定例記者会見(平成17年1月19日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年1月19日(水) 14:30~14:55
・場所/新千歳空港
・記者数/13名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 釧路沖を震源とする地震について
2 中国上海市訪問について
3 新千歳空港国際線ターミナルについて
4 燃料電池車の納車式について

記者からの質問

1   今後の中国での道産品の販路拡大について
2 上海の消費者の反応について
3 今後の中国との交流について
4 道産水産物販売促進フェアについて
5 農産物の輸出について
6 新千歳空港国際線ターミナルについて
7 新千歳空港の滑走路延長について

知事からの話題

 

釧路沖を震源とする地震について

  今日は、記者会見の場所を新千歳にして申し訳ありませんでした。この後、東京へ、去年の暮れのあいさつ回りができなかった方々のところに参りますので、ここに設定をさせていただきました。申し訳ありません。
  冒頭は、昨日、現地時間で10時過ぎ、こちらの時間で11時過ぎに発生をした、釧路沖を震源とする地震についてです。私は、ちょうど記者団の皆様方と反省会で食事をしている時に、この話が伝わってまいりました。発生直後に、道として災害対策連絡本部を設置し、対応にあたる旨、連絡が入りました。情報収集など、災害応急対策に万全を期するようにお願いをしたところです。釧路管内厚岸で5強、根室の方、別海で5弱ということでして、寒い時期に、こういった地震でとても心配をしましたが、今ところ、大きな被害の情報はなく、ひとまず安堵をいたしているところです。これは、引き続きフォローしてまいりたいと思っています。

中国上海市訪問について  

  今日、午前中帰ってきたところですが、上海に出張に行ってまいりました。今回の上海出張は、私が知事になってから、初めて参ったところです。まず、やはり、めざましい発展を続けている上海市を目の当たりにして、すごい車が渋滞しておりまして、ビルの建設ラッシュなどもありまして、そういった中でちょっと喉をやられたというのはありますが、いずれにいたしましても、中国という国の底力を実感をしたところです。ご案内のとおり、2010年に万博が予定されておりまして、それに向けて、さらに様々な建物が整備され、あるいは、また、交通渋滞解消のために地下鉄が、今、8本くらい並行で整備中ということです。なかなか、今日的な日本では想像できないような、かつて高度経済成長期には、ああいうこともあったのかなと思いつつも、そういう中国の現状でした。
  そういった中で、私は、北海道の売り込みをやってきたところです。何の売り込みかと言えば、北海道が世界に誇る食と観光、「食」、特に、水産物を中心として売り込みをしました。実質的には、月、火2日間にわたりまして、様々なイベントをやったわけですが、中国の量販店、すなわちスーパーマーケット、あるいは百貨店における直接的に上海の市民の方々に対する即売、あるいは、一部どうしても検疫が間に合わなくて即売までいかずに、商品の展示と試食という部分、これはとても残念でしたが、そういった直接的な上海の消費者の方々へのアプローチ。それから、間接的な形になるわけですが、エージェントの方、あるいはホテルの方、レストランの方、そういった関係業者の方々に、また、売り込むということもやらせていただいたところです。私としては、確かな手応えを感じたと思っております。
  今回、道漁連、あるいは道内の経済界の方々も一緒だったんですが、道漁連がカウンターパートとしてお付き合いを30年以上しておられる中国糧油食品進出口有限公司という、とても大きな企業なんですが、ここは上海での売り込みにあたって、相当自信を示されたわけですが、今後の市場開拓に目標も示せたと理解をいたしております。これは、広報広聴課長の方から報告を受けましたが、中糧の副総裁の記者会見の時の話ですが、中糧の戦略というのは、今、上海から売り込みを始めた、これは向こうの記者団の方々にも「なぜ、上海からか」という質問をよく受けましたが、東洋のニューヨークという人もいるらしいですが、中国の中で最も経済発展の著しい、元気のあるビジネス中心の町である上海の市民の方々に、まず、確実に北海道のものを味わっていただいて、OKということになれば、その先、北京、天津なりそういった様々な都市、あるいは、広州など大都市での売り込みをさらにやっていきたいということです。そこは、中糧さんも全く同じ思いを持っておられるようでありまして、まず、上海、そこから他の大都市にも展開していくということで、ここも私どもと考えを一にしていると思いました。 最終的には、やはり、主婦にいかに受け入れられるか。それも、中国ですから、お仕事を持っておられる方々がほとんどですから、そういう忙しい、でも、所得水準はそこそこ高い、そういった方々をターゲットにするにはどういうふうにするかということで、料理番組を中糧さんの提供で、去年の暮れに放送し、その中で北海道の食材を利用してこんなものができる、あんなものができると紹介した上で、期待感を高めて上海で売り込みをかけるという、そういう戦略性といいますか、戦術性を感じたところです。
  そういう中糧さんとの間で、漁連さんが30年以上の信頼関係を築いている、これは、こちらから言うよりも、むしろ中糧の副総裁、私が日曜の夜に着いたときに、空港に迎えに来ていただいたのですが、その時に向こうからそういう話をして、我々も信頼関係を持ってやっていきたいと言っておられました。私どもも、信頼をしつつ、パートナーシップを組んで仕事を中国で是非、やっていきたいという思いを持ったところです。
  それで、月曜日、火曜日、なかなか反応は良かったんですが、昨日、上海市内の直売のアンテナショップ的に売り込んでいる方の状況を水産局長がチェックしてくれた結果をご報告いたします。だいたい1日あたり、300元から400元ぐらいの売り上げを想定して、それを一つの目安、目標としてやったということです。これは、だいたい1元、ゼロを一つ加えて換算していただければという感じですから、日本円で言うと、4、5千円くらいでしょうか、大した金ではない、それくらいの目標かと思われると思いますが、アンテナショップだから、そんなものではないかと思っていたらいしいのですが、結果的には、土日は、2000元を超える売り上げを上げていたところもあったということです。2000元だって、3万円じゃないかと言われればそうなんですが、例えば、昨日、私どもが食べたラーメンというのが、普通にこちらで食べると600円くらいのラーメンが、5元でありましたので、300元、400元として、2000元の価値というのがどれくらいかということをご理解をいただければと思います。そういうことでアンテナショップでやり始めたんですが、最初の反応がとてもいいということでもありましたので、相当強気に商売をやっていきたいと、改めて感じたところです。
  しかしながら、サケ、ホタテ、サンマ、ホッケというふうに言っていますが、料理法は、サンマなどはやっぱり塩焼きが一番だなと思うんですが、魚焼き網器なんて、ないんですよね。フライパンでほっけの開きなども炙って食べるということなので、ちょっと私なんかはくどいなと思うので、やはり、料理法の提供も含めて、認知度を高めていくということが重要かなと思います。その意味では、今回、ホテルクラビーサッポロのシェフにも同行していただいて、北海道の食材を皆さんに試食していただく際に、お料理もこちらのシェフがやったというのは、一つの我々の知恵だったと思っています。

新千歳空港国際線ターミナルについて

  こちらに戻ってきてから、国際線のターミナルを拝見をいたしました。と申しますのは、、外国のお客様をどんどん誘致をしたいという思いを持っていますが、一方で、CIQで1時間以上待たされるとか、手狭だという話も聞いておりましたので、一度、私自身の目で確認をしたいと思っておりました。今日は、ちょうど良いタイミングで3便がアジアの方から、韓国、中国から、この時間どんどん来るんですが、その状況を拝見しました。検疫は、大したことはないんですが、まず、入国は6ブースありまして、その時その時で、外国人向け、日本人向けで数の割り当てを考えると、入国管理事務所の所長さんが言っておられましたが、先程、私が見た時は、外国4で日本が2でした。何とか、そこは流れていましたが、ご担当の方がおっしゃるには、今日は150席くらいの飛行機だったのでいい方で、ジャンボ機がハイシーズンになって来たら、本当にあふれてしまうということを言っておられました。ですから、これは、人の手当もあるんですが、まずは、施設を何とかしなければという思いはありました。そこから階段を下りて税関のところに来るんですが、荷物を引き出すところは一つしかないんですね。飛行機がいっぺんに三つきて、海外からのお客様は荷物が多いから荷物を預けて、いっぺんに三つ来たんだけども、数分の差で最初に来たのから荷物が出てきますから、最後の南方航空のお客様は相当待ったのではないかなと思います。それから、税関のチェックということで、結構、人もあふれていましたし、ご不満はあるだろうなと思いました。入国検査にしろ、税関にしろ、もちろん、お客様の便利もあるんですが、一方で、悪いことをする人たちをきちっとチェックしなければならないという部分もありますので、そこの兼ね合いも考えますと、あの施設は手狭だということを再確認をしました。ご案内のとおり、この4月からの新年度予算において、国土交通省で基本計画の調査費計上がありました。これからも、私ども、ねばり強く国に要請をしてまいりまして、今の予定では、早ければ2009年度くらいから、新しい広い国際線ターミナルになるということですが、相当プッシュをしていかなければという思いを強くいたしたところです。

燃料電池車の納車式について

  それから、四つ目は、燃料電池車の納車式についてです。昨年の12月20日に、本田技研工業(株)が開発をしました、氷点下20度で始動が可能な燃料電池車について、日本で初めて、北海道を実証フィールドとして道がモニターとなって利用することで合意をしました。この納車式は、来週の木曜日27日に、赤レンガ庁舎の前で開催します。結構、高いんですが、道がモニターになるということで、それと見返りで、結局、実質、私ども負担なくこの車を使用させていただくということで、合意をいたしておりますので、私どもは公用車として活用しつつ、ホンダさんはホンダさんでモニター結果のチェックということで、やらせていただきます。後程、道政記者クラブで資料を配付させていただきたいと思います。私からは以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
   上海で良い手ごたえをつかんだということですが、道として、これを踏まえてどのようなご予定がございますか。

(知事)
  まずは、同行された記者さん方には書いていただいたようですが、(上海に)拠点がないんですよ。拠点がないと何が起こるかというと、今回も、検疫が一部間に合わなかったということも、ある意味、上海市人民政府に毎日足を運ぶであるとか、そういうことも必要だとも思うんですよ。それから晩餐会にお招きした方々の出欠確認であるとか、そういうこと一つとってみても、足場も重要だということで、金融機関との人事交流といった形で、私ども道庁職員の派遣が、できればということを早速検討しているところです。
  それから、昨日、一昨日の感じが良かったので、ヤオハンなども来年も、是非、やりたいと言っておられたし、さらに、これを伸ばしていくために、どういう拡充を来年やっていくかということを検討したいと言っております。中糧さんを通じて向こうに持ち込んだ北海道の水産物は、アンテナショップで売っているものは、ごくごく一部で、あとは冷凍庫に入っていますので、評判が良いところに、すぐに供給しないと駄目なので「いやー、これから2,3カ月したら来ます」というのではどうしようもないので、そこも中糧さんが向こうで核となって、即、販売していただく。そういうことですよね。

(水産林務部職員)
  そうです。2月9日からの春節、向こうの旧暦のお正月ですね、それに向けてやっています。

(知事)
  そういうことも考えております。まだまだ、いろいろやっていきたいと思っています。 今回、あまりPRしませんでしたが、国の補助金を徹底的に活用していますので、それを来年度、どれくらい取ってこられるかということもありますが、そういうこともにらみながら、北海道の食と観光の取り組みをがんがんやっていきたいと思っています。

(STV)
  向こうの消費者と直接、お話をされて、その感触のご感想をいただきたいのですが。

(知事)
  言葉の問題もあり、通訳を介してですが、所得がいかにも高そうなお客様、例えば、ヤオハンというのは、ヤオハンは今や向こうのデパートですが、もっとも売上高の多い百貨店だと自慢しておられましたが、そこの北海道フェアに来られた老夫婦は、毎日のお食事の食材をここで買っているという方で、日本で言うと日本橋の高島屋などで毎日ね、そういう人と話していると「なかなか新鮮で良いですね」とおっしゃって、「どういう風に料理するんですかね」とか、そんな話でした。
  ただ、一方で、ロータスというスーパーマーケットにも行きましたけれども、そこでちょっと話が聞こえてきたのが、(道産のものは)良いものだし、新鮮、天然物だし、安全安心だとか、いろいろ言うんだけれども、でもやはり値段が適度でないとね、という声も聞こえておりました。
  だから、どこの層にターゲットを絞るのか、言い値で我々がどれくらいフレキシビリティをもてるのか。そこら辺りを中糧さんと議論が出てくるのではないかと思います。
  それから、売り子さんで、上海水産大学の日本語がちょっと分かる売り子さんがいて、どんなものが出てると、これはヤオハンで聞いたのですが、意外と思ったのが、煮豆ってあるじゃないですか、甘い、北海道の豆を煮た。あれが出てましたね。それから、タラの干物。お酒といっしょに食べる。あれが結構(出ているようでした)。これは売れないので、試食だけでしたが「みんなおいしいと言っていましたよ」とか。それから、ニシンの煮込んだようなパックに入っているもの。そんなものが出ていると言っていました。そんな感じのようでした。

(NHK)
  昨年ありましたが、今後の他省との交流の展開などは、少し全体的な話になりますが、どのように考えていらっしゃいますか。

(知事)
  まず、中国の北の方の3省とは、日本の中における位置付けとの共通性等もあるので、友好州提携もいたしておりまして、大連の方々もたいへん多くいらしゃいますし、私自身は行っておりませんが、前任の堀知事の時代にも、こういう交流もいろいろありましたし、東北3省との交流もさらにやっていかなければならない。大連もですね、今回、食の売り込みではありましたが、進出企業も多いですから、そういう面での売り込みも出てくるでしょう。
  ただ、どうも食材の売り込みというのは、先程も申し上げましたが、人口の多いところ中心だと思います。先程言った北京、天津、広州の方、そういった辺りを中心に、これから売り込みをやっていきます。でも、まずは上海で、ある程度の成果を上げてからだと思っております。

(共同通信)
  サケは一匹いくら位で売っていましたか。

(知事)
  サケは、半身冷凍で、いくらだっけかな。
  サンマは覚えています。サンマは小さめのが2尾で8元でした。

(水産林務部職員)
  サケは300gで18元くらいです。日本円で300円くらいです。

(共同通信)
  それでも買い手はいるのですね。

(知事)
  いるんですよ。売れていました。
  ホッケの開きが50元でしたね。あれはちょっと残ってましたか。50元というと日本円では600円で大したことはないですが、なんたってラーメンが5元の国ですからね。相当所得が高い方でないと、手を出さないかもしれません。

(共同通信)
  農産物の輸出については、いろいろな規制があるみたいで、いろいろな種類ができないようですが、小泉首相が日本の農産物をどんどん輸出しようということをおっしゃっていますが、北海道の野菜、カボチャとか、そういうものについても売り込んでいきたいということはありますか。

(知事)
  それは是非。長芋の台湾への輸出が有名ですけれども、いろいろとやっていきたいと思います。それでも、相手国における信頼のできるパートナー、向こうでの政府との友好の関係を持っているような、そういうところと、うまくやっていくことが不可欠です。国民柄、お国柄からしてもですね。ただ突撃部隊のように行っても、うまくいかないと思います。
  ですから、道漁連と中糧との30年以上の関係というのはありがたい。最初のうちは、こっちの食材、原料を入れて、中国で加工して、また第三国市場に出すということで始めた。30年前ですから。今や、最終売り先として、中国の市場がどんどん伸びてきているということです。

(苫小牧民報)
  先程、国際線の話が出ておりましたが、単独でターミナル施設ができると、今、構想として挙がっている第2ビル構想というのがあるのですが、道としては、国際線の専用施設を第2ビルと位置付けるのか、それともまったく別の形ととらえているのか。そのとき、実質的に国際線のビルができることによって、第2ビル構想そのものが遠のくのではないかという気がするのですが、その辺のお考えはどうでしょうか。

(知事)
  そこは別だと思います。
  とにかく今は、国際線ターミナルが手狭であるという、これを何とか拡大しなければならないということで、国と調整をして、去年の国の国土交通大臣への提案の際に、新幹線と国際線ターミナルのことを要請をした。結果として、来年度、4月からの調査費計上となりましたので、国と連携しながら、ビジット・ジャパンの一つの大きなポイントであるホスピタリティーの出発点ですよね、CIQのスペースというのは。これをまずは拡充していくということで、もちろん、これからその話が、早ければ2009年度に向けて、一歩一歩明らかになっていく段階で、私どもとして、国外からもさらにどんどんお客様が来て欲しいと思っておりますので、ターミナルのさらなる拡充のことと、どのように関係していくのか、これからの議論になってくるのではないかと思います。

(苫小牧民報)
  それと関連して、滑走路延長問題がこう着していますが、解決に向けて、今まで地域住民に示した案と違った方法という形で、ある程度、住民の方に説明しているということをお話伺ったのですが、

(知事)
  それは補償を前倒しでやっていくということですか。

(苫小牧民報)
  はい。その考えはいかがでしょうか。

(知事)
  事務的にいろいろやらせていただいております。住民の方々と、とにかく信頼関係をさらに構築できるように、ねばり強くいろいろとお話をさせていただいていますので、そういった中で方向性が出るかどうかということだと思っております。

 


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