知事臨時記者会見
・日時/平成15年8月16日(土) 13:05~13:25
・場所/足寄町 郊南地区
・記者数/10名(その他カメラマン等5名)
会見項目
知事からの話題
1 台風10号関係について
知事からの話題
台風10号関係について
ご苦労様です。私は、10日とそれから一昨日14日の2回、日高に現地の状況を確認しにいきました。今日は十勝に初めて入らせていただきました。率直に言いまして、日高は面的に、全体が水に埋まったという印象を受けましたが、十勝では、局所局所の被害にとどまったと、しかしそのとどまったという表現では十分に私の印象を皆様方に伝える事が出来ないと思います。具体的にはまず、居辺橋で多くの方が亡くなられた現場であります。本当に、亡くなられた方々に対しては心から改めて哀悼の意を表したいと思います。献花をさせていただいたところであります。今、取り敢えずの復旧は終わったわけでありますけど、地元の町長さんからも話ございました。なぜ今回のようなことが起こったかということを十分に検証したうえで再発しないように、きっちりとした対策をやっていかなければならないという思いを強くしたところです。
そして次に、本別に入りまして、美里別西上地区で農地被害、農業の被害、これも先程申しました局所的ではございますけど、ただやはり水の被害、力の恐ろしさというんでしょうか、山が滑ってまして、3ヶ所、皆様ともご覧になられたと思いますけど、治山をしたところは大丈夫だったわけですが、そうではないところが水が流れて農地、あるいは牧場しておられる方々の所に大きな被害として、それが洪水として流れて畑をだめにしてしまったという現場を見たところです。それから流木も相当な勢いで上から流れてきたものを見てきました。この処理についてどうするかという本別町の町長さんからのご要請もございました。私どもとしてはこの廃棄物の処理として、本来であればこういったものの処理について一定のルールがあるわけでありますが、これは日高の流木の対策も含めまして、弾力的な運用ということを本庁で、担当部局の方で考えております。十勝における流木の処理の方法についても、また今日戻ってから本部員会議がございますので、議論したい。議論した上で必要な指示をしたいと思います。
それから、同じく本別町の朝日町、これは崖下に家があって、その世帯の方が2世帯いまだに避難をしておられます。それから自主的な避難の方もいたわけでありますけど、直撃を受けたあたりというのは空き地で、車2台が埋まって、壊されてしまったという話を伺いました。本当に恐ろしいなと率直にそういう思いをいたしたわけであります。幸いな事に、皆さんご無事であったいうことは不幸中の幸いであったと思いますが、こういった所について、上部が国有林で、その下が民有林で、そこに道が工事をした提(落石防止棚)があったわけですが、その復旧等々は出来る限り早くやるということを私どもとして申し上げたところです。一刻も早く皆さん方が安心をして元の生活を再開できるように私としても支援をしていきたいということを申し上げたところです。
そして、ここが今日の最後の調査地点でございます。郊南地区。ちょうど今、本別の町長さん、足寄の町長さんもおられました。また町の幹部の方々もおられましていろいろ話を伺いました。国道に土砂が流れて、林道が川になっているわけです。そして治山事業の部分もありまして、そういったものが今もお話がございました、関係機関が一体となって、連携をして対策を講じていかなければならないという思いを強くしました。ここの部分についても札幌に戻ってからも本部員会議でまた再度指示をしたいと思います。
前後しましたが、居辺橋のことですが、これは日高の厚別川のときにも申し上げたんですが、道道の通行止めのタイミングについて、私ども本当に反省しなくてはならない点が多々あると思っています。居辺川のこの辺りの道道におきましても10時半にパトロールしました。ここは水位観測の機器が無いわけでして、パトロールで状況をチェックして、道路規制について検討するというところです。10時半には何も問題なかったということなんですが、その後相当量の雨が1時間、2時間と降り続いて、そして午前4時くらいにトラックが落ちたと。2台連なって走っているトラックで、落ちた1台のトラックとは別のもう1台のトラックの運転手さんの通報で駆けつけまして、トラックの運転手さんは助かったわけですが、その下にワゴン車があったということで、今回ご承知のような悲惨な結果となったわけです。
水位情報というものをどういう形で道路の規制に活用していくか、全道的に調査をしまして出来る限り早く、といってもたくさんありますので9月上旬を目処になるかと思いますが、その在り方について、方向性を出していかなければならないと思っています。そして水位情報を活用しながら、自動的に道路の規制をするところ、地点を増やしていくことも担当部局に指示を出しているところでして、これももう一度今日の私の調査の結果を踏まえて、本部員会議で改めて指示をしたいと思います。
いまもって行方不明の方々がおられます。日高のほうですが、懸命に行方不明の方々の救助、捜索を一生懸命させていただいております。
そしてライフラインの復旧も、電気はなんとか元に戻りましたが、水道含めて一生懸命やっております。
そういったことに加えて、十勝では経済的な被害、農業面あるいは土木工事の面での被害。こういった被害額を早く確定して、そうでなくては私ども道としてどう対応するのか補正予算の編成なども取り組めません。また、そういった数値を踏まえて国にも激甚災害の指定の要請をしていかなくてはなりませんので、急いでやっていかなくてはならないと思っています。私自信としては、来週一杯、状況を見極めた上で、再来週早々に国に要請にいきたいと思っています。
道庁をあげて、日高、十勝の被災地区に対する対策を一丸となってやっています。是非、関係町の皆様におかれても、大変だと思いますが、作業をやっていただいて、住民の方々の不安を少しでも早く解消できるようにともに頑張っていきたいと思います。
記者からの質問
(NHK)
居辺橋なんですが、地形が変わって、川幅が変わっていて、それなのに昭和30年に作られた橋のままで通していたと。それで2年前の台風でも道路がえぐられて、今回も同じような形でえぐられて道路が落ちて5人亡くなられましたよね。そこに管理上のミスというのがあったのではないかと思いますが。
(知事)
きっちりと検証していかなくてはならないと思います。いま即断することは私はいたしませんが、復旧工事等々を急ぎながら、いまおっしゃった点も含めて、いままでのやり方に問題が無かったかどうか、きっちり検証して今後の対策に反映していきたいと思います。
(北海道新聞)
先ほど視察においても本別町長から話がありましたが、原状復帰という考えを改めないと災害を繰り返すという指摘がありましたが、どのようにお考えですか。
(知事)
これは日高でもそういうところがありました。そこでも私は住民の方々、それから町の方々にも申し上げましたが、被害の状況を踏まえて、原状回復以上の工事をすることも私ども十分に検討していかなくてはならない。ただそれは専門家が検証した上でやっていくということになりますので、いまここで原状以上の工事をやりますと申し上げるわけではありませんが、私どもの専門部局で調査した上で対応を考えてまいります。その結果として原状復帰以上にさらに増強していくということは十分にあり得るということです。
何か土木局長ありますか。
(吉田土木局長)
基本的に災害復旧工事は原型復旧ということが原則ですので、そういう形で行われることが多いと思いますが、検証等を行いながら、必要な場合については、さらにその上の、例えば道の単独費の投入ですとか、そういうことを含めて、いろいろと国とも協議していく必要があると考えています。
(HBC)
居辺橋についてですが、一昨年も崩落したということで、河川改修の在り方ということの問題が出てきたと思いますが、その辺についての知事のお考えを。
(知事)
先ほどのNHKのご質問と相通ずるものと思いますが、いまはとにかく復旧に全力を尽くしていますが、それと並行していまおっしゃられたようなこれまでの在り方がどうだったかということについて、きっちりと検証した上で、今後の反省として、これからどうやっていくのか、災害を極小化するためにどうするのか、ということに役立てて参りたいと思います。
(STV)
繰り返しになりますが、今回視察した率直な感想を、もう少し簡単にお願いします。
(知事)
まずは居辺橋で亡くなられた方々に対する心からの哀悼の気持ちを献花の時に心の中でつぶやきました。
そして、その後に農業被害あるいは崖の土砂崩落の被害等、この十勝の被害の状況について見て、やはり自然の恐ろしさをまず感じたということと、その自然の恐ろしさを少しでもくい止めなければならないという私どもの工事において反省すべき点がなかったかどうかをきっちりと検証しなくてはならないという思いを強くしました。
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