定例記者会見(平成17年5月26日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年5月26日(木) 14:00~14:43
・場所/ 記者会見室
・記者数/28名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 自動車税の納期内納税について
2 北方領土訪問について
3 サハリン訪問について
4 夏季における軽装の励行について
5 上海駐在員事務所の開設について

記者からの質問

1   北方領土訪問について
2 中国副首相帰国問題について
3 中国人団体観光客向け査証の発給地域拡大について
4 橋梁談合について
5 道警報償費問題について(1)
6 道警報償費問題について(2)
7 循環税について
8 池田町立病院について
9 全国知事会の憲法問題特別委員会について
10 北方領土訪問について

知事からの話題

 

自動車税の納期内納税について

  まず、最初は、自動車税の納期内納税についてです。昨年に引き続きのPRですが、自動車税は毎年5月を納期とする税金です。5月31日までということです。これは予算規模でこの税収は約900億円で、道税収入予算額が約5,202億円を見込んでおりますので、約17%を占める主要な項目です。去年もそのような配慮をしたと思うんですが、この時期、月末は、例えば29日は日曜日ですが、全道の支庁及び道税事務所で朝9時から夕方5時まで窓口を開設して、納税あるいはその相談を受け付けることとしています。最終日の5月31日は、夜9時まで窓口を延長することとしていますので、納期内納税について、是非、PRをお願いをしたいと思います。

北方領土訪問について

   二つ目ですが、私の北方領土訪問についてです。既にご案内の方の方が多いと思いますが、5月30日来週の月曜日から6月2日までの予定で、国後、択捉を訪問させていただきます。根室には何回もおじゃまをいたしまして、元島民の皆様方、あるいはこの地域の皆様方の様々な思いを私自身、強く受け止めておりまして、できる限り早く自分自身の足で北方領土へのビザなし訪問に参加したいと思っていたところでして、日程が調整ができて今回行くということになりました。訪問団長は千島連盟の小泉さんです。昨日、お会いをしてよろしくということを申し上げたわけですが、元島民の方、返還運動関係者の方々、道議会からは議長、各会派の代表の方々総勢7,80名です。広報広聴課長ももちろん行きますが、そういう一行になります。国後、択捉で行政区長の皆さん方の表敬訪問や住民の方々と対話集会、ホームビジット等々いろんなことを予定しています。私も訪問団の一員といたしまして、この四島在住のうち、国後、択捉におられる住民の方々と率直な対話を行いまして、相互理解、信頼関係を深めたいと思います。私ども自身の思いも伝えていきたいと思っています。領土問題の解決というのは、国対国の外交の問題ではありますが、地元北海道として、この北方領土問題解決に向けての環境整備に向けて一歩でもできることをやってまいりたいと思っています。

サハリン訪問について

 三つ目は、サハリン訪問です。7月31日から8月3日までの4日間、サハリン州を訪問いたしまして、マラホフ・サハリン州知事と私が知事になりましてから2回目の、先方もそういうことになるんですかね、定期会談を行うこととしています。これは、皆様に資料をお配りしています。知事さんとの会談、それからサハリン北海道人会、在ユジノサハリンスク日本総領事との懇談、それから前知事さんが亡くなられておりますのでその墓参、私も前職の時に一度お会いした経緯があります。それから、サハリン2の事業主体であるサハリン・エナジー社などサハリンプロジェクト関連企業の訪問、サハリンプロジェクト関連工事の進捗状況の視察などを予定しています。こちらの方も楽しみにしているところです。

夏季における軽装の励行について

  四つ目は、夏季における軽装の励行ということです。まだ、涼しいといいますか、肌寒いくらいなのであまり実感はないのですが、6月から9月いっぱい、夏季における軽装励行期間として設定しております。今年は、平年どおりの暑さという予報のようです。私どもとして冷房設定温度28度、冷房機器の運転時間短縮をやってまいります。そうすると、今日なんか、今はいいのですが、そのうち暑くなると思いますので、軽装で、ノーネクタイ、ノー上着ということでやってまいりたいと思います。そのうち、広報広聴課長もそういう姿で登場する予定です。

上海駐在員事務所の開設について

  それから、五つ目ですが、対中国戦略ということですが、先般、呉儀副総理とお会いしたところです。目一杯、北海道のPRをやったわけですが、その直後になぜか総理との会合はキャンセルしてお帰りになられたということで、そちらの方が日本国内的には有名になってしまったわけですが、いずれにしろ北海道にはいらっしゃっていただき、知床等もご視察いただいたわけでありまして、私としては北海道の中国への売り込み、とても満足をしているところです。そういった中で、私自身、1月に上海に売り込みに参りましたし、この4月から北洋銀行さんの大連事務所に私どもの道職員を派遣をして、また一つ対中国の売り込みの窓口を作ったわけですが、この度、また二つ、上海の拠点を考えているということです。一つは、6月1日に北洋銀行さんが上海駐在員事務所の中に、北海道上海デスクを設置するという話で、道にその活用を是非という話がありました。これは私どもとてもありがたい話ですので、道、それから市町村、道内企業関係団体の皆様、積極的に働きかけて活用していくということをやってまいりたいと思います。私どもとしては、昨年度に続き、物産展、試食会等もやりたいと思っておりますし、また、万博もあるわけです。そういったことも見越しながら、商談会、見本市への出店等も取り組んでいきたいという意味で、まず一つは、北洋銀行さんの北海道上海デスクの設置ということです。あわせて、7月1日からは、これは前から報道には一部出ておりましたが、ほくほくフィナンシャルグループの北海道銀行さんを通じて、北陸銀行さんの上海駐在員事務所にも道職員を派遣する予定にしております。この派遣職員は、頼もしい女性職員なんですが、この前、呉儀さんが来られた時も赤れんが庁舎について、中国語で説明をして、二人の会話は私は中身はよく分からなかったのですが、たぶん、雰囲気からして「とても説明が上手いね。頑張って」など、呉儀副総理が言われたのではないかという職員をこの上海に派遣をいたします。私からは以上です。

記者からの質問

(uhb)
  何回も聞かれたかもしれませんが、北方領土視察なんですが、国後島、択捉島は領土返還に対して、非常に強行的な反対意見を持っている方が多いという実態があります。それと、一部報道に、ロシア自民党の州議員ですか、そのような方が来られるのではないかと。ロシア自民党は北方領土どころか、北海道はロシアの南方領土だというような強硬な意見も出ているんですが、そのような人達から論争を挑まれた場合に、どういうように主張されますでしょうか。
  
(知事)
  二つまとめてお答えする形になかな。択捉島は水産業で相当経済も上手くいっていまして、私は昨日サハリン事務所の所長から話を聞きましたが、賃金の状況などもなかなか良いようです。ですから、そういう経済の現状をバックとして、返還に反対という住民の方々が多いということが言われております。それは、たぶん、事実に近いのではないかと私も思います。ただ、私自身の目で確認をして、対話集会は是非やりたいという思い、だからこそ行くわけでして、国後もそういうことで行くわけです。住民の方々のご意向はその場でも分かってくるかなと思うんですが、一方で、サハリン州議会の返還反対の強い意見を持っておられる一部の議員さんが、私が向こうに参りますと同じくらいの時期に、国後島と色丹島と聞いておりますが、どうもいらっしゃるらしいということです。その目的のところは現地の新聞情報ということで、サハリン事務所長が昨日言っていたんですが、今、記者さんがおっしゃった領土反対集会というものが、それぞれの島で開くご予定のようです。併せて、これは未確認情報なんですが、州政府の関係の方もいらっしゃるやの情報もあって、ロシアの方で進んでおります今年か来年くらいに終わる四島のいろんな開発に向けての計画プログラムが、計画期間の終わりに近づいてきてて、その後、さらに続けるということをモスクワの方に要請をしてて、その視察団の関係というような情報もあって、ちょっとよく分からない部分もあります。ですから、国後では、場合によっては同じ日、同じ島の中におられて、島は広いといっても、場合によっては、私どもが住民集会をやっておられるところに入って来られたとしたら、これは完全オープンですので、そういう場面がないかと言えば、あるかもしれない。そうなれば、私どもの主張というのは、皆さんご承知のとおりですので、そういったことを通訳を介してということにはなりますが、粛々と申し上げるということになるかなと思っております。

(毎日新聞)
  先程、お話のあった呉儀副首相に関連してなんですが、1点目が、北海道にいらっしゃった後に、総理に会わずに直前にキャンセルしてお帰りになったと、その点に関する知事としてのご感想と、あとこちらにいらっしゃった時に、ビザの発給の関係で、現在、3市5省しかないのを広げてほしいというようなお話があったと思うんですが、それに関連して北側大臣が拡大していくようなお話になっているんですが、その点に関して、お会いになってお話された知事として、北海道として、ビザ拡大に対して期待する部分ですとか、今後、具体的な取り組みなどがあればお伺いしたいと思います。
  3点目が、橋梁の談合なんですが、現在、道として、知事として把握されている部分、橋梁の工事件数とか、いわゆる関連する会社が落札した部分ですとか、把握されている部分があれば伺えればと思います。

(知事)
   一つ目、呉儀さんがなぜ総理との面会をキャンセルしたか。難しいですね。私も報道以上のことはよく存じませんが、どうもその後、モンゴルに行くというご予定はそのまま続行されたようですので、最初言っておられた緊急の公務というのが本当なのかどうかというのは、私、事情はよく分かりませんが、やや疑わしい部分もあるというのが客観的な情勢かなとは思います。としますと、総理のちまたで言われております靖国参拝を含めて、最近の歴史問題についての国内におけるいろんな議論についての疑義というような点もあるのかもしれませんが、この問題は相互理解を少しずつでも着実に進めていくということが、問題の解決に向けての重要なことですので、ここでなぜキャンセルしたのか、謝るとか謝らないとか、これは向こうのせいだとか、そういうことを日本と中国がそれぞれに言い合って、非難合戦になるということは避けるべきではないかなと私は思います。ですから、その意味では、昨日、官房長官はこれ以上コメントしないということを言われたようでありまして、そういった政府の判断は正しいのではないかと思います。これからどういう展開になるかと思いますが、いずれにいたしましても、以前から申し上げているとおり、私ども地元北海道としては、中国からのお客様はたくさん来ていただきたいし、また、道民からの、先程も上海事務所のことも二つ申しましたが、ビジネスチャンスとしてこれからも北海道の企業が向こうにどんどん行くこともあり得るだろうし、また、観光として、道民が中国に渡ることもあるでしょうし、そういう意味で、人の交流、経済の交流、文化面、食、植樹活動とか様々な地域で交流をやっていますので、そういったことを地域ベースで続けていくということは、明確にむしろ拡大の方向であるということは申し上げて、後は国対国については、それぞれの内政事情とかいろいろあるでしょうから、地道な理解を深める努力を是非していただきたいということを両国政府に申し上げるということだと思います。
  二つ目は、ビザ発給地域拡大、いいですね。このことは、呉儀さんから、赤れんがで私が観光案内をしておりました時、事前に予定はなかったのですが、プレスの方々に対するサービスだということで、一言二言コメントをされた際に、強くこのことも言っておられましたね。日本国政府がもっと幅広くビザの発給を拡大することが、もっと良い方向になるんだということを言っておられました。その次の日、国土交通大臣に函館でお会いした時に、まさにその話を言っておられて、今度、総理と会う時に、そのことを日本国政府として正式に公表したいと言っておられたわけです。ちょっとそのタイミングをどのように日本国政府が対外的にオープンにしたか、そこの深い事情までは承知しておりませんが、事実として、発給の範囲が広まれば、呉儀さんも言っておられました、中国人の多くは北海道に対するあこがれのような持っているということを言っていただいたので、我々としては、まさにチャンスであると思っているところです。中国本土からの観光客の場合は今でも団体です。ですから、その意味では、エージェントの方々に、中国のエージェントもそうですし、日本のエージェントの方々もそうですが、より多くの観光メニューを作って提供していただく努力を我々としてどうサポートできるかということが、まず、大きいと思っています。昨年度、具体的には、今年の2月だったと思いますが、ビジットジャパンの予算を使っていただいて運輸局さんの主催だったと思いますが、私もそのイベントに参加させていただきましたが、中国と韓国のエージェントの方々、旅行関係の方々を北海道にお招きをして北海道の良さをPRしたというイベントもやっていただきました。こういった取り組みもさらに続けていく必要があるだろうと思っています。また、こちらサイドのおもてなしとしては、やはり語学の問題がありますので、道で昨年、策定いたしました、「観光情報案内機能の整備に関するガイドライン」というものがありますので、それに沿って、中国語含めて外国語対応の情報提供をどんどんやっていきたいと思います。一つは、指差しで会話できるツールというものを作成しておりますので、この活用、これは宿泊施設等の現場ニーズに基づいた形でやっていくというのが一つです。それから、中国語含めての外国語コールセンター機能の充実、これも前から申し上げています。それから、宿泊施設への外国語放送の導入です。我々、例えば、上海などへ行くと、テレビを押すとNHKの衛生放送なども見られて、日本のニュースとかドラマが見られるわけです。そういうことを、向こうの方がこちらに来られても、情報提供が皆さん方の言語でできるというのが重要だと思います。こういうこともやろうとしています。それから、中国語の通訳ガイドの増加、こういったことをやっていきたいと思っています。呉儀さんがいらっしゃる前の段階で、我々として情報収集をしたところ、今のところ、15年度から16年度にかけて、中国本土からのお客様は倍増に近いペースで増えているんですね。それでも、呉儀さんが言っておられたとおり、香港は別ですが、呉儀さんの頭の中では香港も中国、もちろんそうですが、ビザの扱いの関係でちょっと分けております。香港は5、6万ですが、中国本土はまだ1万です。その方々に限っての話なんですが、道央圏中心なんですよ。温泉行かれたり、お買い物をされたり、そういったことが中心でいらっしゃるので、私としては、これは呉儀さんにも申し上げたんですが、知床にも行かれるということで、摩周湖、釧路と下りて、それからチャーター便で帰られたわけで、道東は素晴らしいですよということを売り込みました。それから、花観光、今年はプレキャンペーンで、来年さらに進めていくわけですが、これを中国にも発信をしてまいりたいと思います。芝桜にしろ、ひまわりにしろ、ラベンダーにしろ、呉儀副総理自身もとても興味を示しておられましたので、こういったことも是非、中国に売り込みをしていきたいと思っているところです。
  それから、三つ目、橋梁ですね。建設部を中心に、いろいろと情報収集なりをしているところですが、私どもとして、まだ、不明な部分が多いです。情報収集中ということでご理解をいただきたいと思っております。ただ、刑事告発をされました8社につきましては、道としては競争入札参加者の審査委員会を開催して、速やかに処分を行う予定と、これは明確に申し上げたいと思うところです。では、道自身の発注工事に対してどうなのかということにつきましては、私どもとしては、適切な入札が実施されていると考えているところですが、もちろん、公正取引委員会のこれからの様々な動きを注視をしながらいきたいと思っております。 

(北海道新聞)
  3点お聞きします。
  一つは、道警の裏金問題で、確認監査の知事への報告が27日という話のようですが、それがあった場合、知事判断としては、北方領土にも行かれる予定ですけれども、判断をいつされるのか。それから、話が変わりますが、先日、産廃税の問題で、道経連が事実上容認みたいな方針を理事会などで固められたというように聞いております。追い風とは思いますが、道としては、今後、すぐには2定もありますけれども、3定、4定と続いていくわけですが、どのあたりで提案という形を考えているのかというのが2点目です。
  それから、3点目ですが、十勝管内の池田町立病院で、介護療養型医療施設の指定を、必要な医師数が確保されていないということで、道の方が取り消す方針だというように聞いていますが、それについて、池田町の町長が「勤務実態のない医師がいることは道も分かっていたはずだ。今になって一方的に指定を取り消されるのは遺憾だ。」という発言をなさっています。これについて、知事として、どのようにお考えなさっているのか。この3点について、お聞きいたします。

(知事)
  道警報償費の問題についてですが、27日に監査委員からご報告をいただけると聞いております。そうすると、そこで報告書をちょうだいして、精査をしてとなって、北方領土に参りますので、戻ってくるのが木曜日(6月2日)ですので、もちろん、中身を拝見しないとなんとも言えないわけですが、私の今の気持ちとしては、2日に札幌に戻ってきた後の私の判断になるのではないかと、今段階では思っているところです。
 それから、二つ目の環境税についてですが、文書等でまだ経済界の皆様方のご意向をお伺いしている訳ではありませんので、その意味では、その範囲内で(の回答)になりますが、道経連の中でのしかるべき委員会、会合の場で、条件を付して容認、という方向が出たということは、私どもとしてもご理解を示していただいたということで、とてもうれしく思う次第です。しかしながら、まだまだ幅広い関係の方々、あるいは個別の企業の方々、いろいろ私どもご理解をたまわった上でやっていかなければならない。今、景気も必ずしも良くない状況の中で、私どもも税を導入して、負担増をすることが目的ではないんです。それは循環型社会を構築するために、さまざまな対策を打っていくという中で、この税導入というのが有効な手段の一つであるという観点から、いろいろな経済界の方々に対するご説明を開始したわけでありますので、そういう中ではありますが、やはり結果として負担増になるわけでありますので、幅広い経済界の方々へのご説明をさらに続けて、ご理解が得られたというある程度のめどがついた段階で、できる限り早く条例案を道議会に提案したいと考えているところです。
  それから三つ目、池田町の町立病院の件ですが、まず、私は保健福祉部長とも話をしましたが、町長さんが御社の報道のとおり言われたかどうかという事実は確認しておりません。毎日新聞社さんには別のことも書いてありますので、そこは池田町長と直接お電話で話したわけではないし、確認はいたしておりません。その上でということで聞いていただきたいのですが、まず、行政処分につきましては、方針が出たという報道がございますが、具体的には明日27日、十勝保健福祉事務所において記者発表する予定です。そこで中身をご確認していただければと思う次第です。では、これまでの経緯、事実関係がどのようになってきたのかということだけご説明をしますと、療養型医療施設の話ですので、まずスタートは12年の4月1日に指定介護療養型の医療施設の指定というのを行ったということです。この介護の方につきましては、2年に1回の立入、それから医療法の立入検査は1年に1回ということになっているのですが、それの合同の立入検査を13年の2月にさせていただきまして、その際に、直近月の調査、1月ですね、医師標欠と専門用語で言うのですが、要するに、お医者様の数が定数よりも足りないということを確認されましたので、これはもう必要な措置を、ちゃんとしなさいという指導をしたということです。その際、それに対して、町立病院ですから、池田町から、改善計画が提出されたと。ついては、それより前はどうなのかと確認したところ、12年4月が指定ですが、12年4月の指定から12年12月までは、この医師標欠がなかったというご報告があったということで、ずっと来たわけです。その後、ご案内のとおり、名義貸し、岩見沢の緑仁会でしたか、そういったことも14年、2002年以降、相当明らかになって、これではいかんということで、医療法に基づく検査ではあるのですが、道独自の検査の実施方法というのを見直して厳正化をしたと。いろいろな証拠書類といいますか、書面による確認等も実際に医師がおられるかどうか等についてもやるという厳密化をいたしまして、その新しい方針の下、15年10月に、改めてこの病院について実地指導をいたしましたところ、過去にさかのぼって、要するに指定時から、12年の4月時点から、勤務実態のないお医者様がいたということが明らかになったという経緯でございます。こういう経緯。それから、他の案件の事例の前例などを踏まえた上で、明日、どういうようにするかという行政処分を発表したいと考えているところです。

(共同通信)
  知事もメンバーになってらっしゃる全国知事会の憲法問題特別委員会が24日に東京でありましたが、これで地方の立場から自治の問題を中心に憲法改正を話し合う議論が本格的にスタートされたわけですが、知事もメンバーになっていらっしゃるということで、知事の憲法改正に対する考え方を教えていただきたいと思います。いろいろ論点としては、住民投票の制度化や道州制導入の是非ですとか、地方自治の本旨について具体的に明記するかどうかなど、いろいろ挙がっていますが、できれば具体的に話せる部分で考え方をご説明いただけたらと思います。
  それともう一点、前の質問に関連してですが、裏金問題で明日27日に監査委員から報告がありますが、先程、知事は2日に札幌に戻ってきてからご判断されるということですが、判断に当たっては、まだ、知事は報告書を拝見していない、明日もらうわけですが、報道ではパラパラと出ていて、道警内部調査と監査委員の数字は違っているというように報道に出ていますが、判断に当たってはどちらをベースに判断に当たるかという基本的な考え方。一般的に見れば、内部調査よりも第三者がやった方が、信頼性があるような感じもするのですが、その辺の考え方も教えてください。

(知事)
  まず、知事会の憲法問題特別委員会には、是非、私も入りたいということで入ったのですが、1回目はどうしても出られなくて残念だったのですが、福井県の知事さんが座長になられたんですかね。もちろん、憲法改正にはさまざまなポイントがあるわけですが、私ども地方の立場からは、やはり地方自治の分野について、今の憲法上、あいまいとなっている部分について、どこまで立ち入って書いていただけるかどうかという点が一番大きいわけですね。私的には、地方自治の本旨といいますか、そこはやはり明確にするという、これだけいろいろな議論が起こってきて、憲法ができてから数十年どころか、半世紀以上が経ちまして、地方の実質的な地方分権というものがさまざまな法律上も明記もされ、実質的に地方も力をつけ、今まさに地方の知事を始めとして、地方からの発言というものがマスコミなどをみても明らかでありますが、かつてと比べると格段に増えてきているという実態があるわけです。そういった中で、住民に対する様々な行政サービスの主体は、よく見たら、国ではなくて地方なんですよね、実際にほとんどのことをやっているのは。そういった現状を踏まえての地方自治の位置付けというものをもっと明確にすることが重要ではないかと私は思っているところです。
  それから、道州制につきましては、私ども国に対する提案を先行的にやっている立場からすれば、国に対する提案そのものは、憲法論議とは別に、現行憲法体制の中でもできる、モデル的にできることを提案をしておりまして、これはこれで国は何をやっているんだと、いろいろ言いたいことはあるわけですが、それはさておき、憲法上もやはり明確に位置付けるという議論というのも十分にあるかと思っています。ただ、この点については、国サイド、国会議員の方々、あるいは学識経験者の方々でも様々なご議論がある上に、さらに言えば知事会の中でも、本当に一律に道州制にもっていくということについて、それを是とするのか、それともやりたいところからやれば良いじゃないかという議論をされる知事さんも明確にいらっしゃいますので、知事会の中で道州制というものを憲法の中で位置付けるということについて、明確なコンセンサスを得ることができるかどうかということについては、私は必ずしも楽観的ではないわけであります。ただ、いずれにいたしましても、議論を知事会の中でも活発に行い、我々としての考え方、コンセンサスができる範囲でまとめていくこと自身の意味づけはとても高いと思っておりますので、私自身、勉強もしつつ、この議論、次回以降できれば出たいと思っています。
  それから二つ目、道警の報償費の関係ですが、今、監査委員にお願いしていますのは、確認的監査ですが、その前提となる特別監査というのが、去年の12月にご案内のとおり出たところです。そこでの状況を見ますと、道警の内部調査との比較において、精査を要する額という、精査を要するという意味は、確かに4項目だから、それぞれ4項目の目的のとおり使われたのか、あるいはいわゆる裏金化というか目的外のことに使われてしまったのかということが明らかではないという額が特別監査の中に出てきていて、その段階で、内部調査と特別監査には差があったわけですね。確認的監査で、その差の部分がどうなのかということについて精査をしていただいているわけですので、私の判断というのは、これは当然のことですが、特別監査およびそれを踏まえての確認的監査の結果を踏まえて、私自身で判断をしていく。ベースは、特別監査、確認的監査の結果であると申し上げたいと思います。

(朝日新聞)
  北方四島のビザなし交流ですが、現地で島民の方とか行政府の方とか区長さんとか、いろいろ会われてお話をされると思いますが、具体的に経済協力みたいなものについて、多少踏み込んだお話やメッセージを託すつもりがあるのかどうかということをお伺いしたいのが一つと、道として、ビザなし交流は続けていかれると思いますが、それ以外に何か四島に対してできることは何かないかと考えている部分があれば教えていただきたいと思います。

(知事)
  一つ目のご質問についてお答えしますと、経済協力ということとなりますと、国対国という部分も国対地域という部分もありますので、日本の一部である北海道としてどこまで踏み込んでということについては、今のところ具体的なことを考えているわけではありません。ただ、向こうの地区長さんなり、住民の方々との対話の中で、これはフリーで行いますので、近隣なるが故に、たとえば医療や、何が出てくるか分かりませんけれども、そういったことで何かご要望のようなことがあって、外務省もついて行かれますので、いろいろご相談をしながら、地域ベースでできることがあれば、当然、私どもとして前向きにやっていくということは言いたいと思いますが、今段階で、こちらから何かを持っていて具体的にこういう協力をということは考えてはおりません。ただ、ご案内のとおり、たとえば、自然環境保全というような形で、いろいろな交流をやっておりますので、たとえば知床が世界自然遺産に8合目くらいまでいっているわけですが、あれは地図を見ると明らかにつながってますよね。国後島や択捉島とね。当然、一体として同じような動植物が生息していることが想像されるで、そういった面での調査を協力的にやっていくというのも、これは既に進んでいることでありますし、そういったことをさらに強力にやっていくというお話が出てくれば、それもまた地域としてできる範囲でやれることを前向きにと思っております。
  それから二つ目のそれ以外、これはもうお答えしたことになるのかもしれませんが、フリーな会話の中で臨機応変に、通訳さんも優秀な人がついていかれるようですので、臨機応変に対応してまいりたいと思っております。  

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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