』にかかわることはもとよりでございますけれども、産業・経済など地域の様々な視点、地方分権など新しい時代の視点が重要となるのではないかと考えております。
 このようなことから、委員の選定の際には、いわゆる地域バランスに配慮いたしますとともに、15名中、9名が札幌市以外でございます、その他、それぞれの分野の第一線で、新しい感覚や視点で活躍されている方々を中心にお願いをいたしました。その結果、全体的に若い年齢層ということで、平均年齢が約50歳ということで、大変若い検討委員会になったんではないかというふうに思います。
 第1回目の検討委員会につきましては、平成11年の1月中に開催を予定をしております。
 各委員の皆さんには、現在の支庁制度を前提とするのではなくて、新世紀にふさわしい北海道の総合出先機関としての支庁行政のあり方について、ご議論をお願いして、平成12年度までに検討結果を、いわゆる『試案』としてまとめていただきたいとこのように考えております。
 道といたしましては、この『試案』がまとまり次第、速やかに方針を決定をいたしまして、取り組みに着手してまいりたいとこのように考えております。
 私のほうからは、以上二点についてお話をさせていただきました。

[質問事項]
(朝日新聞)
 代表幹事の朝日ですが、それぞれ二点づつ幹事として質問をさせていただきます。 最初は「FAZ」について、第一段階のインポートマートにしても、第二段階の流通加工施設にしても、いずれも道の計画策定の見通しが甘かったという指摘があります。これまでに道費12億円がつぎ込まれているわけですが、道の責任をどういうふうに考えていますか。
 もう一点は、HAFの金融機関への未償還金が2億700万円、北海道空港に対しての旧ターミナルビル改修費の残高が12億円、NEWSビルを取り壊すとしたらその費用、これらについて道が負担することはあり得るのでしょうか。以上二点です。

(知  事)
 最初の計画が甘かったのではないかということでござますが、「FAZ計画」につきましては、道が主体的に策定をいたしまして、関係団体の協力をもとに推進してきたものでありますが、経済情勢が大きく変わる中で、結果として計画を取り止めに至ったことについて、私としても大変重く受け止めているところであります。
 また、計画の取り止めに伴いまして、これまで出資をしていただいている千歳市、苫小牧市、そして経済界、それから産業基盤整備基金等に対しまして、計画の取り止めに至った経緯などについて説明を行いたいと思いますし、また国際情報ビジネス支援センター等の関連施設の取扱い、それからHAF、エアフロント株式会社の存続問題につきましても、これらの関係機関ともまた今後十分協議を進めてまいりたいとこのように考えております。
 それから二点目の、HAFの債務についてでありますが、HAFと債権者との契約上の問題でございまして、道がこれを肩代わりすることは難しいと考えておりますけれども、いずれにいたしましても、今後このHAFの存廃につきまして、株主とか債権者と協議をしていくことにしておりまして、HAFの債務につきましても、そうした中で、協議検討をしていかなければならないんではないかと、このようにも考えております。

(NHK)
 これに関連して、旧ターミナルビルの活用なんですが、災害支援センターとして活用したいという構想があったということなんですけれども、これについてはどのような結論になったのでしょうか。

(知  事)
 災害備蓄支援センター構想というものも検討させていただきました。ただ今あるビルでございますが、たいへん古いビルでございます。新しいこの耐震基準にはなかなか対応できないということもございますし、またこれに耐震基準に合わした構造にするためには、かなりのまた経費が支出することになります。従って、災害備蓄支援センター構想そのものはですね、まだこれからも検討していかなければならないと思いますが、当面、NEWSビルでの見解はそういうことで難しいのではないかとこのように考えております。

(室蘭民報)
 支庁制度検討委員会についてですが、道政改革推進委員会の議論の中でですね、この検討委員会は直属な諮問機関というような位置づけにするために、条例で設置した方がいいというような議論が出てたと思うんですが、そういうお考えはなかったのかということです。
 もう一つは、人選なんです。神原北大の先生がいらっしゃいますが、道政改革委員長を、推進委員会の委員長をやってまして、この間の政策情報誌の「エポカ」ですか、それで知事と対談なさってまして、その中で6圏域庁と、21の生活支庁を作ったほうが、これは暴論というようなことは言ってますが、そういう方を選んだ真意といいますか、それを聞かせていただければと思うのですが。

(知  事)
 条例でですね、この委員会を設置するというか、そういう考え方もあろうかと思いますが、まだこの制度そのものについて、まだまだいろいろ議論すべきところがあるというふうに思っております。私どもの庁内の部次長あるいは副支庁長からの、支庁長で構成する検討委員会も作っていますが、今さまざまな資料といいますか、ワーキンググループ、それ以下のクラスでワーキンググループを作りまして、検討を進めるにあたっての様々な角度からの検討というか、資料等の整理も進めておりまして、そういったことで、まだ具体的な検討に入るというか、そういうことにはなってないかなと思います。この委員会の中でですね、もっと地域の声というか、そういうものを十分吸い上げながらですね、一つの方向付けというか、そういうものを試案として取りまとめていきたいというふうに思っております。
 それから道政改革推進委員会の委員長が神原先生なんですが、今回見たらお分かりと思いますけれども、今まで今回の委員の選定にあたりましては、まずできるだけ地域、広い地域から選びたいということと、それから今まであまり私どもの委員会とか審議会とかですね、そういうものに携わってない方で、そういう意味では行政に対するいろいろな先入観みたいなものがない人がいいのではないかということで、選定をさせていただきました。その中で、神原先生が一人いるわけですが、いろいろ支庁改革にこれまでもいろいろな角度から提言をいただいておりますし、できればそういった方がですね、一人いた方が議論があまり広がらない、分散しないのでいいんではないか、そんなことも考えて選任をさせていただきました。

(朝日新聞)
 代表幹事からもいいですか。
 支庁改革の関係ですが二つほど、一つは支庁再編の5年後の成就を提言しているわけですけれども、今後のスケジュールと民間委員会の方に諮問するにあたっての基本理念みたいなものをお聞かせ願いたいというのが一点です。
 それからもう一つは、支庁の再編となりますと、道議選の選挙区割りへの影響ということが考えられますが、そういった道議会からの要望とか指摘なんかが強まるであろうということについて、推進委員会としての位置付けはどう考えるんでしょうか。

(知  事)
 一点目ですけれども、支庁制度の見直しというのは、北海道にとりましては大変大きな問題であります。
 民間の検討委員会にですね、検討をお願いするにあたりましては、やはりこの地域重視の視点とか、あるいは道民の視点に立ちながら、新しい時代といいますか、むしろ白紙の状態からですね、新たな時代にふさわしい支庁のあり方について議論をしていただきたいというふうに考えております。
 当面は委員の方々に地域の意向把握とかですね、あるいは支庁制度に対する共通認識をもっていただきまして、現行の支庁がどのような課題を抱えているのか整理していただきたいというふうに考えております。
 最終的には、先程もお話ございましたけれども、平成12年度までに新たな時代に対応したこの支庁制度のあり方について、試案を策定をしていただきまして、その試案を受けた場合にはですね、道政改革推進委員会からもいろいろご助言をいただいておりますけれども、5年後を目途にですね、念頭におきながら、取り組みに着手をしてまいりたい、そんなふうに考えております。
 あまりこの民間委員会に諮問するにあたりましてね、予断といいますか、あまり先入観というかそういうものがむしろメンバーを見ましてもですね、ない方がいいのではないかというふうに考えてます。
 それから道議選との関わりでございますが、当然、これ、選挙区の問題も含め、様々な課題とか地域への影響というものが想定されるわけですが、これらの影響等十分踏まえながらもですね新しいこの北海道にふさわしい制度を検討して行く必要がある、このように考えてます。
 その検討過程の節目節目におきまして、検討の経緯とか方向性を道議会や住民の皆さんに提供して、議論を深めて行くことが重要であると、このように考えております。
 道議会でも、この支庁の再編につきましては様々な議論がございますので、そういった議論も、委員会にお伝えするというようなことも考えて、支庁制度に関わるいろいろなこれまでの経緯もございます。そういったものについても、また、お知らせをして行きたいというふうに思っています。

(北海道新聞)
 道新です。時のアセスメント、対象9事業のうち8事業がこれで片付いたわけですが、残るは士幌の高原道路だけとなりました。
 すでに関係団体、反対、賛成関係団体から意見を聴取するという方向が出されていますけれども、どうやらまだ日程がつまっていないようでもあります。そんな中でですね、年度内にきちんとした結論まで行かれるのかどうか、そういった面も含めて決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。

(知  事)
 前から申し上げてますように、一応、3月末を目途にですね、対応方針を決めたいというふうに考えておりまして、担当部にはですね、そういった作業を急ぐように指示をしているところであります。

- 以上で終了 -

(この内容については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったもの等を整理のうえ、作成しています。[記録作成:総合企画部政策室広報課報道係])

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