知事定例記者会見
・日時/平成16年4月13日(火) 16:30~16:45
・場所/本庁舎3階 知事室前ロビー
・記者数/21名(その他テレビカメラ6台)
会見項目
知事からの話題
1 イラクにおける邦人拘束事件について
記者からの質問
1 イラクにおける邦人拘束事件について
知事からの話題
イラクにおける邦人拘束事件について
ただいま知事執務室でイラクの邦人人質事件に関連して幹部会議を開催いたしました。様々な情報が錯綜して、皆様も含めて私どもが見聞きする情報だけでもいろんな情報が錯綜して、それ以外にもいろいろあるようですが、なかなか確かな情報が入らない。そういった中で、私どもとしてはお三方のうちのお二人が道民ということで、ご家族の方々の心痛を考えると、本当に私自身の胸も痛く、皆さん方のお気持ちをお察しをいたしているところです。ご案内のとおり、9日の早朝、札幌、千歳のそれぞれご家族が急きょ、東京に行かれるということを知りまして、失礼ながら東京でまだ関係機関とのアポも全くとれていない状況で上京されるということを聞きました。これはやはり道民の方々に対して個々の方々に対してそういうお手伝いをするということは通常はいたさないわけですが、このような状況を鑑みて道の東京事務所に対して、できる限り政府の方々との連絡調整なり、宿の確保なり、そういった形でお手伝いをするようにという指示を出したところです。
土曜日、日曜日と、日曜日は特にいい情報も流れた中で我々も期待を持ちながら、一生懸命仕事させていただいたところですが、今に至ってもまだ、状況はいい方向に必ずしも向かっていない、悪い方向という話も、もちろんないのですが、解決の方向には向かっていないということです。当初は、東京事務所だけでやっていたのですが、宮崎県さん、札幌市さん、千歳市さん、それから宮崎県の郡山さんの地元の佐土原町の役場からも人を出していただいておりまして、関係者でできる限りのお世話をご家族の方々にしているところです。東京事務所の体制強化のために北海道の本庁からも職員7名を派遣しているところです。いま段階では、私から道民の方2人を含む3人の方々のできる限り早い解放ということに向けて、政府の方々にご尽力いただきたいと心からお願いをしているところです。私からは以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
今朝の閣議か何か中で、一部から北海道が事務所を提供している貸していることに冷ややかな話もあったようですが、それについてお伺いします。
(知事)
時事通信の配信でしたか、麻生大臣ですか、おっしゃられたということを報道で知りましたが、あれで見る限りでは御発言の意図が正確には分からないものであります。交通渋滞云々ということをおっしゃられた閣僚の方もおられるようであります。確かに、東京事務所の利用の仕方について、いろいろなご意見が私どもにも寄せられています。本庁だけでも100件くらいありますので、たぶん東京事務所はもっともっともっときているんでしょうが、それを集計することもできないくらい忙しい状況で、いろんなご意見があるというのは承知をしています。以下は先ほど申し上げたことと一部繰り返しになりますが、とにかくこういう事柄の性格上、緊急的な対応措置として、私ども、やはり道民の方々、ご家族の不安な状況を少しでもサポートして差し上げたいというつもりでやっているのが現状です。その意味でもこの事件が早く解決することを心から祈るわけです。
ご家族も会見でおっしゃっているようですが、やはり切迫した状況です。寝不足でもいらっしゃるし、それから私も子どもを持つ母でありますが、子どもが向こうに行っててという中で、やや過激なご発言があったことを、ご家族の方々自身が謝っておられるようですが、これらの状況を考えた場合に、いろんなことを理解することができてくるのでないでしょうか。とにかく早くこの事件が解決することを心から願っております。
(時事通信)
関連で(ご家族が)かなり明確に自衛隊の撤退を要求したいとおっしゃっられていますが、少なくとも知事は先日の会見でおっしゃられたスタンスは、ずいぶん違う方達に事務所を提供されていると。そこら辺について知事の見解をいただければと思います。
(知事)
見解は違ったとしても道民は道民です。道民は道民であって、その道民のご家族が、外務省の事務次官が自己責任だとおっしゃっているようですが、その議論はまた事件が解決してからのことであって、とにかくご家族が日本の歴史上初めてのような状況ですよね。こういう窮状を鑑みた場合に私ども道としては、その方々に最大限できる限りのお手伝いしたいと考えております。ただそこはルールは決めています。例えば、政治的な会合にお出でになる時、足の提供というのはしておりませんし、細かい話ですが、お弁当なども出しますよね、それも実費をいただいております。そういった中で、我々のできる限りのお手伝いをしているということで、私どもの気持ちだと理解していただきたいと思います。
(読売新聞)
関連なんですが、電話番号が公開されてから、東京事務所の本来の仕事の際に支障みたいなことは出ていないのでしょうか。
(知事)
そこは正直言って辛いところはありますが、それをカバーするためにも先ほど申しましたとおり、本庁から7人の職員を派遣をしました。例えば、昨日、北方領土返還要請活動、企業誘致など含めて東京事務所の持っている任務もありますので、それはそれで支障が少しでも出ないような形でやるように、これは東京事務所長に私は電話で1日何回も連絡を取り合っておりますが、指示をしているところです。
(朝日新聞)
先ほどの関連で、本庁にも100件ほど意見が寄せられているという話ですが、それは大ざっぱに言うと、東京事務所をそういった風に使わせるべきではないという意見なのでしょうか。
(知事)
意見はいろいろあるようです。個別の集計はそのうちにきちんと行いますが、そういった意見も多いようです。もちろん、がんばれ、励ましといったメッセージもあるようですが、どちらかというと今おっしゃったような意見が多いと承知いたしております。ただ、いろいろな考え方の方が道内にも道外にもいらっしゃいます。
(読売新聞)
外務省から自己責任という話がありましたが、いま現在、道民の方どれくらいイラクに行かれているか分からない状況ですが、
(知事)
これは制度的に分からないですね。
(読売新聞)
外務省から渡航禁止が出ている中で、知事から道民にイラクには行くべきでないというメッセージを発せられた方が良いと思いますが。
(知事)
禁止ということはあり得ないわけです。渡航は自由なわけですから。ですから、私から道民の方々に申し上げられるのは、できる限り、もちろん(イラクへ)お行きになってボランティアをおやりになりたいという意向の道民の方、あるいは真実を自分の目で確認して世界に発信したいという思いをお持ちの方など、いろいろな方がおられると思いますが、自分の命がなくなってしまったら元も子もない。そこを是非ご勘案いただいて、そこは自主的に、少なくとも当面の間は、今年になってから外務省から避難勧告が13回も出ているという地域でありますので、(渡航を)控えていただくことを、やはり知事の立場としても道民の方々に心からお願いしたいと思います。
(北海道新聞)
状況もずいぶん変化してきたと思いますが、自衛隊の撤退の是非については、どのようにお考えですか。
(知事)
この問題については、私は今段階では撤退を政府に求めるつもりはありません。それを判断する段階ではないと考えております。これはいろいろな理由がございます。人道復興支援に出ていて、道民、日本人もいろいろな考え方の人がおりますが、イラクの国民にもいろいろな考え方の人がおられるのでしょうが、これは日本のマスコミがアンケート調査をしたということで私は承知しておりますが、多くのイラクの方々が自衛隊の活動について、期待をしているという結果が出ています。そういった中で、以前に官房長官が言われたように、自衛隊を撤退させる理由はないと、私はそこのところは変わっていないと思います。
もう一つは、政府があれだけ強い形で、イラクから自衛隊の撤退がないということを言明した直後の、人質事件を起こしたといわれている武装グループからのメッセージとして、24時間以内に解放するということが明らかに出ているわけですから、私は、この誘拐の問題と自衛隊イラク派遣の問題とは別次元の問題であると、あの段階でそのように思いました。今のご質問についてお答えするとすれば、政府に対してイラク自衛隊派遣の撤退を要望するつもりは今の段階ではありません。
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