知事定例記者会見
・日時/平成15年7月4日(金) 19:15~19:40
・場所/旭川グランドホテル6階 エルム
・記者数/10名(その他カメラマン等3名)
会見項目
知事からの話題
1 天皇皇后両陛下の行幸啓について
2 配偶者暴力防止法の見直しについて
3 北海道競馬旭川ナイター開幕について
4 第2回定例会について
記者からの質問
1 天皇皇后両陛下の行幸啓について
2 道議会について(1)
3 道議会について(2)
4 道職員のボーナスについて
知事からの話題
天皇皇后両陛下の行幸啓について
私のほうから4つ申し上げたいと思います。
まず1番目には、本日7時15分、行幸啓の途中でございましたが、皆様方ご承知のとおり、両陛下の御料車との接触の件です。事実関係等については、いま、道警と皇宮警察で調べられておりますし、また再発防止等についてはその後の検討となるかと思いますので、私から申し上げることはありません。いずれにしても、久々の北海道への行幸啓をお迎えした中でこういったことがあったというのは、とても残念でございます。しかしながら、3分くらい止まった後発車し、富田ファームへ予定より若干遅れて到着しましたが、いつもどおりの両陛下のにこやかなお姿でした。そして奉迎の子供たちに対するお心遣い。それから富田ファームの社長からの説明に熱心に聞き入っておられるご様子は、いつもどおりの両陛下のお人柄であったと思います。私随行しておりまして、ずっとお側近く両陛下と富田ファームの方々とのお話をお聞きしておりまして、そのような印象を持ったところです。私自身としましては、あのような事があった後でも、両陛下がいつもと変わらないお心遣いをしていただいたということに深い感銘を受けたということを一言ご報告申し上げたいと思います。
配偶者暴力防止法の見直し
2つ目でございますが、いわゆるDV法、配偶者暴力防止法につきまして、いまその見直しに向けた検討が進められているわけです。そういった中で、千葉県の堂本知事からお話があったのですが、この法律の見直しの作業に向けて、女性4知事で連名で要望したいがどうかというお話がありました。いろいろとお話を伺い、かつ事務的に打ち合わせをした結果、北海道としてもすでに取り組みをしている経過もありまして、いくつかの項目について共同で見直し要望を出したところです。1つは配偶者からの暴力の定義の拡大。配偶者に元配偶者も含めるということ。あるいは、いまのDV法では、暴力は物理的な暴力といいますか、身体的に危害を及ぼす暴力に限っているわけですが、これに心身に有害な影響を及ぼす、いわゆる精神的な暴力も含む概念にすべきである等、いくつかの項目について共同で申し入れをすることにしました。実は本日、堂本知事から一緒に東京で、というお話もあったのですが、私、両陛下をお迎えしているところということで、4人の知事を代表して、堂本千葉県知事が、要望書を「参議院共生社会に関する専門調査会」の小野清子会長、「法の見直しに関するプロジェクトチーム」の南野智恵子座長、参議院議員でいらっしゃますが、要望書を提出したという報告を受けているところです。本件につきましては、7月17日に全国知事会でも堂本知事から報告されると聞いています。この17日の知事会は道議会中ですので、出席はかなわないと思っております。
北海道競馬旭川ナイター開幕について
次に、北海道競馬の旭川ナイター開幕です。これはこちら旭川でのお話ということですが、7月2日に今年も北海道競馬の旭川ナイターシリーズが開幕しました。9月18日まで35日間、毎週火、水、木に開催をしているところです。ここ旭川では、旭川競馬場と場外発売所で馬券を発売するわけですが、旭川競馬場で8月12日から14日の夏祭りなど、各種のイベントも予定をしているところです。
第2回定例会について
もう1つは、行幸啓の日程は明日で終了の予定でして、来週からはいよいよ第2回の北海道議会定例会がスタートします。8日から25日間の会期で開催の予定です。私にとっては、はじめての政策予算を提案する議会ということで、かねてからいろんな方々と垣根を設けずに議論をして政策を高めていくという、バリアフリーの道政ということを申し上げておりますけれども、こういったことをやっていきたいと考えているところです。経済雇用をはじめとして、様々な道政上の重要課題を議論できればと思っています。そしていわゆる答弁調整につきましては、これまで申し上げているとおりですが、一言一句までの調整ではなく、委員の皆さん方のご理解を得ながら、必要な情報の提供、交換を行い、論議が円滑に進むような形での取り組みということで、私どもの考えております案を7月7日月曜日に各会派の会長会議に正式にご提案をすることを考えています。道議会サイドのご理解が得られれば、この問題についても1つの改善といいますか、やり方の変更をやっていこうと考えています。道議会の審議というのは私にとってははじめての経験です。国会とのお付き合いはありますが、こういった自分自身の経験も踏まえて、私なりに課題を把握し、常に改めるべきものは改めるという姿勢を基本に取り組んでまいりたいと思います。今回の行幸啓にお供している中で、道議会議長の神戸道議とはずっと同じ車で行動をともにしておりますので、2人でいろんな議論をさせていただきながら、来週の議会に向けての私の考え方の整理もさせていただいたところです。北海道、厳しい現状にあるわけでして、そういった現状を踏まえながら、新しい北海道、新生北海道と言っておりますが、その実現に向けての政策の具体化の第一歩です。有意義な議論ができるように努めて行きたいと考えています。
私からは以上です。
記者からの質問
(NHK)
今朝の事態(天皇、皇后両陛下の乗った車が軽乗用車に走行を妨害された事件)というのは、道警の話ではあるんですが、知事の立場でどのようにお考えかをおたずねしたいんですが、平たく言うと失態なんでしょうか?
(知事)
そのことはいま事実関係の詳細なる検証を道警でしてますので、その結果をお伺いしたうえで、私なりのコメントが必要であれば、あらためて申し上げたいと思います。いまはなによりも今回のことがどういう背景で、どういうことが起こったのかを解明するのが一番重要であり、その上での私の判断になると思います。ですからいま時点ではコメントは留保させていただきます。
(北海道新聞)
2点質問があります。
札幌市の上田市長が、議会での代筆、市職員による議員のための質問の代筆を禁止したいということをおっしゃったんですが、道庁の中にもそういった風習があるように見受けられますが、それに対する知事のお考えをまずお聞きしたい。
もう1点、今回5日間、天皇皇后お2人といっしょにいらっしゃって、知事の率直なご感想をお聞きしたいと思います。
(知事)
代筆の問題についてですが、私も新聞記事を見てびっくりしたんですが、どういうものなのか、何がどのように行われているのか事実を詳細に承知するものではありません。中身も明確ではないなと思っています。ただ万が一、そういうことが札幌市においてあったということであれば、それはあってはならないことなので、そのように思って、新聞記事を見ていました。そして道庁と道議会の関係においては、そのようなことは現在行われていないと聞いているところです。いずれにいたしましても、理事者側が議会の質問を全面的に代筆するという、本当にそういう意味であるならば、そんなことはあってはならないわけでして、いまはないと聞いてますが、これからもそのようなことがないように道庁サイドとして、道議会との関係において徹底していきたいと思っています。
(北海道新聞)
道庁と道議会ではそのようなことが無いというのはどのように確認しているんですか。
(知事)
担当は財政課ですので、新聞で記事が出てその直後に財政課長から確認しています。
そして、行幸啓の感想ですが、やはり両陛下のお心配り、お優しさ。私は常に1.5メートルぐらいの間をおいてついていくということでして、私がもっともお側近く両陛下のご様子を拝見する立場にあるわけですが、本当にお心配りのあるお優しいお2人であると思いました。今日も旭川市内の「特別養護老人ホーム緑が丘あさひ園」を訪れまして、本当にお1人お1人のお年寄りに、それも皇后様は特に車椅子にお座りのおばあちゃんがいましたら身をかがめて、ひざをつくようにして、耳元でささやきかけるようにしてお声をお掛けになっている姿を見まして感銘を受けました。お心配りとお優しさが1つです。それからもう1つは、御即位後15年、その前は皇太子殿下、妃殿下として、大変多くの行幸啓を、あるいは地方のご訪問をしておられるかと思いますが、1つ1つをとっても熱心に、真摯に取り組んでおられると今回あらためて感じましたのは、昭和33年ですか、ご成婚の前年に当時の皇太子殿下お1人で北海道に3週間あるいは4週間、お越しになっておられるんですが、陛下が皇后様にその時のご様子をお話になられていたり、またお2人で来られた時のお話をお2人で記憶を共有されながら、あのときはああだった、このときはああだったと。特に私感動しましたのは、今日、富田ファームを訪れた時にも、ハーブの畑の前で、天皇陛下がおっしゃったのですが、「私がかつて北見にまいりました際、ハッカ工場にご案内いただいたのですが、どうなっていますか」とお尋ねになられまして、それはもう昭和33年の話ですが、しっかりと覚えていてくださってご質問されたお姿がございました。網走に行かれたお話とか。あるいは別海に行かれたときは、両陛下お2人で行かれたようですが、当時の町の方針で、酪農の地域ですので、牛乳をたくさん飲んでもらうために、野菜を入れたパンを地元農家の方たちが作っていて、両陛下に差し上げられたそうですが、それがとても美味しかったというようなお話もされていました。冬季オリンピックに札幌へ来られたときのお話しも懐かしそうにされておられて、当時の堂垣内知事からいろいろなご説明を受けたということも昨日のことのように覚えておられて、堂垣内知事は北方圏の交流構想にご熱心でしたね、というようなお話もされていました。私に、あれだけの記憶を保っていられるかなと思うほどに、本当に1つ1つご熱心に、真摯に取り組んでおられるということに感銘を受けたところです。
もう1つ言うと、皆様もご覧になられたとおり、階段を上られる時など本当に自然な形で、天皇陛下が皇后様に手をお出しになるなど、大変、夫婦仲の良さを改めて感じさせられました。
(日本経済新聞)
先日、道職員のボーナスが支給されましたが、総額で800億弱、780億円くらいと思いましたが、大きな金額で、1700億という財源不足が生じる中で、単純に民間と比較できないとはいえ、かなりいびつな構造になってきていると思うんですが、特に人件費ですが、ここに手を入れる、今後見直していくお考えはおありでしょうか。
(知事)
今回の2定予算(7月8日開会の道議会第2回定例会に提出する道の補正予算案。いわゆる政策予算。)に向けては、政策予算という範囲内でして、骨格予算はすでに組まれていました。人件費を含めての全体予算については、来年度、私が手がけるのは、はじめてになります。今回の政策予算の中でも、すでに説明しているとおりですが、限られた財源であるという認識の下に、いままでは手がついていなかった部分にも例外なくご理解をいただくというような道の案を作って、これから道議会でご議論いただくわけですが、今回の補正予算ではできる限りのことをやったと、まだまだ余地はありますが、第一歩はやったと思っています。そして来年度予算に向けては、人件費の問題も含めて、骨格となる予算についてもゼロベースで、厳しい財源の中でどういったものにするか、この前も知恵と工夫でと申し上げましたが、限られた財源を使っていくのかということについて、全力を傾注していきたいと思います。
(STV)
先ほどお話ありましたが、議会の関係で2点お伺いしたのですが、答弁調整についてもう少し具体的に知事のお考えをお聞きしたい。
あと1つは、定時開会ということについて、知事のお考えをお聞きしたい。
(知事)
STVさんですね。私が知事に就任する前でしたが、日曜日の朝の番組に出していただいたときにも、この問題でキャスターの方から質問をいただいて、画面でもいろいろ見せていただいて、とても勉強になった記憶があります。ありがとうございました。
答弁調整についての具体的な案についてですが、7月7日に議会の各会派にご提案しようと思っているのは、いわゆる一言一句までに及んで調整する答弁調整から、意見交換に変えようということです。意見交換というのは、言葉変えただけじゃないかと思われるかもしれませんが、一つは質問趣旨の確認です。これは国会でもやってましたが、紙で書いた質問趣旨をいただいて、これはどういうご趣旨ですかという確認です。確認する過程で、例えば事実関係の行き違いがあれば、これはこういったことなんですとご説明すると、ああそうかそれならこういうふうに質問を変えるねということもあるでしょう。そういった質問の趣旨の確認です。それと再質問のご意向があるかどうか、再質問があるのが北海道議会のルールですから、それを大前提として、そのご意向があるのかどうか確認するために意見交換をやろうと思っています。それと当然各会派のご理解がいただければですが、意見交換を行った場合には、意見が一致しなくても事実関係の行き違いが無いことが分かれば、審議入りするということです。これまでは私の聞いているところによりますと、一言一句考え方の調整がすべて整うまで審議入りしないし、させないということのようでしたが、そこは一致しなくても審議入りさせていただきたいということを7月7日にご提案させていただきたいと思っています。
定時開会ですね。もちろん定刻というものがあるのですから、定刻に始めるのが当たり前だと思っています。
(読売新聞)
答弁調整は事前に調整するということですが、意見交換というのは事前にするんですか、それとも本会議の舞台で意見交換する形にするということですか。
(知事)
事前に意見交換します。
(読売新聞)
事前にですか。それでは本会議の場で出てくる答弁というのはそれは摺り合わせじゃないんですか。
(知事)
それは言葉の問題だと思いますが、いままでやっていたという一言一句まで調整をし、その摺り合わせがすべて終わるまで審議入りしないということから、先ほど私が申し上げた中身における意見交換に変えたいというのが、私どもの提案です。
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