制度概要
- 国土利用計画法に規定する一定面積以上の土地の所有権等の譲渡などがあったときは、契約(予約を含む)締結日から2週間以内(郵送期間を含む)に、譲受人(権利取得者)は土地の利用目的及び対価の額等を土地の所在する市町村に届出する必要があります。※現物配当のときは、上記の契約締結日は株主総会の議決日となります。
- 契約締結日から2週間後に当たる日が、土日・祝祭日等で市町村役場の閉庁日の場合は、その翌日等、最初の開庁日が提出期限となります。
- 届出が必要な場合で、届出をしなかったときは、6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることがあります。届出期限が過ぎた場合でも、無届や遅延を繰り返しているなどの場合を除き届出書の提出があったときは原則告発を行っていませんので、ご協力をお願いします。
- 1年以内に複数回、無届や遅延届出を繰り返した場合や、届出書提出の催告を無視して届出書を提出しないときに適正な土地利用に支障がある場合、権利取得者(買主)の氏名等を、予告なく公表することがあります。
- 道では、届出がなされない場合には、登記原因が「売買」に係る登記異動情報から権利取得者(買主等)に取引状況を確認し、届出期限後であっても届出書を提出するようご案内しています。
- 提出後は、土地の利用目的に応じて、必要な主な手続き及びその概要(開発許可等)について情報提供を行っています。
※札幌市内の土地の場合は、札幌市の所管(札幌市役所への届出)となります。 札幌市(まちづくり政策局都市計画課電話011-211-2506)にお問い合わせください。
※現在、道内には取引価格の審査が必要な事前届出となる注視区域、監視区域等の指定はありません。道内全地域で事後届出制となっています。
届出対象
要件
相互に連接している一定面積以上のひとまとまりの土地に関する権利移転等で、以下の3つの要件を全て満たすときに届出が必要となります。(法第23条第1項)
- 所有権、地上権、賃借権 または これらの権利の取得を目的とする権利の権利の移転または設定であること…権利性
- 対価を得て行われるものであること…対価性※権利金等の一時金を伴わない(保証金や賃料収入のみの契約)賃借権や地上権の設定・移転や、信託の引受け・終了などは対価性がないので、届出不要となります。
- 契約行為によること…契約性※形成権の行使(予約完結権買戻権の行使等)、相続、時効などは、契約によらないので届出不要となります。
※農地転用許可が必要であるにもかかわらず、許可を受けずに締結した「停止条件条項のない」土地売買契約は、農地法により無効となりますので、この時点では国土法上の契約性も満たさず届出不要となります。この場合、土地の所在市町村の農業委員会または(総合)振興局で転用許可を受け、契約後に国土法の届出をする必要があります。(農地転用の許可を停止条件とした農地売買契約を締結した場合は、その時点では農地法により無効とはなっていませんので、国土法の届出も必要です。)
※農業経営基盤強化促進事業の一環として所有権の移転等を行うケースで、農用地利用集積計画を定めた旨の同意市町村の公告によって効果を生じる場合は、契約よって効果が生じるものではないため、契約性の要件を満たさず届出不要となります。
届出を要する場合の代表的な例
- 売買(共有持分の譲渡、営業譲渡等)、譲渡担保、代物弁済、代物弁済予約、交換、形成権の譲渡(予約完結権の譲渡、買戻権の譲渡等)、現物出資、信託受益権の譲渡、※地位譲渡、※第三者のためにする契約、停止条件付き契約
※これらの契約の予約契約の場合も、届出の対象となります。
※いわゆる「新中間省略登記」により地位譲渡や第三者のためにする契約を利用しA→Cへ直接所有権移転をする場合、国土利用計画法ではA→B、B→C間(所有権の取得を目的とする権利)のいずれの契約において未登記でも買主(B及びC)は届出が必要です。
※届出義務者が死亡したときは、届出不要となります。(被相続人に承継しません。)
適用除外
上記の3要件を満たしていても、以下の場合は、国土利用計画法の適用除外の規定により届出不要となります。
- 当事者の一方又は双方が、国、地方公共団体、その他政令で定める法人(※)である場合(法第18条)
※その他政令で定める法人(政令第14条)
港務局、独立行政法人都市再生機構、独立行政法人水資源機構、独立行政法人中小企業基盤整備機構、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、地方住宅供給公社、日本勤労者住宅協会、独立行政法人空港周辺整備機構、地方道路公社及び土地開発公社
- 民事訴訟法による和解である場合(以下、政令第17条(一部政令第6条準用))
- 破産法、会社更生法、民事再生法等の規定に基づき裁判所の許可を得て行われる場合
- 公有水面埋立法第27条第1項の許可を受けることを要する場合
- 家事事件手続法による調停に基づく場合
- 土地収用法に基づくあっせん、和解である場合
- 農協等が行う農地利用集積円滑化事業による農地売買等の場合(施行規則第3条)
- 農地法第3条第1項の許可を受けることを要する場合
- 滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売、企業担保権の実行により換価する場合等
※適用除外となる土地を一部に含む取引の場合、ひとまとまりの全体面積で届出の要否を判断することとなります。ひとまとまりの全体面積が一定面積以上のとき、実際に届出を要する部分は、適用除外以外の部分に限定されます。(この場合、届出書の「その他参考となるべき事項」欄にひとまとまりの全体面積の記載をお願いします。)
「一定面積以上」とは
一つ契約において取得する「ひとまとりまりの土地」の面積が、市街化区域では2,000平方メートル以上、市街化区域以外の都市計画区域では5,000平方メートル 以上、都市計画区域以外の区域では10,000平方メートル以上となる場合を指します。(法第23条第2項第1号)
※届出の対象となる土地が、市街化区域、市街化区域外の都市計画区域または都市計画区域外のいずれの区分に該当するかは、土地の所在市町村にお問い合わせください。
※届出の対象となる権利が、共有持分の譲渡の場合は、全体の面積に共有持分を乗じた面積が、上記の一定面積以上のときにその面積及び価格等の届出が必要となります。(全体面積及び共有持分を届出書の「その他参考となるべき事項」欄に記載願います。)
【例】市街化区域全体面積 6,300平方メートルで共有持分3分の1の譲渡の場合→6,300平方メートル×1/3=2,100平方メートルとなり2,000平方メートル以上で届出要
また、2以上の契約に係る合計が一定面積以上となる「ひとまとまりの土地」(一団の土地)を取得する場合は、 各契約締結ごとに届出が必要です。 (法第23条第2項第1号 括弧書き)
【例】市街化区域において、開発業者Aが、下図のような土地全体の上に、大規模店舗を建設するため地権者(甲さん、乙さん、丙さん、丁さん)から各土地を購入した。※国土利用計画法の市街化区域における届出が必要となる面積は、2,000平方メートル以上。
※既取得から時間的に短い期間に隣接地を同一の利用目的で取得した場合で、全体面積が一定面積以上となるときは、一団の土地とみなされ、各取得毎の面積が要届出面積未満でも、各取得毎に届出が必要となります。
※既取得地と新たな取得地が道路で分断されている場合でも、幅員が10m程度以下で交通量が少なく往来が比較的容易であり、全体面積が一定面積以上となるときは、一団の土地とみなされ、各取得毎の面積が要届出面積未満でも、各取得毎に届出が必要となるときがあります。
※複数の市町村にまたがっている土地を取得した場合で、面積の合計が一定面積以上であるときは、それぞれ土地の所在する市町村に届出が必要です。
届出について
提出書類
- 届出書
- 土地売買契約書等の写し(現物配当のときは株主総会議決書写し)(法施行規則第20条第2項)
- 土地及びその付近の状況を明らかにした5千分の1以上に縮尺した図面(付近図,法施行規則第5条第2項第3号)
- 土地の形状を明らかにした図面(公図又は地積測量図等,法施行規則第5条第2項第4号)
※必要に応じて位置図等の書類の提出を求める場合があります。
届出様式等
※届出に当たっては、隣接するひとまとまりの土地ごとに、1件の届出書として提出してください。
※提出いただいた届出書等は、当該土地の所在する振興局において事務処理をします。
※図面の添付は、法施行規則に規定されているため省略できません。(一団の土地の場合で、既に届出の図面で新たな届出分の図面を兼用できるときは省略できます。)
取り下げについて
※届出から3週間以内の届出の取り下げの場合は、下記の様式を該当市町村に提出してください。 (3週間経過後に契約解除があったときは、既に処理済みのため、取り下げ等の連絡・手続きは不要です。)
提出部数
- 届出書は、3部(正本1部、副本2部)
※令和3年(2021年)1月1日以降、受理(受付)となる届出書に係る 氏名欄の押印は不要となっています。(代理人が届出する場合、委任状への押印も不要です。)
- 届出書以外の添付書類も、各3部
※上記届出書及び添付書類は、土地の所在する市町村の担当課へ郵送による提出でも差し支えありません。