北海道の産業 － 林業
北海道の森林
北海道の森林面積は、2023年4月1日現在554万haと、北海道の土地面積（北方領土を除く）の71%、全国の森林面積に占める割合は22%となっています。森林面積を道民1人当たりに換算すると約1.1haであり、全国平均の約5倍となっています。所管別では、森林面積の55%を国有林が占め、次いで私有林等26%、道有林11%、市町村有林6%となっています。このうち、国有林、道有林、市町村有林といった公的な森林を合わせた割合は72%で、全国平均の43%に比べ高い比率となっています。林種別では、天然林が69%と最も多く、次いで人工林26%、無立木地・その他5%となっており、天然林が多く人工林が少ないことも特徴です。
また、森林蓄積は、2023年4月1日現在では8億6千万m3と、全国の16%を占めており、近年は、人工林の蓄積が顕著に増加しています。
また、齢級（5年ごとの森林の年齢、1齢級＝1～5年生）別の人工林面積では、カラマツやトドマツは8～13齢級を主体としており、成熟期を迎えています。
※構成比は表示単位未満を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない。
北海道の林業・木材産業
2023年4月1日現在の道内の森林所有者数は約14万人で、このうち、5ha未満の小規模な所有者は約9万4千人で全体の約69%を占めています。
林業従事者は、人工林資源が利用期を迎え、伐採事業量が増加している中で、機械化などによる作業効率の向上等が進んだことなどを背景に、2013年度以降おおむね横ばいで推移しており、2021年度調査では4,208人となっています。
道内における2022年度の木材需要は、製材用、パルプ用、合板・その他用ともに前年度より減少し、総需要量は637万m3（前年比94.5%）となりました。需要量の用途別割合は、製材用が34.2%を占め、次いでパルプ用が33.0%、合板等用が32.8%を占めています。
また、2022年度の木材供給量は、道産木材が445万m3（前年比97.2%）、輸入材が192万m3（前年比88.7%）と減少しました。道産木材自給率は、道産木材、輸入材ともに供給量が減少した中、道産木材の割合が増加したことから、前年度より2.0ポイント上昇し、69.9%となりました。
2021年の木材関連産業の製造品出荷額は5,070億円で、前年比で0.04%減少しました。全製造品出荷額に占める割合は8.3%と全国の3.8%に比べて非常に高く、その内訳はパルプ・紙・紙加工品製造業が2,777億円（木材関連産業の製造品出荷額の54.8%）、木材・木製品製造業（家具を除く）が1,872億円（同36.9%）、家具・装備品製造業が421億円（同8.3%）となっています。
道内における2022年度の製材工場数は156工場で、製材生産量は2021年度より4万m3減少して、73万m3（前年度比94.9%）でした。また、木材チップ工場数は181工場で、木材チップ生産量は2021年度より10万m3減少して126万m3（前年度比92.8%）でした。
北海道にふさわしい豊かな生態系を育む森林づくりに向けて
北海道では、北海道にふさわしい豊かな生態系を育む森林を守り育て、これらを次代に引き継がなければならないとの考え方に立ち、全国に先駆け2002年3月に「北海道森林づくり条例」を制定し、百年先を見据えた森林づくりを進めており、条例に則して「北海道森林づくり基本計画」を策定し、森林づくりに関する施策を総合的かつ計画的に実施しています。
2022年3月には、森林吸収源対策による「ゼロカーボン北海道」実現への貢献や少子高齢化が進む中での森林づくりを担う人材の育成・確保など、森林・林業・木材産業を取り巻く情勢の変化を踏まえ、「北海道森林づくり基本計画」見直しを行いました。
本計画では、ゼロカーボン北海道の実現に向けた活力ある森林づくりや広葉樹資源の育成・有効活用、道産トドマツ建築材の安定供給体制の強化、森林づくりを担う「人材」の確保、スマート林業による効率的な施業の推進、HOKKAIDOWOODブランドの浸透による道産木材の需要拡大、さらには木育マイスターや企業などによる木育活動の推進を新たに重点的な取組に位置づけ、森林資源の循環利用と木育の一層の推進を図ることとしています。
森林の面積＜2023年（令和5年）4月1日現在＞(万ha)
林種別
所管別
出典：北海道水産林務部（2022年）「令和4年度北海道林業統計」
