定例記者会見(平成17年8月5日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年8月5日(金) 14:01~14:31
・場所/ 記者会見室
・記者数/28名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 サハリン州訪問について
2 北海道行財政構造改革推進本部における取り組み状況について
3 北海道子どもの未来づくり審議会「子ども部会」の開催について
4 道警捜査用報償費問題について

記者からの質問

1   アスベスト問題について
2 知事の夏休みについて
3 道警捜査用報償費問題について

知事からの話題

 

サハリン州訪問について

 私から4点お話をさせていただきます。
  サハリン州訪問のご報告です。北海道からも多くのマスコミの方にご同行いただき、また、その方々とほぼ同じ行動をしておりましたので、ポイントだけにさせていだきます。北海道の新千歳からたった1時間半飛行機に乗ることによって、サハリンに行けます。風景も動植物も、やはり近いだけあって似通っているということで、とても身近な感じを受けたというのが私の第一印象です。もう一つの印象は、サハリンプロジェクトの本格的な稼働を前にどんどん建設等が進んでおり、その経済効果が賃金の面、様々な建設物、道路の整備等の形で経済波及効果が及んでいるということを実感しました。サハリンのマスコミも相当関心を大きく持っていただきまして、帰国の直前にユジノサハリンスクの空港で30分ばかりの会見の時間も設けました。そういうことも踏まえて、向こうでどういう報道があったかということも、今後フォローしてまいりたいと思います。また、サハリンでは、警察車両がずっと先導してくれまして、ちょっと偉くなったような気分もしました。マラホフ知事との会合は、去年の5月、札幌でお会いして以来ということで、本格的な会合は今回が初めてということです。様々な項目について、意見交換をし、覚書を交わしました。その覚書は皆様方のお手元にいっていると思います。この記者会見の場でも、事前にお約束したとおり、北方領土の早期解決ということについても、問題提起をさせていただきまして、先方からは問題点の所在というような認識があったところです。これは国と国とで解決すべき問題ですが、私ども近隣同士は経済交流、人的交流等を通じて解決に向けての環境整備をしていくことが必要だという点では、認識の一致をみたのではないかと思っています。

北海道行財政構造改革推進本部における取り組み状況について

  それから、二つ目は、北海道行財政構造改革推進本部における取り組み状況についてです。これも資料をお配りしているかと思います。現在、検討中であり、今月末をめどに方針、骨子を決めた上で、年内に決定をする新たな行革大綱、それと一体としての財政立て直しプランの見直し、その取りまとめ作業についてです。新たな行革大綱については、地域主権型社会にふさわしい簡素で効率的、機動的な道庁を目指して、全庁を挙げて道庁改革を進めるという趣旨で検討しているところです。お手元の骨子素案は、最低限取り組まなければならない項目について整理したもので、さらにこれを肉付けをしていく必要があると考えています。いくつか例示を申し上げれば、一つはBPRということで、今までもやってきておりました物品の購入や旅費の支給など、いわゆる総務業務について、集中処理を本庁において本格的に実施をします。これは今年度から総務部において先行実施をしておりますが、来年度からはいよいよ、まだ、仮称ですが、総務業務センターを設置して全庁的に実施します。これの先行的な成功事例としては、大阪府等が有名なところです。それから、二つ目の事例として申し上げれば、民間からの提案等を踏まえた北海道版の市場化テストを是非やろうと。また、指定管理者制度の導入などを通じて、公共サービスの民間化を推進してまいりたいと考えています。特に、この市場化テストというのは、まだ、聞き慣れない言葉ですが、行政責任を伴うような一部の業務を除き、全ての分野を対象として、民間からの提案を基本として展開するものです。その意味では、我々としては、これは佐藤良雄顧問が先にご提案されたところでもありますので、佐藤さん及び佐藤さんの意を受けたような民間からの具体的な提案を心から期待します。例えば、公的施設の管理なども当然あり得るますが、以前、佐藤さんと話をしていた時には、年金の収集などの代行もやっておられるということから、徴税業務みたいなことでの提案もあり得るかなというお話もありました。3番目の分野としては、組織機構の大幅な見直し、それから職員数の適正化の加速的な推進です。これにつきましては、平成15年2月に策定した適正化計画に基づきまして、平成15年度から10年間で知事部局の15%カットという目標を掲げているところですが、これをさらに加速化していく必要があるだろうということです。また、給与の適正化、ここは皆様方のご関心のところだと思いますが、特殊勤務手当等、その他全ての分野についての見直しを含め、これは配付資料にもいくつか例示を示しておりますが、そういったことを含めて検討してまいりたいと考えています。
  また、来週以降、もう少し詳しくご説明できればしたいと思っておりますが、財政立て直しプランとの関係については、当面の赤字再建団体転落の危機回避ということで、聖域ない歳出の見直し、これは一般施策について、さらに総務部から各部に指示がいっております。それから、重要な課題については、私、そして担当の副知事から、いわゆるトップダウンという形で、課題の整理、検討を行いながら取り組みを進めてきているとご理解をいただきたいと思います。財政については、3人の方に顧問をお願いをいたしているところですが、橋本顧問からは、民間企業再生の場合と同じように、ゼロベースから、まず、スタートする。そして、必要なもののみ厳しく積み上げていくという方法が有効であろうというアドバイスもいただいております。こういった考え方を使いながら、今申し上げたような見直しも進めていかなければならないと思っています。
   さて、私がサハリン出張中に、道議会で議論になりましたので、皆様方もご承知のとおりだと思いますが、地方交付税の普通交付税の配分が7月26日に閣議決定で決まり、北海道分の額が確定したところです。そういった中で、事前の予測では、税収見込み等が全国並になっていなかったので、その分へこむのではないかというようなことを申し上げましたが、逆にそこを国の方から配慮をいただいた形になっておりまして、若干、思ったよりも多くなったということです。今まで1,900億円が収支不足額と申し上げておりましたが、1,800億円程度と修正をした上で、だからといって気が抜ける数字ではありませんので、この巨額な収支不足の解消に向けて行政改革を徹底的に行わなければならないと思っているところです。それから、こういった削減、見直しをやる中で、来週以降、様々な形で皆様方にお話をしていきたいと思っているんですが、一つだけ申し上げたいのは、こういった厳しい中ではありますが、政策についてはきちっとしたメリハリをつけていく。これも、私から担当部長、あるいは副知事にも指示をしているところです。このことは、先程来、佐藤顧問、あるいは橋本顧問の様々なご指摘なども紹介してまいりましたが、小磯さんがやはりそういうことを言っておられます。厳しいといっても、全てマイナスということではなく、メリハリをつけて施策をやっていく必要があるのではないかということで、私どもとして、このことについて来年度の予算編成等においても、対処していきたいと思っているところです。当然、来年度の予算編成につきまして、並行して作業をやっていかなければならない関係からすれば、財政再建の道筋ができる前に、これまでと同じような形であらかじめ別枠で財源を確保するというようなことは、今の段階ではできるというふうにコミットはできないと思っています。まずは、財政再建の道筋をきっちりつけた上で、道としてやるべきことはしっかりやるように、という指示をしているところです。具体的な方法論、私の重点とする分野については、こことここということは申し上げております。例えば、経済再建は何といっても重点的にやらなければなりませんし、環境、子育て、そういった分野の重要性ということは言っております。そうした様々な施策の重点を、どのような形で実現をしていくかということについては、今後、知事部局内部で様々な議論を展開しながらやっていく必要があるでしょうが、いずれにしろ厳しい時であっても、あるいは、厳しい時であるからこそ、メリハリのある政策展開ということを私は目指してまいりたいと思っているところです。

北海道子どもの未来づくり審議会「子ども部会」の開催について

  三つ目は、北海道子どもの未来づくり審議会子ども部会の開催というこです。昨年10月に制定されました「北海道子どもの未来づくりのための少子化対策推進条例」に基づきまして、昨年の12月に知事の諮問機関として、この北海道子どもの未来づくり審議会が設置されました。今年度、新たに「子ども部会」を設置をしました。子ども部会というのは子どもの視点で、この北海道における少子化対策を審議し、子どもの意見を道政に反映していこうということの一環です。今年度は中学生ということで、全道で15名の任命を考えています。ちなみに、来年度は高校生を予定しております。8月9日に第1回目の子ども部会がありますので、私も出席をさせていただいて「わたしたちが暮らす北海道の未来に向けて」というテーマで議論をする予定です。子ども委員との意見交換を楽しみしています。

道警捜査用報償費問題について

  四つ目ですが、道警捜査用報償費等問題について、元道警の会計職員であった、道警のOBの方からの情報提供に対する対応ということについてであります。随行してこられた市川弁護士が会見で明らかにされたようでありますが、今回、匿名ではありましたが、直接、道庁知事部局の方に来られて、知事政策部次長及び職員が対応させていただいたわけでありますが、情報提供をされたことは、まずは勇気のある行動に対して心から敬意を表したいと思います。とても勇気のいることをやっていただいたと、このように評価をいたしております。今回の情報提供につきましては、ご本人の希望である匿名性ということの確保に最大限の配慮が必要であると考えまして、得られた情報とおっしゃったことをしっかりと整理をした上で、必要な対応を検討しなければならないということで、サハリンから帰ってからということになったところです。こういったことで、事務方において情報提供者ご本人に対して、念のためにいくつかの点について確認をし、直接電話でご本人に連絡をとったという報告を昨日受けたところです。今回、提供された資料、これはご承知のとおり二定議会の最終日、共産党の道議2人が私のところに来られて、提出いただきました手書きの資料と同じものでありました。それに関連するご本人の話によれば、15年くらい前から、長年にわたって組織的に不適正な予算執行が行われていたということを示唆するものであったわけであります。このことは、道警の特別調査なり特別監査結果で明らかになったことではありますが、改めてそのように私の方も理解をさせていただいたところです。そして、情報提供者、匿名の方ご本人の主たるご主張は、少なくとも15年前には私的流用があったのだということ、これがご本人が一番おっしゃりたかったことでありまして、そのためにということで、資料をお持ちになられたのですが、それ自身はマスコミの方も持っておられるかと思いますが、いわゆる裏金ということの収入部分、例えば報償費がこれだけ入りました、旅費がこれだけ入りました、というものでございます。いわゆる実名で告発されました、斎藤さんのお示しになられたような支出の部分ではなく、その意味では、勇気ある匿名での証言ではありましたが、私的流用があるというのは口頭でのお話でありまして、それについて裏付けとなる証拠はお持ちでなかったということです。加えて、この資料を拝見いたしますと、15年以上前のものではありますが、4科目以外の科目についても収入としての記載があったわけです。私どもとしては15年前のことは確認しようのないわけでございますので、この元道警職員の方に、書類の残っている期間での4科目以外の科目について、不正があったことを知っておられるか、あるいはそれを証するなにがしかの書類をもっておられるか、とお聞きしましたところ、知らないということでした。以上が元職員の方が来られたときの概要であります。そういった中で私は、先の二定議会におきまして、新たに調査を行う要件といたしまして、次のように申し上げております。支出関係書類の現存している期間内における4科目以外の科目について、新たな実名による証言やこれを裏付ける文書の写しなど、具体的な事実を証するようなものがあった場合には、必要な対応を行わなければならない。このような言い方を4科目以外の費目の調査について申し上げたところですが、今回のケースもこれに即して慎重に検討いたしたところです。その結果といたしましては、今回ご提供いただいた資料及びそれに関連した情報などを基に、改めて4科目以外の調査あるいは監査の要求、そういったことを行うことができるようなものではないのではないかと、このように判断をしたところです。なお、私的流用の部分についても、先程来、重複になりますが、15年前のものであり、私的なメモでございますので、それを裏付けるような、その収入を踏まえてどういった形で支出がされていたかという部分についての公的な文書で確認をするということは不可能ですので、私的流用についても、改めて今回のご証言、あるいはご提出いただいた資料に基づいて調査、監査の要求ということを行うことができるようなものではないのではないかと、このように判断をいたしたところです。いずれにいたしましても、私としては、今後とも引き続き情報提供の申し入れがあった場合には、今回と同様に慎重かつ丁寧に対応させていただきたいと思っているところです。繰り返しになりますが、支出関係書類が残っている期間において、4科目以外の科目について不適正執行があったことを証するような具体的な情報があった場合には、当然必要な措置を行う考えであるということであります。
  私からは以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
  アスベスト台帳を作成すると以前にお聞きしましたが、調査の進捗状況がどのようになっているかお聞かせください。

(知事)
  この前に申しましたとおり、多くの方々が集まるところですとか、それから子どもたちが使う施設、あるいは病気の方とか障害のある方とか、いわゆる弱い立場にあるような方々が使われるような施設について、アスベストが使われているのかどうかなど、漠然とした道民の方々の不安があることに対処するために、こういったものを作らなければならないと申し上げたところですが、それぞれの分野ごとに調査を進めているところです。まず、道有施設につきましては、以前に申し上げたとおりですが、ロックウールの吹き付け部分も含めて再調査を予定しております。それから、学校施設は、道立学校、市町村立学校、私立学校などの調査をやっているところです。7月末で480施設から報告が出てきていますが、さらにこの学校施設の調査を行っているところです。市町村施設、これは庁舎や市町村の公共施設、公営住宅などですが、9月くらいを一つの期限として、調査を実施しております。民間の施設、これがたくさんあると想像されるわけですが、まずは500平方メートル以上ということで、これも9月くらいをとりあえずの期限として調査をかけているところです。これは、民間のご協力が大前提ですので、是非、マスコミの方々からも、道民の不安を除去するために、道からの調査に協力をしていただくようにおっしゃっていただければと思う次第です。また、社会福祉施設、あるいは病院などについても、今後、調査を予定しているところでして、先程申しました多くの方々が集まるようなところ、子どもが使うようなところ、社会的に弱い立場にあるような方々が使うような施設を中心に、できる限り多くの施設をカバーするようなアスベスト台帳の作成というものを、年内をめどにやっていきたいと考えております。

(uhb)
  東京はかなりざわついているようですが、知事は、夏休みはどのような期間で、どんなふうにお過ごしなさるおつもりでしょうか。

(知事)
  今のところ、何もなければ、お盆の週、一週間休ませていただこうと思っています。一昨年のように台風が来れば休みもなくなりますが、今のところは、そういう予定にしています。

(uhb)
  月曜日に、総選挙となった場合にも。

(知事)
  それはそのときに考えます。

(北海道新聞)
  道警問題ですが、提出された資料を見て、知事として率直に15年前はあったのかなという思いがあるのでしょうか。それと、信ぴょう性について判断できない状況ではありますが、率直にどう思ったか、お聞かせ願いたいというのと、15年前にそういうものがあったとして、今現時点ではなかったか、あったかというご判断はどのようにお考えになっているかをお伺いしたいのですが。

(知事)
  この資料を皆さんご覧になっていますよね。私は先程申し上げましたとおり、この資料自身は共産党さんから頂いたものと一緒でございまして、私どもの職員は黒塗りが取れているものを拝見させていただいております。しかしながら、ご本人に確認しましたところ、道庁に提出する書類は、黒塗りのものを提出したいとおっしゃったので、共産党さんからお預かりしている資料でよろしいですかと申し上げたら「そうだ」とおっしゃったので、あえてこの資料のコピーを取る必要はなく、このものを私どものものとして持っているわけですが、いろいろな費目が書いてあって、手書きのものを、よく勇気を持って出されたということは思う次第です。それが一つの感想ですね。一方で、今回4費目を調査させていただいたわけですが、それ以外の費目というのは、その後、様々な制度変更がありましたよね。たとえば、情報開示制度というものはどんどん進んでおりまして、捜査用報償費については、議会でもいろいろな議論がありまして、監査委員会事務局にも確認したら、守秘義務がある監査委員事務局への捜査用報償費に関連する資料は、少しずつ黒塗りの部分が少なくなってきたという話しをお伺いしておりますし、それ以外のここにあるような費目は全部開示されているものであります。15年前には、本当にそれが、いわゆる裏金としてどのように使われたかというところは、ご本人のご証言以外にはございませんので、推察する以外にないわけです。私は嘘を付いているとは思いませんので、先程申しましたとおり、相当昔から組織的に道警におけるこういった裏金化というものがなされていたのであろうということは、改めて認識させていただいたところです。何回も、ご本人に確認させていただいたのですが、私どもとしては、書類の残っている期間でないと、何もできません。残念ながら、そこについては情報はないということでございましたので、先程申し上げたような判断、今回は、改めて調査などを行うことができるようなものではない、というように判断いたしたところです。しかしながら、これも先程の繰り返しになりますが、もちろん書類の残っている期間において、不適正執行があったことを証するような具体的な情報があれば、道議会でのときには実名ということも強く言いましたが、今回のように私どもが直接確認させていただけるような形であれば、匿名でのご証言というのもありだと思いますが、やはり、相当コストをかけて行う監査になるわけですので、去年で言えば、斎藤メモのようなものが出てくれば、私は当然しかるべき措置を取らなければならないと思っているところです。  

 


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