知事定例記者会見(平成15年10月2日)

知事定例記者会見

・日時/平成15年10月2日(水) 10:35~11:05
・場所/記者会見室
・記者数/27名(その他カメラマン等3名)

会見項目

  

知事からの話題

1 十勝沖地震について
2 交通事故について
3 道州制推進会議について

記者からの質問

1   道議会について(1)
2 道議会について(2)
3 出光製油所のタンク火災について(1)
4 出光製油所のタンク火災について(2)
5 出光製油所のタンク火災について(3)
6 道道の土砂崩れについて
7 道財政について
8 十勝沖地震の被害について

知事からの話題

 

十勝沖地震について

  私から3つほど申し上げたいと思います。
  1つは先週の金曜日の早朝に起こりました十勝沖地震についてです。
  はじめに今回の災害で被害に遭われました方々に心からお見舞を申し上げたいと思います。そして、現在も2名の方が行方不明でいらっしゃいます。関係機関とともに現在捜索に全力をあげているところです。今回の災害被害の状況は、どんどんと変わっているわけですが、負傷者700名を超える方々。いまだに避難されておられる方々が60名近くおられます。住家被害も500棟を超えております。ライフラインにも大きな被害が出てきているところであり、引き続き調査を行い、被害の全容の早期把握に努めるとともに、応急対策、復旧対策に全力で取り組んでまいりたいと考えています。
  9月26日に佐藤内閣府副大臣を団長とする政府調査団が来られまして、視察をしていただいた後、道庁からも山口副知事に参加してもらいまして、緊急要望を申し上げたところであります。私からその後、来道しておられた経済産業大臣、防衛庁長官に対しても、同様の主旨の要請をしたところです。国においても、全面的に支援をし、早急の対策をしたいという意向が副大臣から私に電話があって伝わっているところです。また、同様の主旨は台風10号の激甚災害指定が30日に閣議決定されましたので、その関係で私から井上(防災担当)大臣含め、多くの方々にとりあえず、電話でお礼をさしあげております時にも、それぞれの関係の方々から今回の地震についても政府としてできることはやるんだという決意を伺っているところです。
  そして、地震報道に関して、是非マスコミの方々にお願いでございます。私のメールに道民の方々から誰からでも、いろんなご意見等をお寄せいただくことになっているんですが、私はいつもまとめて見ているんですが、その中の1つに層雲峡で観光業を営んでおられる方からのものがありました。層雲峡ではご案内のとおり地震そのものの影響はなかったわけですが、道外でこれだけ大きな報道がなされますと、北海道全体が地震の被害に覆われているのではないかと。北海道は広いわけですから、もちろん地震の被害が大きい地域もあるんですが、そうじゃないところもあるわけです。この(被害のなかった)層雲峡のホテル経営者の方の場合にはキャンセルが相次いでおり、北海道全体が地震の被害にあったのではないかということが、道外の一般の市民の方々に思われているようであります。そこはそういうことではないと知っていただきたい。秋の観光シーズン真っ最中のかき入れ時の北海道でありますので、是非そこは、特に全国にネットワークをもっておられるマスコミの方々には発信をしていただければと、心からお願いを申し上げたいと思っています。

交通事故について

 2つ目は交通事故死ワーストワンです。ずっとその記録を続けておりまして、今年は何とか回避できるかなと思っておりましたが、残念ながら9月26日に都道府県別のワーストワンになってしまったところです。私どもとしては、これ以上、交通事故死の方々が増えないように、道警本部とも連携しながら対処してまいりたいと思っています。
 

道州制推進会議について

 もう1つは、道州制の推進会議です。これは道議会でも、前回の記者会見でも私からそういうものを開くということをお約束申し上げたところであります。今日、第1回目の会議を開きます。詳細については、ご関心があれば、政策室長がおりますので、お聞きください。学識経験者の方、自治体の長の方も含めてご参加いただき、短時間でありますが、北海道としての考え方を取りまとめて10月末下旬を目途に、市町村合併の意見と合わせて、国なり地方制度調査会等に対して提案申し上げていくこととしたいと考えています。私からは以上です。 

記者からの質問

(北海道新聞)
 道議会で先日、民主党が議事録精査を求めて半日空転したわけですが、国会などでは非常に珍しいことであのようなことはなかったと思いますが、 知事ご自身、民主党の対応も含めてどうお感じになったか感想をお聞かせください。

(知事)
  記録を調べましたら、6年ぐらい前に一度あったようですが、その当時の経緯を知らない人もたくさん道庁内にいたという状況なぐらい、道議会の中でも珍しいことだったと思っています。もちろん道議会における議事の進行のやり方についてですから、知事たる私がコメントする立場ではないですが、敢えて考えてみると私の声が少し小さかったのかなと、それで民主党の沢岡道議が、お聞こえにならなかったのかなと思いますが、ご質問に対しては丁寧に、もちろん主義主張で全てオッケーという答えではないのは当然でありますが、ご質問の主旨にはきっちりとお答えしたと思います。結果として残念でしたのは、昨日4会派に対する質疑を全てやるということになりまして、私も人間ですので、自民党さん、公明党さん、共産党さん、それぞれ、もちろん誠心誠意お答えして、フロンティアの方のご質問に対しても誠心誠意お答えしたつもりですが、やはり特にフロンティアのご質問に対して、もっともっと本当は私自身の想いを込めて、事前に意見交換で骨子は固めていますが、それに加えて私自身の思いをもっと入れ込みたいという意欲はありましたが、正直、ちょっと疲れました。そんなことが心残りです。フロンティアの代表質問に対するお答えについて、もちろん誠心誠意お答えしましたつもりですが、私自身の気持ちとしてはもっと自分の言葉を入れたかった、そこが残念でした。

(NHK)
  苫小牧のタンク火災についてお伺いしますが、28日午後に道の現地対策本部が現場に設けられたかと思うんですが、もしくは指揮権が移ったと思いますが、解散するまで一度も現地で会見を開いていないんですが、それは知事ご自身の判断なのかお聞きします。

(知事)
  すいません。そのことは現地に任せていましたので、真実を申し上げまして私は知りませんでした。ただ、本部員会議をこちらで定期的に開いておりまして、そこで苫小牧市の消防本部長の方を含めて参加していただいております。そこをオープンにしておりましたので、そこである程度の情報を報道の方々には提供できたかと思いますが、私も先程聞きまして、現地でそういった報道の方々に対する情報提供を十分しなかったと聞いて、ちょっとビックリしています。不十分があったわけですよね。多くの方々が札幌よりも苫小牧の現場にいっておられたわけでありまして、今回の事は反省したいと思います。苫小牧市役所と私どもの共同であたったものではありますが、そこに不備があったということは心からお詫び申し上げたいと思います。

(NHK)
  今のに付け加えてなんですが、実は29日の段階でも現地で会見を開くとか、もしくは資料提供をして欲しいとお願いしたんですが、道庁の防災消防課に直接私が要請したんですが、現地に行って欲しいとか、他の機関の連絡が忙しいということで結果的に受け入れられなかったでんすが、昨日も知事が(出光の)天坊社長に情報開示の必要性というのをお話されていたんですが、知事ご自身の意識と道職員との間に乖離があるという印象を強く感じたんですが。

(知事)
  誠に申し訳ないと思っております。私自身の意思のカバーが、私自身の気持ちが道職員に至らなかったと思います。もちろん、ご案内のとおり現場で火事を消すということに最大限の努力を傾注し、いろいろな情報が錯綜する中で、職員がさぼっていたわけではないことはご理解いただけると思いますが、結果として十分でなかった点、反省をしなければならないと考えます。

(uhb)
  昨日、静内の道道で土砂崩れ事故があって、現場の室蘭土木現業所の所長さんが、つまり危険度が高くて車から降りて点検しなければならないところ、車の中から見ただけで済ませてしまった。これは道路整備課の方でも、結果として不十分であったという認識はあるようですが知事としてはどのようなお考えですか。それから、これだけ災害が度重なる中で同じ現場が不備を指摘されることについての知事のお考えはどうですか。

(知事)
  1つ目ですが、報道では車から降りたら分かったのではないかという書き方がありましたが、パトロール自身は26日に2回、9月29日もパトロールをしておりまして、点検はしております。確かに車から降りなかったというのは事実です。ただ技術専門家に言わせますと、崖崩れですから、本当にそれが危険かどうかは、実は山を登って上までいって確認するくらいのことはやらなければならないのですが、それは物理的には難しいという意味では、こういった現場の場合は一般的には車の中から降りて目視する場合と、車の中から目視する場合について、それ程差異はないと聞いております。いずれにしても結果としてこのようなことになったわけですから、対応が十分であったかどうかについて、建設部に精査をさせています。
  もう1つご報告は、もう一度、その上で、今回のような箇所があるかどうかということを精査させた上で、本日、新たな通行規制とする地域を夕張の岩見沢線を含め6箇所ぐらい対象として考えております。ただし一部については、道道の先に集落がある、あるいは中には秋鮭漁のシーズンの中でその輸送にそこを止められると影響がでる等々、地元の住民の方々との調整が必要なところもあると聞いておりまして、私としては、もちろん秋鮭(の輸送)も重要だけれど、逆に秋鮭を満載したトラックが通っている時に崩落したらどうなるんだということも考えますと、もちろん経済活動も重要だけれどもこの場合は人命だろうということで、住民の方々と、もちろん強制的にやる主旨ではないですが、説得をして欲しいということもいっておりまして、そういうことを含めて、今同様の危険と想定されるような箇所について通行規制を本日中に完了したいと、もう完了したところもありますが、そういったところを今、指示したところであります。
それから、そのことはさっきの答えと同じになりますが、今回、現場で反省すべきことがあるかどうか精査した上でもう一度検証したいと思います。私としては前回あれだけのことがあったわけで、現場において気の緩みがなかったと判断したいと思っていますが、それを今即断するわけには参りませんので、今一度改めて精査をさせているところです。

(読売新聞)
  苫小牧市の出光タンク火災の視察について、知事自身が行くのかどうか、お聞きします。

(知事)
  1回目の火災の際には、上空からほぼ鎮火しそうな状況であるところを視察しました。
  今回の鎮火後については、まだ決めておりません。ただ現場検証等はこの分野の専門家の方々が行われるというのがまず重要であろうと思います。法律違反の問題、あるいは再発防止の問題等々ありますので、そちらが先決かと考えておりまして、私自身行くかどうかはまだ決めておりません。

(毎日新聞)
  道財政について2点お伺いします。
  まず1点目は、今日の新聞報道で堀前知事時代に作られた「道財政の展望」をもうやめると書かれてました。それは現在、高橋知事が作られている「道財政立て直しプラン」がその代わりになっていくのかどうかも含めて、「道財政の展望」をやめる理由と、そしてどこに問題があったのか、お聞かせください。

(知事)
  道議会で答弁したとおりでして、平成13年に前知事時代に策定された「道財政の展望」の策定時における展望、今後(13年以降)の再建のシナリオというものが、その後大きな状況変化があったわけでして、その意味で改めて新しいものを作ろうということです。

(毎日新聞)
  もう1点は、道の支出の中で大変大きなウエートを占める(国の)直轄事業の問題なんですが、ある場面で高橋知事が、国の直轄事業は増やさなければならないと、ただ一方で国の直轄事業にかかる道費負担分は減らさなければならないと。これは一見矛盾するように思うんですが、全体として直轄事業に対して、どういう姿勢で臨まれようとしているのか、整理してお聞かせいただきたいんですが。

(知事)
  道議会の答弁を聞いていただいたのであればご理解いただけると思いますが、矛盾はしていないんです。
  もちろん究極の世界で、道州制のモデル先行で、道庁が北海道の社会資本整備を一元的に行うという段階になれば別ですよ。ただ現実問題として、私ども財政再建ということを目の前の問題として取り組まなければならないという、そこは分けて考えていただきたい。
  現実の問題として考えた場合、直轄事業と補助事業を比べると道の負担というのは直轄事業のほうが少ないんです。ですから道財政の再建のために、負担を減らさなければならないという中で、より道の負担の少ない直轄事業を選択するということが、トータルとしての事業規模の維持、縮小を少しでもとどめるという意味での(事業規模の)維持に資するということを、財政再建プランの素案中で呈示したわけです。そこはよろしいですか。
  では次に直轄事業の中で何が問題になっているのかと言えば、1つは、国直轄事業が北海道における公共事業であるにもかかわらず、いままで道の意向というものが必ずしも十分に反映されていなかったという点、これについては以前の記者会見でも申し上げたと思いますが、開発局とテーブルについてきっちりと議論するということをはじめています。
  また一方で、国の直轄事業の道費負担、これは道費に限らず都道府県全体がそれぞれ思っている想いでありますが、本来直轄であるのだから、地元負担というものを段階的に、最終的にはゼロにして欲しいんですが、段階的に少なくして欲しいということを、国に対して、今度の16年度国費要望にも私どもも書いていますし、これは各県同じような想いを持っているのではないかと思います。
  
(毎日新聞)
  つまり北海道として望む事業を、しかも北海道の地元負担分を少なくしてもらう形で国にやってもらいたいということを、今後いろんな席で要求していくということで理解して良いわけですね。

(知事)
  そうです。

(読売新聞)
  今回の十勝沖地震で、すでに港湾を中心に110億円の被害額が出ているようですが、現時点で激甚災害指定の要請についてどのようにお考えになっているのかお聞きします。

(知事)
  このことは、今回の現場の視察でもその場その場の記者さんにも必ず聞かれるんですが、
ご案内のとおり、算式が決まっているんです。それで本激(※)は私は無理だと思います。北海道だけの地域の地震ですから。局地激甚災害の場合でも、当該市町村が負担すべき災害復旧のための査定事業と言いましたか、負担すべき事業費が当該自治体の収入との関係で一定の係数を掛けて、多いとか、少ないとか、計算して決まりますので、ですからそれぞれの自治体について決まります。それがある程度見えた段階で要請活動をきっちりやるということは考えてます。その心は国側も全く一緒ですので、このことについては数字の積み上がり状況にひとえにかかってくると思います。裁量で災害額を故意に増やすということは不可能ですので、客観的、中立的に災害査定を行った上で、いまおっしゃった点について、対応して参りたいと思います。要請自身はしているとご理解いただいて良いわけですが、数字(被害額)次第であるということです。


※「激甚災害指定基準」(いわゆる「本激」)は、全国を単位として積み上げられた被害額を基準としている。一方、「局地災害指定基準」は、市町村単位の被害額を基準としている。


(STV) 
  議会の関係についてですが、知事は今回から分かりやすい答弁ということで若干変えられた部分があると思いますが、代表質問を終えられて、その評価をどのように考えておられるでしょうか。

(知事)
  前回(2定議会後の会見)は、点数は何点かとご質問いただいた記者さんおられましたが、まあ一歩一歩なんでしょうね。先ほど道新の質問にも答えましたが、(会派と道担当部が)意見交換をさせていただいた結果が私のところに上がってきます。それを時間的ゆとりを持って、私自身静かにそれを見ながら、私自身の言葉を付け加えながら、意見交換で骨子がありますのでそれを大きく変えることはもちろんできない。これが議会とのお約束、ルールです。その範囲内で、この言い方をこう変えれるかなと、心静かに検討する時間を是非設けたいということで臨んだわけです。そして、一部それはできたと私も思ってます。
  しかしながら、先ほども述べたとおり、いろんな事情ですべての会派に対する答弁について、それが私自身十分にできたかというと、反省すべき点があったと思います。2定よりも3定、3定よりも4定と。任期は4年間ありますので、一歩一歩、私らしい答弁に変えていく努力を引き続きやっていきたいと思います。
  私は見なかったんですが、どこかのテレビ報道で、鳥取県では知事が自ら答弁を書かれるそうですね。それは私も十分に時間があれば、担当課長、主幹など一番分かっている人からいろんな情報を踏まえて、自分で書きたいという想いはあるわけですが、例えば今回でも民主党で63問、自民党で58問の質問があって、これを北海道知事が自分で答弁を書いていたら、他の仕事が止まってしまって、やはりそれは現実的ではないだろうと思います。今回、特に地震の被害など不確定要素もあったわけですが、北海道における議会側とのいままでの関係、そういったことも踏まえて、我々らしい改革の方向性をさらに進めて行きたいというのが私の想いです。

(毎日新聞)
  苫小牧の(製油所タンク)火災についてなんですが、出光側が災害防止法に基づく通報について義務違反はないという認識だと述べている。通報はしていると、つまり蓋がずれたことも含めて危険性は伝えているというふうに、これまで言っていたと思うんですが、そのことについて防災本部長としてどのようにお考えか。通報はあったという認識なのかどうか。

(知事)
 法律に反しているかどうかという問題については、警察当局等の調査に委ねるということだと思います。ただ、どうなんでしょうか、私の性格であればそこまで胸張ってものは言わないかなと思いますけども。今後、然るべき調査が入ることによって、事実は明らかになってくるのではないかと思います。

(毎日新聞)
  通報義務に関する中で、あまりにもタンクの数が多かったので3日を目途にまとめて報告することになったということを、昨日の夜のぶらさがり(インタビュー)の中で言ってるんですけれども、ナフサというタンク、あの辺に危険なものがあるということを含めて、ナフサのことは伝えていなくてそれを3日後に言うということについて、非常に危険性について認識を欠いているのではないかと思うんですが。

(知事)
  そこは本当にそのようにおっしゃったんですよね、聞かれたんですね。そこはちょっと問題ではないかと思いますね。

(毎日新聞)
  このことについて、通報の認識の違いというのは、今後また起こるかもしれないというところで、防災計画について今後何らかの見直しをお考えですか。

(知事)
  防災計画について、何年前に作ったものかな、関係者の間でどういう連携を取りながら対処するかということを規定したのが防災計画でありまして、策定して一定の期間が経っておりますので、今おっしゃったような法律違反があったかとかそこはまた別として、今回のような大規模な火災が現にあった場合の対処の仕方として、今の防災計画が十分かどうか、これは精査するように総務部長にも指示をしています。 

 


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