知事定例記者会見
・日時/平成15年5月15日(木) 16:00~16:20
・場所/議会記者室
・記者数/32名(その他カメラマン等6名)
会見項目
知事からの話題
1 臨時議会を終えて
2 副知事紹介
3 有珠山噴火災害復旧状況の現地視察について
記者からの質問
1 特別職人事について
2 河野議員の逮捕について
3 有事法制について(1)
4 有事法制について(2)
5 三位一体改革について
※ 吉澤副知事、山本副知事への質問
知事からの話題
臨時議会を終えて
この場での会見はじめてです。よろしくお願いします。
私からは、まず今臨時議会、はじめての議会でございましたが、感想というか思っているところを一言述べさせていただきます。
とにかく初めてでしたので、緊張の連続であったということです。
本当に恥ずかしい話ですが、どこでお辞儀をして、どこで挙手をしてということも含めて、段取りも分からない中で、中身の議論よりも、まずは議会の文化というか、しきたりについて、慣れるのに精一杯であったというのが、私の本心です。
副知事紹介
今日、副知事などの人事、選任につきまして、議会のご同意もいただきまして、これで三役の新しい体制を明日にでもスタートさせたいと思っております。これから政策予算の編成、そして雇用対策をはじめ山積みする懸案があるのは皆さんご承知のとおりでして、道庁一丸となって取り組んでいきたいという決意を新たにしたところです。今日は新副知事になります、吉澤経済部長、そして山本総合企画部長にも同席をしてもらっております。あとから一言ずつ抱負と感想をお願いしたいと思っております。
有珠山噴火災害復旧状況の現地視察について
それからもう一つ私のご報告は、今週の土曜日になるんですが、有珠山噴火災害復旧状況の現地を拝見させていただくということを知事になりましてはじめてやる予定にしておりまして、スケジュール的には現場で3市町長とお話をさせていただく、それから災害現場を視察させていただくということを予定しております。ある意味、有珠山の虻田町を中心とする地域の噴火の跡というのがひとつの観光資源にもなりつつあるわけですが、数字で見ますとやはり噴火の前の状況まで観光客が戻っていないという実態があるわけです。現地で関係の方々のお話を伺いたいと思っています。
では両副知事から一言ずつお願いします。
(吉澤経済部長)
吉澤でございます。よろしくお願いします。
私は産業政策を担当することになりますが、今の北海道の雇用も経済も大変に厳しい状況にありますだけに、職責の重さをいま痛感しているところです。いずれにしましても、当面する緊急の雇用対策、それから中小企業対策に全力を挙げていかなくてはならないと思っているところです。
それから産業の振興につきましては、知事の公約を踏まえまして、北海道の特性を活かした産業の振興という面に一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
どうぞよろしくお願いします。
(山本総合企画部長)
山本でございます。
私の所管は総合企画部、環境生活部、建設部ということで知事の方からお話がございました。知事が冒頭におっしゃられたように、大変課題が山積している中で、いま一番こころしなくてはならないことは、道職員が高橋知事のもとで一丸となって、その課題に対処していかなくてはならないという思いを強くしております。そのためにいささかの役割を担っていきたいと考えております。
これからも皆様方の忌憚のないご意見、ご叱正も含めて頂戴いただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
記者からの質問
(HTB)
両隣にお座りの新副知事、特別職人事が固まったわけなんですが、人選を含めて、今回の人事のねらいというのをまずお聞かせ願います。
(知事)
先ほどのご説明の中で、引き続きお願いする山口副知事については言及しなかったんですが、やはり一つは行政の継続性という観点が重要であるという私の判断がありました。
もう一つはやはり、経済、1次産業から3次産業に向けての一気通貫の産業振興担当の方に是非なっていただきたいという思いがありました。そういったことで、そういった担当を吉澤副知事にお願いしたいと思っています。また、それ以外にも懸案が山積みであります。そういったこと(対応)に経験豊富な山本部長に副知事になっていただきたいと思っています。今、両部長からの話しがありましたとおり、道庁一丸となってこの厳しい難局を乗り切って21世紀の新しい北海道づくりに全力投球していきたいと、その思いを込めて3人の方に副知事をお願いしたところでございます。
(HTB)
補足でおたずねしたいんですが、農業など1次産業の分野などでは新たな仕組みを考えていらっしゃるという話だったと思うんですが、もし、お話いただけるならよろしくお願いします。
(知事)
いろいろ私の頭の中で考えておりますので、もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
(HTB)
よろしければ、今日、現職の道議会議員である河野議員が逮捕されました。この事態を知事としてはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
本当に極めて残念の一言に尽きると思います。もちろん、事実関係については、今後捜査の過程で明らかになってくということで、そこは見守らなければならないと思っています。私自身も政治家の仲間入りをした1人として、やはり道民の方々の信頼、政治に対する信頼を回復、その低下を阻止していくためにも、政治家1人1人が身を律していくという、当たり前のことですが、そのことの重要性ということを痛感しているところです。
(HTB)
もう一つ、有事法制に関してですが、今日、関連3法案が衆議院を通過しましたが、今国会で成立する見通しとなっています。北海道として、いろいろ関わってくる話だと思いますが、有事法制が今国会で成立する見通しとなっていることに関して、知事はどのように考えていらっしゃるか。
(知事)
今の複雑な国際環境の中で、いろいろな有事があり得ると思います。日本の安全に危害を加えるような状況を想定した、この有事法制ということ、それについて、国会における与野党の方々の意見のある程度の一致があって、今回の衆議院の通過ということになったのかなと認識しております。
国民保護の法制の問題を含めて、詰めていただかなければならないところは多々あると思いますが、一つの方向性が出たということは、評価をしているところです。
(HTB)
お話のありました国民保護法制の部分では、タイムラグがある中で、鳥取県なんかは住民避難ということに関して、いろいろなことを考えているんですが、北海道としてこの有事法制について、何か作られる仕組みというのは考えていらっしゃるんでしょうか。
(知事)
今、内部で検討中ではございますけども、ここで申し上げる段階にはないかと思っています。
(NHK)
地方分権についてなんですが、地方分権改革推進会議で補助金の削減などを柱とする「三位一体」の議論がなされているわけですが、財源移譲の先送りなどについては、会議の委員から反発する声も挙がっています。このような議論については知事はどのようにお考えですか。
(知事)
これは今日の議会最終日でも北海道議会として国と地方の税財源配分の在り方についての意見書の提案があって、採決されたところです。私も北海道の地域のトップとして、一部委員の方が持っておられるとおりの意見を持っております。やはり地方分権という、いろんな仕事を国から地方へ移管をして、そして国庫負担金、補助金あるいは地方交付税を減らすということであれば、当然その裏として税源移譲をやっていただかなければ、これは話が合わないわけです。その意味では「三位一体」といま言われていることは、パッケージとしてきっちりとご検討していただきたいという強い思いをもっております。
そしてこれは北海道の場合には特に、ご承知だと思うんですが、数字で見ますと、歳入に占める割合で見ますと、地方交付税の依存度というのが全国平均との比較において、都道府県ベースでも高いですし、市町村ベースで特に高いです。全国市町村平均で歳入に占める割合が、地方交付税で19%ですが、道内の市町村の場合には30%まで占めておりますので、このことを考えた場合、もちろん各都道府県共通の強い関心事でありますが、特に北海道の立場として、この問題についていろんな場を通じて発言していかなくてはならないと強い思いを持っているところです。
(HBC)
有事関連法制についてなんですが、北海道は、苫小牧などを含め、有事となったときに、国との関係でいろんなことが想定されると思うんですが、先ほどの知事のお答えでは北海道としてのポリシー、スタンスがあまり見えてこないんですが、住民避難など検討しているということですが、どういうお立場で、このことを考えていられるのかということをもう少しお聞かせください。
(知事)
もちろんわれわれの立場というのは、道民の方々の安全をいかに確保するかということに尽きるわけです。そのことの実現のために、国は国で一定の都道府県知事に対する指示ですか、一定の方向性を出すという仕組みになっている中でですね、そういうことについては、情報の問題もありますから、都道府県知事が、全ての情報をもった上で判断できるわけではないので、国がある程度、知事の判断よりも上にあるということは認めるわけですけれども、そういった中で道民の保護をどうやっていくかということについては、申し訳ありませんが時間をいただいて早急にまとめていきたいと思います。
(HTB)
すいません。吉澤さんと山本さんとちょっと各社まだ聞きたいことがあるんですが。
すいません。知事、時間ないところありがとうございます。
(知事)
どうもありがとうございました。
(HTB)
先ほどご挨拶でも話をお伺いしたんですが、それぞれ、ご両方お伺いしたいんですが、今回議会の構成が変わって、議会対策という部分でも非常に難しい局面がいろいろと出てくると思うんですが、それぞれ議会対策という部分ではどのような気持ちでのぞむのかということか聞かせてください。
(吉澤経済部長)
本格的な政策予算はこれからになるわけですし、議会はこの次の二定議会が本格的な議会になるわけです。知事のこれまでの発言も、道民主体となって、道民のためになるということを視点に物事を判断して進めていくことが基本ですので、私もその考え方に沿って、道民にまず開かれているかという形でそれぞれの担当に対する理解を深めていくと、基本的にその考え方に沿って進めたい。
(山本総合企画部長)
議会対策ということより、いま北海道の将来をどう考えていくのか、課題山積してますから、その中で道議会で真摯な議論が展開されることが必要だろうと思っております。私どもも知事を先頭にして、真摯な議論ができるような努力をこれからも積み重ねていきたいと思っております。それが望まれる議会の在り方なのかなと思っています。
(北海道新聞)
答弁調整についてですが、山本さんは財政課長はじめ総務部で財政担当の次長と、いわゆる議会対策の先頭ランナーにいました。そのお立場から見て、答弁調整の在り方はこれからどのような方向に行くと考えているか。
(山本総合企画部長)
答弁調整についてはいろいろとご意見があることは承知しております。先ほど申し上げたとおり、議会において開かれた真摯な議論が展開されるためには、いままで何が問題であったのかということを十分踏まえて反省すべきとこは変えていく必要があると思っています。いずれにしてもこれから議会と本当に忌憚のない質疑、意見交換、議論ができる仕組み作りが必要だと思うので、私なりにまたその立場で努力をしていきたい。
(北海道新聞)
もう少し具体的に、反省すべきは変えていくということですが、どういうことをイメージしてますか。
(山本総合企画部長)
道民の方々になかなか中身が見えないというようなご批判があったかと認識しておりまして、そういうところをできるだけ開かれた議会になるよう、我々、理事者側としても十分意を尽くしていかなくてはならないのかなと思っています。
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