知事定例記者会見
・日時/平成17年3月31日(木) 13:00~13:26
・場所/本庁舎3階 知事室前ロビー
・記者数/21名(その他テレビカメラ等2台)
会見項目
知事からの話題
1 平成17年度組織機構改正及び4月1日付け定期人事異動について
2 北海道開発局及び北海道開発土木研究所との連絡会議の設置について
3 ドクターヘリ事業の実施について
4 市町村長談話室の設置について
記者からの質問
1 4月1日付け定期人事異動について
2 市町村合併について(1)
3 市町村合併について(2)
4 財政的援助団体等監査結果について
5 北方領土問題について
6 エア・ドゥについて
知事からの話題
平成17年度組織機構改正及び4月1日付け定期人事異動について
今年度として見た場合の、最後の記者会見になりました。明日の異動で、道庁内もたくさん代わるんですが、記者さんの中でもお代わりになられる方がおられるかと思います。代わられるご栄転される方におかれては、これまでお付き合いいただいて、本当にありがとうこざいました。それで、この4月1日をもって、また、道庁の中で新しい組織が立ち上がり、人事異動も行われるわけです。昨年来から、申し上げていたところですが、この4月から新しくなる組織機構もありますし、また、人事異動につきましても、新しい観点から、より適材適所で仕事をやっていただくということで、一層簡素で効率的な執行体制を確立したいという思いで、この4月から改めて、私ども、仕事に取り組んでまいりたいと考えております。
組織としては、観光のくにづくり推進室、それから、食についての農政部の食の安全推進室、これについては申し上げてまいりましたが、また、明日立ち上げる「行財政構造改革推進本部」、これを面倒見て、全庁的な行財政改革を進める室として、総務部に行政改革室を立ち上げることにいたしたところです。そのようなことで、これから、また、引き続き、身を引き締めて、私ども仕事をやってまいりたいと思っています。
北海道開発局及び北海道開発土木研究所との連絡会議の設置について
それから、二つ目の話題として、私から申し上げますのは、北海道開発局及びその関連の独立行政法人である北海道開発土木研究所と私ども道庁、あるいは道でも同じような研究をやっておりますので、そういったところとの連絡会議の設置ということです。開発局とは、先般、局長が私のところへ来られた時も議論いたしまして、4月1日以降の大きな人事異動、人事交流をさらに拡大するということを、前にも申し上げたのではないかと思いますが、これを事務分野だけではなくて、研究の分野でも拡大しようというのが、今、申し上げた問題です。開発土木研究所は、寒冷地におきます様々な地震対策とか、いろんなことを研究をしておられるわけですが、私ども道庁サイドでも同じようなことをやっておりますので、こういった分野でも交流をしてまいりたいということです。
ドクターヘリ事業の実施について
それから、三つ目の話題は、ドクターヘリの事業です。私も今日2時から、オープニングの記念式典に行くことにしておりますが、道議会でも様々な議論がありまして、ご案内のとおりですが、この4月1日から、手稲渓仁会病院救命救急センターにおいて、ドクターヘリ事業を実施することになりました。全国で8道県目と聞いております。4月当初は、これまでこの病院で研究運行を行ってまいりました52市町村で運行が可能になります。この広い北海道の中で、ドクターヘリというのは不可欠であるとずっと思ってきたわけですが、これは、ヘリコプターを1機調達すればいいという問題ではなくて、受け入れサイドの病院、あるいは、現場現場での救急の体制など、様々な環境整備が必要ということになるわけでして、やっと長年の懸案であったことが、道央圏でこの4月1日からスタートするということで、私もとてもうれしく思っているところです。
市町村長談話室の設置について
それから、四つ目ですが、市町村長の談話室の設置、これも4月1日からやるということです。以前もこういった記者会見の中で、記者の方々からのご質問にお答えしてだったか、私から積極的に申し上げたのか忘れましたが、市町村長、この平成の大合併を経て、180くらいになると言われておりますが、それにいたしましても、それだけ多くの市町村の方々が、私のところ、あるいは道庁内のいろいろなところに来られて、いろいろな意見交換等々をやるわけですが、その方々が、例えば、首長さんが私にお会いになるまでの間、しばらくお休みになる、あるいは、道庁内の人間と打ち合わせをする部屋ということで、以前から必要だと思っていたのですが、談話室というものを設置させていただきました。方向的にはこちらの方になりますので、オープンにしておりますので、是非、見ていただければと思います。以前は、外務省の駐道大使としてご用意申し上げたところでした。そういったことで、市町村の皆様方にも便宜を図らい、少しでも多くの方々と私も直接お会いをして議論をしてまいりたいと思っております。
以上、私からです。
記者からの質問
(時事通信)
人事のことでお伺いしたいのですが、副知事人事を含め、特別職人事なしということで、ご提案でなかったですけれども、大体2年目を迎えるに当たっての、そういった選択をしたお考えについて教えてください。
(知事)
私が、道庁に入って、知事に就任して2年経ったわけでして、いろいろな仕事がまだまだ継続的な途上にあるという中で、熟考したわけでありますが、結果としては、行政の継続性というものを重視して、今回は、特別職では、公営企業管理者にお代わりいただく以外は、引き続きお仕事をお願いしたということでございます。私としては、3年目に入るこの年度におきまして、引き続きさまざまな懸案がございます。そういったことを慣れてこられたであろう特別職の皆様方と手に手を取り合って、一致団結して、仕事をさらに進めてまいりたいと思っております。
(時事通信)
追加ですが、人事、動かした方が良いのではないかと。詰まってしまうんじゃないかと懸念されている人もいるやに、そういう声も聞こえてきますけれども、そこら辺についてのご心配は特にございませんか。
(知事)
そうですね。いろいろなご意見があるでしょう。私にもいろんなことをおっしゃる方もいらっしゃいましたけれども、先程申し上げたことと繰り返しになりますが、大きな懸案事項が継続的にある中で、私としては、ここは継続して皆様方とともにやっていきたいという思いで、今回の人事を考えました。
(NHK)
市町村合併の関係です。今日で期限が切れるわけですが、全国に比べて北海道は大きく遅れているという観点からの現状の評価と、新法の下での知事の考え方、決意といいますか、そこを改めてお聞かせください。
(知事)
現状の評価。数が進んでいる、いないということは、総務省はそういう観点から都道府県の評価をされるかと思いますが、私は、それはナンセンスだと思っています。それぞれの地域の事情があるわけで、そういった中で、それから、都道府県内の雰囲気というものがあるでしょうね、西高東低とよく言われますが、一昨日も、道州制の研究会がありましたので、全国の知事さん8人くらいだったかな、いろいろと終わった後に雑談などもしておりまして、やはり雰囲気というものが、あるわなーという感じがしました。北海道は、結果として、今回のこの3月31日までの中では、180ぐらいまでになるというめどというのは、数字の上では、確かに全国の中で、進んでいない方だと認識しています。
ただ、前から申し上げておりますとおり、この広い北海道の中における市町村運営というのは、他の都府県の市町村の方々とは、全く別の面での苦労があるわけでして、そういった中で、法定協、任意協という形で、道内でも多くの市町村の方々が合併に向けて、まずテーブルについて、議論を始めたということ自身は、とても意味があったのではないかと思っています。
これからについてですが、新しい法律の体系の下で、国の方から基本指針が出て、それに基づいて、各都道府県知事も合併構想など、市町村の合併の組み合わせを一通りだけ出せということになっていますので、この議論は鋭意、審議会、あるいは市町村の皆さまのご意見、パブリックコメント等も踏まえて、しっかりまとめていかなければならないと思っております。また、今日、道州制推進本部で議論しますが、支庁制度改革あるいは市町村への権限移譲についても、道議会でいろいろなご意見をたまわりましたが、一応スケジュールどおり、ものの考え方としての基本的なところは、この年度一杯、3月までにまとめると。町村会とも十分な議論をした上で、やっております。こういった権限移譲の問題も、道内の合併議論にいろいろな形で、車の両輪になってくる部分もあるということを、いくつかの市町村の首長の方々と議論をいたしましても、そういうことをおっしゃる方も多くおられますので、この4月から、新たな合併の局面に入るわけですが、私ども道庁、今までと同等あるいはそれ以上にお節介な仲介役を買って出る形で、全道における市町村合併の議論をさらに活発に行われていくということを期待しているところです。
それから、何度も言っておりますので、また繰り返しになりますが、最後の合併をするかどうかは、これはもう一にも二にも三にも四にも、地元の住民の方々を含めての自治体そのものがご納得された上で(合併)されませんと、私、去年かな、結婚と一緒だから十分に議論してと言ってましたけれども、結婚は離婚できますよね、でも、市町村合併はいったん一緒になると、離婚のように離婚というのはあり得ませんので、その意味では、もう道が何を言おうが、国が何を言おうが、やはり、これは地元で、十分に議論していただいて、決めるんだったら決めてもらうということ意外にないと思います。その意味では、新法の発動についても、これも繰り返しになりますが、地元でもう一押しして欲しいというご要請があるところに対する、道の法律に基づく、さまざまな出動ということになるかなと思っています。いずれにしろ、お節介はこれからも引き続きやってまいりますので、その意味で、全道で合併の議論が進んでいくことを心から期待しております。
(共同通信)
先日、監査委員から、財政的援助団体等監査報告書というものが提出されましたけれども、これを知事はどのようにお読みになったのか、感想をお聞かせください。
(知事)
その監査委員からのご報告もありましたし、その前に外部監査で、道にやっております競馬事業あるいは工業用水事業等についても、厳しいご指摘が出たということについても承知いたしております。ご案内のとおりの財政状況の中で、私どもとしては、やはり不適正なことが見られる場合には、厳正に対処していくことが、すべて重要だと思っておりますので、外部監査あるいは監査委員からのご指摘、いずれも真摯に受け止めて対応していかなければならないと考えております。
(共同通信)
道は、補助金を出している団体がその補助金をどう使ったかは、すべて把握をきちんとされているのですか。
(知事)
していますよね、総務部長。
それは監督をするということになっておりますが、ただ今回の監査委員からのご指摘というのは、それが必ずしも十分ではなかったということを含めてのご指摘だと思いますので、そこは真摯に受け止めて、今後、どこを改善しなければならないかを考えていかなければならないと思っております。
(共同通信)
具体的にいうと、函館のある公社は、3月31日にビデオやパソコンやデジカメなどを100万円分どかんとまとめて買ったり、ある医療法人では、宿泊費を5,000円水増しして手当をしたり、あと項目がない手当などを勝手に作って手当を出しているという団体もあるようですが、そういうところにも補助金を出し続ける必要があるのでしょうか。
(知事)
補助金の支出の条件というものが当然あると思いますので、そういったものもきちんとチェックしながら、今おっしゃったような不適正な部分、これはいずれにしろ改善は当然させる必要がありますので、その上で、今おっしゃったような補助金の支出についての条件を満たさない団体であれば、厳正に対処していく必要があると、このように思います。
(毎日新聞)
市町村合併の件ですが、合併の組み合わせをいつごろまでに示したいのかなと、6月、7月、いろんな説を聞いておりますが。
(知事)
私が、事務方から聞いているところによれば、国の基本的な方向付けが来年度早々くらいですよね。それから、各県ごとに、道で審議会を立ち上げて、いろんなご議論をしていただいて、それから、道民の方々のご意見を伺って、さらに当然のこととして、市町村の皆様方の議論を踏まえますと、1年弱ぐらいはかかってしまうのではないかと思いますが、改めて、私もスケジュールを、室長も代わって新しい体制になりますので、議論をしたいと思っておりますが、今段階、私が認識をしているのは、来年に入ってから、できる限り早くのタイミングかなという理解をしております。
(uhb)
北方領土問題について、先週末、根室のほうにも行かれてましたが、外務大臣の来日日程は決まりましたが、期待されるプーチン大統領の来日は決まりませんが、これについてどう見ておられるのか。
また、ご自身のビザ無し訪問、あるいは中央要請など、今時点で決まった日程などあればお聞かせください。
(知事)
外務大臣の来日が決まったけれども、プーチン大統領はまだと、これは国の外交問題で町村外務大臣のほうのお話しだと思いますが、いずれにしろ今年中に来るということは、明確に、昨年、両首脳間で決めておられますので、それが前半なのか、後半なのかということについて一喜一憂してもしょうがないのかなと思います。なんせ60年間の歴史が、私も60年間の節目という言い方はしたくないですけれども、結果として60年間待っておりますから、来日のスケジュールそのものに一喜一憂してもしょうがないと思っております。その意味では先般、根室で町村外務大臣がおっしゃていたのは、皆様も聞いておられたと思いますが、いろんなパッケージで、領土問題だけではなくて、経済交流の問題、その他、ロシアも地図で見ればアジアの大きな国であって、まだヨーロッパのほうを向いている感じがあるけれども、アジアとの関係も重視しなくてはならないというロシアのこれからの方向性だろうと、そういう中で、日本との関係というのは領土問題だけでなく、経済交流も含めてトータルで考えていく必要があり、こうした観点から日本からも様々なメニューの提示をしているという話もありました。そうした外務省を中心とした国の外交努力に対して、私も申し上げるべきことは知事の立場から申し上げたいと思います。
中央要請については、来週の月曜日、総理に申し入れをするお時間を調整しているところです。その際に島民の方々あるいは議長と北海道全体として、改めて要請をして参りたいと思います。
それから私自身の北方四島の訪問は、今のところ5月を予定しております。私自身の目で、択捉まで、道民の方々がこうやって苦労してこられたんだというところを自分の目で確認してきたいと思いますし、また、今そこに住んでおられるロシアの方々とも交流をして、北海道はこういうふうに考えているんだということを、いままで私の諸先輩がそういう趣旨で訪問して交流しておられると思いますが、私自身も、改めて、私自身の言葉でお話ししてきたいと思います。
(HTB)
市町村合併の関係で、本日、知事の著書を購入しまして、読ませていただきました。先程のお話しで「おせっかい」という言葉がありましたが、要は道の姿勢ですが、従来よりもかなり強めの積極的な姿勢がないと、知事が本の中で言っておられるような構想というのは、実現は難しいのかなと思うんですが、第一幕と第二幕では介入のスタンスは少し変わられると思ってよろしいですか。
(知事)
そこは変えませんね。本は、ある意味ちょっと、問題提起、議論を惹起するような議論を巻き起こすような感じでいろいろと書いてみたということで、一つ問題提起をすると、それに賛同される方もおられるだろうし、反対の議論もあるだろうし、私も書きながら思ったのは、北海道の農業とか、漁業とか、やはり生産の現場と、住居というのは、一対一で対応していかなくてはならない部分があって、かつ、農業なんかは他の都府県の農地と比べて一桁広いんですよね。そういったことを考えると、福祉なり、医療なりだけを考えてこじんまりと道内の住民の方々住んでいただくというのは、ちょっと自分でも一方的な議論だなと、思いながら書いている部分もあります。ですから繰り返しになりますが、本の中で書きましたのは、皆様方に議論していただくための素材として提案という意味がありまして、すぐ道の合併構想に反映されるというようなことまでお考えいただく必要はないです。
(日本経済新聞)
エア・ドゥなんですが、今日、民事再生手続きを終えるということで、道民の翼として今後期待されるところとして、一つは料金の引き下げ、もう一つは路線の拡大、そして二度と経営破綻を起こさないように財務体質の強化みたいなものがあると思いますが、知事としてはどういうところを期待されますか。
(知事)
まず良かったですね。一年前倒しでうまくいっているわけでして、その意味では、「北海道の翼」としてスタートされて、いろんな変遷はあったわけですが、引き続き、我々道民の翼として頑張っていただきたいなということを、まず申し上げたいと思います。
その上で、今おっしゃられた料金の問題、それから路線の拡大の問題、路線の拡大については、旭川に続いて、今度、函館の方も増えると聞いているところです。さらに広げるということも当然あると思いますし、そういった経営努力も考えていただきたいと思います。いずれにしましても、エア・ドゥの存在、エア・ドゥの活動を通じて、我々道民の交通の便にプラスになること、あるいは道内経済の活性化に、観光面も含めて、貢献していただくこと、そういったことに心から強く期待するところです。
そういった経営努力が着々と進んでいけば、当然、料金面でも良い方に出てくるでしょうし、そうした良循環が展開していくことを今後期待したいと思います。
(日本経済新聞)
三つの中ではどれが一番重要、期待しますか。
(知事)
全て重要じゃないでしょうか。
(日本経済新聞)
三つの両立というのは難しいと思いますが。
(知事)
そうでしょうね。道民の方々のお声ということもあると思いますが、まずは、自立的に経営基盤を強化していくというところから、始められるのかなと思います。
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